C03使い方・お手入れ手順
多頭飼いの入浴の回し方
3頭が暮らす家の脱衣所で、1頭目を湯から上げた直後、こちらの手は2本とも埋まっていました。片手で体を支え、もう片手で水気をとっているあいだに、扉の向こうで2頭目が鳴きはじめます。多頭飼いの入浴で足りなくなるのは時間ではなく、この数十秒に要る3本目の手です。手が足りなくなる瞬間は、頭数から1を引いた回数だけ起きます。3頭なら2回、2頭なら1回。回数が先に分かっていれば、その2回を浴室の外で片づける順番が組めます。
2頭目を連れに行く手が、もう1本要る|多頭飼いの入浴のやり方を頭数から数え直す
多頭飼いの入浴のやり方は、湯の中の手つきではなく、湯から上がる瞬間に手が何本要るかで決まります。mofuwa 入浴シャンプーは湯に溶かして浸けるタイプなので、その子が浸かっているあいだ、こちらの手は2本とも空いたままになります。泡を立てて被毛をかき分け、地肌まで擦って届かせる形だと、この時間はまるごと手がふさがる時間に変わります。1頭だけの家では、その違いは「楽になった」で終わります。多頭飼いでは、空いた手をそのまま次の子に配れるかどうかという、別の意味を持ちはじめます。
| 頭数 | 浴室に入る回数 | 手が足りなくなる瞬間 | 浴室の外で先に決めておくこと |
|---|---|---|---|
| 1頭 | 1回 | 0回 | なし。順番という問題が起きない |
| 2頭 | 2回 | 1回 | 2頭目が待つ場所を1か所 |
| 3頭 | 3回 | 2回 | 待つ場所と、呼ぶ順番 |
| 4頭以上 | 頭数ぶん | 頭数から1を引いた回数 | 待つ場所を2か所に分ける |
足りなくなる瞬間の中身は、どの家でも同じ形をしています。1頭目を湯から上げ、床にのせて水気をとっている最中に、次の子を連れてこなければなりません。支える手・水気をとる手・次の子を連れてくる手で、要る手は3本になります。人が1人なら、ここで1本足りません。多頭飼いの入浴が毎回同じところで長くなるのは、この1本を毎回その場で探しているからです。
もうひとつ、多頭飼いの入浴には室内の側の前提があります。帰宅後のにおいは、頭数ぶんに分かれて残るのではなく、同じ空気と同じ布に集まります。玄関のマット、廊下、寝床の順に移っていくので、最後に入った子のにおいだけが室内に残るわけではありません。どの子から手をつけるかで、室内に残るにおいの出どころが変わります。順番の話は、待ち時間の話であると同時に、部屋のにおいの話でもあります。
毎日やることと、湯を張る日にやることは分けて考えます。毎日のほうは、帰宅後に足先とお尻まわりを見る程度で足ります。湯を張る日のほうは、頭数ぶんの順番が要ります。多頭飼いの入浴を習慣として続けている家は、この2つを同じ日課の中に混ぜていません。混ぜると、毎日のケアが湯を張る手間に引っぱられて、どちらも止まります。
湯を張る前に待つ場所を決める|多頭飼いの入浴の順番を脱衣所の広さで組む
多頭飼いの入浴の順番は、浴室の中ではなく、脱衣所の扉の外で決まります。手順は5つです。待つ場所を決め、湯を張り、いちばん待てない子から入れ、浸かっているあいだに次の子を連れてきて、上げた場所で水気をとりきる。順番を紙に書いておけば、当日その場で考えることは1つもなくなります。
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1|湯を張る前に、待つ場所を1か所決める
脱衣所の扉の外、廊下の壁ぎわに1か所です。浴室の中や脱衣所の中に待たせると、扉が開くたびに全頭が動きます。壁ぎわを選ぶのは、こちらが通る線とその子が座る場所を重ねないためです。3頭以上なら、ここを2か所に分けます。1か所に2頭を並べると、順番が来ていない子が先に立ち上がります。
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2|湯を張り、mofuwa 入浴シャンプーを溶かす
湯そのものが洗う側になるので、溶かし終わった時点で用意は終わりです。泡立てる道具も、途中で足すものもありません。ここで全頭を脱衣所に集めないでください。集めた家では、この先の手順すべてで扉が開きます。
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3|1頭目は、いちばん待てない子から入れる
汚れの多い子からでも、体の大きい子からでもありません。扉の外でいちばん早く鳴きはじめる子を先に入れます。待てない子を後ろに置くと、こちらが手を使っている時間のすべてに鳴き声が重なります。順番を決める物差しは、汚れではなく待てる長さです。
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4|浸かっているあいだに、次の子を待つ場所へ連れてくる
空いた手の使い道はここです。擦る手順がないので、目を離さないまま、片手で次の子を呼べます。この1回で、あとから扉を開けて連れに行く1往復がなくなります。3頭目がいる家では、2頭目を入れたあとに同じことをもう一度くり返します。
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5|上げた場所から動かずに、水気をとりきる
上げてから移動して拭くと、廊下に水の跡が残り、待っている子がそこを踏みます。脱衣所の床の上で終わらせて、それから次の子に移ります。すすぎが軽く済むぶん、水気をとる時間もそのまま短くなります。
この手順で効いているのは、4だけです。ほかの4つは順番を守るための下ごしらえで、手の数を増やしているのは「浸かっているあいだに、次の子を動かす」の1点だけになります。擦って泡を届かせる洗い方では、この時間に手が離せません。浸けて洗うやり方は、手を1本ぶん前借りできる形をしています。多頭飼いで入浴シャンプーが向いていると言われる理由は、時短そのものよりこちらにあります。
帰宅後に足だけを済ませたい日は、浴室まで行かない形もあります。散歩から帰って、家に入る前に玄関先で桶に湯を張り、足だけを浸ける使い方をしている飼い主もいます。桶に対する分量の目安は決めていないので、ここでは薄めて使うという形までにしておきます。多頭飼いでは、この玄関先の1回を先に済ませておくと、湯を張る日の泥の量がそのぶん減ります。
1回の湯で何頭までという線は、こちらでは引きません。泥が多かった日と、室内で過ごしただけの日では、湯の状態が別ものになります。決めておくのは、張り替えるかどうかではなく順番のほうです。泥が多い子を最後にしておけば、張り替えるかどうかをその日に決められます。先に入れてしまうと、後ろの子のところで選べなくなります。順番だけは前の晩に決めておき、湯の判断は当日その場でしてください。
足りない手を毎回その場で探している|多頭飼いの入浴のコツは待つ場所を先に置くこと
多頭飼いの入浴のコツは、手を増やすことではなく、足りなくなる回数を先に数えておくことです。3頭なら2回。その2回がいつ来るかが分かっていれば、来る前に次の子を動かせます。崩れる家で起きているのは、この2回を毎回その場で受けてしまうことです。次の3つは、どれもその受け方から生まれます。
- 先に全頭を脱衣所へ集める:待つ場所が浴室の中に入ってしまいます。扉は開いたままになり、湯気で床が濡れ、順番が来ていない子が先に近づきます。手が足りなくなる2回は、集めた時点で2回とも脱衣所の中で起きることが決まります
- 上げてから移動して水気をとる:脱衣所から廊下へ数歩動くだけで、次の子が歩く床が濡れます。滑った経験が1回つくと、その子は待つ場所から動かなくなり、連れてくる手にもう1本要ります
- 順番を毎回変える:その日の汚れ方で1頭目を入れ替えると、待てる長さの物差しが消えます。順番が習慣になっている家では、呼ばれていない子は立ち上がりません。多頭飼いで回る順番は、正しい順番ではなく毎回同じ順番です
数えるものは1つだけにします。紙に、日付・頭数・順番・手が足りなくなった回数の4つを1行で書きます。3頭なら2回のはずが、3回や4回になっている日があります。増えたぶんが、待つ場所か順番のどちらかが崩れた回数です。1か月ためると、崩れる曜日と時間帯がそろっていることが分かります。多頭飼いで見直す先は、たいていその日の時間の取り方のほうです。
湯から上げたあと、同じ子だけが決まった場所をなめ続ける/待つ場所から動かない日が3日続く/上げたときに毛をかき分けると地肌が赤い、さわると熱い/頭数は変わっていないのに、同じ子のところでだけ足りなくなる回数が増えていく。こうした変わり方は、順番の組み方だけでは説明がつかないことがあります。紙に書いた頭数・順番・足りなくなった回数をそのまま持って、動物病院でその子の体のほうを見てもらってください。どの子のどの回で止まっているのかが、紙1枚で伝わります。そのうえで、翌日からは同じ順番で回します。順番を止めてしまうと、戻すときに待つ場所からやり直しになります。
もうひとつ、崩れたように見えて崩れていない日があります。来客のあった日、工事の音が続いた日、帰宅時刻が2時間ずれた日です。こういう日は頭数を減らして、1頭だけで終わらせます。紙には回数を書かず、横線を1本引いておきます。あとで見返したときに、順番が崩れた日と、外の出来事があった日を区別できます。
同じ日に全頭か、1頭ずつ別の日か|犬と猫の多頭飼いで入浴の頻度が分かれるところ
多頭飼いの入浴の頻度は、何日おきかという数字より先に、全頭を同じ日にするかどうかで分かれます。同じ日にまとめれば湯を張るのは1回で済み、そのかわり手が足りなくなる瞬間が頭数ぶん出ます。1頭ずつ別の日にすれば足りなくなる回数は毎回0ですが、湯を張る手間が頭数ぶんかかります。どちらが続くかは、脱衣所の外に待つ場所を置けるかどうかで決まります。
| 見るところ | 全頭を同じ日に | 1頭ずつ別の日に |
|---|---|---|
| 湯を張る手間 | 1回で済む | その都度かかる |
| 手が足りなくなる回数 | 頭数から1を引いた回数 | 毎回0回 |
| 待つ場所 | 要る。2頭なら1か所、3頭なら2か所 | 要らない |
| 向いている家 | 扉の外に待つ場所を置ける家 | 人が1人で回している家 |
| 崩れやすいところ | 途中で1頭が抜けて、順番が入れ替わる | 日をまたぐと、どこまで回したか忘れる |
犬だけの多頭飼いと、犬と猫が混ざる家では、分かれ方が変わります。犬の多頭飼いでは、待つ場所さえあれば同じ日にまとめる形が続きます。猫が混ざる家では、湯そのものを嫌がる子がいるので、全頭を同じ日にという組み方が1頭のところで止まります。止まる子がいるなら、その子だけを別の日に移して、残りを同じ日にまとめます。犬の多頭飼いの頻度は日数の話ですが、犬と猫の多頭飼いの頻度は、誰を同じ日に入れるかという組み合わせの話になります。
浸けて洗うやり方は、立っていられない子でも湯の中で体を支えられます。足腰が弱ってきた子と若い子が同じ家にいるとき、同じ日にまとめられるのはこの点があるからです。うるおいを残す成分が入っているぶん、上がってから別のものを足す手順も増えません。手順が増えないことは、1頭の家では小さな差ですが、頭数ぶんかけ算になる家では効いてきます。
今夜やることは、湯を張る前に待つ場所を1か所決めるところまでで足ります。紙には日付と頭数と、手が足りなくなった回数を1行だけ。1か月分たまると、多頭飼いの入浴が崩れるのはいつも同じ回だと分かります。順番は、覚えるものではなく書いておくものです。
Product
mofuwa 入浴シャンプー
400ml / 3,410円(税込)
浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見るよくある質問
- 2頭目が扉の外で鳴きやみません。先に入れてしまったほうが早いですか。
- 鳴いている子を先に入れる形で組み直してください。順番を決める物差しは、汚れの量ではなく待てる長さです。いちばん早く鳴きはじめる子が2頭目に置かれている家では、1頭目を上げて水気をとる数十秒のあいだ、ずっと鳴き声が重なります。ここで手が足りなくなる1回目が来るので、鳴き声と手不足が同じ瞬間に重なる形になります。物差しを入れ替えれば、鳴く子は湯の中にいて、待っているのは待てる子になります。ただし入れ替えるのは1回だけにして、翌週からは同じ順番で回してください。毎回変えると、待てる長さそのものが測れなくなります。
- 猫だけが湯に入りたがりません。多頭飼いの順番はどう組めばいいですか。
- その子を順番から外して、残りの頭数で組みます。頭数が3頭から2頭に減れば、手が足りなくなる瞬間も2回から1回に減ります。外した子は、湯を張らない日に足先とお尻まわりだけを見る形に移してください。全頭を同じ形に寄せようとすると、嫌がる1頭のところで毎回止まり、残りの子の順番まで崩れます。多頭飼いでそろえるのは、やり方ではなく日付のほうです。同じ日に、違う形で終わらせて構いません。
- 帰宅後に足だけ洗う日と、湯を張る日は分けたほうがいいですか。
- 分けたほうが続きます。帰宅後の足先は毎日のことで、湯を張るのは頭数ぶんの順番が要る日です。この2つを同じ日課にまとめると、毎日のほうが湯を張る手間に引っぱられて止まります。玄関先で桶に湯を張って足だけ浸ける形なら、浴室まで行かずに済むので、頭数が多い家でも帰宅後の動線に入ります。足先を毎日見ている家は、湯を張る日の泥の量が減るので、結果として1回にかかる時間も短くなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
