C02技術・エビデンス
薬機法が決めている、書いていいことの線引き
犬用スプレーのラベルにある説明が二行で終わっているのに、同じ棚の隣の品には試験の条件と検査機関の名前まで並んでいることがあります。どちらも同じ一本の線を守って書かれたものです。薬機法がペット用品の説明に引いている線は、主語の側にあります。商品を主語にして体の状態が変わると書けば線を越え、試験の条件や飼い主の行動を主語にすれば越えません。だから同じ試験結果から、書けない文と書ける文の両方が生まれます。
同じ試験から、書けない文と書ける文が生まれる|犬のペット用品と薬機法の考え方
手元に、同じ試験結果をもとにした2つの文があるとします。一方は表示にも記事にも書けません。もう一方は書けます。もとになっている事実は1つしかないのに、書けるかどうかが分かれます。この分かれ目のつくり方が、薬機法の考え方のいちばん実務的な部分です。犬や猫のペット用品を書く側は、毎回この分かれ目の上で言葉を選んでいます。
| もとになっている事実 | 書けない形 | 書ける形 |
|---|---|---|
| 電解水の試験で生菌が検出されなかった | このスプレーが菌を殺します | 一般細菌を対象にした試験で、検査時間30秒という条件で生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所) |
| 使った人から、かゆがる回数が減ったという声があった | かゆみが治ります | 2週間続けたあとで、かかる回数がどう変わったかを記録して比べます |
| 高機能性電解酸化水には肌をいたわる働きがある | 炎症を抑えます | 高機能性電解酸化水がもっている働きです |
| 水がよく染みこむという測定結果がある | 奥まで届いて効きます | 精製水と比べたときの浸透のしかたを、条件つきの数値として示します |
3列を横に読むと、左と中央のあいだで語がほとんど変わっていないことに気づきます。菌、かゆみ、炎症、浸透。禁じられているのは語ではなく、その語をどう組み立てたかです。中央の列はどれも、商品が主語になって体の状態を変える形になっています。右の列はどれも、試験の条件か、飼い主の行動か、水の性質が主語です。
この見方を覚えると、犬のペット用品の説明を書く手が急に軽くなります。語を避けるのではなく、主語を移す。薬機法の考え方として最初に押さえるのはここで、語の一覧を暗記する作業ではありません。語を避けて書こうとすると、肝心の話まで抜け落ちて、何の説明にもならない二行が残ります。
線は主語の側に引かれている|薬機法がペット用品の表示に及ぶ背景
犬や猫のペット用品は、承認を受ける動物用医薬品・動物用医薬部外品に当たらなければ雑貨として扱われます。ここで、雑貨の品が医薬品のような効能をうたうと何が起きるか。その品は「医薬品のようなもの」として扱われ、承認を受けないまま医薬品を売っている状態になってしまいます。薬機法がペット用品の表示にまで及ぶ背景はここにあります。線は品物の性能ではなく、書き方の側に引かれています。
- 分類が先に決まる:承認を受けていない品は、承認された目的を持ちません
- 書き方が分類を動かしてしまう:効能をうたえば、その品は医薬品の側に引き寄せられます
- だから線は表示に置かれる:中身の良し悪しではなく、何をどう書いたかで判定されます
この背景から、判定のしかたが一行で決まります。商品が主語になって、体の状態を変えると書いていないか。商品が主語で状態を変える文は、承認された目的を持たない品が、持っているかのように振る舞う文です。人の行動、観察のしかた、試験の条件、成分の役割。これらが主語であれば、同じ話題でも越えません。
その文の主語は誰か、と自分に聞きます。商品なら、書き直す。人か、試験か、現象なら、そのまま出せる。「予防」「対策」「除菌」といった語そのものは禁じられていないので、主語が商品でなければ使えます。予防のためにできること、対策の順番、除菌とは菌の数を減らすことを指す言葉。どれも主語が商品ではないので、線の内側です。語を避けると、こういう説明まで書けなくなります。
薬機法の背景には、もう一段あります。承認された品は、審査を通った範囲でだけ効能を書けます。つまり書ける言葉の量は、通した手続きの量に対応しています。言葉が少ないのは、確かめたことが少ないからではなく、通した手続きが違うからです。犬のペット用品で説明が短くなりやすいのは、この対応関係の下に置かれているためです。
主語を動かすと書けるようになる|薬機法のもとでペット用品の説明に起きる変化
実際に書き直すと、文は長くなります。商品を主語から外したぶん、誰が何をどんな条件で確かめたのかを足すことになるからです。薬機法の線を守ると説明は短くなる、というのは半分だけ正しくて、主語を移した書き方を選べば、むしろ情報は増えます。この変化のつけ方を、3段に分けておきます。
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主語を商品から外す
「この品が◯◯する」をやめて、「◯◯という試験でこうなった」「◯◯のときに人はこうする」に置き換えます。ここで文の性格が変わり、効能の標榜から事実の報告に移ります。
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条件と出典を添える
何と比べたのか、どんな条件で測ったのか、どこが調べたのかを書きます。数字だけを置くと、条件のない数字になって読む側が使えません。自社で調べたものは、自社調べと添えます。
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言い切りを状態の説明に変える
「良くなります」ではなく「こういう条件だと起きにくい」「2週間後に何を見るか」。人の行動と観察に落とすと、書ける形になり、同時に読む側が使える形になります。
mofuwa スキンケアミストの説明も、この3段の内側で書いています。中身は特許5253483の電気分解でつくる高機能性電解酸化水100%です。当社の電解水を対象にした試験では、一般細菌について、検査時間30秒という試験条件で生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所)。ここで主語になっているのは水の試験結果で、スキンケアミストという商品ではありません。この違いは言葉遣いの問題に見えて、実際には何を確かめたのかという中身の違いです。試験にかけたのは水で、商品そのものではないからです。
同じ理由で、記事の中に「監修」とは書きません。いただいているのは実際に使ってくださっている方からの推薦のコメントで、記事や処方を見ていただいたわけではないからです。診断と治療も同じ線の向こう側にあり、獣医師が動物病院で行うものです。書ける範囲を狭く取っているのは、書けないことを隠すためではなく、確かめた範囲をそのまま示すためです。
この書き方をすると、犬や猫のペット用品の説明は、読む側にとって扱いやすくなります。条件が書いてあれば、自分の家の条件と照らせます。検査機関の名前があれば、誰が調べたのかが分かります。薬機法のもとで起きる変化のうち、いちばん有用なのは、書き手が「どこまで言えるか」を毎回考えることになる点です。言えない部分が文の中に残らないので、残った部分は全部使えます。
読む側が主語を見る|薬機法を知ってからのペット用品の選び方の経験
ここまでは書く側の話ですが、同じ線は読む側からも使えます。目の前の説明文で、主語が何になっているかを見るだけです。商品が主語で体の状態を変えていれば、その品は分類と表示が食い違っています。試験や条件が主語なら、確かめた範囲の中で書かれています。
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主語を探す
その一文の主語が商品か、試験か、人かを見ます。商品が主語で状態が変わっていたら、そこから先の文も同じ調子で書かれていると考えられます。
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数字に条件があるか見る
何と比べて、どんな条件で、誰が調べたのか。3つのうち1つでも欠けていると、その数字は家では使えません。
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分類の表示を確かめる
動物用医薬品・動物用医薬部外品の表示があるか。なければ雑貨で、効能を書けない側にいます。表示と書き方が合っているかを見ます。
この3段を通すと、選び方が変わります。以前は、強い言葉が書かれている品のほうが頼もしく見えたはずです。薬機法の線を知ったあとは、強い言葉が書かれている品ほど、書ける範囲の外へ出ている可能性が高いと読めるようになります。説明が地味で、条件と機関名だけが並んでいる品のほうが、確かめた範囲を素直に出しています。
手元の1本で試すなら、その説明文の主語に線を引いてみてください。商品の名前が主語になっている文が何本あるか、試験や条件が主語になっている文が何本あるか。その比率が、その品の説明の性格を決めています。毎日の手入れは、その読み方を持ったまま続けていけます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
