C05犬種・猫種別ケア
ペルシャはなぜ涙やけが起きやすいのか。長毛から考える
ペルシャの顔をぬらしたあと、指で目の下の毛を起こしてみると、表面は乾いているのに根元がまだ湿っていることがあります。短い毛の猫なら、同じ場所は数分で乾いています。顔の毛が体の毛と同じくらい長いと、乾くまでにかかる時間もそれだけ延びます。ペルシャの涙やけを考えるとき、先に見るのは涙の量ではありません。その毛が1日のうち何時間濡れていたか、のほうです。同じだけ涙が出ていても、乾く時間が違えば毛に残る色の濃さは変わります。この記事では、なぜ濡れている時間が色を決めるのかを先に書き、そのあとで「拭くこと」ではなく「拭いたあとの1分」に手を入れる順番をまとめます。
涙の量ではなく、濡れている時間|ペルシャの涙やけを見る順番
涙は、目に異常がなくても一日じゅう少しずつ出ています。まばたきのたびに目の表面をならし、余ったぶんが目頭からあふれて下へ落ちます。ここまでは、どの猫でも同じです。違うのは、あふれた涙を受け止める毛の長さです。ペルシャは顔の毛が短く刈り込まれておらず、体の毛とほとんど同じ長さで生えています。目のまわりに落ちた涙は、その長い毛にそのまま吸われます。
毛が濡れると、毛どうしがくっついて束になります。束になった毛のあいだには空気が通りません。空気が通らない場所は、乾きません。短い毛なら束になっても厚みが数ミリなので、表面から風が抜けて数分で乾きます。長い毛が束になると、外側だけが先に乾いて、内側の根元は湿ったまま残ります。指で毛を起こすと湿っている、というのはこの状態です。
毛が変色するのは、濡れている時間が長いほど進みます。涙に含まれる成分が毛にしみ込み、そこに空気が当たって色が変わっていく。1回にどれだけ涙が出たかより、その涙が毛の上に何時間いたかのほうが、毛の色の残り方に効きます。ペルシャの涙やけが「よく拭いているのに濃い」と感じられるのは、拭いたあとに濡れている時間が新しく足されているからです。
| 毛が短い場合 | ペルシャのように顔の毛が長い場合 | |
|---|---|---|
| 涙が落ちる範囲 | 目のまわりの狭い範囲 | 毛が伸びた先まで、下へ伝う |
| 濡れた毛の厚み | 数ミリ | 体の毛と同じ厚みになる |
| 空気の通り方 | 表面から根元まで抜ける | 外側だけ抜けて、根元に残る |
| 乾くまでの目安 | 数分 | 数十分から、場所によっては半日 |
| 1日の合計 | 濡れている時間が積み上がらない | 拭くたびに時間が足されていく |
| 見た目に出るまで | 変色まで時間がかかる | 同じ量でも色が早く濃くなる |
順番を整理します。ペルシャの涙やけに手を入れるとき、最初にやるのは色を落とすことではありません。いま濡れている場所がどこまで広がっているかを、指で確かめることです。目頭から下へ向かって指で毛を起こしていき、湿りが終わる場所を探します。そこまでが、その子の顔で乾かす対象になる範囲です。範囲が分からないまま拭き始めると、濡れる面積のほうが先に広がります。
色のついた毛は、こすっても取れません。変色しているのは毛の内側で、表面についた汚れではないからです。力を入れてこすると、目のまわりの薄い皮膚が赤くなります。すでに色が入ってしまった毛は、生え変わるまでそのままです。手を入れられるのは、これから濡れる毛のほうです。今日きれいにすることより、明日濡れている時間を短くすることを目標にしてください。
拭いてから乾かすまでを1分で終える|ペルシャの顔に入る手順
手を動かす前に、道具を先にそろえます。要るのは3つです。固く絞った湿った面がひとつ、乾いた面がふたつ。この配分が手順の中心になります。湿った面のほうが多い日は、その日は顔を濡らしただけで終わります。乾いた面を2枚用意するのは、1枚目が水分を吸ったあとに、もう1枚で押さえ直すためです。
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指で毛を起こして、濡れている範囲を先に決める
目頭に指を当て、下へ向かって毛を起こしながら湿りをたどります。湿りが終わったところが、その日に手を入れる下の縁です。ここを決めておくと、要らない場所まで濡らさずに済みます。ペルシャは顔の毛が長いので、日によって湿りの届く先が変わります。毎日同じ範囲だと決めつけないでください。
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乾いた面で、まず水分を移す
湿った面を持つ前に、乾いた面を当てます。こすらず、当てて3秒置いて、そのまま離す。これを場所をずらして数回くり返すと、いま毛に残っている水分が布に移ります。この一手を最初に入れるだけで、そのあとの拭き取りで足される水分が減ります。乾いた面を先に持つことが、このあとの30秒を生かす条件になります。
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湿った面で、色のついた毛を一方向になでる
ここで初めて湿った面を使います。往復させず、目頭から外へ向かって一方向に2〜3回。目に向かう向きには動かさないでください。布はしっかり絞って、押したときに水が出ない状態にします。含ませる量が多いほど、あとで乾かす時間が延びます。落ちない色は、この場では落ちません。
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2枚目の乾いた面で、根元から毛先へ押さえる
湿った面を置いたら、すぐ乾いた面に持ち替えます。ここが手順の要です。根元に指を添えて毛を起こし、その根元から毛先へ向かって布で押さえていきます。表面をなでるのではなく、束になりかけた毛を開きながら水分を移す動きです。30秒ほどかけてください。この1分に届かないと、拭き取りは濡らしただけになります。
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最後に指で毛を起こして、空気を通す
布を置いて、指の腹で毛を根元から軽く起こします。束になった毛が分かれて、空気が入ります。ここまでやって、拭き取りはひと区切りです。30秒ほど待ってからもう一度触り、まだ湿っていたら乾いた面をもう一度当てます。ペルシャの顔は、風が当たらないと乾きません。指で開くことが、その風の通り道をつくる代わりになります。
全部で1分ほどの手順です。長くやる必要はありません。大事なのは、湿った面と乾いた面を持つ時間の比率です。湿らせた時間が10秒なら、乾かす時間は30秒以上。この比率が逆転している日が続くと、拭くほど毛の色は濃くなっていきます。ペルシャの涙やけで見直す場所は、拭き方そのものより、拭いたあとにどれだけ乾かしたかのほうです。
mofuwa スキンケアミスト を使うときは、顔に直接吹きかけず、布に含ませてから当ててください。目のまわりそのものには当てず、涙が伝った先の頬から下の毛に使います。清涼飲料水の規格基準をクリアした電解水100%なので、ペルシャが前脚で顔をぬぐって、その脚をなめても、そこで顔を押さえ直さなくて済みます。スキンケアミスト を使ったあとも、必ず乾いた面で押さえて終わります。含ませる量が多いほど、そのあとに乾かす時間が延びるからです。濡らして終わる日をつくらない、というのがペルシャの顔での決まりごとになります。
拭く回数を増やすほど、濡れている時間が積み上がる
色が濃くなってくると、拭く回数を増やしたくなります。朝と昼と夜、気づくたびに目のまわりを拭く。この対応は、乾く時間が短い毛ならうまくいきます。ペルシャの顔ではうまくいきません。1回拭くごとに毛が濡れ、その毛が乾くまでに30分かかるとしたら、3回拭いた日は90分ぶんの「濡れている時間」を自分で足したことになります。
- 1日に何度も拭く:乾ききる前に次が来るので、湿った時間がつながります
- 布にたっぷり含ませる:落ちる色は変わらないのに、乾く時間だけ延びます
- 拭いてすぐ離れる:手順から乾かす工程が抜けて、濡らしただけになります
- 往復させてこする:色は落ちず、目のまわりの皮膚が赤くなります
- 顔全体を一度に濡らす:乾かす面積が増えて、根元の湿りが残ります
- 夜に拭いて、そのまま寝かせる:眠っているあいだは風も動きも止まっています
とくに見直したいのが、最後の一つです。寝る前の拭き取りは習慣にしやすいのですが、そのあと数時間、その子は同じ姿勢で眠ります。動かない時間は、乾かない時間です。寝る前に手を入れるなら、乾かす側を長めにとってください。あるいは、拭く時間帯を夕方に前倒しして、寝るまでに乾き切る余裕をつくるほうが、同じ手間で結果が変わります。
顔の毛を短く切って解決しようとする方もいます。理屈のうえでは乾く時間は短くなりますが、目のすぐ近くで刃物を扱うことになります。自宅で目のまわりの毛を切るのはおすすめしません。長さを変えたいときは、動物病院やトリマーに相談してください。家でできるのは、切ることではなく、濡れている時間のほうを短くすることです。
濡れた状態が長く続く場所は、毛の色が変わるだけでは済まないことがあります。皮膚が赤くなる、においが出る、その場所を前脚でこすり続ける。こうした変化が出てきたら、拭き取りの回数を増やす対応から離れてください。乾かす時間を先に長くとって、それでも変わらないなら動物病院にご相談ください。においがある場合は、その日のうちに相談していただくほうが安心です。
毎日は目の下だけ、週に一度は胸元まで|ペルシャの顔で線を引く場所
毎日やることと、そうでない日にやることを分けておくと続きます。毎日は、目の下の1〜2センチだけ。時間にして1分です。範囲を広げないほうが、乾かすところまで手が回ります。顔全体をていねいにやろうとすると、乾かす工程が省かれます。省かれるのは、いつも後半です。
週に一度は、涙が伝った先まで見てください。目の下から頬、あごの下、そして胸元です。落ちた涙は毛を伝って下へ移動し、そこで乾きます。色が最初に出るのは目の下ですが、湿っている時間がいちばん長いのは胸元のことがあります。ここは毛が密で、しかも下を向いているので、風がほとんど当たりません。
| 毎日(1分) | 週に一度(3〜5分) | |
|---|---|---|
| 場所 | 目の下の1〜2センチ | 頬・あごの下・胸元まで |
| やること | 水分を移して、乾いた面で終える | 指で毛を起こして、根元の湿りを確かめる |
| 湿った面を使うか | 色のついた毛に一方向で2〜3回 | 使わない日があってよい |
| 時間の配分 | 湿らせる10秒、乾かす30秒 | 確かめる時間のほうを長くとる |
| 見るところ | 変色している範囲が広がっていないか | 毛の色より、根元が湿っていないか |
猫は自分で顔を洗います。前脚をなめて、その脚で顔をぬぐう。あの動作は毛づくろいであると同時に、顔を濡らす動作でもあります。短い毛ならすぐ乾きますが、ペルシャの顔では、毛づくろいのあとにも湿った時間が続きます。そして、あごの下や胸元は、前脚も舌も届きにくい場所です。その子の毛づくろいが届かない場所と、乾かしきれない場所。人が代わるのは、その2つが重なるところです。
片方の目だけ涙が増えた、目を細めている、まぶたが腫れている、目やにが黄色や緑がかっている、まばたきの回数が増えた、目のまわりを前脚でこすり続けている、皮膚が赤くただれている、においがある。いずれかに当てはまるときは、拭き取りのやり方を工夫する前に、動物病院にご相談ください。涙やけは毛の色の話ですが、涙が増えること自体は目の側で起きています。ペルシャは顔の毛が長く、まぶたの様子が毛に隠れて見えにくいので、気づいたときには進んでいることがあります。
相談に行くときは、いつから、片目か両目か、1日に何回拭いているかの3つをメモしていってください。前の晩に念入りに拭いてから行くと、ふだんの状態が分からなくなります。当日は、いつもどおりの顔のまま連れて行くほうが話が早く進みます。
ペルシャと暮らすうえで、涙が出ること自体はなくなりません。体と同じ長さの毛が顔にあるという作りも変わりません。変えられるのは、その毛が1日のうち何時間濡れているか、という時間のほうです。拭く回数を増やすのではなく、拭いたあとの1分を足す。毎日は目の下だけ、週に一度は胸元まで。ペルシャの涙やけで手が届くのは、そこです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ペルシャの涙やけは、毎日拭いていれば薄くなりますか?
- すでに色が入った毛は、拭いても薄くなりません。変色しているのは毛の内側だからです。手を入れられるのは、これから涙が触れる毛のほうです。拭く回数を増やすより、拭いたあとに乾いた面で押さえる30秒を足すほうが、次に生えてくる毛の色に効きます。
- 目のまわりの毛を短くしてもらえば、乾く時間は短くなりますか?
- 毛が短くなれば乾くまでの時間は短くなります。ただし、目のすぐ近くの毛なので、自宅で切るのはおすすめしません。長さを変えたいときは動物病院やトリマーにご相談ください。家でできるのは、濡れている時間を短くする側の工夫です。
- 胸元の毛まで毎日拭いたほうがいいですか?
- 毎日でなくて構いません。毎日やるのは目の下の1〜2センチだけにして、胸元は週に一度、指で毛を起こして根元が湿っていないかを確かめる日をつくってください。胸元は風が当たりにくく、濡らすと乾くまでに時間がかかります。触る回数を増やすより、湿りが残っていないかを見る回数を増やすほうが向いています。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
