C04悩み解決
脂漏っぽさが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
1枚の布で最後まで拭くと、さっき取ったものを次の場所へ移していることになります。脂漏っぽさの対処法でいちばん効くのは、布の面を替える回数と、手をつける場所の順番です。道具の種類は、そのあとの話になります。皮脂は水のように乾いて消えるものではないので、拭くという動作は「落とす」より「移す」に近いものです。移す先を毎回新しくしないと、同じ量を被毛の上で動かしているだけになります。この記事では、脂漏っぽさが集まりやすい狭い場所から順に、面を替えながら進める手順をまとめます。
脂漏っぽさは、拭くと移動する
背中を触ると指がすべる、被毛の根元がしっとりしている、洗って数日で手ざわりが戻る。こうした状態をまとめて脂漏っぽさと呼んでいます。皮脂そのものは、体を守るために毎日出ているものです。問題になるのは量よりも、出たものが地肌と被毛の根元に留まり続けることのほうです。
ここで対処法の前提をひとつ置き直します。皮脂は、拭いてもその場から消えません。水分なら拭いたあとに乾いて減りますが、油は乾きません。布に移るか、隣の毛に移るか、そのどちらかです。つまり拭くという動作は、落とす作業というより、移す作業に近いということになります。
| 落とすと考えると | 移すと考えると | |
|---|---|---|
| 布の使い方 | 1枚で全身を拭ききる | 1か所ごとに面を替える |
| 力の入れ方 | 取れるまでこする | 押し当てて、待つ |
| 始める場所 | 気になる広い面から | 皮脂が集まる狭い場所から |
| 終わりの決め方 | 手ざわりが変わるまで | 決めた場所を終えたら止める |
右の列に寄せるだけで、犬に触れている時間は短くなります。やることの数は増えません。変えるのは、順番と布の面だけです。脂漏っぽさへの対処法として、いちばん手を入れやすいところでもあります。
皮脂が気になると洗う回数を増やしたくなりますが、洗うたびに地肌のうるおいも一緒に流れます。洗う間隔はそのままにして、拭いて移す手当てを毎日のほうに足すほうが安定します。洗う回数の見直しは、動物病院で皮膚の状態を診てもらってから決めるのがいちばん確実です。
家でできる脂漏の手順は、狭いところから
対処法の手順は、面積の狭い順に組みます。皮脂は全身から均等に出ているわけではありません。出口が集中している場所があり、そこは面積が狭いのが特徴です。狭い場所を先に片づけると、残るのは薄く広い面だけになります。逆に広い背中から始めると、狭い場所に届く頃には布の面が残っていません。
皮脂が集まりやすい4か所
犬の体の図。しっぽのつけね、背中の中央、首の下、耳のうしろの4か所に番号が付いている。
1
2
3
4
- 1しっぽのつけね 自分の口も人の手も届きにくい
- 2背中の中央 面積が広い。最後にまわす
- 3首の下 首輪の内側。蒸れやすい
- 4耳のうしろ 毛が薄く、地肌が近い
用意するのは、乾いたタオル1枚と、湿らせたタオル1枚だけです。湿らせるのはぬるま湯で、絞ったあとに水がしたたらない程度にします。濡らしすぎると、乾かす工程がそのぶん重くなります。
-
乾いたブラシで、根元を起こす
毛の流れに逆らって、指で分けながらブラッシングします。表面をなでるのではなく、地肌が見える幅まで開くのが目的です。ここで浮いたものは、あとの工程で移しやすくなります。
-
狭い1か所を、湿らせた面で押さえる
しっぽのつけねか首の下から始めます。こすらずに、3秒ほど押し当ててから離してください。油は摩擦ではなく、接触した時間で移ります。
-
面を替えて、次の1か所へ
タオルをたたみ直して、使っていない面を出します。ここが手順のいちばん大事なところです。同じ面で次に行くと、いま移したものを持っていくことになります。
-
最後に、広い面を乾いた布でならす
背中の中央は最後です。乾いたタオルで、毛の流れに沿って一方向になでます。往復させないでください。往復は摩擦になり、次の日の手ざわりを悪くします。
-
地肌が湿っていないか確かめる
終わったら、首の下と耳のうしろの根元を指で触ります。ひんやりするなら、まだ乾いていません。湿ったまま終えると、においの出やすい条件が残ります。
全部で5分ほどです。4か所すべてを毎日やる必要はありません。その子で先に手ざわりが戻る場所は決まってくるので、2か所だけを日課にして、残りは週末にまわす形でも構いません。
同じ面で拭き続けると、やり方が裏目に出る
脂漏っぽさのやり方でつまずくところは、だいたい決まっています。どれも丁寧にやろうとした結果として起きるので、手を抜いたせいではありません。
- 1枚の面で最後まで拭く:前半で移したものを、後半の場所へ配って歩くことになります。拭いた直後だけ手ざわりが良く、翌日に戻るときは、たいていこれです
- 広い背中から始める:面が先に埋まるので、狭い場所に届く頃には移す先が残っていません。順番が逆になっているだけで、やっていることは同じです
- 取れるまでこする:摩擦は皮脂を移しません。動かしているのは毛のほうで、被毛がもつれると根元に空気が入らなくなります
- 洗う回数を増やす:一時的には減りますが、地肌のうるおいも一緒に減ります。数日で戻る感覚が強くなるのは、このためです
共通しているのは、移す先を用意しないまま動かしているという点です。布の面を替えるだけで、手数を増やさずに向きが変わります。
地肌が赤い、じゅくじゅくしている、においが強い、同じ場所を舐め続けている。こうした状態のときは、拭く・こするという動作そのものが負担になります。家庭でのやり方を続けずに、動物病院にご相談ください。
脂漏を毎日みるときの分量
対処法を毎日続けるための分量にも、目安があります。毎日やる分量は、狭い場所を2か所までにしてください。全身を毎日やろうとすると、続かないうえに触る時間が長くなります。脂漏っぽさは数日単位でゆっくり動くものなので、1日の手数より、同じ手順を続けられるかどうかで結果が変わります。
確かめ方も決めておくと迷いません。洗った日を0日目として、何日目に手ざわりが戻るかを数えます。その日数がその子の基準になります。先週は5日、今週は2日、というように短くなっていくときは、家庭のやり方だけで見ている段階ではありません。
- 地肌が赤い、黒ずんできた、かさぶたがある
- においが数日続く、洗った直後から戻りが早い
- 同じ場所の毛が薄くなってきた、フケが毛にくっつく
- 本人がその場所を気にして、舐める・かく時間が増えた
- 手ざわりが戻るまでの日数が、週単位で短くなっている
いずれかに当てはまるときは、家庭でのケアを続ける前に動物病院にご相談ください。受診のときは、洗った日と、手ざわりが戻るまでの日数をメモして持っていくと話が早くなります。診察の前に洗い直したり、気になる場所を拭いてしまったりしないでください。
しっぽのつけねと耳のうしろは、その子の口も前足も届かない場所です。皮脂の出口が集まっているのに自分では動かせないので、人が布を当てるまで、そこに留まったままになります。この2か所だけは、人が代わる場所だと考えてください。そのうえで洗う日に使うものを見直すなら、mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分をアミノ酸系だけにして量も減らし、減らしたぶんを原料の水に使った電解水が埋めています。余分な皮脂と油は乳化して落ちるのに、落としすぎないので、洗い上がりを戻すためのトリートメントの工程が要りません。
工程が1つ少ないことは、この記事の数え方と相性があります。洗った日を0日目にして手ざわりが戻るまでの日数を数えるとき、途中に工程が多いほど、どれが効いたのかが分からなくなるからです。対処法を比べるつもりなら、比べる側の工程はできるだけ少なくしておいてください。
数え方さえ決まっていれば、脂漏っぽさは感覚ではなく日数で見られるようになります。毎日やるのは狭い2か所と、布の面を替えることだけです。これを1か月続けると、その子の背中が何日目に戻るかが、指で触って確かめる前に分かるようになります。分かるようになると、洗う日をいつに置くかも自分で決められます。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- タオルは何枚くらい用意すればいいですか?
- 1枚でも足ります。大事なのは枚数ではなく、面を替えられるかどうかです。大きめのタオルをたたんで使えば、8面ほど取れます。1か所ごとにたたみ直して、使っていない面を出してください。ペーパータオルを使う場合は、1か所ごとに替えます。
- ブラッシングは、湿らせる前と後のどちらですか?
- 前です。乾いた状態で根元を起こしておくと、地肌の近くに空気が入り、湿らせた面が届く範囲が広がります。湿らせてからブラシを入れると、毛が寄って束になり、根元に届きにくくなります。
- 洗う回数を増やしたほうが早いのではありませんか?
- 洗う回数は自己判断で増やさないでください。皮脂と一緒に地肌のうるおいも流れるため、戻るまでの日数がかえって短くなることがあります。洗う間隔を変えるかどうかは、皮膚の状態を診てもらったうえで決めるのが確実です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
