C05犬種・猫種別ケア

デボンレックスの巻毛|背中のベタつきを毎日のケアで防ぐ

公開日 2023年2月21日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、耳の大きな短毛の猫が薄い色のニットの上に体を預けている
猫が乗っていた場所には、その子の背中を触る前から、その日の皮脂が残っています。

デボンレックスを膝に乗せていた日の夜、濃い色の部屋着を脱ぐと、太ももの上のあたりだけが光って見えることがあります。指でこすると、少し滑ります。おろしたてでもない普通の一枚なのに、その一か所だけ手ざわりが違う。デボンレックスのベタつきは、猫の背中を触って気づくより先に、こうして人の側に出てきます。膝の上の部屋着、抱いた腕の内側、枕カバーの端。毛が短く薄いこの猫は、体に残った皮脂を、触れているものへ次々と受け渡していきます。この記事は、その受け渡しがなぜ起きるのかと、洗う回数を増やさずに変えられる条件についての話です。

先に気づくのは服のほう|デボンレックスのベタつきが人の側に出る背景

デボンレックスと暮らしている方にベタつきの話をうかがうと、返ってくるのはたいてい猫の体の話ではありません。膝に乗せていた部屋着の、太ももの上のあたり。抱き上げたときに体を預けてくる、腕の内側。夜、顔の横にもぐり込んでくる枕カバーの端。気づいた場所として挙がるのは、こういう布のほうです。

順番でいうと、猫の背中を触って「今日は少し滑るな」と思う日より、洗濯物をたたんでいて「この一枚だけ手ざわりが違う」と気づく日のほうが先に来ます。デボンレックスのベタつきは、猫の側ではなく人の側に先に出てきます。これはこの猫の被毛の作りから素直に説明のつくことで、その子の皮脂が特別に多いという話ではありません。

これは困ったことばかりではありません。人の側に先に出るということは、その日の皮脂の量を、猫を押さえて確かめなくても知ることができるということです。猫は背中を触られ続けるのを嫌がることがありますが、脱いだ服は嫌がりません。デボンレックスのベタつきを毎日見るセンサーとして、いちばん正直なのは布のほうです。

体格も関係します。デボンレックスは骨が細く、体重のわりに体の表面の面積が広い猫です。加えて被毛が薄いので、体の熱が逃げやすい。だから暖かい場所を探して、人の膝や布団の中に長く入り込む子が多くなります。触れている時間が長いほど、移る量は増えます。その日の皮脂の量が同じでも、乗っていた時間が2倍なら、布に残るものは変わります。

Note皮脂が多い猫だから、という説明ではありません

デボンレックスのベタつきを「皮脂の分泌が多い猫だから」と説明してしまうと、次にやることが「もっと洗う」になります。ここで起きているのは、出た皮脂が被毛の中に留まっていられず、触れたものへ移っていくという受け渡しのほうです。量ではなく行き先の話なので、手を入れる場所も洗面所ではなく、洗濯機と毎日のケアの側になります。

毛が短く薄いと、皮脂は毛の中を移動できません|デボンレックスで人へ移る理由

デボンレックスの被毛は、細く柔らかい毛がゆるく波打った巻毛です。1本1本が短く、外側にかぶさる硬い毛をほとんど持ちません。手のひらを当てても毛の層を押している感じがなく、皮膚の温度がそのまま伝わってきます。イギリスのデボン州で見つかった巻毛の猫から広がった猫種で、この毛の作りがそのまま特徴になっています。

毛には、皮脂を運ぶ道としての役割があります。皮膚から出た皮脂は、毛の根元から毛先の方向へ広がって、被毛の層の中に薄く行き渡ります。猫がざらざらした舌で毛づくろいをするのは、その広げる作業でもあります。毛が長いほど、皮脂は毛の途中で保たれて、体の外までは出ていきません。長毛の猫の背中がしっとりしていても、抱いた服にすぐ移らないのはこのためです。

デボンレックスでは、この道が短くなります。毛の長さが足りず、量も少ないので、皮脂は被毛の層に吸い込まれる前に、体の表面で行き場をなくします。そこへ布が触れると、皮脂は毛ではなく布のほうへ移ります。デボンレックスのベタつきが人の服に出るのは、猫の体が余分に出しているからではなく、受け取る側が布しかないからです。

触れている布によって、デボンレックスの皮脂の出方と気づき方が変わります
布の種類皮脂の残り方気づく手がかり
濃い色の綿・ニット表面に薄く広がる光に当てると、その部分だけ筋になって光ります
起毛したフリース・毛布毛足の中に抱え込む見た目は変わらないのに、においが先に出ます
麻やシーツのような平織り移る量が少なく、点で残る洗ってもその一か所だけ手ざわりが戻りません
合皮や革のソファ表面に留まって動かない座面が、指で触るとわずかに滑ります
Tシャツの肩と腕の内側汗と混ざって広がる抱き下ろしたあと、腕がしっとりします

換毛期についても書いておきます。デボンレックスは毛が短く量も少ないので、春と秋に抜ける毛そのものはあまり目立ちません。ただ、毛が入れ替わる時期は、皮膚の側の動きも一緒に変わります。抜けた短い毛が体の表面に残ると、そこに皮脂がまとまって、布へ移る量が一時的に増えることがあります。「この時期だけ洗濯物のベタつきが強い」と感じるなら、換毛期と重なっていないかを見てください。

もうひとつ、デボンレックスで見落とされやすいのが脇の下と後ろ足の付け根です。ここは体を丸めたときに面と面が合わさる場所で、被毛が薄いぶん、皮膚どうしが直接触れます。空気が通らない場所には、移る先の布もありません。背中のベタつきは服が教えてくれますが、脇の下は誰も教えてくれない場所です。抱き上げたときに指を1本入れて、手ざわりだけ確かめておいてください。

Point猫の背中を触るより、脱いだ服を見るほうが早いです

デボンレックスのベタつきを毎日確かめようとして、そのたびに背中をなでていると、そのうち嫌がられるようになります。その日の部屋着を、脱ぐときに明るいところで一度だけ見る。これで、猫に触れずに記録が取れます。光の筋が出ている日と出ていない日を1〜2週間並べると、乗っていた時間や部屋の温度との関係が見えてきます。

洗う回数ではなく、触れている布のほうを回す|デボンレックスのベタつきの考え方

ここからが毎日のケアの話です。デボンレックスのベタつきで動かせる条件は、大きく3つあります。布を入れ替える間隔、猫が布に触れている時間、そして毛づくろいの届かない場所を人が代わるかどうか。どれも猫の体をどうにかする話ではなく、猫のまわりを組み替える話です。

  1. 触れている布を、猫より先に回す

    膝掛け、ソファのクッションカバー、枕カバー。猫が毎日同じ場所に乗るなら、その布は猫の体の延長です。デボンレックスと暮らすなら、この3枚を2〜3日で入れ替えられるよう、同じものを2組ずつ持っておくと回ります。汚れてから洗うのではなく、曜日を決めて入れ替えるほうが続きます。気になる時期だけ間隔を詰めれば足ります。

  2. 毛づくろいが届かない背中の真ん中を、人が代わる

    猫は自分で毛づくろいをしますが、肩甲骨のあいだから背中の真ん中にかけては、口も後ろ足も届きません。デボンレックスも同じです。ここだけは、その子の代わりに人が手を入れる場所になります。乾いた柔らかい布を指に巻いて、首の付け根から腰へ向かって3〜4回なでるだけで構いません。こすって落としきろうとしないでください。

  3. 洗う回数は変えずに、その1回で使うものを決めておく

    猫の舌が届くのは毛の表面までで、被毛が薄いデボンレックスでは、その下の皮膚がそのまま外気と布に触れています。洗う日は、ここを人が代わる日になります。洗い上がりがごわつくのは、汚れだけでなく必要なものまで落ちているからです。mofuwa モイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を量から抑えて、原料の水を電解水にすることで泡立ちを支えています。落としすぎないので、そのあとにトリートメントで戻す工程が要りません。デボンレックスは被毛が薄く、濡れている時間そのものが体温を下げます。工程が1つ減ることの意味は、この猫では大きいと思います。無香料なのも、猫が自分のにおいを好むためです。

  4. 乗る場所に、洗える一枚をあらかじめ敷いておく

    ソファや椅子の決まった場所に乗るなら、そこへ小さめの洗える布を1枚敷いてしまいます。猫の乗る場所を変えるのではなく、乗る場所の表面を交換できるものにする。これだけで、家具の側にたまっていく皮脂を回収できます。デボンレックスは同じ場所を選び続ける子が多いので、この手はよく効く部類に入ります。

順番として、洗う回数を増やす方向に先に寄せないでください。皮脂は体の表面を保つために出ているもので、落としきると、そのぶんを補おうとして出方が戻ります。デボンレックスは被毛が薄く、皮膚の表面がそのまま外気に触れています。洗う回数を増やすと、乾かしきるまでの時間や体温の下がり方のほうが先に負担になることもあります。洗う日は今までどおりに保って、そのあいだの布と拭き取りのほうを動かすのが、この猫での考え方です。

室温も、ベタつきの量に関係します。部屋が寒いと、デボンレックスは暖かい場所を探して、人の膝や布団に入る時間が長くなります。触れている時間が伸びれば、布に移る量も増えます。冬に洗濯物のベタつきが強くなったと感じるとき、皮脂の出方が変わったのではなく、乗っている時間が増えているだけ、ということがあります。その子が自分で使える暖かい寝床を1つ足すと、結果として布に移る量が減ることがあります。

デボンレックスで動かせる条件と、動かさないほうがいいこと
条件どう動かすか決める単位
触れている布曜日を決めて入れ替える1週間の中で
触れている時間暖かい寝床を1つ足す季節ごとに
届かない背中の真ん中乾いた布で首から腰へ3〜4回1日の終わりに
洗う回数増やさない。今までどおりに保つ変えない
こする強さ強くしない。場所を分けて日をまたぐ変えない
Caution強くこすって落とそうとしないでください

デボンレックスの体の表面は、厚い被毛に守られていません。ベタつきを取ろうとして乾いた布で何度も強くこすると、皮膚の側に赤みが出ることがあります。1回で落としきる必要はありません。今日は背中の真ん中だけ、明日は脇の下だけ、と場所を分けてください。嫌がる、体をよじる、声を出すというときは、その日はそこで止めます。

布につく量が変わったときに見る、デボンレックスの変化

ここまでは、被毛の作りで説明のつくベタつきの話でした。布に移る量が、季節の区切りとも乗っている時間とも関係なく変わったときは、別の見方をしてください。デボンレックスと暮らしていると人の側の布が記録になっているので、この変化には気づきやすいはずです。

Caution早めに動物病院で相談していただきたいサイン

体の表面が赤い、じくじくしている、においが急に変わった、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛の薄い場所がさらに広がっている、元気や食欲が落ちている。ひとつでも当てはまるときは、拭き取る回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。デボンレックスは被毛が薄いぶん、皮膚の変化が早い段階で目に見えます。それは不利な条件ではなく、早く気づける条件です。迷ったら、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いつから、どの布に、どのくらいの量が残るようになったかの3つをメモしていってください。デボンレックスと暮らしていると、この3つは自然に手元にそろいます。写真を撮るなら、猫の背中よりも、光を当てた布のほうがはっきり写ります。前の晩に頑張って拭き取ってしまうと、もとの状態が分からなくなるので、そのまま連れて行ってください。

デボンレックスと暮らすかぎり、皮脂が布へ移ること自体はなくなりません。短くて薄い巻毛は、この猫が持っている作りそのもので、変えられるものではないからです。変えられるのは、移った先の布を入れ替える間隔と、猫が布に触れている時間と、その子の毛づくろいが届かない背中の真ん中に人が手を入れるかどうか。デボンレックスのベタつきで動かせるのは、この3つです。猫の体のほうを変えようとするより、こちらのほうがずっと早く結果が出ます。

最後にもうひとつ。膝の上に光る筋が残っているということは、その子がそこに長い時間いた、ということでもあります。デボンレックスが人のそばを選ぶのは、被毛が薄くて熱が逃げやすいという、この猫の作りから来ている行動です。ベタつきを減らす手を打ちながら、その時間まで減らさないでください。布は替えられます。替えるのは布のほうだけで足ります。

Product

mofuwa モイストシャンプー

mofuwa モイストシャンプー

300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。