C05犬種・猫種別ケア

オリエンタルショートヘアの短毛|皮膚の乾燥を毎日のケアで防ぐ

公開日 2023年4月18日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、体に対して大きな耳を持つ細身の短毛猫が座っている
体の中で、いちばん毛の少ない面が耳です。変化は、たいていここから見えはじめます。

窓に向かって座ったオリエンタルショートヘアの耳は、光を通してうすく色づいて見えます。体に対して耳が大きく、その面にはほとんど毛がないので、地肌がそのまま外に出ています。皮膚の乾燥に最初に気づくのは、たいてい体をなでている手のほうではなく、この耳のふちを見た目のほうです。ふちに沿って、細い白い縁が出る。指で軽くなぞると、わずかにざらつく。体の被毛の下はまだ何も変わっていないのに、耳だけが先に変わります。この記事は、その順番がなぜ決まっているのかを、耳という面の作りからたどる読みものです。

逆光で、耳のふちだけが白く見えた|オリエンタルショートヘアと暮らす人の経験

明るい窓のほうを向いて座っているとき、オリエンタルショートヘアの耳は光を通します。うすい膜のように見えて、内側の色がぼんやり浮かびます。その状態で、ふちに沿って細い白い線が見えることがあります。幅にすれば1ミリか2ミリ、耳のいちばん外側の縁だけが、うっすら白く粉をふいたように見える。正面から見ているときには、まず気づきません。

気になって指の腹でなぞると、なめらかではなく、ざらりとした手ざわりが返ってきます。それでいて、その場で背中や脇腹をなでても、被毛の手ざわりは何も変わっていません。地肌を見ようと毛をかき分けても、いつもと同じに見える。体はまだ何も知らせていないのに、耳のふちだけが先に変わっている。オリエンタルショートヘアと暮らしている方の多くが、一度はこの経験をしています。

そして、たいていはそこで終わります。写真を撮ろうとしても写りません。白い縁は、光が後ろから当たっていて、その子が耳を立てている、という条件がそろったときにしか見えないからです。次に抱き上げたときには、もう見つけられません。だから「気のせいだったかもしれない」で流れていきます。オリエンタルショートヘアの乾燥に気づくのが遅れるとしたら、注意深さの問題ではなく、見える窓が一日のうちに数回しか開かないためです。

Note見えたら、触るところまでをひと続きにしてください

見えた白い縁を覚えておこう、としないでください。オリエンタルショートヘアの乾燥は、その日の光と角度でしか見えない形で出ます。見えた → 指の腹で耳のふちをなぞる → ざらついているかどうかを覚える。ここまでを1つの動作にしてしまうほうが続きます。色より、手ざわりのほうが記憶に残ります。「きのうよりざらついている」という比べ方ができるようになるまで、数日あれば足ります。

体でいちばん毛のない面が、いちばん大きい|オリエンタルショートヘアの耳という背景

オリエンタルショートヘアは、顔から体まで、線が細く長い作りをしています。そのなかで耳だけが、体の比率から外れて大きい。頭のてっぺんから左右に広がって、顔の輪郭の続きのように三角形をつくります。この耳の面が、体のどこよりも毛が少ない場所です。とくに外側のふちには、指でかき分けるほどの被毛がありません。

体のほうは、極端に短い毛でびっしり覆われています。一本一本は短くても、面としてはすきまなく並んでいるので、外の空気は地肌に直接は届きません。ところが耳には、その覆いがありません。しかも耳は、内側と外側の両方が空気に触れています。体の皮膚が外気に触れているのは片面だけですが、耳は表と裏の両方が外に出ています。同じ皮膚でも、置かれている条件が違います。

もうひとつ、この猫の体には脂肪の層が薄いという特徴があります。細く、筋肉質で、抱き上げると骨の位置が手のひらに分かる。皮膚と外の空気の距離が、全身にわたって近い猫です。その全身の傾向を、いちばん極端な形で持っているのが耳ということになります。オリエンタルショートヘアの乾燥を体の作りから考えると、話は必ずこの耳に戻ってきます。

猫は自分で毛づくろいをします。前足をなめて、その足で顔と耳をぬぐう動作を、一日に何度もくり返します。この動きは、目のまわりから耳の付け根までは届きます。けれど耳のいちばん外側のふちは、その動きの端になります。湿った前足が最後に通る場所であり、通らないまま終わることもある場所です。ここは、その子の毛づくろいが届かない場所を人が代わる、数少ない面のひとつです。

同じ皮膚でも、体の面と耳のふちでは条件が違います
体の背中や脇腹耳のふち
毛の量短いが、すきまなく覆っているほとんどない
外気に触れる面片面だけ表と裏の両面
空気の動き被毛が受け止める直接あたる
毛づくろいの届き方舌が届き、湿りが行き渡る前足の動きの端。通らない日もある
変化の見えやすさ毛をかき分けないと見えない逆光なら、そのまま見える
飼い主が触る回数なでるたびに触れている意識しないと触らない
Point耳の中ではなく、外側のふちの話です

ここで見ているのは、耳の穴の中でも、内側のくぼみでもありません。外側にぐるりと回っている、いちばん外の縁だけです。耳の中に指や綿棒を入れないでください。オリエンタルショートヘアは耳が大きいぶん中も見えやすいのですが、中の汚れやにおいが気になるときは、自分で触らずに動物病院にご相談ください。この記事で扱うのは、外から見えて、外から触れる面だけです。

体より先に、耳のふちが乾く|オリエンタルショートヘアで順番が決まっている理由

部屋の湿度が下がっていくとき、体の全部が同じ速さで乾くわけではありません。覆いのない面から順に、条件が変わっていきます。オリエンタルショートヘアで耳のふちが先に変わるのは、その面が「覆いがない」「両面が外に出ている」「動いて空気に当たり続ける」という3つを同時に満たしているからです。ひとつずつ見ていきます。

3つ目は見落とされやすい条件です。背中の被毛は、猫が眠っているあいだはほとんど動きません。ところが耳は、寝ているときでも音に反応して向きを変えます。同じ部屋の同じ空気の中にいても、耳のふちだけは、新しい空気に当たり続けていることになります。オリエンタルショートヘアは音への反応がよく、耳をよく動かす子が多いので、この差はさらに開きます。

そこに、季節の条件が重なります。暖房を使う時期は、部屋の湿度が下がります。湿度計の数字が下がりはじめてから、体の被毛の下に変化が出るまでには時間がかかりますが、覆いのない耳のふちは、その途中の段階を先に見せてくれます。つまり耳は、オリエンタルショートヘアの乾燥を早い段階で知らせる面として使えるということです。体を触ってから気づくのでは、いつも一段遅れます。

同じ部屋の湿度が下がっていくとき、変化が見える順番
見る場所何を見るか気づける段階
耳の外側のふち白い縁と、指でなぞったときのざらつきいちばん早い
鼻すじと目のまわり毛の短い面の、地肌のつや次に見えます
脇腹の地肌毛をかき分けたときの色と手ざわりしばらく経ってから
背中の被毛全体つやの落ち方、ブラッシングでの静電気いちばん遅い

この順番があるので、家でやることの順番も決まります。先に見るのは耳、あとから触るのが体です。逆にすると、体で気づいたときにはすでに何日か過ぎていることになります。オリエンタルショートヘアの乾燥を毎日のケアで扱うというのは、この順番を固定してしまう、ということでもあります。特別な道具は要りません。要るのは、見る場所を1か所に決めておくことだけです。

なお、耳のふちが白く見えるのは乾燥だけが理由ではありません。もともと色のうすい子では、光の当たり方でそう見えることがあります。だから、色ではなく手ざわりで決めてください。指の腹でなぞったときになめらかなら、その日は何も起きていません。ざらつきが返ってきた日だけを数えます。色は日によって変わりますが、手ざわりは変わりません。

耳を見てから、部屋のほうを動かす|オリエンタルショートヘアの乾燥で追える変化

ここからは、毎日のなかでの手の入れ方です。やることは、耳を見る、耳をなでる、部屋を動かす、の3つだけです。順番はこのとおりに固定してください。猫の側でできることには限りがあり、実際に大きく動かせるのは部屋の条件のほうだからです。オリエンタルショートヘアの乾燥では、猫を触る手より、部屋を触る手のほうが効いてきます。

  1. 1日1回、同じ明るさで耳のふちを見る

    決めるのは時間帯です。朝のごはんのあと、帰宅してすぐ、寝る前。いつも同じ光の下で見ると、きのうと比べられます。その子が耳を立てているタイミングでかまいません。かかるのは10秒です。オリエンタルショートヘアは人のそばにいる時間が長い子が多いので、機会そのものは一日に何度もあります。

  2. 指の腹で、耳の外側のふちだけをなぞる

    力は要りません。なでるのではなく、手ざわりを取りにいく動きです。耳の中には入れないでください。ざらついていたか、なめらかだったか。この2つのどちらかを覚えておくだけで足ります。嫌がる子では、耳の付け根をなでるついでに、指がふちを通るようにしてください。

  3. ざらつきが2日続いたら、部屋の湿度を先に見る

    1日だけなら、その日の風向きや外出のせいということもあります。2日続いたら、猫ではなく部屋を動かします。暖房の設定温度を1度下げる、洗濯物を部屋干しにする、加湿器を寝床の側に寄せる。どれか1つで構いません。地肌のうるおいは、部屋の湿度と一緒に動きます。

  4. 週に1回、背中と脇腹の地肌も指の腹で確かめる

    耳が先、体はあとです。ブラッシングのついでに、毛の流れと逆に指を入れて、地肌の手ざわりを取ります。ここまで変化が出ているなら、耳で気づいてから何日か経っているということです。週1回で足ります。毎日やると、比べる基準のほうがぶれます。

洗う回数についても書いておきます。オリエンタルショートヘアは被毛が短く、汚れが目立ちにくいので、洗う手間そのものは軽い猫です。だからこそ回数が増えやすいのですが、洗いすぎると、地肌に残っているうるおいまで一緒に減ります。乾燥が気になる時期は、回数を増やす方向へは寄せないでください。動かすのは、洗う回数ではなく部屋の湿度のほうです。ブラッシングも同じで、回数を増やすより、力を弱めるほうが向いています。

耳のふちに何かを置くときは、この猫の毛づくろいの経路を先に思い出してください。前足をなめて、その足で顔と耳をぬぐう。耳の外側に残ったものは、次の毛づくろいで前足へ移り、前足から口へ回ります。耳に置くものは、口に入るものと同じ扱いになるということです。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、香りを足していません。開けた直後にわずかに塩素のようなにおいを感じることがありますが、それは香料で隠していないぶん、水そのものの性質がそのまま出ているためです。猫はにおいにも噴射音にも敏感なので、体の近くで音を出さないほうが続きます。指先かコットンにいったん取ってから、耳の外側のふちだけをなでてください。耳の中には絶対に入れないでください。順番は、ざらつきを確かめたあとです。先になでてしまうと、その日の手ざわりが分からなくなります。

Caution早めに動物病院へ相談したいとき

耳のふちが赤い、腫れている、めくれている、かさぶたのようなものができている、触ると痛がる、耳の中からにおいがする、頭を何度も振る、同じ側の耳ばかりかいている、地肌にフケのようなものが目立って増えた、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを足す前に動物病院にご相談ください。オリエンタルショートヘアは耳が大きく、外から見えるぶん気づきやすい場所です。迷ったときは、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、ざらつきに気づいた日、その週の部屋の湿度、いま使っているケアの3つをメモしてください。この3つがあると、部屋の条件で説明のつく変化なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてしまうと、もとの状態が分からなくなります。そのまま連れて行ってください。

オリエンタルショートヘアと暮らしていると、この猫の耳は、いつも先に何かを教えてくれる面だと分かってきます。毛がなく、両面が外に出ていて、一日じゅう動いている。体の被毛の下で起きることの一歩手前を、そのまま外に出している面です。だから、体を触る前に耳を見る。ざらつきが2日続いたら、猫ではなく部屋を動かす。オリエンタルショートヘアの乾燥に毎日のケアで手を入れるというのは、この順番を崩さないでいる、というだけのことです。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。