C12Q&A・豆知識
シャンプー後にかゆがるのはなぜ?
シャンプー後、乾かし終えて30分ほどたったころに、後ろ足で首のあたりを掻きはじめました。洗っている最中はおとなしく、流しているときも嫌がっていません。シャンプー後にかゆがるとき、理由は洗い方そのものより「すすぎ」と「乾かし方」の側にあることが多いとされています。洗剤が合わなかったのではないか、と最初に疑いたくなりますが、そこはいちばん確かめにくい候補です。そして、家で切り分けられるのは3つの候補までです。すすぎ残し、乾ききっていない、お湯の温度。この3つを、次に洗う日に1つずつ変えて確かめます。この記事では、その切り分けの手順を8つの問答に分けて書きます。断定はしません。3つを試しても同じようにかゆがるなら、そこから先は家の範囲ではない、というところまで含めて整理します。
シャンプー後にかゆがるのは、なぜですか
答えから書きます。シャンプー後にかゆがる場面でよく挙がるのは、洗い方ではなく、洗い終わってからの2つの工程です。すすぎと、乾かし方。どちらも、洗っている最中には結果が見えません。だから、洗っているときにおとなしくしていたかどうかは、手がかりになりません。
理由は、時間差です。シャンプー剤そのものが合わない場合、変化は洗っている最中か、流している最中に出やすいとされています。それに対して、すすぎ残しと乾き残しは、時間がたってから出ます。すすぎ残しは、乾いていく過程で毛と皮膚のあいだに残ったものが濃くなっていくため。乾き残しは、地肌の近くが湿ったままの時間が長くなるためです。シャンプー後、しばらくたってからかゆがるのであれば、後ろの2つのほうを先に見ます。
| いつ出たか | 先に見る場所 | 次に洗う日に変えること |
|---|---|---|
| 洗っている最中 | 洗い方と、使っているもの | その日は無理に続けず、短く切り上げます |
| 流している最中 | お湯の温度 | 温度を下げて、時間を短くします |
| 乾かしている最中 | 風の熱さと、当てている時間 | 風を弱くして、タオルの枚数を増やします |
| 乾かし終えて30分〜数時間 | すすぎと、地肌が乾いているか | すすぎ時間を倍にする、または乾かし方を変える |
| 翌日以降 | シャンプー以外の条件も混ざります | 洗う日以外の記録も一緒に取ります |
この表で言いたいのは、シャンプー後にかゆがるという1つの言葉の中に、少なくとも5つの違う場面が入っているということです。同じ言葉で相談すると、返ってくる答えもばらつきます。いつ出たかを言えるようにしておくと、それだけで見る場所が絞れます。
シャンプー後にかゆがる理由は、家の中では特定できません。できるのは、可能性の高い順に並べて、1つずつ外していくことだけです。この記事で扱うのは、そのうち家で変えられる3つの条件です。3つとも変えて同じようにかゆがるなら、家で確かめられる範囲は終わっています。そこから先は動物病院の領域なので、粘らずに切り替えてください。
シャンプー剤が合わなかったのでは、という疑問を先に置く理由
いちばん最初に浮かぶのは、たいていこの疑問だと思います。それでも、この候補は最後に回すほうが早く終わります。理由は3つあります。
- 変えたときの確認に時間がかかる:別のシャンプーに替えても、確かめられるのは次に洗う日です。1回の確認に2週間かかることもあります
- 変えると、ほかの条件も一緒に動く:新しいシャンプーは泡立ちも量も違うので、すすぎ時間も変わります。条件が2つ動くと、切り分けになりません
- 前の回まで問題がなかったなら、確率が低い:同じシャンプーを何度も使ってきて、今回だけかゆがるのであれば、変わったのはシャンプー以外です
3つ目が、判断の分かれ目です。シャンプーを新しいものに替えた直後の1回であれば、その疑問は先に確かめる価値があります。逆に、何か月も同じものを使っていて今回だけシャンプー後にかゆがるのであれば、変わったのは季節か、洗った時間か、乾かし方か、部屋の湿度です。まず、そちらを見ます。
もう一つ書いておきたいことがあります。これは、いま使っているシャンプーがよくない、という話ではありません。合う合わないはその子ごとに違いますし、同じ製品で何ともない子のほうが多いことも珍しくありません。かゆがるのはシャンプーが悪いからですと決めてしまうと、そのあと3回ぶんの確認をしないまま終わってしまいます。物の善し悪しではなく、手順のどこで起きたかを見てください。
そのうえで、この記事が扱う3つの候補を並べておきます。すすぎ残し、乾ききっていない、お湯の温度。この3つは、どれも道具を買い足さずに、次に洗う日に変えられます。1回に1つずつ変えれば、3回で一巡します。ここから1つずつ開いていきます。
すすぎ残しかどうかは、どこで見分けますか
見分ける方法はありません。正確に書くと、すすぎ残しは、残っている最中には見えません。洗い上がりの見た目でも、手ざわりでも判断がつかないので、家でできるのは「次に洗う日にすすぎを増やしてみて、違いが出るかを見る」ことだけです。
そのうえで、確率の話はできます。すすぎ残しが起きやすいのは、水が最後に抜けていく場所です。上から流していれば、下と内側が最後になります。腹の下、脇、内もも、尾のつけ根、指のあいだ。この5か所は、流したつもりでも、まだ通っていないことがあります。シャンプー後にかゆがるとき、掻いている場所がこの5か所に入っているなら、すすぎの候補を先に試す価値が上がります。
-
次に洗う日、すすぎの時間だけを倍にする
洗い方も、使うものも、乾かし方も変えません。変えるのはすすぎの時間だけです。いつも1分で終えているなら2分。時計を見るのが難しければ、いつも止めるところで止めずに、もう一巡ぶん流す、で足ります。
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下と内側から先に流す
上から流すと、下側が最後になります。順番を逆にして、腹の下と脇と内ももを先に流し、そのあと背中に移ります。最後に流した場所が、いちばんよく流れている場所になります。順番を変えるだけなので、時間は増えません。
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指のあいだは、手を入れて広げる
上から水をかけただけでは、指のあいだには通りません。片足ずつ持ち上げて、指を広げてから流します。4本ぶんで30秒ほどです。
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その日の様子を、時刻つきで書き留める
乾かし終えた時刻と、かゆがりはじめた時刻。この2つだけで足ります。次の回と比べるための、出発点の1枚です。比べる相手がないと、変わったかどうかも分かりません。
すすぎを倍にした回で、かゆがるまでの時間が延びた、あるいは掻く回数が減ったのであれば、すすぎの側に理由があった可能性が上がります。変わらなかったのなら、この候補は外して次に進みます。外せたということ自体が前進です。
乾いたとは、どこが乾いた状態を指しますか
ここは言葉の話から入ります。乾いたとは、毛の表面ではなく、地肌が乾いている状態を指します。毛の表面はいちばん早く乾くので、手のひらで表面をなでて乾いていると感じても、地肌の近くはまだ湿っていることがあります。シャンプー後にかゆがる場面で、この差はよく効いてきます。
確かめ方は1つです。指を毛の中に入れて、地肌に触れる。指の腹が冷たく感じるなら、まだ水が残っています。乾いていれば、体温のぶんだけ温かく感じます。見る場所は、いちばん乾きにくいところにします。首のうしろ、脇、内もも、尾のつけ根、指のあいだ。すすぎ残しが起きやすい場所と、ほぼ重なります。
| 場所 | 乾きにくい理由 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 首のうしろ | 毛が厚く、風が表面で逃げます | 指を立てて根元まで入れます |
| 脇・内もも | 体で挟まれて、風が届きません | 足を持ち上げて、開いた状態で触ります |
| 尾のつけ根 | 毛が集まって、密度が高い場所です | 毛を左右に分けて地肌を出します |
| 指のあいだ | 面と面が合わさっています | 指を1本ずつ広げて触ります |
| 寝床に触れる側 | 乾かしたあとに、また湿ることがあります | 翌朝、寝床の布のほうを触ります |
いちばん下の行が、見落とされやすいところです。乾かし終えた時点で乾いていても、そのあと湿った寝床に戻れば、地肌の近くはまた湿ります。朝になって寝床の布のほうが湿っているなら、乾かし方ではなく、乾かし終えたあとの場所を変える話になります。
乾かす工程そのものについても、書いておきます。タオルの枚数を増やすと、風を当てている時間を短くできます。1枚で吸いきれないときは、乾いた面に替えながら3枚まで使う。そのぶん、風の時間は短くなります。ドライヤーを嫌がる子では、これが効きます。嫌がる理由は風より音であることが多いので、本体を体から離して置き、風だけを当てる形にすると、音の大きさが変わります。風の時間が短くなれば、途中で切り上げてしまう回も減って、結果として乾ききるところまで届きます。
お湯の温度は、何度なら大丈夫かを知りたいです
数字を1つに決めることはしません。この記事で書けるのは「人が心地よいと感じる温度より、低めが目安とされている」というところまでです。具体的な温度は、季節、部屋の温度、その子の体格、洗っている時間の長さで変わります。数字を固定すると、そのどれかとぶつかります。
そのかわり、数字を使わない決め方を書きます。手の甲を当てて、熱いと感じないところ。手のひらは日ごろ熱いものに触れているので、感じ方が鈍くなっています。手の甲のほうが、皮膚の感じ方に近いとされています。温度計があるなら使ってかまいませんが、家で毎回測るのは続きません。手の甲なら、シャンプー後の記録と一緒に残せます。
- 人が入る風呂と同じ温度にしない:人の風呂の温度は、そのまま当てはめる前提の数字ではありません
- 季節で変える:冬に同じ温度にすると、洗っている時間も延びるので、条件が2つ動きます
- 洗っている時間が長い日は、さらに下げる:同じ温度でも、当たっている時間が長いほど条件は変わります
- 流し終わりの温度を見る:途中で足し湯をすると、最後だけ温度が上がっていることがあります
- 変えるのはこの回だけ、と決める:ほかの条件を一緒に動かすと、切り分けになりません
温度の候補を試す回では、すすぎ時間も乾かし方も、前の回と同じにしてください。ここが崩れると、3回かけた確認が無駄になります。シャンプー後にかゆがるかどうかを見るときに、いちばん壊れやすいのがこの部分です。良くしようとして、つい2つ3つまとめて変えてしまいます。
3つの候補を、次のシャンプー後にどう切り分けますか
ここまでの3つを、順番に並べます。1回に変えるのは1つだけ。3回で一巡します。洗う間隔が2週間なら、6週間かかります。長く感じますが、まとめて変えると何も分からないまま6週間が過ぎるので、結局こちらのほうが早く終わります。
| 回 | 変えるもの | ほかは全部そのまま | 見るところ |
|---|---|---|---|
| 0回目(記録だけ) | 何も変えません | いつもどおりに洗います | 乾かし終えた時刻と、かゆがりはじめた時刻 |
| 1回目 | すすぎの時間を倍にする | 洗い方・温度・乾かし方は同じ | かゆがるまでの時間が延びたか |
| 2回目 | 地肌まで乾かしきる(タオルを増やす) | すすぎは0回目に戻す | 掻く回数が減ったか |
| 3回目 | お湯の温度を下げる | すすぎと乾かし方は0回目に戻す | 出る場所が変わったか |
| 4回目以降 | 効いた条件を組み合わせる | 1つずつ足していきます | 組み合わせて再現するか |
2回目と3回目で「前の回に戻す」と書いてあるのが、いちばん大事なところです。効いたものを残したまま次を足していくと、どれが効いたのか分からなくなります。いったん戻してから、次の1つを変える。これを守ると、3回で候補が3つとも判定できます。
記録は、紙1枚で足ります。日付、変えたこと、乾かし終えた時刻、かゆがりはじめた時刻、掻いた場所。この5つだけです。項目を増やすと続きません。シャンプー後の様子を思い出そうとしても、2週間前のことは思い出せません。書いたものだけが比べられます。
3つとも試して、シャンプー後にかゆがる様子が変わらなかった。この結果はがっかりする形に見えますが、家で変えられる条件が3つとも外れた、という情報が手に入っています。これは動物病院で相談するときに、そのまま使えます。「すすぎを倍にしても、乾かしきっても、温度を下げても同じでした」と言えるのと、「洗ったあとにかゆがります」だけなのとでは、話の始まる場所が変わります。
切り分けているあいだ、次に洗うまでの日はどう過ごしますか
切り分けには3回ぶんの日数がかかるので、そのあいだ、次に洗うまでの日をどう過ごすかも決めておきます。結論は、洗う回数を増やさないことです。シャンプー後にかゆがるからといって、洗って流せば落ち着くのではないかと考えて回数を増やすと、条件が動いて切り分けが崩れます。
- 洗う間隔は、いつもと同じに保つ:間隔が変わると、比べる条件が1つ増えます
- 次に洗うまでの日は、拭くところまでにする:部分洗いをすると、その部分だけ条件が変わります
- 寝床の布は、いつもの周期で洗う:ここを変えると、乾かし方の判定に混ざります
- 新しいものを増やさない:新しいブラシ、新しいおやつ、新しい首輪は、切り分けが終わってからにします
- 掻いている場所は、毎日同じ時刻に見る:時刻をそろえると、日ごとの差が読めます
もう1つ、洗う日そのものを条件が動かない形にしておく手当てがあります。手で泡を立てて擦る洗い方は、その日の力の入れ方や時間で仕上がりが変わります。切り分けの3回は、同じ洗い方でそろえたいところです。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして湯そのものを洗浄液にするので、擦って泡を届かせる工程が入りません。浸かっているあいだに全身が同じだけ浸るので、背中と腹で洗い方が変わることもありません。すすぎも軽く終わるぶん、3回とも同じ長さで終えられます。切り分けをしているあいだは、人の手加減が入る場所を減らすことが、そのまま条件をそろえることになります。
使う場所も、いつもと同じにしてください。切り分け中に「今日は気になるからここも」と足すと、その回だけ条件が違ってしまいます。気になるところが増えていくのであれば、それは切り分けを続ける前に相談する場面です。次の項に書きます。
家で確かめられるのはここまで|シャンプー後にかゆがるのが繰り返すとき
最後に、線を引きます。家で確かめられるのは、すすぎ・乾かし方・お湯の温度の3つまでです。ここから先は、原因を家で特定しにいく場面ではありません。3回ぶんの記録を持って、動物病院にご相談ください。
掻いたところの地肌が赤い、毛が薄くなってきた、同じ場所をなめ続けている、傷ができている、においが強くなった、かゆがる時間が日ごとに長くなっている、洗った日以外もかゆがる、食欲や元気が落ちている。これらのどれかが重なっているときは、3回の切り分けを終わらせるより先に、動物病院にご相談ください。切り分けは、様子が横ばいのときに使う方法です。悪くなっている最中には向きません。
相談するときは、この記事で書いた記録をそのまま持っていくと話が早く進みます。いつ洗ったか、乾かし終えた時刻、かゆがりはじめた時刻、掻いた場所、何を変えたか。紙1枚でかまいません。シャンプー後にかゆがるという言葉だけでは、洗っている最中なのか、数時間後なのかも伝わりません。時刻が入っているだけで、見てもらえる範囲が変わります。
最後にもう一度、答えに戻ります。シャンプー後にかゆがるとき、理由は洗い方より、すすぎと乾かし方の側にあることが多いとされています。だから、まずその2つを疑い、次にお湯の温度を疑う。1回に1つずつ変えて、3回で一巡する。そして、家で確かめられるのはそこまでです。3つとも外れたという結果は、行き止まりではなく、次に相談するときの出発点になります。手順を1つずつ動かすほうが、原因を当てにいくより早く終わります。
Product
mofuwa 入浴シャンプー
400ml / 3,410円(税込)
浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
