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眼刺激性試験とは?目のまわりに使う条件

公開日 2022年12月16日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、目をはっきり開けたまま落ち着いている淡い色の犬
目のまわりに使うかどうかは、手ざわりではなく、確かめた記録があるかどうかで分かれます。写真:Jessika Arraes/Pexels

ケア用品の裏面に「眼刺激性試験済み」という一行を見つけて、それが何を調べた試験なのかを調べたことがあります。出てきた説明はどれも一行で終わっていて、その先が書かれていませんでした。先に定義を置きます。眼刺激性試験とは、目に入ったときにどうなるかを、決められた条件で調べる試験です。この表示があるということは、作り手が目のまわりで使う場面を想定して、そのうえで確かめた記録を持っている、ということを指します。逆に言えば、通っていないものは、目のまわりで使うことを想定していません。この記事は、その試験の中身を開く読みものです。何が確かめられていて、何は確かめられていないのか。そして、その言葉を知ったあとに、家の棚の見え方がどう変わるのかまで書きます。

眼刺激性試験とは、目に入ったときを決められた条件で調べる試験のこと

定義から始めます。眼刺激性試験とは、その製品が目に触れたときにどうなるかを、あらかじめ決められた条件のもとで調べる試験のことです。化粧品や日用品の分野で使われている言い方で、決められた手順で確かめ、基準を満たしたものが「眼刺激性試験済み」「眼刺激性試験をクリア」と表示できる、という形になっています。

この定義でいちばん重いのは、真ん中の「決められた条件」という部分です。試験というのは、何をどう確かめたかが決まっているから、結果を並べて比べられます。条件が製品ごとにばらばらなら、通ったという表示があっても、それぞれが違うことを言っているだけになってしまいます。眼刺激性試験とは、その条件のほうを先に固定してある試験です。

では、何が決まっているのか。細かい数値は分野や手順によって違うので、ここでは決まっている項目のほうを並べます。項目が決まっていることが分かると、「試験を通った」という一行が、どのくらいの幅を持った言葉なのかが見えてきます。

眼刺激性試験で、あらかじめ決められている項目
決まっていること何を固定しているかなぜ固定するのか
使う量どれだけの量で確かめるか量が変われば結果も変わるため
触れさせる場所目のどこに触れた状態を見るかまわりの皮膚と、目の表面は別だから
時間触れてから、どのくらい様子を見るかすぐ出る変化と、あとから出る変化を分けるため
観察する項目何をもって刺激とみなすか見る人によって判断が変わらないようにするため
判定の基準どこまでなら基準を満たすとするか通った・通らないの線を、外から検証できるようにするため
誰が実施したか自社か、外部の検査機関か同じ試験条件でも、確かめた人が違えば書き方が変わるため

この6項目のうち、家にいる私たちが確かめられるのは最後の1つだけです。残りの5つは、試験を実施した側の記録の中にあります。だから「眼刺激性試験済み」という表示は、こちらから中身を検算できる種類の情報ではありません。それでもこの表示に意味があるのは、その一行を書くために、作り手が目のまわりという場所をわざわざ切り出して確かめた、という事実が残るからです。

Note「通った」は、線のこちら側にいるという意味です

眼刺激性試験とは、点数を競う試験ではありません。あらかじめ引かれた線の、こちら側に収まっているかどうかを見る試験です。だから「よく通った」「ぎりぎり通った」という差を、表示から読み取ることはできません。読み取れるのは、線のこちら側にいる、という一点だけです。この一点を、必要以上に広く読まないこと。それが、この言葉とつきあううえでいちばん大事なところになります。

皮膚の試験とは別に、目だけを分けて確かめる理由

ここからが、この言葉を知ると見え方が変わるところです。体に使うものの試験と、目に対する試験は、別々に用意されています。片方を通っていても、もう片方の話は何も言えません。理由は、目という場所の条件が、体のほかのどことも違うからです。

この6つのうち、上の2つが「別に確かめる理由」で、下の4つが「犬や猫では、なおさら別に確かめてほしい理由」です。人が自分で使うものなら、しみた時点で洗い流して、次から使うのをやめられます。犬と猫では、その判断の全部がこちら側に乗ります。だから、目のまわりで使う前提のものかどうかを、使う前に決めておく必要があります。

もう一つ、混同されやすい線を引いておきます。「顔まわり」と「目のまわり」は、同じ範囲を指す言葉ではありません。口のまわり、あご、耳の外側、鼻の上。これらは顔ですが、皮膚です。目のまわりというのは、まぶたと、そのすぐ外側の毛が生えている部分を指します。眼刺激性試験とは、この後者だけを切り出して確かめた試験のことです。顔に使えると書いてあることと、目のまわりに使えると書いてあることは、別の表示です。

顔のどこに手を入れるかで、確かめておきたいことが変わる
場所どういう条件の場所か使う前に見ておくもの
口のまわり・あご皮膚。ただし舐める前提の場所口に入る前提で作られているか
耳の外側皮膚。奥は範囲の外耳の中に入れる想定かどうか
鼻の上・額皮膚。毛の量が多い体に使うものと同じ扱いで足ります
まぶたの外側の毛目のまわり。試験の対象になる場所眼刺激性試験の表示、または用途の明記
目そのものどの試験でも範囲の外ここは家で手を入れる場所ではありません

表のいちばん下は、線を引いておきたいところです。眼刺激性試験の表示があっても、目そのものに入れる使い方は想定されていません。この試験が見ているのは、まわりに使ったものが目に触れてしまったときのことです。最初から入れることを想定した試験ではありません。犬や猫の顔まわりのケアでは、まぶたの外側までが手を入れる範囲で、そこから内側は範囲の外になります。

通っていても言えないことがある|眼刺激性試験の読み方の考え方

ここがこの記事の中心です。眼刺激性試験を通っているという表示から、言えることと言えないことを、はっきり分けておきます。この分け方を持っていないと、通っているという一行が、実際に確かめられた範囲より広く読まれてしまいます。

書いてはいけない言い方も、並べておきます。眼刺激性試験を通っているので安全です 試験済みだから、目のまわりでも心配いりません。この2つは、確かめた記録の話と、これから起きることの話をつないでしまっています。試験が言っているのは過去のことで、これから使う1回について何かを約束しているわけではありません。「安全」という言葉を使うなら、その根拠として、どの試験条件で何を確かめたのかを必ず一緒に置いてください。

もう一段、広げておきます。ケア用品の裏面や製品ページには、眼刺激性試験のほかにも、いろいろな試験や記録の名前が並んでいることがあります。名前が違うということは、確かめている中身が違うということです。数が多いほうが良い、という読み方をしてしまうと、目のまわりの判断には使えない記録まで数に入ってしまいます。

試験・検証・登録は、それぞれ違うことを確かめている
記録の種類何が確かめられているかそこから言えないこと
眼刺激性試験決められた試験条件で、目に触れたときの刺激を見た記録どの子にも何も起きない、ということ
生菌の数を数える試験試験条件のもとで、決められた時間のあとに生菌が検出されなかったという記録(検査機関に依頼したもの)目のまわりで使ってよい、ということ
水分の浸透を比べた検証精製水と比べたときの浸透のしやすさ(自社検証)目のまわりについての何か
特許5253483という登録電解水をつくる技術が、新しいものとして登録されたこと効き目が証明された、ということ
清涼飲料水の規格基準成分の純度について、外にある物差しを1つ借りた記録飲み物として売れる、ということ
「低刺激」「やさしい」の表示作り手が設計上そう呼んでいる状態目のまわりの判断に使えること

この表で、いちばん誤解が起きやすいのは4行目です。特許は「新しい技術として登録された」ことを示すものであって、効き目を証明したものではありません。特許5253483が登録しているのは電解水をつくる技術の側であって、できた水を目のまわりに使ってよいかどうかは、その番号からは何も分かりません。番号が大きいことにも、件数が多いことにも、目のまわりの話は含まれていません。

2行目の生菌の試験も同じです。検査機関に依頼して、試験条件を決めて確かめた記録があるということと、目のまわりで使えるということは、まったく別の話になります。試験の名前を数えるのではなく、自分がいま知りたい場所の試験があるかどうかを見る。眼刺激性試験とは、そのうちの「目のまわり」という1か所を担当している試験のことです。

Caution確かめた記録は、使ってよいという許可ではありません

ここは何度でも書いておきたいところです。試験は、決められた条件で確かめた過去の記録であって、これから使う1回についての許可ではありません。初めて使うものは、目のまわりであってもなくても、いきなり広い範囲には使わないでください。少量から始めて、その日と翌日の様子を見る。表示を読むことと、その子で確かめること。どちらか一方だけでは足りません。

表示を1行読むだけで、棚の見え方に出た変化|眼刺激性試験を知ってからの経験

この言葉を知ってから、変わったことが1つあります。棚の前で手に取ったものを、裏返して読む順番が決まりました。以前は成分の欄から読んでいましたが、いまは先に用途の欄を読みます。どこに使う前提で作られたかが書いてあるのは、そこだからです。かかる時間は10秒も変わりませんが、判断が止まらなくなりました。

  1. 用途の欄を先に読む

    「全身に」「顔まわりに」「目のまわりに」。どこまでが範囲として書かれているかを見ます。ここに目のまわりが書かれていなければ、その先を読む必要はありません。成分から読み始めると、範囲の話にたどり着く前に、判断のほうが先に終わってしまいます。

  2. 試験の名前が書かれているかを見る

    容器、外箱、作り手のサイトの製品ページ。この3か所のどこかに書かれます。容器に書ききれないぶんが、箱かページに回っていることがあります。1か所だけ見て「書いていない」と決めないほうが、選べる幅は広がります。

  3. 何も書かれていないときの決め方を、先に決めておく

    書いていない理由は、想定していないか、想定していても表示していないかのどちらかで、外からは区別がつきません。区別がつかないものは、目のまわりには使わない。この一行を決めておくと、棚の前で毎回悩まなくてよくなります。

  4. 分からなければ、作り手に聞く

    「目のまわりに使う想定はありますか」。この一文で足ります。眼刺激性試験の有無を尋ねるより、想定している使用範囲を尋ねるほうが、答えが返ってきやすくなります。返ってきた答えは、次に選ぶときにもそのまま使えます。

この4つを続けていると、もう一つ変化が出ました。目のまわりに使うものと、体に使うものを、家の中で分けて置くようになったことです。同じ棚に並べていると、急いでいるときに手が伸びるほうが変わります。目のまわり用は洗面所の上の段、体用は下の段。置き場所で分けてしまうと、判断する回数そのものが減ります。

顔のほかの場所は、目のまわりとは別の考え方で選べます。この記事の表でいえば、いちばん上の行、口のまわりとあごです。ここは皮膚ですが、そのあと舐める場所なので、確かめておきたいのは「口に入る前提で作られているか」という一点でした。mofuwa スキンケアミストは、この問いに対して、清涼飲料水の規格基準をクリアしているという記録を持っています。成分の欄を自分で読み解いて決めるのではなく、口に入ってよいかどうかという、外にある物差しを1つ借りて示している形です。うちでは食後に、口のまわりとあごの下だけ、布に取ってから当てています。ただし、これを目のまわりへ持っていくことはしていません。口の物差しと、目の物差しは別のものだからです。目のまわりは、そこを想定して確かめた記録があるものだけを使う。その線をそのまま守っています。

Caution目のまわりに変化があるときは、拭き取りを増やす前にご相談ください

目やにが急に増えた、まぶたのふちが赤い、まばたきの回数が増えた、片方の目だけしょぼしょぼしている、目のまわりを前足でこすっている、顔を床にこすりつける動きが続いている。こうした変化があるときは、拭き取りの回数を増やしたり、使うものを替えたりする前に、動物病院にご相談ください。目のまわりは、家で確かめられる範囲がいちばん狭い場所です。いつからか、片方か両方か。この2つを言えるようにして行くと、話が早く進みます。

最後に、この記事の一行に戻ります。眼刺激性試験とは、目に入ったときにどうなるかを、決められた条件で調べる試験です。その表示が意味しているのは、目のまわりに使うことを想定して確かめてある、という一点だけでした。それ以上でも、それ以下でもありません。そして、通っていないものは、目のまわりを想定していない。棚の前で線を引く場所は、この2行のあいだにあります。用語を1つ覚えることで変わったのは、知識の量ではなく、手が止まる場所のほうでした。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。