C11比較・選び方

洗い流すシャンプーと、浸かるだけの入浴剤

公開日 2022年12月14日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の木の床に、落ち着いて立っている中型犬
洗い方を決めているのは洗浄成分の強さではなく、その子が立っていられる分数のほうです。写真:https://kaboompics.com//Pexels

売り場で入浴シャンプーのボトルを裏返し、使い方の欄を最後まで読んだところで手が止まります。「お湯に溶かして5分から10分」としか書いておらず、いま家でやっている泡を立てて流す洗い方と比べて、どちらが自分の家に向くのかが読み取れないからです。この2つの違いは、洗浄成分の強さでも、時短かどうかでもありません。洗浄成分を地肌へ届ける仕事を、人の手にやらせるか、湯そのものにやらせるかという1点です。そこが分かると、その子が浴室で立っていられる分数と、その日に使える手の数だけで、どちらを主にするかが決められます。

地肌に届くまでに、人の指が何回入るか|入浴シャンプーの見分け方は洗浄成分の経路にある

泡を立てて洗う方式では、洗浄成分が地肌に届くまでに、人の指が必ず一度入ります。シャンプー液は最初、被毛のいちばん外側にのります。そこから地肌まで下ろすのは指の仕事です。背中のように毛が一方向に寝ている場所なら数回で下りますが、首の後ろ、脇の下、内股のように毛が重なって渦を巻いている場所は、かき分けても途中で止まります。洗い上がりに「ここだけ洗えていない気がする」と感じるのは、勘ではなく経路の問題です。

泡を立てる洗い方で、洗浄成分が地肌に届くまでの経路 シャンプー液は被毛の外側にのるところまでは自動で進みますが、そこから地肌までは人の指がかき分けて下ろします。この工程の長さが、その子が浴室で動けずにいる時間になります。 泡 毛の外 かき分け 指の仕事 地肌 届く量 指で下ろす 重なる所は止まる かき分けているあいだ その子は動けずに立つ 毛が厚いほど時間が伸びる 湯そのものを洗浄液にすると かき分ける工程がなくなる 浴室にいる時間が短くなる
届かない場所があるのは洗い方が下手だからではなく、指が入る工程が挟まっているからです。

浸かる方式は、この経路そのものを持ちません。湯に溶かした時点で、湯が洗浄液になります。体が沈んだ面は、毛が寝ていようが渦を巻いていようが、同じ濃さの液に触れています。かき分けなくていいのは手間の話に見えますが、実際に変わるのは、届いた場所と届かなかった場所の差のほうです。擦らないので、地肌をこする物理的な刺激も入りません。

売り場での入浴シャンプーの見分け方そのものは難しくありません。使い方の欄に「お湯に溶かす」「◯分浸ける」とあれば浸かる方式、「泡立てて」「よくすすぐ」とあれば洗い流す方式です。迷うのは、「つけ置き」と書かれた品が両方の側に存在するからです。つけ置きは浸けておく時間を指す言葉なので、そのあと流す工程があるかどうかまで読まないと、どちらの方式なのか決まりません。犬のつけ置きシャンプーを探している人がいちばん引っかかるのがここです。

この違いを押さえておくと、成分表示の読み方も変わります。洗い流す側は、被毛の外側から地肌まで下ろす道中で泡が消えないことが要るので、泡の持ちが設計の前提になります。浸かる側は泡を立てないので、その前提が要りません。同じ「シャンプー」という名前でも、設計している場所が違います。

立っていられる分数を先に測る|犬の入浴シャンプーは、時期より脚のほうで決まる

洗い方を決めるのは、季節より先に、その子が浴室で立っていられる分数です。泡を立てて洗い、すすいで、水気を切るまでの一連は、中型犬で10分から15分ほどかかります。このあいだ、その子はずっと立っています。脚が震えてくる、座り込む、浴槽のふちに前脚をかける。この3つのうちどれかが毎回出るなら、分数のほうが先に限界を超えています。

  1. 立っていた分数を測る

    浴室に入れてから水気を切り終えるまで、時計で測ります。体感ではなく数字にすると、次に何を削ればいいかが見えます。

  2. 座り込むまでの分数を測る

    最初に腰を落とした時点で秒を止めます。ここが、その子が無理なく耐えられる長さです。

  3. 使えた手の数を数える

    押さえる人と洗う人が要るなら2本分です。1人で洗っているなら、押さえる仕事は浴槽か壁が代わりに担っています。

測った2つの数字が逆転していたら、湯の側に仕事を移す段階です。座り込むまでが8分で、洗い終わるまでに13分かかるなら、毎回5分ぶんを我慢させています。浸かる方式なら、体が沈んだ時点で全身に液が触れているので、浸けておく時間そのものは座っていても進みます。立っていられる分数の制約から外れるのは、この点です。

入浴シャンプーの時期については、季節ごとに切り替える必要はありません。変わるのは湯の温度が落ちる速さのほうです。冬は浴室の室温が低いぶん、浸けているあいだに湯がぬるくなります。浸ける時間を延ばすのではなく、浴室を先に温めておくほうが早く済みます。夏は逆に、湯温を下げたぶん体が冷えにくいので、同じ分数でも負担が軽くなります。

時期の話を先に持ち出すと、結局「今日はどちらか」が決まりません。脚のほうを先に見て、季節はそのあとで足す。この順番にすると、その日の浴室での判断が1回で済みます。

泡を立てる・湯に溶かす・拭いて済ませる|入浴シャンプーとの違いを条件の側から並べる

洗い方を並べるときに、品ごとに良し悪しを書くと、どの家にも当てはまる話にしかなりません。並べるのは条件のほうです。浴室にいる分数、地肌に届く経路、要る手の数、やり直しがきくかどうか、そして乾かす段階でどう変わるか。この5つで並べると、自分の家がどちらに寄っているかがその場で分かります。

同じ1回の洗いで、条件の側から見たときにどこが変わるか
見る条件泡を立てて洗い流す湯に溶かして浸かる
地肌に届く経路指でかき分けて下ろす沈んだ面に同じ濃さで触れる
浴室にいる分数10〜15分(中型犬の目安)浸ける5〜10分+軽いすすぎ
その子の姿勢立ったまま耐える座っていても進む
要る手の数押さえる手+洗う手の2人ぶん1人でも成立する
すすぎ泡が消えるまで流す軽く流して終わり
やり直し途中でやめると泡が残る途中でやめても湯を抜くだけ
乾かすまでの時間全身が濡れるので長い同じく全身だがタオルの当て方は同じ
部分だけ洗う泡が周りに広がる桶に張れば足先だけで完結する
結論の行分数に余裕がある家は、こちらを主にしてよい座り込む子・1人で洗う家・足先だけの日は、こちらを主にする

表の最終行が答えです。どちらかが優れているのではなく、家の側にある制約がどちらを選ばせるかが決まっています。押さえる人がいて、その子が10分以上立っていられるなら、泡を立てる側で困ることはほとんどありません。逆に、1人で洗っていて、途中で座り込まれると手が離せなくなる家では、浸かる側に移したほうが1回の負担が減ります。

拭いて済ませるという3つ目も、同じ表の続きに置けます。拭き取りは浴室に入らないので分数が0になりますが、届くのは毛の外側までです。地肌まで届かせたい日と、外側の汚れを取りたい日は、別の日として数えます。この線を引いておくと、毎日のケアと週に一度の洗いが混ざらなくなります。

もうひとつ、表に入れにくいけれど大きいのが音です。泡を立てる側はシャワーの音が最後まで続きます。浸かる側はシャワーを使うのが最初と最後だけなので、音が鳴っている時間が短くなります。音で浴室を嫌がるようになった子では、洗浄成分の違いよりこちらのほうが効いてきます。

泡立ちを増やす道は2つある|入浴シャンプーか洗い流すかで、選び方が分かれる場所

泡立ちをよくするいちばん簡単な道は、洗浄成分そのものを増やすことです。よく泡が立ち、よく落ちます。ただし、よく落ちるほど、落としすぎた分を戻す工程が要ります。洗い上がりがごわつくのは、汚れだけでなく地肌に残っていてほしいものまで一緒に落ちているからです。そこでトリートメントが1工程足され、その子が浴室にいる分数がまた延びます。

mofuwa モイストシャンプーは、この道を通っていません。洗浄成分はアミノ酸系のものだけを使い、量も少なく抑えてあります。本来なら泡が立ちにくくなる設計です。それでも泡が立つのは、原料の水を電解水に置き換えているからです。精製水で薄めていない電解水を原料の水に使っていて、この水そのものに汚れを落とす働きがあります(洗浄力の検証:東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べ)。増やすのではなく、水のほうを変えて泡立ちを補うという引き算の設計です。

洗浄成分を減らせているので、落としすぎが起きにくくなります。洗い上がりがごわつかないぶん、トリートメントの工程を足さずに済みます。工程が1つ減るというのは、飼い主の手間が減るという話の前に、その子が浴室で耐える時間がそのぶん短くなるという話です。犬のアミノ酸シャンプーをおすすめとして探している人が本当に比べたいのは、成分名ではなく、この浴室にいる分数のほうだと思います。

香りをつけていないのも、同じ考え方からです。犬も猫も、自分の体から出ているにおいのほうを落ち着く材料にしています。洗ったあとにそこへ別のにおいが乗ると、浴室を出たあとも落ち着かない時間が続きます。香りは人のためのものなので、モイストシャンプーには入れていません。

浸かる側を主にするなら mofuwa 入浴シャンプーです。湯に溶かして浸けるだけなので、擦る工程も、かき分ける工程も入りません。抗炎症作用のある天然成分を配合していて、保湿成分も入っているため、こちらもトリートメントの工程を足さずに済みます。すすぎが軽く終わるぶん、浴室にいる分数そのものが短くなります。散歩から帰って、家に入る前に桶へ入れて足先だけ洗うという使い方をしている方もいます。全身を洗う判断をしなくても、汚れた面だけを湯に浸けられるからです。

この2つは、どちらかを選んだらもう一方を持たない、という関係ではありません。立っていられる分数に余裕がある日は洗い流す側、脚が弱っている日や1人で洗う日は浸かる側という置き方ができます。同じ日に両方を使うことはないので、棚に2本あっても迷いません。

Caution洗い方を浸かる側へ移しても、同じ場所が残るとき

浴室にいる分数を13分から6分に縮めたのに、上がったあと30分以上、同じ1か所をなめ続ける。/湯から上げた直後だけ赤みの出る面が2か所以上あり、乾かし終わる頃には消えるという回が3回続いた。/浸ける時間を変えていないのに、フケの出る場所が背中から内股へ移った。/洗った翌日にはにおいが戻る状態が2週間続いている。こうした残り方は、泡か湯かという違いでは説明がつきません。浸けた分数、湯の温度、赤くなった面の数を控えて、動物病院で診察の枠を取ってください。数字が手元にあると、洗い方の話と地肌の話を切り分けてもらえます。

1週間に湯を何回使うか|入浴シャンプーの使い分けは回数のほうで線を引く

2つを持ったときの線は、体の状態ではなく、1週間に湯を使う回数で引きます。週に1回しか湯を使わない家なら、主にする1本を決めてしまってかまいません。週に2回を超える家は、全身を洗う回と、足先や下半身だけの回が混ざっているはずです。混ざっている時点で、使い分けの線はもう引けます。

1週間に湯を使う回数から、どちらを主にするかを決める
週の回数中身主にするほう
週1回全身を1回立てる分数に余裕があれば洗い流す側
週2回全身1回+足先1回全身は好みで、足先は桶に張る浸かる側
週3回以上全身1回+部分2回以上部分を浸かる側に寄せ、全身の回数は増やさない
脚が弱ってきた回数は変えない全身も浸かる側へ移す

回数で線を引くと、その日の体調を読み違えても間違いになりません。乾かす工程も同じです。どちらの方式でも全身は濡れるので、タオルの当て方と乾かす順番は変えなくて済みます。変わるのは浴室にいるあいだの話だけで、出たあとの手順は共通です。ここを分けて考えると、2本持つことが手順を増やすことにはなりません。

今日決められるのは1つだけです。次に洗う日に、浴室に入れてから水気を切るまでの分数と、その子が最初に腰を落とすまでの分数を測っておく。この2つの数字が逆転していたら、湯の側へ仕事を移す時期がもう来ています。

Product

mofuwa モイストシャンプー

mofuwa モイストシャンプー

300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

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よくある質問

湯に溶かす方式は、泡が立たないぶん汚れが落ちにくいのではありませんか。
泡の量と落ちる量は別のものです。泡は、被毛の外側にのせた洗浄成分を地肌まで運ぶあいだ、液が流れ落ちずに留まるためのしくみです。湯に溶かしてしまえば、運ぶ距離そのものがありません。液が最初から地肌の高さにあるので、留まらせる必要がなくなります。落ちにくく感じるとしたら、浸けている分数が足りていないか、桶の湯量に対して量が少なすぎるかのどちらかで、泡が無いことが理由ではありません。
2本持つと置き場所も工程も増えませんか。どちらか1本に決めたいのですが。
1本に決めてかまいません。決め方は、週に湯を使う回数が1回で、その子が10分以上立っていられるかどうかです。両方に当てはまるなら洗い流す側の1本で足ります。どちらかが欠けるなら浸かる側の1本にします。2本持つのは、全身を洗う回と足先だけの回が同じ週に混ざる家です。この場合は工程が増えるのではなく、もともと違う2つの作業を、それぞれに合った形に振り分けているだけになります。
子犬にも、浸かるほうを使えますか。
使えます。ただし、子犬で先に確かめておきたいのは洗い方ではなく、浴室そのものに慣れているかどうかです。湯に浸かるやり方は、逃げ場のない状態で数分間じっとしていることになるので、浴室を怖がる段階でいきなり始めると、その数分がそのまま苦手な記憶になります。最初は桶に足先だけ入れて30秒で出す、を何回か挟んでください。足先が平気になってから全身へ広げると、浸ける5分が短く感じられるようになります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。