C12Q&A・豆知識

ボトル1本で何回使えるか

公開日 2023年2月24日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の白いテーブルで、スプレーボトルのそばに落ち着いて座っている淡い色の犬
1本の減り方を決めているのは、ボトルよりも手の側です。写真:freemockups.org/Pexels

1回のケアで3回押す家と、12回押す家。同じスプレーのボトルでも、この2軒では減る速さが4倍変わります。「1本で何回使えるか」という問いに、製品の側だけで答えを出すことはできません。ボトルの側で決まっているのは「何回ぶん押せるか」までで、「何回ぶん使えるか」は押す人の側で決まります。だから、回数を知りたいときにいちばん早いのは、口コミを探すことでも容量を見比べることでもなく、次の1回で自分が何回押しているかを数えることです。数えるのは1度でよく、かかる時間は30秒ほどです。この記事では、押す回数で1本の使える回数が変わる仕組み、家で自分の数字を出す測り方、そして押す回数が増えているときに見る場所を、8つの問答に分けて書きます。

スプレー1本で何回使えるか、という問いに数字で答えられますか

先に答えを書きます。スプレー1本で何回使えるかは、製品の側だけでは決まりません。ボトルの側で決まっているのは、そこに入っている量と、1回押したときに出る量です。この2つが分かると「何回押せるか」までは出ます。ただ、私たちが知りたいのは押せる数ではなく、ケアが何回できるかのほうです。そこは、1回のケアで何回押すかが決まってはじめて出てきます。

つまり、この問いは2段になっています。1段目は製品の側で決まり、2段目は使う人の側で決まります。口コミに書かれている「1本で何回くらい」という数字が家と合わないのは、たいてい2段目が違うからです。ボトルの中身が同じでも、押す回数が違えば答えは変わります。

「1本で何回」という問いは、2つに分かれている
段何が決めているか誰が持っている数字か
1段目:1本で何回押せるかボトルの容量と、1回押したときに出る量製品の側
2段目:1回のケアで何回押すか体の大きさ、毛の量、噴き方の癖使う人の側
答え:1本で何回ぶん使えるか1段目 ÷ 2段目掛け合わせないと出ない

この表のいちばん下が、この記事の中身です。1本で何回という答えは、割り算の答えなので、割る数が分からないうちは出せません。そして割る数を持っているのは、製品を作った側ではなく、毎日ボトルを押している人のほうです。

1回に何回押すかで、スプレーの減り方はどれくらい変わるのですか

そのまま倍率で変わります。ここは統計ではなく、割り算の話です。1回のケアで3回押す家と12回押す家では、同じボトルから取り出せるケアの回数が4倍違います。製品を変えたわけでも、量が減ったわけでもありません。割る数が4倍になっただけです。

押す回数が変わる理由は、だいたい次の4つに収まります。どれも良い悪いの話ではなく、体と毛の条件です。

1週間に押す回数を、掛け算で並べたもの(統計ではなく計算です)
1回のケアで押す回数1週間にケアする回数1週間に押す回数
3回2回6回
6回3回18回
6回7回42回
12回7回84回

いちばん上と、いちばん下で14倍の開きがあります。この開きは、製品の差ではなく、暮らしの差です。だから「何回もつか」を人に聞いても、自分の家の答えにはなりません。聞いて分かるのは、その人の家の割る数のほうです。

Noteこの表は目安ではなく、掛け算です

上の表に出てくる数字は、どこかの調査から持ってきたものではありません。3回と2回をかけたら6回になる、というだけの表です。だから、そのまま覚えても意味がありません。覚えるのは表の形のほうで、左の2列に自分の家の数字を入れると、右の列が出てきます。犬でも猫でも、この計算の形は変わりません。

自分が1回に何回押しているかは、どうやって数えるのですか

数えるのは、次の1回だけで足ります。推測せずに、実際に押した回数を数えてください。ここが、この記事でいちばん言いたいところです。1本で何回使えるかを調べようとすると、つい製品の情報を探しに行きますが、足りないのは自分の側の数字のほうです。そして自分の側の数字は、誰も持っていません。数えるまで存在しません。

  1. 次のケアのときだけ、声に出して数える

    「いち、に、さん」と口に出すのがいちばん確実です。頭の中で数えると、毛をかき分ける手のほうに気を取られて、たいてい2〜3回ぶん抜けます。犬や猫にとっては、いつもより人が話しているだけなので、驚かせることもありません。

  2. 3日ぶん、同じように数える

    1日目だけだと、その日がたまたま多かったのか少なかったのかが分かりません。3日ぶん数えて、いちばん多かった日を採用します。平らにならすのではなく多いほうを採るのは、足りなくなる側の失敗を避けるためです。

  3. 数えた回数を、ボトルに書いて貼る

    紙テープに「1回=6回」と書いて、ボトルの側面に貼っておきます。数字を体で覚えようとすると、次に数えたくなったときにまた最初からになります。貼ってあれば、家族の誰が使っても同じ数で数えられます。

  4. 季節が変わったら、もう一度だけ数える

    毛の量が変わる時期は、同じ手順でも押す回数が変わります。年に2回だけ数え直せば足ります。回数が増えていたら、それは製品ではなく毛の側の変化です。

数えてみると、思っていた回数と実際の回数がずれていることがよくあります。多くの場合、実際のほうが多いです。手が止まったところで一度押し、持ち替えてまた押し、最後に仕上げでもう一度。この「ついでの1回」が、頭の中の数には入っていません。1本で何回という数字が合わなかった理由は、たいていここにあります。

押した回数から、スプレー1本ぶんの回数を出す計算のしかた

1段目の数字、つまり1本で何回押せるかも、家で出せます。使うのは料理用のはかりだけです。水を主体にしたスプレーなら、300mlはおよそ300gとして計算できます。

  1. ボトルをはかりに載せて、重さを見る

    1g単位まで表示されるはかりを使います。ここでの数字は、あとで引き算に使うだけなので、書き留めておいてください。

  2. シンクや紙に向けて、10回押す

    1回ずつ、最後まで押し切ります。半押しで止めると出る量が変わってしまい、あとの計算が合わなくなります。

  3. もう一度載せて、減った重さを割り出す

    10回でどれだけ減ったかが出ます。1回ぶんではなく10回ぶんを測るのは、1回ぶんだと表示の刻みに埋もれてしまうからです。

  4. 全体の重さを、10回ぶんの重さで割る

    その答えを10倍すると、1本で何回押せるかが出ます。ここまでが1段目です。

計算の例を1つだけ置きます。仮に、10回押して7g減ったとします。300gを7で割るとおよそ43。これを10倍して、1本で押せるのはおよそ430回、という数字が出ます。ここに、s3で数えた「1回のケアで押す回数」で割り算をかけると、1本で何回ぶん使えるかが出ます。1回に6回押しているなら、430を6で割っておよそ70回ぶんです。

同じ1本から取り出せるケアの回数(本文の計算例による) 1本でおよそ430回押せるとしたとき、1回のケアで押す回数を変えると、使えるケアの回数がどう変わるかを並べた棒グラフです。 1回のケアで12回押す 約35回ぶん 1回のケアで6回押す 約70回ぶん 1回のケアで3回押す 約140回ぶん
本文の計算例(1本でおよそ430回押せる場合)から割り出した回数です。実際の数字はお手元のボトルで測ってください。
Cautionこの430回という数字は、例です

上に出てくる7gも430回も、計算の手順を示すために置いた例で、どこかで測られた値ではありません。製品によって1回に出る量は違いますし、同じ製品でも噴き口の状態で変わります。数字が必要なときは、お手元のボトルで測ってください。10回押してはかりに載せるだけなので、1分もかかりません。人から聞いた回数より、自分で測った回数のほうが、そのまま使えます。

スプレーが思ったより早く減るとき、何回押すかのほかに見る場所はありますか

押す回数を数えても多くなかったのに減りが早い、というときは、1回に出ている量のほうが増えています。見るところは4つです。どれも、押す回数を増やさずに済ませられる場所です。

1回に出る量が増えているときに見る4か所
見る場所何が起きているかどう変えるか
押し方半押しで止めていて、霧が粗くなっている最後まで押し切る。粗い霧は毛の表面で落ちます
距離離しすぎて、届く前に空気中に散っている被毛から15〜20cmほどに寄せる
向き毛の表面にかけていて、根元まで届いていない毛をかき分けてから、根元に向けて押す
受け取り方直接かけていて、届かなかったぶんが床に落ちている布に取ってから、手で広げる

このうち、いちばん差が出るのは最後の1つです。直接かけると、被毛に乗らなかったぶんは床と空気に行きます。布に取ってから広げると、そのぶんが体に残ります。同じ範囲を触るのに必要な押す回数が減るので、1本で使える回数はそのまま増えます。噴き出す音が苦手な子にも、この持ち方のほうが向いています。

噴き口そのものが原因のこともあります。使ったあとに噴き口を拭いていないと、乾いたものが縁に残って霧の形が崩れます。形が崩れると、狙ったところに乗らないので押す回数が増えます。使い終わりに指で一度ぬぐうだけで戻ることが多いので、減りが早いと感じたら先にここを見てください。

1回に押す回数は、どこまで減らしていいものですか

回数を数えると、次に出てくるのは「減らせるのか」という問いです。答えは、減らしていいのは重ねて押していた部分だけで、触る場所を減らすことでは減らさない、という線になります。

重ねて押しているのは、たいてい同じ2か所です。1つは、手を持ち替えた前後。同じところにもう一度押してしまいます。もう1つは、仕上げ。全体を見て「もう少し」と押す1回です。順番を決めて、決めた順に一度ずつ通すと、この2つが消えます。背中から始めて、脇、内もも、尾のつけ根、最後に足まわり。順番が決まっていると、どこまでやったかを毛の状態で確かめずに済むので、確かめるための1回も減ります。

足りているかどうかの判断は、見た目ではなくブラシで決めます。押した場所が湿って見えるかどうかではなく、ブラシが最後まで通るかどうかです。湿って見えるのは表面だけのことがあり、根元は乾いたままということが起こります。逆に、見た目が変わらなくてもブラシが通るなら、その回数で足りています。何回押すかを決めるのは、この手ごたえのほうです。

押す回数が分かると、その日のケアを「何回ぶん」で決められます

1回に何回押すかが分かると、毎日のケアの決め方が少し変わります。「今日はやる/やらない」ではなく、「今日は何回ぶんやる」で決められるようになるからです。全身に6回押す日もあれば、足まわりだけに2回の日もある。どちらもケアをした日として数えられます。

押す回数から、その日にやる範囲を決める
その日の時間触る範囲押す回数の目安
3分ある日足まわりと口のまわりだけ2回ぶん
5分ある日背中から尾のつけ根まで一往復3〜4回ぶん
10分ある日全身を順番どおりに一巡数えた回数のまま
時間がない日布に取って、汚れた場所だけ1回ぶん

押す回数を数えていくと、いちばん数えにくいのが口のまわりだと分かります。ここはその子が自分でなめてしまう場所なので、スプレーから出た量が、そのまま口に入ります。mofuwa スキンケアミストは、水以外に何も足していない電解水100%の処方です。成分の側は、清涼飲料水の規格基準——飲み物として売るときに満たす成分の基準——で線を引いています。なめる場所に置くものとして、その線が先に決まっているということです。だから、口のまわりだけを布に取って拭く日も、1本で何回のうちに数え入れておけます。3分の日は、足まわりと口のまわりで2回ぶん。ボトルに貼る「1回=◯回」の紙には、この2か所ぶんも入れた数を書いてください。入れずに数えると、実際より少ない数が貼られたままになります。

そして、数えた回数は記録としても使えます。同じ手順なのに押す回数が増えてきたら、毛の量か、乾き方か、皮膚の側で何かが変わっています。本数の減りが早いというのは、家計の話に見えて、体の変化に最初に気づくきっかけになることがあります。

「1本で何回」を、自分の家の3つの数字に置き換える

最後に、覚えておく数字を3つに絞ります。この3つがあれば、スプレーが1本で何回使えるかは、いつでも自分で出せます。製品が変わっても、家の子が変わっても、計算の形は同じです。

自分の家で持っておく3つの数字
数字出し方測り直す間隔
1本で押せる回数10回押して減った重さから割り出す製品を変えたとき
1回のケアで押す回数3日ぶん声に出して数え、多い日を採る毛の量が変わる季節ごと
1週間にケアする回数1週間ぶん、やった日に印をつける暮らし方が変わったとき

この3つは、どれも人から教えてもらえない数字です。1本で何回という問いに、誰かが1つの数字で答えてくれることはありません。答えられるのは、押している本人だけです。だからこの記事では、数字を渡す代わりに、数え方を渡しました。数えるのに使う時間は、最初の1回で30秒、はかりを使う計算で1分ほどです。

もう1つ書き添えておくと、押す回数を数える習慣は、家族で使うときにも役に立ちます。「1回=6回」とボトルに貼ってあれば、誰が使っても同じ量になります。人によって押す回数が倍違うと、1本で何回という感覚も家の中で食い違います。数字を1つ貼るだけで、その食い違いは消えます。

Caution回数より先に、体の変化があるときは動物病院にご相談ください

押す回数が急に増えた、同じ場所ばかりに使うようになった、というときは、その手前で皮膚や被毛の側が変わっていることがあります。地肌が赤い、フケが増えた、同じ場所をなめ続けている、においが変わった、抜け方がいつもと違う。こうした変化が続いているときは、スプレーの使い方を調整する前に動物病院にご相談ください。いつから、どこに、1日に何回触れているかを書き留めて持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。