C05犬種・猫種別ケア

シャルトリューのケア|アンダーコートの詰まりを減らす3つの習慣

公開日 2023年5月30日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の中で、明るい色の床に静かに座っているグレーの短毛猫
指を沈めたときに毛が割れるか、それとも面ごと沈むか。分かれ方に条件が出ます。

シャルトリューの背中に指を1本まっすぐ沈めると、毛が左右にぱたんと割れて、そこに溝ができます。指を抜いても、その線はしばらく残っています。ほかの猫では、指を入れても毛はすぐ戻って線が消えることのほうが多い。ここまではっきり割れるのは、毛が密で、一本ずつに張りがあるからです。シャルトリューのアンダーコートを見るときは、この溝の深さが手がかりになります。底まですっと割れる場所と、途中までしか割れずにすぐ閉じる場所がある。同じ一頭の背中の上に、その2つが並んでいます。この記事では、溝ができる場所とできない場所を比べて、その日にどこへ手を入れるかを決めるところまでを書きます。

指を沈めると毛が割れる|シャルトリューの被毛が密であることの意味

シャルトリューの毛は、長くはありません。それなのに手を置くと、指が毛の中へ沈みます。沈んだぶんだけ毛が横へ押しのけられて、指の左右に壁ができる。この壁が立ったまま残るので、指を抜いたあとに溝が見えます。毛の一本ずつに張りがあって、押しのけられた位置から自分では戻ってこられないからです。

この作りは、シャルトリューが寒く湿った土地で暮らしてきたことと結びついています。外側に、水をはじく方向に働く上毛。その内側に、空気をためて体温を保つ下毛。2つの層が、短い距離のあいだに詰めて重なっています。毛の長さで空気をためるのではなく、密度でためる作りです。だから毛は短いのに、指は深く沈みます。

この密度が、アンダーコートの詰まりの見え方を決めています。抜けた下毛は、外へ出るために上毛のあいだを通らなければなりません。ところが、通り道そのものが狭い。抜けた毛は、外へ出る前に、隣の毛のあいだに引っかかって止まります。止まった毛が横へ横へとつながっていくと、面になります。

ここで大事なのは、指が沈む深さと、溝ができる深さが、必ずしも同じではないということです。下毛が詰まっていない場所では、指は地肌まで届き、溝も底まで残ります。詰まっている場所では、指は途中で押し返され、溝も浅いところで止まる。シャルトリューのアンダーコートは、この溝の深さで測れます。

Note毛の量が多いから詰まる、という話ではありません

シャルトリューの被毛には量があります。ただ、詰まりを決めているのは量ではなく、抜けた下毛が外へ出るまでの通り道が狭い、という構造のほうです。量の話にすると、答えはいつも「もっと長い時間ブラッシングする」に行き着きます。通り道の話にすると、答えは「どこが塞がっているかを先に見つける」に変わります。時間より、溝の深さのほうを見てください。

溝ができる場所と、できない場所|シャルトリューのアンダーコートの違いを比べる

背中に指を沈めると、場所によって2通りの反応が返ってきます。ひとつは、毛が左右にすっと割れて、底に地肌が見える場所。もうひとつは、毛が割れずに面ごと沈み、指を抜くとすぐ閉じてしまう場所です。アンダーコートの状態は、この2つのどちらかとして手に返ってきます。同じ項目で並べます。比べるのは毛の量ではなく、割れ方と、その底に何があるかです。

溝ができる場所では、下毛は詰まっていません。上毛と下毛のあいだに隙間が残っているので、指が入るとその隙間に沿って毛が分かれます。分かれた毛はそれぞれ立ったままなので、壁が残る。底に地肌が見えるなら、抜けた下毛はすでに外へ出ています。この場所に道具を入れても、出てくるものはあまりありません。

溝ができない場所では、抜けた下毛が横へつながって、一枚の面になっています。指を入れても、毛は分かれずに面ごと押し下げられます。押されているだけなので、指を抜けば弾力で戻り、線は残りません。溝ができないこと自体が、そこに面があるという合図です。シャルトリューのアンダーコートで手を入れるべきなのは、こちらの場所です。

シャルトリューの背中で、2つの場所は何が違うか
溝ができる場所溝ができない場所
指を入れたとき毛が左右に割れる毛が割れず、面ごと沈む
指を抜いたあと線がしばらく残るすぐ閉じて、線が消える
溝の底地肌が見える毛が横につながって見えない
押し返される深さ地肌まで届く途中で止まる
下毛の状態抜けた毛が外へ出ている抜けた毛が留まって面になっている
その日にやること触らなくて構いません1枚ぶんだけ外へ運びます
増える時期変わりません換毛の時期に増えます
溝ができる場所と、できない場所 シャルトリューの被毛は密なので、指を入れると毛が割れて溝ができます。割れる場所と割れない場所で、下毛の状態が分かれます。 同じ背中の上に、2つの場所が並んでいます 溝ができる場所 毛が左右に割れる 底に地肌が見える 指が地肌まで届く その日は触らなくてよい 溝ができない場所 毛が割れず面ごと沈む 抜くとすぐ閉じる 指が途中で止まる 1枚ぶんだけ外へ運ぶ 溝ができないこと自体が、面がある合図です
溝の深さが、下毛がどこまで詰まっているかを教えてくれます。

この2つは、固定された場所ではありません。今日は溝ができた場所が、2週間後にはできなくなっていることがあります。逆に、面になっていた場所を1枚ぶん運び出せば、翌週には溝ができるようになります。場所で覚えるのではなく、その日に指を入れて確かめるものだと考えてください。シャルトリューの背中は、そのくらいの速さで状態が動きます。

見た目で判断できない、という点も押さえておいてください。シャルトリューの被毛は一色で、しかも表面がそろって見えます。内側で下毛が面になっていても、上から見たかぎりでは整って見えます。色でも、艶でも分かりません。分かるのは指だけです。

今日はどこから触るか|溝の深さで決める、シャルトリューでの使い分け

2つの場所があると分かったら、次はその日にどこへ手を入れるかです。全身を毎日やる必要はありません。というより、溝ができている場所に道具を入れても、出てくるものがないので意味がありません。先に指で場所を選んでから、道具を持ちます。シャルトリューのアンダーコートでは、この順番が逆になると手数だけが増えます。

  1. 肩・背中の中央・腰・尾の付け根に、指を1本ずつ沈める

    4か所を、同じ力で同じ深さまで押します。力を変えると比べられなくなるので、指の腹がわずかに沈む程度でそろえてください。シャルトリューは体つきがしっかりしているので、背中の面が広く、4か所でも条件がはっきり分かれます。片手で体を支えて、もう片方の手だけで回します。

  2. 指を抜いて、溝が残ったかどうかを見る

    抜いた直後ではなく、2〜3秒おいてから見ます。線が残っている場所と、閉じた場所に分かれます。残った場所は、その日は終わりです。閉じた場所だけを覚えておいてください。4か所のうち閉じたのが1か所なら、今日の作業はその1か所だけです。

  3. 閉じた場所で、溝がどこまで届いたかを指で測る

    もう一度同じ場所へ指を入れて、押し返された深さを覚えます。浅いところで止まるほど、面が上のほうまで来ています。深く入ってから止まるなら、面は地肌に近い側にあります。この差で、道具を当てる深さが変わります。上まで来ている面に深く入る道具を使うと、面より先に上毛をつかみます。

  4. 止まった深さより、ほんの少し浅いところに道具を入れる

    指で毛を分けて層を1枚だけ出し、そこへ道具を通します。止まった深さぴったりを狙わず、手前で止めるのがこの猫での使い分けです。密な被毛なので、狙った深さより深く入りやすい。浅めに入れて、出せたぶんだけ外へ運ぶ。1回で全部を出そうとしないでください。

  5. 終わったら、もう一度同じ場所へ指を入れて溝を確かめる

    1枚ぶん運び出せていれば、さっきより溝が深く残ります。変わっていなければ、その日はそこまでです。同じ場所を何度もやり直すより、翌日にもう1枚ぶん進めるほうが早く終わります。この確かめがあると、やったことが手に残るので、続きます。

指で測った深さと、その日の手の入れ方
溝の残り方その日にやること
底まで割れて、線が残るその場所は触りません
途中まで割れて、線が残る層を1枚だけ出して通します
割れずに閉じる。浅いところで止まる浅い側から、少しずつ運び出します
割れずに閉じる。触ると嫌がるその日は手を止めて、翌日に見ます
Point猫が自分でやっている場所には、手を入れない

猫は舌で毛を起こして、抜けた毛を自分で外へ運び出しています。溝ができる場所というのは、その子の毛づくろいがちゃんと届いている場所です。人が手を入れるのは、届いていない場所を代わるためであって、届いている場所まで引き受けるためではありません。4か所のうち3か所で溝ができたなら、それはうまくいっているという意味です。残りの1か所だけを担当してください。

深さ・向き・時期|シャルトリューのアンダーコートの詰まりを減らす3つの習慣

ここからが毎日のケアの話です。挙げるのは3つですが、3つを同じ日にそろえてやる必要はありません。1か所ごとに決めるものが1つ、1回の動かし方で決めるものが1つ、1年の中で決めるものが1つ。決める単位がずれているので、忙しい週に1つ止まっても、残りは動いたままです。アンダーコートに手を入れる回数そのものは、増やさなくて構いません。

  1. 習慣1:1か所ごとに、道具を入れる深さを先に決める

    道具を持つ前に、指を入れて溝の底がどこにあるかを確かめます。確かめてから、その手前の深さで止める。深さを先に決めておくと、道具まかせになりません。シャルトリューの被毛は密なので、上から一気に入れると、道具は自分で深いところまで進みます。進んだ先に地肌があります。1か所につき10秒、指で測る時間をつくるだけで、この事故が減ります。

  2. 習慣2:1回の動かし方として、溝の底から外へ向けて運ぶ

    道具を入れたら、体の面に沿って長く滑らせるのではなく、溝の底から、溝の外へ向けて短く抜きます。面になっている下毛は、横につながっています。横に滑らせると、つながったまま引っぱることになる。底から外へ抜けば、つながりの端から1本ずつ外れます。同じ道具でも、動かす向きだけで出てくる量が変わります。抜いたら道具に付いた毛を取って、次へ進んでください。

  3. 習慣3:1年の中で、溝をつくる場所を増やす時期を決める

    ふだんは肩・背中の中央・腰・尾の付け根の4か所で足ります。下毛がまとまって動く時期だけ、脇腹・後ろ脚の付け根・首の下・胸の4か所を足して、8か所で溝をつくります。やることは同じで、確かめる場所の数だけを増やします。時期が終わったら4か所に戻す。道具も回数も増やしません。増やすのは、指を入れる場所の数だけです。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣1道具を入れる深さ。指で先に測る1か所ごと
習慣2溝の底から外へ、短く抜く向き1回の動かし方
習慣3溝をつくる場所を4か所から8か所へ1年の中。下毛が動く時期だけ

皮脂についても書いておきます。留まった下毛が面のまま固まるのは、皮脂が毛どうしをまとめるからです。だからといって、洗う回数を増やす方向へは寄せないでください。シャルトリューの被毛は密なので、水は表面で止まりやすく、内側まで濡らすと今度は乾きに時間がかかります。濡れている時間が長くなると、面はかえって閉じます。皮脂が気になるときにまず動かすのは、洗う回数ではなく、溝をつくって1枚ぶん外へ運べているかどうかのほうです。

Caution閉じた面に、道具を力で入れないでください

指が押し返される場所へ、道具を上から強く入れると、抜けた下毛ではなく、生えている上毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。面は、その日のうちに全部を開ききらなくてかまいません。1枚出して、出せたぶんだけ運ぶ。体をよじる、声を出すというときは、その日はそこで止めてください。その日を1枚で終えて翌日に続けたほうが、面は早く開きます。

密な被毛でいちばん避けたいのは、固まった面にはさみを入れることです。固まった面を切らずに開くために使えるのが、mofuwa 毛玉予防ジェルです。少量を手のひらでのばして、溝をつくる前に、毛の流れに沿って背中をなでるように置いてください。塗っておくとトリートメント成分が毛1本1本をコーティングするので、抜けた下毛が横へつながって固まりにくい状態が続きます。すでに固まってしまった面のほうには、毛玉予防ジェルをその場所へもみこみます。潤滑剤として働くので、端から1本ずつ外して、溝の外へ運び出せます。

溝が浅いままのときは、道具の選び方より先に地肌を見る|シャルトリューで手を止める線

ここまでは、被毛の密度で説明のつく詰まりの話でした。3つの習慣を回していても、同じ場所の溝が浅いまま戻らないときは、道具の選び方を変える前に見るところがあります。次のような変わり方は、アンダーコートの話として片づけないほうが安全です。

Caution溝の底に見えたことを、そのまま伝える変わり方

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、溝をつくる場所を増やすより先に、地肌を動物病院で見てもらってください。シャルトリューは被毛が密で、内側が外から見えません。アンダーコートの溝をつくったときに見えたことを、そのまま伝えてください。同じ場所の溝が2週間たっても浅いままなら、その時点で相談して構いません。

相談やトリミングの前には、溝ができなかった場所、いつからか、その日に運び出せた量の3つをメモしてください。この3つがあると、被毛の密度で説明のつく詰まりなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに手を入れると、もとの状態が分からなくなります。閉じている面はそのままにして、連れて行ってください。

道具の選び方についても一言。溝が浅いことを道具のせいにして、より深く入るものへ持ち替えるのは、この猫では順番が逆になります。シャルトリューの被毛は密で、地肌までの距離が短い。深く入る道具は、面より先に地肌に届きます。選ぶなら、深さではなく、溝の外へ短く抜きやすいものを選んでください。深さは道具ではなく、指で決めるものです。

シャルトリューと暮らすうえで、下毛が抜けること自体はなくなりません。密な二層の被毛は、この猫が寒く湿った土地で体温を保つためにそなえた作りだからです。減らせるのは抜ける量ではなく、抜けた毛が内側に留まっている時間のほうです。指を入れて、溝が残るかを見る。閉じた場所だけを担当して、1枚ぶん運ぶ。シャルトリューのアンダーコートで動かせるのは、そこです。

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よくある質問

シャルトリューは短毛だから、ブラッシングは少なくていいですか?
毛の長さと、下毛の詰まりやすさは別のものです。シャルトリューは毛が短いぶん密度が高く、抜けた下毛が外へ出るまでの通り道が狭くなっています。時間の長さより、指を入れて溝ができるかどうかを確かめる回数のほうを増やしてください。溝ができている場所は、その日は触らなくて構いません。
溝をつくるとき、指ではなくコームを使ってもいいですか?
確かめる段階は指のほうが向いています。コームは押し返された深さを手に返してくれないので、どこで止まったかが分かりません。指で場所と深さを決めてから、道具を持つ。この順番だと、道具を入れる回数そのものが減ります。
換毛の時期が終わっても、溝ができない場所が残ります。
1枚ぶんずつ運び出すやり方で、翌週に少しでも深くなっていれば進んでいます。まったく変わらない、あるいは戻っているときは、被毛の条件だけで説明がつかないことがあります。その場所を舐めている、地肌が赤いといった変化が重なるようなら、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。