C04悩み解決
シニア期の耳をかく・振る|若い頃と同じケアでは追いつかない
後ろ足が上がりにくくなると、耳をかく動作そのものができなくなります。かゆさそのものが減ったとはかぎりません。頭を振る、床や家具の角に耳をこすりつける、前足で顔ごとこする。かき方のほうが置き換わっているだけです。シニア期に「最近かかなくなった」と感じたとき、落ち着いたのか、届かなくなったのかを分ける必要があります。この記事では、数える対象を変えるところから始めます。
かかなくなったのか、届かなくなったのか
耳をかく動作は、後ろ足を体の高い位置まで上げて、そこで支えるという、意外に負担の大きい動きです。関節や後ろ足の力が落ちてくると、この姿勢が取りにくくなります。数秒かいて、途中でやめる。あるいは、上げようとして止める。
このとき、かゆさが減っているとはかぎりません。出口を失ったかゆさは、別の動作に置き換わります。頭を振る回数が増えたり、床にこすりつけたりするのは、そのためです。
| 若い頃 | シニア期 | |
|---|---|---|
| 主な動作 | 後ろ足でかく | 頭を振る、こすりつける |
| 気づきやすさ | 音と動きで気づく | 静かなので気づきにくい |
| 起きる場所 | どこでも | 寝床のそば、家具の角 |
| 残る跡 | 耳のふちに傷 | こすりつけた側の毛が薄くなる |
| 数え方 | かいた回数 | 振った回数+こすった場所 |
もうひとつ、シニア期は耳の変化に気づく機会そのものが減ります。若い頃はブラッシングや遊びのなかで顔まわりを触る回数が多く、そのついでに耳をめくっていました。触る場面が減れば、めくる回数も減ります。かかなくなったことと、見なくなったことが同時に起きるので、気づくのが遅れます。右の列に当てはまるなら、数える対象を変えないと変化を追えません。「最近かかなくなった」は、落ち着いた合図とはかぎりません。
背景にあるのは、かゆさの置き換わり方
置き換わる形は、だいたい4つです。どれも、耳そのものではなく別の場所に跡が出ます。
- 頭を振る:いちばん多い形です。かく代わりに、耳の中のものを振り落とそうとします。回数が増えると、耳のふちが腫れることがあります
- 床や家具の角にこすりつける:頭を傾けて、同じ側をこすります。こすった側の毛が薄くなり、地肌が見えてくることがあります
- 前足で顔ごとこする:後ろ足が上がらないぶん、前足を使います。目のまわりや頬に、こすれた跡が出ます
- 寝ている時間に、寝床へ押しつける:起きているあいだは静かでも、寝ているあいだに同じ側を押しつけていることがあります。寝床のその場所だけ、においが残ります
置き換わった動作には、どれも音が小さいという共通点があります。後ろ足でかく音は、離れた部屋にいても聞こえます。頭を振る音は近くにいないと分かりませんし、寝床に押しつけているあいだは無音です。静かになったこと自体が、見逃す理由になっています。4つ目は、いちばん見つけにくい形です。寝床のにおいを、場所ごとに嗅いでみてください。頭を置いている位置だけ強いなら、そこに押しつけている時間があるということです。
もうひとつ、シニア期は耳の中の条件そのものも変わります。横になっている時間が長くなるぶん、耳が閉じている時間が延びます。空気が入れ替わる回数が減れば、耳の中の湿りは残りやすくなります。かゆさの背景に、この変化が重なっていることがあります。
数える対象を変えて、記録する
やることは、記録の取り方を変えるだけです。かいた回数の欄を、次の3つに置き換えます。
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頭を振った回数を数える
1日に何度でなくて構いません。「今日は多かった/少なかった」の2択で足ります。1週間続けると、増えているかどうかが見えます。
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こすりつけている場所を書く
家具の角、床、寝床。同じ場所が続くなら、そちら側の耳を疑います。左右のどちらでこすっているかも書いてください。
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寝床の、頭を置く位置のにおいを嗅ぐ
週に1回で足ります。その場所だけにおいが強いなら、寝ているあいだに押しつけている時間があります。
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耳を持ち上げて、根元を見る
こちらは毎日ではなく、週1回。赤み、湿り、においの3つだけを見ます。奥に触れる必要はありません。
この4つで、「かかなくなった」の中身が分かります。頭を振る回数も、こすりつける場所も増えていないなら、落ち着いたと考えて構いません。どちらかが増えているなら、出口が変わっただけです。
横になっている時間が長くなるほど、耳の中の空気は入れ替わりにくくなります。朝と夜、30秒ずつ耳を持ち上げて、そのまま開いておくだけで条件が変わります。持ち上げているあいだに付け根から外側までを一度拭いておくと、その30秒が見る時間と手入れの時間の両方になります。奥に道具や液体を差し入れる必要はありません。めくって見える入り口までで足ります。
こすりつけている側は、耳の外側と付け根、それに頬までが毎日汚れます。床や家具の角に当てている場所なので、そこにある埃も一緒につきます。シニア期に整えておきたいのは、この2か所を毎日拭ける形です。犬も猫も体から脂を出すので、昨日拭いた場所は今日また汚れます。かといって、毎日シャンプーはできません。とくに湯船そのものが負担になっている子は、洗えない子ではなく、そうしないほうがいい子です。mofuwa グルーミングスプレーは、この「毎日きれいにしてあげたい」の側を引き受けるためにつくられています。布に取って、こすりつけていた側の付け根から外側へ一度なでるだけ。アルカリ電解水が余分な皮脂と油を乳化して落とすので、力を入れてこする必要はありません。舐めることを前提に設計されているので、顔のそばで量を気にしなくても構いません。
この習慣には、もうひとつ効くところがあります。さきに書いたとおり、シニア期は顔まわりを触る場面そのものが減り、耳をめくる回数も一緒に減ります。拭く時間を1日1回決めてしまえば、耳をめくる時間がそのままついてきます。ブラッシングをする子なら、その前に mofuwa グルーミングスプレーをひと吹きしておくと、静電気で毛が立たないぶん、指が奥まで入ります。毛が寝ているほうが、こすった側の地肌が見えているかどうかも分かります。記録の4つは、この時間のなかで終わります。
年齢の変化として片づけてはいけない理由
シニア期は、たいていの変化を「歳だから」で説明できてしまいます。耳に関しては、この説明がいちばん危ないところです。耳は家庭から見えず、進み方が早いことがあるためです。
- 頭を振る回数が、この1週間で増えた
- 同じ側だけをこすりつけている、頭が傾いている
- こすった側の毛が薄くなってきた、地肌が見えている
- 耳のふちが腫れている、熱を持っている
- においの質が変わった(生ぐさい、膿のような)
- 耳を触ろうとすると嫌がる、痛がる
- 歩き方がふらつく、まっすぐ歩けない
皮膚の変化なら2週間ほど記録して判断することもありますが、耳は違います。気になる変化が出てから48時間を目安にご相談ください。とくに、頭が傾いている・ふらつくという様子があるときは、時間を置かずにご連絡ください。耳の話として様子を見る段階ではありません。
相談するときは、かいた回数ではなく、頭を振った回数とこすりつけていた場所を伝えてください。「かかなくなった」とだけ伝えると、落ち着いたと受け取られることがあります。後ろ足が上がりにくくなっていることも、あわせて伝えてください。耳の話と、足の話の両方が関わります。
耳は、家庭から見える範囲がもともと狭い場所です。シニア期はそこに、動作が置き換わって静かになるという条件が重なります。だから週に1回、耳を持ち上げて見る日を決めておくことが、いちばん確実な備えになります。曜日を決めてしまえば、忘れません。診てもらう前日に耳を掃除してしまうと、出ている汚れごと材料が消えます。こすりつけていた側の毛が薄くなっているなら、その場所も一緒に伝えてください。
家で続けるのは、数える対象を変えることと、こすりつけていた側を毎日拭いておくことの2つだけです。どちらも1分かかりません。続けているうちに、その子の「ふだんの耳」が手のなかにたまっていきます。比べる相手が自分の記録になれば、変化に気づく日は早くなります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
