C05犬種・猫種別ケア

バーミーズのケア|あごの黒ずみを減らす3つの習慣

公開日 2023年4月4日|文=mofuwa編集部

明るいやわらかな光の中で、うすい色の器のそばに短毛の猫が座っている
あごが触れているのは、器のふちです。形が変われば、触れる場所と時間が変わります。

バーミーズのあごは、指で毛をかき分けなくても皮膚の面がそのまま見えます。顔が丸く、鼻先までの距離が短いので、下を向いて食べるときにはあごの先が器のふちへ真っ先に届きます。あごニキビとして黒い点に気づく場所は、たいていその「ふちが当たっていた線」の上です。ここで見直したいのは、あごを拭く回数より先に、器の形のほうです。浅い皿と深いボウルでは、あごが当たる場所も、当たっている時間も変わります。この記事では2つの器を並べて比べ、そのうえで食事のたび・1日に1回・年に2回という、粒度の違う3つの習慣にまとめます。

あごの毛がごく短く、顔が丸い|バーミーズのあごニキビが器のふちから始まる理由

バーミーズの被毛は一本一本が短く、体にぴたりと沿っています。とくにあごの下は、体のほかの場所よりもさらに毛が短く、指で毛をかき分けなくても地肌の面がそのまま見えます。あごニキビの黒い点に最初に気づくのが、シャンプーのときではなく、ふだん抱き上げたときであることが多いのは、この見えやすさのためです。見つけやすいのは利点ですが、同時に、皮膚の面がむき出しのまま外のものに触れている、ということでもあります。

もうひとつ、バーミーズには顔の作りの特徴があります。頭が丸く、鼻先までの距離が短い。下を向いて食べるとき、鼻先より先にあごの先が前へ出ます。つまり、器に最初に触れるのは口ではなく、あごの皮膚のほうです。毛の長い猫であれば、この接触は毛の層がいったん受け止めます。バーミーズのあごニキビを器の話として考えたくなるのは、その層がほとんどないからです。

猫は一日の多くの時間を毛づくろいに使いますが、舌が届かない場所がいくつかあります。あごの下は、その代表です。前足をなめてから顔をぬぐう動作は、目のまわりから頬までは届きますが、あごの下の面は、その動きの外側に残ります。ここは、その子の毛づくろいが届かない場所を人が代わる、数少ない場所のひとつです。バーミーズでは、その面に毛の覆いもありません。

Note汚れの量ではなく、触れている時間の話です

バーミーズのあごニキビを器の汚れの問題として考えると、答えは「毎日きれいに洗う」だけになります。器を洗うのはもちろん良いことですが、それだけでは、ふちが皮膚に当たっている時間そのものは変わりません。洗いすぎで地肌のうるおいを減らすより先に、当たっている時間を短くできないかを見てください。この記事が器の形から入るのは、そこが家で動かせる条件だからです。

浅い皿と深いボウル|バーミーズのあごが当たる場所と時間の違い

器の形は、大きく2つに分けられます。口径が広くて深さのない浅い皿と、口径が狭くて深さのある深いボウルです。バーミーズのあごニキビを考えるときに見たいのは、容量ではなく、ふちの高さのほうです。ふちの高さが変われば、あごのどこが当たるかが変わり、当たっている時間も変わります。この違いが、黒い点の出る位置にそのまま出ます。

浅い皿では、猫は顔を器の外に出したまま食べます。下を向いたときにふちへ触れるのは、あごの先の一点です。ひと口ごとに顔を上げるので、触れて、離れて、また触れる、という短い接触のくり返しになります。そのかわり、水や粒が跳ねやすく、あごの下が湿ったまま次のひと口へ進むことがあります。乾いた時間が作られないまま、食事が終わります。

深いボウルでは、顔そのものが器の中へ入ります。ふちが高いので、当たるのはあごの先だけでなく、あごの下から頬の横までの面になります。しかも食べ終わるまで顔が器の中にあるので、接触は点ではなく面で、しかも続いたままです。跳ねは減りますが、そのぶん押し当てている時間が長くなります。バーミーズは頬まわりの毛も短いので、この面がそのまま皮膚に届きます。

浅い皿と深いボウルで、バーミーズのあごに起きていることの違い
浅い皿深いボウル
当たる場所あごの先の一点あごの下から頬の横までの面
当たり方触れて離れるをくり返す押し当てたまま続く
1回の食事で触れている時間短い。ひと口ごとに切れる長い。食べ終わるまで続く
顔の位置器の外に出たまま器の中に入る
跳ね返り水や粒が跳ねて、あごが湿る跳ねにくく、乾いたまま
黒い点が出やすい位置あごの先の中央あごの下の左右と、頬の横
合いやすい子顔を上げて食べる子床に散らかしやすい子
浅い皿と深いボウルで、あごが当たる場所と時間 バーミーズはあごの毛がごく短く、顔が丸いので、器のふちが皮膚に直接触れます。皿の形が変わると、触れる場所も、触れている時間も変わります。 同じ量を食べても、ふちに触れている時間が違います 浅い皿|ふちが低い 当たるのは、あごの先だけ ひと口ごとに接触が切れる 顔は器の外に出たまま 跳ねて、あごの下が湿る 深いボウル|ふちが高い 当たるのは、あごの下と頬の横 食べ終わるまで接触が続く 顔が器の中に入る 跳ねは減るが、面で押し当てる どちらが良いかではなく、残る条件が入れ替わります
器の形は、あごが触れている時間を決めています。

どちらが良い、という比較ではありません。浅い皿は接触が短いかわりに湿りやすく、深いボウルは乾いているかわりに接触が長い。それぞれ、あごに残る条件が違います。バーミーズのあごニキビでこの2つを並べるのは、いま使っている器がどちらの条件を作っているのかを、先に知っておくためです。

ふちの高さのほかに、もうひとつ見ておきたいのがふちの手ざわりです。同じ深さでも、ふちが薄くて角の立った器と、丸みのあるふちの器では、当たり方が変わります。角の立ったふちは、細い線で皮膚を押します。器を買い替えるほどでもない、と感じるときは、いま使っている器のふちを自分の手の甲に当ててみてください。バーミーズのあごに毎日起きていることが、数秒で分かります。

いまの器はどちらに近いか|バーミーズのあごニキビで決める器の使い分け

ここからは、うちの子の器がどちらに近いかを決めます。器を見て決めるのではなく、食べているところを横から一度見て決めてください。正面からでは、あごがどこに触れているかが見えません。1分あれば足ります。器の名前や売り場の分類ではなく、実際の当たり方で決めるのがこの使い分けの中心です。

  1. 食べているところを、横から目の高さで見る

    しゃがんで、器のふちと猫のあごが同じ高さになる位置から見ます。あごの先だけがふちに触れているか、あごの下の面ごと沈んでいるか。ここで浅い皿型か深いボウル型かが決まります。バーミーズは顔が丸いぶん、思っているより深く沈んでいることがあります。

  2. 食べ終わったあと、あごの下を明るい場所で見る

    窓辺か、いつも同じ照明の下で見ます。黒い点が出ている位置が、さっき触れていた線と重なっているかを確かめます。重なっていれば、あごニキビを器の話として続けられます。重なっていなければ、器以外の条件を探すことになります。

  3. あごが湿っているかどうかを、指の腹で確かめる

    浅い皿を使っている子では、食べたあとにあごの下が湿っていることがあります。湿ったまま次の食事まで置かれる時間が、条件をひとつ増やします。乾いているか、湿っているか。ここだけで、この先にやることが変わります。

  4. 水の器も、同じように横から見る

    見落とされやすいのが水のほうです。食事は1日2〜3回でも、水は1日に何度も飲みます。回数でいえば、あごが器のふちに触れるのは水のときのほうが多いことがあります。フードの器だけ替えて変わらないときは、たいてい水の器がそのままです。

横から見て分かったことと、次に動かすところ
横から見て分かったこと次に動かすこと
あごの先だけが触れて、あとで湿っている食後に乾いた面を作る。器はそのままでよい
あごの下の面ごと、器の中へ沈んでいるふちの低い器へ。触れている時間を短くする
黒い点の位置と、触れていた線が重ならない器以外の条件を探す。寝床やおもちゃの側
水の器のほうが、深く沈んでいる水の器から先に替える。触れる回数が多いほうです
Pointバーミーズは見た目で分かるぶん、こすりたくなります

あごの地肌が見えているので、黒い点はよく目立ちます。ただ、爪や布で強くこすると、皮膚の面のほうが先に傷みます。取れた実感があるやり方ほど、あとに残ります。バーミーズのあごニキビで最初にやることは、落とすことではなく、当たっている時間を測ることです。落とす手は、当たり方を確かめてからでも遅くありません。

習慣1と習慣2|食後30秒と、器を乾かす時間の選び方

ここから3つの習慣です。3つとも毎日やること、にはしません。1回の食事ごとに決めることが1つ、1日に1回決めることが1つ、季節の変わり目に決めることが1つ。時間の単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。この節では前の2つを書きます。どちらも、道具を増やさずに始められる選び方にしてあります。

  1. 習慣1|食事のたび、あごの下を30秒だけ乾いた状態に戻す

    食べ終わって猫が離れたら、乾いた布か指の腹で、あごの下を毛の流れに沿って1〜2回なでます。こするのではなく、湿りを移すだけです。30秒もかかりません。浅い皿を使っている子ほど、ここが効いてきます。嫌がるときは、食後すぐでなくてかまいません。その子が落ち着いて膝に乗ったときで足ります。バーミーズは人のそばにいる時間が長い子が多いので、機会そのものは一日に何度もあります。

  2. 習慣2|1日に1回、器のふちの内側を洗って、乾かしてから戻す

    洗うのは器の底ではなく、あごが当たっているふちの内側です。ここには食べもののあぶらが薄く残ります。洗ったあと、濡れたまま戻すと、次の食事であごが湿ります。乾かす時間まで含めて習慣にしてください。器を2つ用意して交代で使うと、乾かす時間がそのまま取れます。水の器も同じです。

この2つは、どちらも「落とす」ための習慣ではありません。あごの皮膚が、湿ったものや残ったあぶらに触れている時間を短くするための習慣です。バーミーズはあごの毛が短いぶん、触れているものがそのまま皮膚に届きます。だから、触れる中身を変えるより先に、触れている時間のほうを動かします。ブラッシングで背中の被毛を整えるのとは、手の入れ方が別だと考えてください。

あごの下を毎日きれいにしておきたいときに使えるのが、mofuwa グルーミングスプレーです。舐めても問題のない基準でつくられているので、口のすぐそばにあるあごでも、量を気にせず毎日使えます。あごへ直接吹きかけるより、コットンや布に含ませてから、あごの下を毛の流れに沿ってなでるほうが、猫は落ち着いたままでいてくれます。グルーミングスプレーはブラッシングスプレーでもあるので、あごのあとにそのまま体をなでる流れにしておくと、手を入れるのは一度で済みます。使ったあとは、乾いた面に戻してから離してください。湿ったままにしておくと、習慣1でやっていることと逆になります。

Caution1日に何度も拭かないでください

気になると、拭く回数は増えていきます。ただ、回数を増やすほど、地肌のうるおいのほうが先に減ります。洗いすぎと同じことが、あごの一点だけで起きます。1日1回で足ります。回数を増やしたくなったときは、拭く回数ではなく、当たっている時間のほうを見直してください。バーミーズのあごニキビで手数を増やして良くなった、という話にはなりにくい場所です。

習慣3は時期で決める|バーミーズのあごニキビが器を替えても戻るとき

3つ目の習慣は、季節の変わり目に決めます。時期によって、あごが器のふちに触れる条件が動くからです。暑い時期は水を飲む回数が増え、あごが水の器のふちに触れる回数もいっしょに増えます。寒い時期は暖房で部屋の湿度が下がり、地肌のうるおいが減った状態で、同じ回数だけ触れることになります。同じ器でも、時期によって条件が変わります。

やることは1つだけです。季節が変わる時期に、器のふちを一度自分の手の甲に当てて、当たり方を確かめ直す。それだけで、器を見直す時期を決められます。毎月やる必要はありません。年に2回、暑くなる前と、暖房を入れる前です。湿度が大きく動く時期に合わせておくと、思い出さなくても回るようになります。

3つの習慣は、決める時間の単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣1食後に、あごの下を乾いた状態へ戻す1回の食事ごと
習慣2器のふちの内側を洗い、乾かしてから戻す1日に1回
習慣3ふちの当たり方を確かめ、器を見直す年に2回。季節の変わり目

ここまでは、器のふちが当たっているという条件で説明のつく話でした。器を替えて、触れている時間が短くなっても、同じ場所が戻ってくることがあります。そのときは、器の話として続けないでください。次のような変わり方は、家で条件を減らす話の外に出ています。

Caution器の条件では説明がつかない変わり方

あごの地肌が赤い、腫れている、じくじくしている、触ると痛がる、黒い点が短い間に増えている、毛が抜けて地肌が広く見えている、食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、器を替えるより先に動物病院にご相談ください。家でできるのは、当たっている条件を減らすところまでです。気づいた日から1週間のうちに増えたかどうかが分からないときも、そのまま相談して大丈夫です。

相談に行くときは、いま使っている器の写真と、横から見たときの当たり方、黒い点に気づいた日の3つをメモしてください。この3つがあると、器の条件で説明のつく変化なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩にこすってきれいにしてしまうと、もとの状態が分からなくなります。拭かずに置いた状態のまま、見てもらってください。

バーミーズと暮らしていると、あごの黒い点はどうしても目に入ります。毛が短く、皮膚がそのまま見えるからです。ただ、見えていることと、増えていることは違います。動かせるのは、あごが器のふちに触れている場所と時間のほうです。浅い皿と深いボウルのどちらを使うかを決めて、食事のたびの30秒と、1日1回の器と、年に2回の見直しを置く。バーミーズのあごニキビで家から手を入れられるのは、そこまでです。

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よくある質問

多頭飼いの場合、バーミーズの器は分けたほうがいいですか?
器を共有していると、1つのふちに複数の子のあごが順番に触れます。あごニキビが気になる子がいるなら、器は分けたほうが条件は減ります。分けたうえで、それぞれの器を横から見てください。同じ形の器を並べても、体の大きさや食べる姿勢が違えば、あごが当たる場所は変わります。
器の素材によって、あごニキビの出方は変わりますか?
素材そのものより、ふちの手ざわりと、洗ったあとに乾かせるかどうかで見てください。表面に細かい傷が入りやすい器は、あぶらが残りやすくなります。ふちを手の甲に当てて角が立っていないかを確かめ、洗ったあとに水気が切れる形かどうかで選ぶと、バーミーズのあごには合わせやすくなります。
黒い点が出ているとき、シャンプーの回数を増やしたほうがいいですか?
回数を増やす方向には寄せないでください。洗いすぎると、地肌のうるおいまで一緒に減ります。バーミーズは短毛で乾きは早いのですが、あごの下は毛が少なく、皮膚が直接外へ出ている場所です。洗う回数より、器のふちが当たっている時間を先に見てください。変化が続くときは動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。