C11比較・選び方
手作りケア用品のリスクと限界
消臭用のスプレーを切らした週末、台所で水と粉を混ぜて空きボトルに詰めたところまでは順調でした。3週間後、同じものをもう一度作ろうとして、前回どれをどれだけ入れたのか思い出せません。手作りのペット用品で先に効いてくるのは、材料の中身より、この「もう一度出せない」ほうです。合っていたのか合わなかったのかを、次に確かめる手立てが残らないからです。台所で作ってよいかどうかは、その品が地肌の上に残るかと、同じものを再現できるかの2つで分かれます。
台所で作るものと、地肌の上に置くもの|手作りのペット用品で先に引く線
手作りのペット用品は、台所で完成するものと、その子の地肌の上ではじめて完成するものに分かれます。散歩から帰ったときの足ふき布、寝床にかけるカバー、抜け毛を集める道具、ブラシを立てておく入れもの。これらは作った時点で形が決まり、あとから中身が動きません。合わなければ外して洗えば終わります。一方、スプレーの中身、シャンプーを薄めた液、塗って残す練りもの。こちらは作ったあとも中身が動き続け、その子の地肌の上で最後の形が決まります。
この線は、材料が食品かどうかとは別のところにあります。台所にある粉も油も、口に入る量としては決まりがありますが、地肌に置いて何時間残すかという決まりは、食品の側には書かれていません。手作りのペット用品で迷うのは、たいていこの「書かれていない量」を自分で決めるところです。決められること自体が悪いのではなく、決めた量を次にもう一度出せるかどうかが問題になります。
- 形のあるもの:布、カバー、道具、入れもの。作った時点で完成し、合わなければ外して終わります
- 中身が動くもの:液体、乳液状のもの、練りもの。容器の中で日ごとに変わり、地肌の上で最後の形が決まります
- その中間:布に何かを染み込ませたもの。形はあっても、染み込ませた側は動きます
犬でも猫でも、地肌に残るものを家で作ると、確かめられない条件が一気に増えます。手作りを全部やめる話ではなく、置く場所を地肌の上から外へ移すという話です。布と道具は台所側に残し、地肌に残る液体は既製品に任せる。この分け方にすると、手作りを続けながら、合わなかったときに調べられる状態を保てます。
もう一度同じものを作れるか|続けられる手作りの見分け方
手作りの見分け方でいちばん実用的なのは、同じものを3回続けて出せるかどうかです。1回目はきちんと量って作ります。2回目は前の記憶で作ります。3回目は目分量になります。液体の手作りが続かないのは、飽きるからではなく、3回目の中身が1回目と違うものになるからです。違うものになった時点で、1回目に感じた変化が何によるものだったのかが分からなくなります。
| 手作りするもの | 3回続けて同じものを出せるか | 作った日から中身が動くか | 地肌に残るか |
|---|---|---|---|
| 足ふき用の布 | 出せる(切って縫うだけ) | 動かない | 残らない |
| 寝床のカバー | 出せる | 動かない | 接している面だけ |
| 抜け毛を集める道具 | 出せる | 動かない | 残らない |
| 薄めたシャンプー液 | 出しにくい(毎回の量が読めない) | 動く | すすぎで減らせる |
| 手作りのスプレー | 出しにくい | 容器と注ぎ口で変わる | 乾いたあとも残る |
| 塗って残す練りもの | 出せない | 作った日から動く | 次に洗うまで残る |
| 結論 | 3回出せるものだけを台所に残します | 動くものは作った日を書いて短く使い切ります | 地肌に残る側は既製品に任せます |
表の最終行が、手作りのペット用品についてのこの記事の答えです。上から3つは作っても失うものがなく、下から3つは合わなかったときに調べる手立てを失います。真ん中の薄めたシャンプー液は、すすぎで流せるぶん取り消しが効きますが、毎回の濃さが読めないという問題は残ります。犬の全身を洗う日は、体の面がいくつも続きます。面の数だけ濃さのばらつきが積み上がるので、洗い上がりの違いが濃さのせいなのか品のせいなのか、後から分けられません。
もう一つ、容器の側にも同じことが起きています。同じ液でも、注ぎ口の細いボトルと、広口の容器では、1回に出る量が変わります。詰め替えるときに前の残りへ継ぎ足すと、作った日が2つ重なります。手作りを続けるなら、容器を1つに決めて、作った日を容器に書く。ここまでやって、ようやく既製品と同じ土俵で比べられるようになります。
合わなかった日に、原因を1つに絞れるか|手作りと既製品の比較
手作りと既製品の比較でいちばん差が出るのは、うまくいかなかった日の調べやすさです。既製品なら、中身は前回と同じです。変わったのは使った量、使った面、洗った頻度、その週の気温くらいに絞れます。手作りだと、ここに「今回の配合」と「作ってからの日数」と「容器の状態」が足されます。動いている条件が3つ増えると、原因を1つに絞る作業はほぼ成り立ちません。
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①使った面をひとつに固定する
背中だけ、前足だけ、というように面を1つに決めます。全身に使ってしまうと、どこで起きたのかを比べる相手がなくなります。犬なら左右のどちらかだけにしておくと、使っていない側がそのまま比べる相手になります。
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②同じ配合で作った容器を、使い切るまで替えない
途中で作り足すと、前半と後半が別のものになります。手作りの検証が壊れるのは、たいてい途中の作り足しです。
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③作った日と、使いはじめた日を別々に書く
この2つがずれるほど、中身は動いています。作った日から3日目に使いはじめたのか、2週間目なのかで、同じ容器でも別の品になっています。
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④変えるのは1週間に1つまでにする
配合、頻度、洗う日、ブラシ。同じ週に2つ動かすと、次の週に何を戻せばいいのかが分からなくなります。戻す先が1つに決まっていることが、手作りを続けられる条件です。
この4つを守れる家なら、手作りのペット用品は検証できる形で回ります。守れない週が続くようなら、それは意志の問題より段取りの問題です。毎日のケアに使うものほど、条件を固定しておく手間が毎日かかります。週に1回のものなら固定できても、毎日のものは固定し続けられません。だから、毎日使う側を既製品に置くと、手作りのほうに余裕が戻ってきます。
布は洗えば戻り、道具は使うのをやめれば戻ります。台所で作るものを、この「数分で取り消せるか」で選ぶと、手作りのペット用品は無理なく残ります。取り消すのに日数がかかる側、つまり地肌の上に残る液体だけを外へ出す。犬でも猫でも、この分け方は変わりません。取り消しにかかる時間が、そのまま手作りの限界の目盛りになります。
毎日の1本を、手作りと既製品のどっちに置くか
毎日使う1本を既製品に置くと、条件を固定する手間が毎日ぶん消えます。ただ、既製品なら何でもよいわけではありません。見るところは、洗浄成分をどれだけ使っているかと、洗い上がりを戻す工程がうしろに付いているかどうかの2つです。ここは、家の台所では確かめようのない部分でもあります。
手作りは足し算になりがちです。泡が立たなければ何かを足し、落ちなければまた足す。mofuwa モイストシャンプーは、その逆に、洗浄成分を減らすところから組み立てられています。使っているのはアミノ酸系の洗浄成分だけで、量も少なくしてあります。本来ならそれでは泡が立ちませんが、原料の水を電解水にすることで泡が立ちます。グルーミングスプレーと同じ水で、水そのものが汚れを落とす側に回るため、少ない洗浄成分でも全身を洗えます。
減らした設計には、もう一つ先があります。必要なものまで落とし切らないぶん、洗い上がりが硬くなりません。硬くならないので、トリートメントで戻す工程が要りません。工程が1つ消えると、その子が浴室で耐える時間がそのぶん短くなります。減っているのは飼い主の手間より先に、その子が我慢している分数のほうです。この「減らしたぶんを水で埋める」という組み立ては、家で材料を混ぜる形では出てきません。手作りの限界がはっきり出るのは、まさにこの引き算の部分です。
香りを付けていないのも、思いつきではありません。その子にとっては、自分の体から出ているにおいがいちばん落ち着く材料です。手作りで香りのある材料を入れると、その子が選んでいないにおいが毛に残ります。モイストシャンプーが無香料なのは、その子にとって余分なにおいが落ち着かない時間を増やすからです。洗ったあとに床へ体をこすりつける回数が増えるようなら、落ちた汚れの話ではなく、残ったにおいの話になっている場合があります。
毎日の1本を既製品に置いたあとも、手作りをやめる必要はありません。足ふきの布も、寝床のカバーも、道具の入れものも、そのまま台所側に残ります。むしろ、毎日の条件が固定されたぶん、布を替えた週に何が変わったかが読めるようになります。手作りと既製品のどっちか一方に寄せる話ではなく、地肌に残る側だけを既製品に預ける、という線の引き方です。
手作りのものを使うのをやめて2週間たっても、使っていた面の赤みやフケが同じままである/使っていた面と、使っていない側の面で、手ざわりの差が広がっている/同じ場所をなめる回数が、夕方の1時間で4回を超える日が3日続く/作った日から3日以内に使ったときと、2週間後に使ったときで、同じ変化が出る。こうした残り方は、配合を変えれば戻るという説明では追いつきません。作った日、使いはじめた日、使った面、なめる回数を数えた時間帯。この4つを控えて、動物病院で相談の枠を取ってください。家で絞れるのは条件の数までで、その先を決めるのは獣医師です。
作ったものに日付を書く|手作りを台所に残しておく条件
手作りのペット用品を残すために要るのは、材料の知識より、容器に書いた日付のほうです。形のあるものは作った日を書かなくても困りませんが、中身が動くものは、日付がないと何日目の品なのかが分かりません。書く場所は容器で、書くのは作った日ひとつです。
| 決めること | 決め方 |
|---|---|
| どこまで手作りするか | 形のあるものまで。地肌に残る液体は外へ出す |
| 容器をいくつ使うか | 1つに決めて、途中で作り足さない |
| 何を書いておくか | 作った日と、使いはじめた日の2つ |
今日できるのは、いま台所にある手作りのものを1つ手に取って、それが3回続けて同じものを出せる側か、中身が動く側かを見分けることです。動く側だったら、容器に今日の日付を書いておく。次に何かが起きたとき、その1行が調べる出発点になります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 手作りした足ふきの布や寝床のカバーも、やめたほうがよいのでしょうか。
- 続けて構いません。布やカバーは作った時点で形が決まり、そこから中身が動きません。合わなかったときは外して洗えば、その日のうちに前の状態へ戻せます。手作りのペット用品でむずかしくなるのは、地肌の上に残って、日が経つほど中身が動く側です。布はむしろ、素材や織り方を替えながら比べやすいものです。同じ週に2枚とも替えず、1枚ずつ替えていけば、どちらが合っていたのかが分かります。犬でも猫でも、形のある手作りは家でいちばん試しやすい領域です。
- 材料が食品として売られているものなら、手作りしても問題は起きにくいのではありませんか。
- 食品として決まっているのは、口から入れる量の話です。地肌の上に何時間置いてよいかという目盛りは、食品の表示には付いていません。手作りの液体で決めることになるのは、まさにその置く時間と濃さのほうです。もう一つ、口に入る量の基準は人の体を前提にしています。犬や猫は体の大きさが違ううえ、毛の上に残ったものを毛づくろいで口へ運びます。材料が身近であることと、地肌の上での条件が分かっていることは、別の話として分けて考えてください。
- 手作りしたものは、冷蔵庫に入れておけばどのくらい持ちますか。
- 日数で答えを出すことができません。同じ配合でも、容器の口の広さ、注ぐときに触れる手、詰め替えたときに残っていた前の分、置いている場所の温度で、変わり方が違ってきます。家で確かめられるのは、におい、にごり、沈んだものの有無くらいで、それは変わったあとに見えるものです。書けるのは日数ではなく、手順のほうになります。容器を1つに決め、作った日を書き、途中で作り足さず、短い期間で使い切る。持つ日数を知るより、作った日が分かる状態にしておくほうが、次に比べるときに役に立ちます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
