C05犬種・猫種別ケア
コーニッシュレックスはなぜ背中のベタつきが起きやすいのか。巻毛から考える
コーニッシュレックスの背中に手のひらを当てて、首から腰へ滑らせると、指の腹に細かい凹凸が伝わってきます。洗濯板のように、規則正しく並んだ波です。この波は毛が寝ている方向にそろってできているので、同じ向きに手を動かしているかぎり、手のひらは波の山の上だけを通ります。コーニッシュレックスのベタつきが残っているのは、その山ではなく、山と山のあいだにある谷のほうです。毎日なでているのに手ざわりが戻らない、という感覚は、たいていここから来ています。この記事では、なぜ谷に溜まるのかを先に整理してから、谷から出すためのやり方と、手を入れる順番と頻度を書きます。
山の上を滑って、谷に残る|コーニッシュレックスのベタつきができる順番
コーニッシュレックスの被毛は、猫の中でもかなり変わった作りをしています。外側の硬い上毛と中間の毛をほとんど持たず、いちばん内側にある細く柔らかい毛だけが、短く生えそろっています。その毛が体の表面に沿って規則正しくうねるので、背中から脇腹にかけて、洗濯板のような波の面ができます。イギリスのコーンウォール地方で見つかった猫から広がった猫種で、この波は生まれつきの毛の作りです。
波があるということは、山と谷があるということです。ここがコーニッシュレックスのベタつきを考えるときの出発点になります。皮膚から出た皮脂は、高いところに留まりません。毛の面を伝って、低いところ、つまり谷の底へ流れていきます。山の上はいつも空気に触れていて乾きやすく、谷の底は毛と毛にはさまれて、空気が動きません。同じ一頭の同じ背中の上で、乾く場所と溜まる場所が交互に並んでいることになります。
溜まるまでの順番を分けて書くと、次のようになります。この4段階のどこにも、飼い主の手入れ不足は入っていません。波の形が先にあって、皮脂の行き先がそれに従っているだけです。だから、なでる回数を増やしても順番は変わりません。変えられるのは、最後の段階で手が届くかどうかだけです。
- 上毛と中間の毛がない:皮脂を毛先まで運んで散らす、長い道がありません
- 毛が短い:山と谷の高さの差が小さく、目では波が見えにくいことがあります
- 毛が同じ向きにうねる:谷が体の前後方向に、線になって並びます
- 谷の底は空気が動かない:山の上が乾いても、谷の中は乾きません
- 体格が細い:肩と腰の骨の上は波が浅く、脇腹は深い。同じ背中でも条件が変わります
コーニッシュレックスのベタつきを、毛が少ないぶん皮脂が余っている、と説明すると、答えは「もっと洗う」になってしまいます。ここで起きているのは量の話ではなく、波という形があるせいで、皮脂の集まる場所が谷に決まっているという配置の話です。配置の話なら、やることは洗う回数を増やすことではなく、手を動かす向きを変えることになります。
毛の流れではなく波に直角へ|コーニッシュレックスのベタつきを谷から出すやり方
谷に溜まっていると分かったら、やることは決まります。手を動かす向きを、毛の流れと直角に変える。これだけです。道具を増やす必要も、洗う回数を増やす必要もありません。ただ、いきなり直角に動かすと嫌がる子が多いので、順番を決めておきます。次の5段階で進めてください。
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手順1:まず毛の流れに沿って、いつもどおり3〜4回なでる
最初から直角に入らないでください。いつもと同じ動きから始めて、その子が受け入れる姿勢になってから向きを変えます。この段階で山の上の皮脂は動きます。手のひら全体を使って、首の付け根から腰まで、力を抜いて通してください。ここで嫌がる日は、その日は谷まで行かなくて構いません。
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手順2:指を3本そろえて、背骨と直角の向きに置く
手のひらではなく、指の腹を使います。手のひらは面が広すぎて、谷を飛び越えてしまいます。指を3本そろえて、背骨に対して直角、つまり体の左右方向に置いてください。コーニッシュレックスの谷は体の前後方向に線になって並んでいるので、この向きなら指が谷を1本ずつ横切ります。
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手順3:短く、5センチだけ動かす
背中を端から端まで一気になでないでください。1回に動かすのは5センチほど、往復はさせず一方向だけです。短く動かすと、指の腹が谷の底に落ちてから上がるまでの時間が取れます。長く動かすと、指は谷を飛ばして次の山へ乗ってしまいます。同じ場所で3回、それから隣へ移ってください。
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手順4:柔らかい布を指に巻いて、同じ動きをもう一度
指だけで動かすと、谷から出た皮脂は隣の谷へ移るだけです。受け取る側を用意します。乾いた柔らかい布を人差し指から薬指までに巻いて、手順3と同じ向き・同じ長さで動かしてください。布の同じ面を使い続けず、5〜6回動かしたら面を変えます。これで、出したものが体の上に戻りません。
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手順5:最後に、毛の流れに沿ってなでて波を整える
直角に動かしたままで終えると、波の形が乱れて毛が立ちます。最後にもう一度、毛の流れに沿って手のひらでなでて、山と谷を元の並びに戻してください。コーニッシュレックスの波は、そろっているほど乾きやすくなります。ここまでで、片側の背中なら2〜3分で終わります。両側を1日でやろうとしないでください。
| 動かす向き | 指が通る場所 | 谷の中身 | 向いていること |
|---|---|---|---|
| 毛の流れに沿う(前後) | 山の上 | 動かない | 波を整える。始めと終わりに使う |
| 波に直角(左右) | 山から谷へ落ちる | 外へ出る | 谷に溜まったものを動かす |
| 斜め | 谷を浅く削る | 半分だけ動く | 嫌がる子の、慣らしの段階に |
| 円を描く | 同じ場所を往復する | 谷の中で回る | 向きません。毛が絡みます |
強さについても書いておきます。コーニッシュレックスは上毛を持たないので、指の力がそのまま皮膚に届きます。力を入れて谷をこすると、出るのは皮脂ではなく皮膚の赤みのほうです。目安は、自分の手の甲で同じ動きをして、跡が残らない程度。谷の底に指を押し込むのではなく、指の腹を谷に落として、そのまま持ち上げる。この上下の動きで足ります。
手を入れる場所の順番は、背中の真ん中から始めてください。ここは、その子の毛づくろいが届かない場所です。猫は自分でよく毛づくろいをしますが、肩甲骨のあいだから背中の真ん中にかけては、口も後ろ足も届きません。谷が並んでいて、かつ自分では手入れできない帯が、この一本です。脇腹やお腹は、その子が自分で届いているので、後回しで構いません。
谷が乾いた状態でいきなり指を入れると、毛が引っかかって進まないことがあります。そういうときは手順2へ急がず、手順1へ戻って、毛の流れに沿ってなでる回数を増やしてください。山の上がならされてからのほうが、指の腹は谷へ落ちやすくなります。それでも引っかかる日は、布を巻いた手順4だけを先にやって構いません。道具を足すより、順番を変えるほうが、この猫には負担が少なく済みます。
回数を増やすほど谷が深くなる|コーニッシュレックスで手を入れる頻度
やり方が決まると、次に起きるつまずきは頻度のほうです。コーニッシュレックスのベタつきが気になると、毎日全身を、それも念入りにやりたくなります。ここが、いちばん結果の出にくい進み方になります。理由を3つに分けて書きます。
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つまずき1:洗う回数を増やしてしまう
谷に溜まっているのだから洗えばいい、と考えると、洗う間隔がどんどん短くなります。ところが皮脂は体の表面を保つために出ているもので、落としきると、そのぶんを補おうとして出方が戻ります。コーニッシュレックスは被毛が薄いので、乾かしきるまでの時間や体温の下がり方のほうが先に負担になることもあります。洗う頻度は今までどおりに保って、そのあいだの拭き取りのほうを動かしてください。回数を変えないと決めるなら、次に効くのは、その1回で浴室にいる時間のほうです。トリートメントの工程が1つ減れば、濡れている時間はそれだけ短くなります。mofuwa モイストシャンプーがその工程を持たずに済むのは、洗浄成分をアミノ酸系だけにして量を抑え、原料の水を電解水にして泡立ちを支えているからです。落としすぎないので、洗い上がりがごわつきません。コーニッシュレックスの波は、乾かし終わるまでが短いほどそろいます。谷の並びが乱れたまま乾くと、翌日の指の入り方まで変わります。
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つまずき2:毎日、全身を回そうとする
背中の左右、脇腹、お腹まで毎日となると、5分では終わりません。長い時間押さえられた猫は、次の日から逃げます。1日1か所と決めてしまうほうが、結果として続きます。今日は背中の真ん中の首寄り、明日は腰寄り。コーニッシュレックスで手を入れる頻度は、同じ場所については2〜3日に1回で足ります。そのかわり、間を空けすぎないでください。
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つまずき3:強さで補おうとする
手を入れているのに手ざわりが戻らないと、次は力を強くしたくなります。けれど谷の底に溜まったものは、押し込む力では出ません。出す方向は下ではなく、横と上です。力ではなく、指が谷を横切る回数のほうを増やしてください。同じ場所で3回動かして変わらなければ、その日はそこで終わりにして構いません。翌日にもう一度、同じ場所を3回です。
| やること | 頻度 | 1回にかける時間 |
|---|---|---|
| 毛の流れに沿って、手のひらでなでる | 毎日 | 30秒ほど。手ざわりを見るためです |
| 波に直角に、指と布で谷を横切る | 同じ場所は2〜3日に1回 | 1か所2〜3分。1日1か所で足ります |
| 布を巻いた指で、背中の真ん中を拭く | 背中の真ん中は2〜3日に1回 | 1〜2分。乾いた面で仕上げます |
| 洗う | 今までどおりの間隔を保つ | 増やさないでください |
季節でも変わります。換毛期にあたる春と秋は、抜けた短い毛が谷の底に落ちて、そこに皮脂がまとまることがあります。この時期だけ、同じ場所に手を入れる頻度を2〜3日に1回から、1〜2日に1回へ詰めてください。コーニッシュレックスは毛が短く量も少ないので、抜け毛そのものは床にあまり残りません。だから換毛期に気づきにくく、背中の手ざわりのほうが先に変わります。時期が終わったら、頻度も元に戻します。
体格の話も、頻度に関係します。コーニッシュレックスは細身で、背骨と肋骨の形が体の表面に出やすい猫です。骨が出ている場所は波が浅く、その両脇のくぼんだところは波が深くなります。同じ背中でも、深い場所のほうに先に溜まります。全体を均等に回すより、指を当ててみて、深いと感じた線だけを2〜3日に1回にする。この決め方のほうが、時間が短くて済みます。
波に直角の動きは、猫にとっては毛が逆立つ向きの刺激です。体をよじる、しっぽを打ちつける、声を出すというときは、その日はそこで止めてください。1回で谷を空にする必要はありません。3回動かして隣へ、で構いません。嫌な記憶が残ると、次からは毛の流れに沿った動きすら受け付けなくなります。頻度より、続けられることのほうが優先です。
谷が戻らないときに見直すのは、背中よりも寝ている場所です
ここまでは、波という被毛の形で説明のつくベタつきの話でした。やり方も頻度も変えていないのに、同じ場所の谷だけが短い間隔で戻ってくるときは、背中ではなく、その子が長い時間触れているもののほうを見てください。コーニッシュレックスは体温を求めて同じ場所に長く乗る子が多いので、そこの条件が谷の状態を決めていることがあります。
- いつも同じ一本の線だけが戻る:寝るときに床や布に当たっている面かどうかを確かめてください
- 左右で手ざわりが違う:どちら側を下にして寝ているかで、谷の乾き方が変わります
- 起毛した毛布やクッションで寝ている:毛足が谷にはまり込んで、空気が通らない時間が長くなります
- 暖房器具のすぐ前で寝ている:片面だけ乾いて、下になっている面が湿ったままになります
- 換毛期でもないのに、急に深くなった:季節の区切りと合わない変わり方です
- その場所をなめている、かいている:ベタつきより先に、皮膚のほうを見てください
寝床を変えるときは、毛足の短い、洗える布に替えて、2〜3日で入れ替えるところから試してください。コーニッシュレックスは決まった場所を選び続ける子が多いので、場所そのものを動かすより、その場所の表面を交換できるものにするほうが早く進みます。背中に手を入れる頻度は変えずに、寝床の側だけを動かして、1〜2週間の変わり方を比べてみてください。
谷の底の皮膚が赤い、じくじくしている、においが急に変わった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄い場所が広がってきた、元気や食欲が落ちている。ひとつでも当てはまるときは、手を入れる回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。コーニッシュレックスは上毛がないぶん、皮膚の変化が早い段階で目に見えます。早く気づける条件がそろっている猫です。迷ったら、早いほうを選んでください。
相談の前には、いつから、どの線が、どのくらいの間隔で戻るのかの3つをメモしてください。この3つがあれば、波の形で説明のつくベタつきなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭き取ってしまうと、もとの状態が分からなくなります。気になる線があるなら、そのまま連れて行ってください。
コーニッシュレックスと暮らすかぎり、谷に皮脂が集まること自体はなくなりません。波は、この猫が生まれつき持っている毛の形だからです。減らせるのは、溜まる量ではなく、谷の底に留まっている時間のほうです。毛の流れに沿ってなでてから、波に直角へ短く3回、そして最後に流れに沿って整える。同じ場所は2〜3日に1回、換毛期だけ間隔を詰める。コーニッシュレックスのベタつきで動かせるのは、この向きと頻度の2つです。
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mofuwa モイストシャンプー
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商品ページを見るよくある質問
- コーニッシュレックスの背中は、ブラシでとかしたほうがいいですか?
- 歯のあるブラシは、上毛のない被毛には強すぎることがあります。谷に溜まったものを出す目的なら、指の腹と柔らかい布で足ります。どうしても道具を使うなら、歯が短く先の丸いもの、ゴム製の面のものを、波に直角の向きに短く動かしてください。長いストロークでとかすと、指と同じで山の上を通るだけになります。
- 毎日なでているのに、手ざわりが変わらないのはなぜですか?
- 毛の流れに沿ってなでているかぎり、手のひらは波の山の上を通ります。谷の底には触れていないので、回数を増やしても中身は動きません。向きを背骨と直角に変えて、5センチほど短く動かしてみてください。同じ時間でも、届く場所が変わります。
- 換毛期に、洗う回数を増やしたほうがいいですか?
- 洗う間隔は変えないでください。落としきると、そのぶんを補おうとして皮脂の出方が戻ります。コーニッシュレックスは被毛が薄く、乾かしきるまでの負担もあります。換毛期に動かすのは洗う回数ではなく、同じ場所へ手を入れる頻度のほうです。2〜3日に1回を1〜2日に1回へ詰めて、時期が終わったら元に戻してください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
