C11比較・選び方
人用製品を流用する場合のリスク
犬用のシャンプーを切らした夜、洗面台の棚には人用のボトルが4本並んでいます。そのうちどれなら流用してよくて、どれは棚に戻すのか。犬と猫では、その分かれ目が同じ位置にありません。分けているのは、その品が最後にどこへ残るかです。すすいで排水口へ流れていくのか、乾いたあとも毛の上に残るのか、その子が自分でなめて口に入るのか。この3つの行き先を先に決めると、品の名前を1つずつ調べなくても、その場で棚に戻せます。
排水口へ流れるのか、毛の上に残るのか|人用を流用するとき最初に見る行き先
人用の品を犬や猫に流用してよいかどうかは、成分表を読む前に、行き先で三つに分けられます。使ったあと数分で排水口へ流れていくもの、乾いたあとも毛の上に残るもの、その子が自分でなめて口へ運ぶもの。同じ棚に並んでいても、この三つは体の上にいる時間がまったく違います。流用の可否を品の名前で覚えようとすると、新しい品が増えるたびに調べ直すことになります。行き先で覚えると、初めて見るボトルでもその場で判断できます。
- 流して終わるもの:泡立てて、すすいで、排水口へ行きます。体の上にいるのは数分です
- 毛の上に残るもの:塗ったあと乾くまで残り、そのあとも毛の根元に薄く残ります。次に洗うまで働き続けます
- 口に入るもの:前足、口のまわり、猫なら背中や脚。その子が自分でなめて、量がそのまま体の中へ移ります
人の側では、この三つの区別があまり要りません。人はシャンプーをすすぎ、化粧水を顔に残し、そのどちらも自分でなめません。人用の品は「なめない相手」を前提に、量も置く時間も決められています。犬と猫は、その前提の外にいます。流用を考えるときに見るのは、危ない成分が入っているかどうかより先に、この前提がずれていないかのほうです。
だから、人用の品を犬に流用する話と、猫に流用する話は、同じ結論になりません。犬は前足と口のまわりに口が届き、猫は背中と脚まで届きます。届く面の数が違えば、同じ品でも体の中へ移る量が変わります。この記事では、まず行き先で分け、次に口が届く面で分け、最後に毎日の1本をどこから選ぶかまで進みます。
すすぎで消える品と、朝まで残る品|人用の流用の見分け方
すすいで流すことが前提の品なら、体の上にいる時間は短くて済みます。泡立てて、洗って、流す。ここで終わる品は、何かが起きてもその日のうちに流し切ることができます。流用を考えるときに、最初に候補へ残せるのはこちら側です。逆に、乾いたあとも残ることを前提にした品は、置いた時間がそのまま働く時間になります。合わなかったと気づく頃には、もう一晩たっています。
| 人用の品 | すすいで流し切れるか | 乾いたあと毛に残るか | その日のうちに元へ戻せるか |
|---|---|---|---|
| シャンプー | 流し切れる | 泡が残らなければ残らない | 洗い直せば戻せる |
| コンディショナー | 流すが薄く残る設計 | 毛の表面に残る | 洗い直しても数日かかる |
| 化粧水・乳液 | 流さない | 地肌に残る | 戻せない |
| ハンドクリーム | 流さない | 塗った面に残り続ける | 戻せない |
| ウェットシート | 流さない | ふいた面に薄く残る | ふき直しても残る |
| 結論 | 流し切れる品だけが候補に残ります | 残る品は毛の上で時間が働きます | 戻せない品は試す対象にしません |
表の最終行が、この記事でいちばん短い答えです。流用の見分け方は、成分の名前を覚えることではなく、失敗をその日のうちに取り消せるかどうかで決めます。取り消せる品なら、合わなかったときに洗い直して終わります。取り消せない品は、合わなかったことに気づいてから、毛が伸び替わるまで付き合うことになります。人用の品をその子に持ってくるかどうかは、この一点で線が引けます。
もう一つ、表には書けない条件があります。人用のシャンプーは、頭皮という一面ぶんの量で組み立てられています。人が1回に使うのは、頭の面が1つ。犬の体は、背中、両脇、胸、四肢、しっぽと、面がいくつも続きます。同じ濃さのものを全身に広げると、1回あたりで地肌に触れる量が変わります。流用するかどうかを考えるときは、成分の強さと同じくらい、この面の数を見てください。
その子の口が届く面の数|犬と猫で人用の流用の比較が入れ替わる
同じ人用の品でも、犬に流用する場合と猫に流用する場合では、比較する条件そのものが入れ替わります。犬が自分の口で届くのは、前足、後ろ足の一部、口のまわり、それと届く範囲のしっぽです。猫は毛づくろいで背中の大部分と脚の裏側まで舌が行きます。毛の上に残ったものは、届く面のぶんだけ口へ運ばれます。面の数が増えれば、体の中へ移る量も増えます。
この違いがあるので、人用の品について「犬は平気だが猫は避ける」という言い方をよく見かけます。ただ、その線引きは種の差というより、口が届く面が全身につながっているかどうかの差です。犬でも、前足をなめる癖がある子や、口のまわりを気にする子では、猫と同じ条件になります。流用の比較をするときは、犬か猫かで止めず、その子が1日にどこをなめているかまで下ろしてください。
- 前足を1日に何回なめるか:夕方の1時間だけ数えると、その子の癖が見えます
- ふいた面と、なめる面が重なっているか:重なっていれば、ふいた品は口へ入る前提になります
- 寝るときに体のどこを床につけているか:接している面には、塗ったものが移ります
- 同居している子がなめに来るか:自分の口が届かない面でも、もう1頭の口は届きます
4つのうち最後の1つは、多頭飼いの家で見落とされます。その子の口が背中に届かなくても、同居している子の口は届きます。人用の品を背中に使ったあと、もう1頭がそこをなめに来る家では、犬か猫かという区分はもう意味を持ちません。流用の判断は、その子1頭ではなく、家の中で毛に触れる口の数で決めることになります。
毎日の1本を、人用と犬猫用のどっちに置くか
ここまでの条件を通すと、毎日使う1本は、なめる前提で量が決められているものに置くのが早くなります。流用するかどうかを毎回考える時間が要らなくなるからです。犬猫用としてつくられた品でも、中身の設計は同じではありません。見るのは、洗浄成分をどれだけ使っているかと、洗い上がりを戻す工程が要るかどうかの2つです。
泡をしっかり立てたいなら、洗浄成分を足すのがいちばん手早い解き方になります。人用のシャンプーは、その手で泡立ちと洗い上がりを両立させています。ただ、よく落ちる品ほど、落としすぎた分を戻す工程がうしろに付きます。人用ならコンディショナーで戻せますが、犬や猫にとっては浴室にいる時間がそのぶん延びます。mofuwa モイストシャンプーは、この工程を減らすところから逆算してつくられています。
モイストシャンプーが使っている洗浄成分はアミノ酸系のみで、量も少なくしてあります。本来なら泡立ちにくい配合ですが、原料の水を電解水にすることで泡が立ちます。グルーミングスプレーと同じ水です。水そのものが汚れを落とす側に働くので、少ない洗浄成分でも全身を洗えます。落としすぎないぶん、洗い上がりがごわつかず、トリートメントの工程が要りません。工程が1つ減ると、その子が浴室で耐える時間がそのまま短くなります。減っているのは飼い主の手間より先に、その子が我慢している分数です。
香りを付けていないのも同じ理由です。犬や猫は自分のにおいを好みます。人用の品の香りは、人が自分で選んで自分に付けるものです。その子が選んでいないにおいが毛に残ると、それだけで落ち着かない時間が増えます。人用を流用したときに「洗ったあとやたら体をこすりつける」という形で出るのは、たいていここです。犬でも猫でも、毛に残るにおいは自分では消せません。
毎日の1本を犬猫用に置いたあとでも、人用の品を全部捨てる必要はありません。流して終わる品で、その日のうちに洗い直せるものなら、切らした日の1回として使える範囲は残ります。決めておくのは、毛の上に残す品と、口が届く面に置く品を、人用から持ってこないことです。この2つだけ守れば、棚の前で迷う時間はほとんどなくなります。
人用の品を使うのをやめて7日たっても、その面の赤みやフケが同じままである/なめる回数が、夕方の1時間で4回を超える日が3日続く/ふいた面だけに色や手ざわりの違いが残る/同じ場所を、寝ているあいだにも起きてなめている。こうした残り方は、流用をやめれば戻るという説明では追いつきません。使った品の名前、使った面、やめた日から数えた日数、なめる回数を数えた時間帯。この4つを紙に書いて、動物病院の診察を受けてください。家で数えられるのは回数と面の数までで、その先を決めるのは獣医師です。
棚に残った人用のボトルを、どこまで使うか
人用の品を全部遠ざける必要はなく、行き先が三つあることだけ覚えておけば足ります。流して終わるものは候補に残り、毛の上に残るものと、口が届く面に置くものは棚に戻す。犬でも猫でも、この線の引き方は変わりません。変わるのは、口が届く面の数のほうです。
| 行き先 | どう扱うか |
|---|---|
| すすいで流れる | 切らした日の1回なら候補に残す |
| 毛の上に残る | 人用からは持ってこない |
| 口が届く面に入る | 犬も猫も、その子のためにつくられた品から選ぶ |
今日できるのは、その子が昨日どこをなめていたかを一つ思い出して、棚のボトルのうち何本がその面に届くかを数えることです。人用の流用で迷うのは、たいてい夜の急ぎの場面です。その場面が来る前に、届く面の数だけ決めておけば、手が止まりません。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 人用のシャンプーを水で薄めて使えば、犬に流用しても問題ありませんか。
- 薄めると、毎回の濃さが読めなくなります。人用のシャンプーは頭皮という一面ぶんの量で組み立てられていて、薄める前提の目盛りが付いていません。同じ量の水で割ったつもりでも、ボトルから出る量は日によって変わります。濃さが読めないと、合わなかったときに濃さのせいなのか、品そのものが合わなかったのかを分けられません。切り分けができないまま試し続けるほうが、一度きりの流用より長引きます。全身を洗う日は、その子の体の面の数を前提に量が決まっている品を使うほうが、次に比べるときの材料が残ります。
- 人用の品でも、赤ちゃん用や敏感肌用ならやさしいので流用してよいのではありませんか。
- 赤ちゃん用も敏感肌用も、人の肌を基準にやさしく設計されています。基準になっている肌が違うところが残ります。もう一つ、赤ちゃんは自分の体をなめません。人用の品は、塗った面を本人がなめない前提で、置いておく時間と量が決まっています。犬や猫は、毛の上に残ったものを毛づくろいで口へ運びます。やさしさの度合いより先に、この前提のずれのほうが判断に効きます。流用を考えるなら、まず毛の上に残る品かどうかを見て、残る品は人用から持ってこない、という順番にしてください。
- ブラシやコームのような道具を人用から持ってくるのはどうですか。
- 道具は、この記事で見てきた三つの行き先のどれにも入りません。毛の上に何も残らないからです。見るところが変わって、歯の間隔、先端の丸み、当たる面積の3つになります。人用のブラシは、頭皮という平らな一面に当てる前提で歯の長さが決まっているので、犬や猫の脇や内股のようにくぼんだ面では先端が刺さります。持ってくるなら、毛の量ではなく、いちばん当てにくい面に合わせて選んでください。液体と違って、道具は合わなければその場でやめられます。取り消せるぶん、試す順番は後ろでかまいません。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
