C05犬種・猫種別ケア

マンクスと暮らすなら知っておきたい、しっぽまわりの汚れの話

公開日 2023年6月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の明るい色の床に、短い毛の猫が落ち着いて座っている
座っている時間が長いほど、後ろの面は床と空気に触れたままになります。覆いがあるかないかで、そこに残る時間が変わります。

マンクスの後ろ姿を見ると、しっぽがあるはずの場所から、丸い腰の線がそのまま下へ続いています。付け根にわずかな盛り上がりが残る子もいれば、指で探しても何も触れない子もいます。ここで起きているのは見た目の話だけではありません。ほかの猫が座ったり丸まったりするとき、しっぽは体の後ろへ回り込んで、その下の面をひとまとまりに覆います。マンクスにはその覆いがないので、しっぽまわりの汚れは、いつも空気と床に触れている面から始まります。そのうえ、何かが乗ったときに振って払う動きも使えません。この記事では、しっぽのある猫のしっぽまわりと、マンクスのしっぽまわりを並べて、どこがどう違い、その差をどこで受け止めるのかを書きます。

しっぽが覆っていた面が、そのまま外に出ています|マンクスのしっぽまわりという条件

マンクスは、しっぽがない、またはごく短いという体の作りを持つ子が多い猫です。付け根に小さな盛り上がりだけが残る子もいれば、指を当てても何も触れない子もいて、同じ猫種の中でも長さの残り方はさまざまです。ただ、どの子にも共通しているのは、しっぽが後ろの面に届かない、という一点です。マンクスのしっぽまわりの汚れを考えるときは、ここから始めるのがいちばん早い道になります。

しっぽのある猫を横から見てください。座るとき、猫はしっぽを体の外側から前へ回して、足元にそろえます。丸まって眠るときは、しっぽを鼻先まで運んで体を一周させます。このとき、しっぽは飾りとして置かれているのではありません。後ろの面と、床や空気とのあいだに、毛でできた一枚の覆いが入っています。おしりからしっぽの付け根にかけての面は、ふだんの生活のかなりの時間、その覆いの内側にあります。

マンクスには、その覆いがありません。座っていても、丸まっていても、後ろの面はそのまま外に出ています。汚れが増えるのではなく、汚れがつきうる面が外に出ている時間のほうが長い、という違いです。床に落ちている砂粒、寝床の繊維、トイレの砂、毛づくろいで運ばれた自分の毛。どれも、覆いのある猫なら毛の外側で止まるものが、マンクスでは直接その面に届きます。

もうひとつ、見落とされやすい条件があります。しっぽは、覆うだけの部品ではありません。猫はしっぽを振って、後ろについたものを自分で払っています。座ったまま床を一往復させるだけで、乗っていた毛やほこりの多くはその場から動きます。マンクスにはこの動きがないので、乗ったものはそこに残ったまま、次に自分が毛づくろいするか、人が触るまで動きません。

Note「汚れやすい猫」という話ではありません

マンクスのしっぽまわりに汚れが残るのは、体が汚れを作りやすいからではありません。ほかの猫が持っている「覆い」と「払い」という2つの動きを、この作りでは使わないというだけのことです。汚れやすさの話にすると、答えは「もっと頻繁に洗う」になります。動きの話にすると、答えは「その2つの代わりを、どこでどれだけ入れるか」に変わります。毎日のケアで動かせるのは、後者のほうです。

覆えて払える猫と、どちらも使えない猫|マンクスのしっぽまわりに出る違い

ここからは、しっぽのある猫のしっぽまわりと、マンクスのしっぽまわりを、同じ項目で並べます。比べるのは汚れの量ではなく、汚れがそこに乗ってから動くまでの時間です。同じ環境で、同じ砂を使い、同じだけ毛づくろいをしていても、この時間の長さが違うと、1週間後の手ざわりが変わります。

しっぽのある猫では、汚れが乗ってから動くまでに、3つの機会があります。しっぽが振られたとき、座り直したときに毛の向きが変わったとき、そして毛づくろいのときです。マンクスで残っているのは、3つ目だけです。毛づくろいは届く場所ですが、届く時間と回数はその子の気分と体調で変わります。前の2つが自動的に働いていた猫と、毛づくろい1本に頼っている猫では、同じ「残っている」でも意味が違います。

しっぽのある猫と、マンクスのしっぽまわりで何が違うか
しっぽのある猫マンクス
座っているときしっぽが後ろの面を覆う後ろの面が外に出たまま
丸まって眠るときしっぽが体を一周して囲う囲いがなく、寝床の面に直接触れる
何かが乗ったとき振って払う動きが使える払う動きがなく、その場に残る
汚れが動く機会覆い・払い・毛づくろいの3つ毛づくろいの1つだけ
外に出ている時間生活の一部の時間だけ起きているあいだも寝ているあいだも
換毛期に増えるもの抜けた下毛は、しっぽの動きで落ちる抜けた下毛が、その面に乗ったまま
人が代わる場所毛づくろいが届かない背中側が中心毛づくろいが届いても間に合わない後ろの面
しっぽのある猫と、マンクスのしっぽまわり 同じ後ろの面でも、しっぽが覆って払っているかどうかで、汚れがそこに残る時間が変わります。マンクスでは、毛づくろいだけがその面を動かす機会になります。 同じ場所でも、覆いと払いがあるかないかで条件が変わります しっぽのある猫のしっぽまわり 座ると、しっぽが面を覆う 乗ったものを振って払える 毛の向きが何度も変わる 外に出ている時間が短い マンクスのしっぽまわり 覆いがなく、面が出たまま 払う動きが使えない 毛の向きが変わりにくい 外に出ている時間が長い 動く機会が1つに絞られるぶん、人が触る日を決めておくほうが安定します
違いをつくっているのは汚れの量ではなく、そこに乗ったものが動くまでの時間です。

この表で、いちばん実務に効いてくるのは最後の行です。ほかの猫で人が代わるのは、たいてい毛づくろいの舌が届かない背中や首の後ろです。マンクスのしっぽまわりは、舌そのものは届きます。届いているのに残るのは、届く回数より、そこに乗るものの回数のほうが多いからです。代わるのではなく、追いつかないぶんを足す、という関わり方になります。

被毛の側の条件も加えておきます。マンクスは、短い毛でも上毛と下毛の二層がしっかりある子が多い猫です。下毛が密なので、乗った粒は毛の表面で止まらず、毛の中へ入って根元の側で止まります。表面をなでても取れないのに、指を沈めるとざらつく、という状態が生まれるのはこのためです。ブラッシングで表面だけを整えていると、この段階の汚れは動きません。

目ではなく指の腹で決める|マンクスのしっぽまわりを今日触るかどうかの見分け方

毎日そこを触る必要はありません。触る日を決めるのは、見た目ではなく指の腹です。マンクスのしっぽまわりは、短い毛が密に生えているぶん、汚れが入っていても外からは平らに見えます。次の順で確かめてください。全部やっても30秒ほどで終わります。

  1. 腰の上に手のひらを置いて、後ろへ滑らせる

    毛の流れに沿って、腰から後ろの面まで一度に滑らせます。指が引っかからずに抜けるなら、その日は何もしなくて構いません。途中で速さが落ちる場所があれば、そこが今日の場所です。強く押さずに、手のひらの重さだけで滑らせてください。

  2. 止まった場所で、指の腹を毛の中へ沈める

    毛をかき分けるのではなく、指を1本まっすぐ入れます。地肌まですっと届くか、途中でざらつきに当たるか。当たるなら、そこに粒が入っています。届くなら、表面に何か見えていても、それはまだ乗っているだけの段階です。

  3. しっぽの付け根にあたる場所を、左右から挟む

    しっぽがなくても、付け根にあたる骨の出っ張りは触れます。その左右のくぼみが、マンクスでいちばん汚れが集まる場所です。親指と人差し指で軽く挟んで、毛がまとまって動くか、ばらばらに動くかを見てください。まとまって動くなら、皮脂と粒が絡んでいます。

  4. 手を離してから、指のにおいを確かめる

    触った直後の指に、いつもと違うにおいが乗るかどうかです。においがあるときは、その日は拭くところまで進めてください。においがなく、ざらつきもないなら、ブラッシングを一往復して終わりにします。においだけが強く残る日が続くなら、次の§で書く線のほうを見てください。

指で確かめた結果と、その日にやること
指で確かめたことその日の手
手のひらがそのまま抜ける何もしない。ブラッシングも省いて構いません
速さは落ちるが、指は地肌まで届く乾いたブラッシングを、毛の流れに沿って数往復
指がざらつきに当たる湿らせた布で、粒を毛の外へ運ぶところまで
毛がまとまって動く/においがある布で拭いたあと、乾くまで見届ける
Point見た目がきれいなことは、確かめたことになりません

マンクスの被毛は短く、毛の向きがそろっているので、内側に粒が入っていても外からは整って見えます。目で見て「今日はきれい」と判断した日ほど、指を入れると当たります。抱き上げたついでに腰へ手のひらを置く、と決めてしまうと、思い出さなくても回るようになります。手ざわりの差は、数日続ければ覚えられます。

乾いた手と湿らせた布|マンクスのしっぽまわりで変わる毎日のケアの使い分け

触ると決めた日に、何を持つかです。使い分けの軸は、汚れが毛の上に乗っているのか、毛の中で止まっているのかの1つだけです。乗っているだけなら乾いた手で足ります。中で止まっているなら、乾いた手では動きません。順に書きます。

  1. 乗っているだけの汚れは、乾いたまま外へ運ぶ

    目の細かいブラシを、腰から後ろの面へ、毛の流れに沿って動かします。短い毛なので、往復は3〜4回で足ります。大事なのは回数ではなく、最後まで同じ向きに抜けることです。途中で向きを変えると、粒は外へ出ずに毛の中へ戻ります。しっぽがない子は、後ろの面で毛の流れが集まる場所ができるので、その集まる向きを1度確かめてから始めてください。

  2. 毛の中で止まった汚れは、湿らせた布で受け止める

    水分を含ませた布を指に巻いて、毛の流れと直角に、短くなでます。こするのではなく、布の面へ粒を移す動きです。1回なでたら布の面を変えて、次のひとなでへ移ります。同じ面で何度もなでると、いま取ったものを戻すことになります。マンクスのしっぽまわりは面積が狭いので、布を2〜3回持ち替えれば一帯が終わります。

  3. 拭いたあとは、乾くまでを見届ける

    布を当てた場所は、必ず乾かしてから終わりにします。下毛が密なぶん、表面が乾いて見えても根元は湿ったままです。乾いた布でもう一度押さえて、水分を吸わせてください。湿ったまま寝床へ行くと、そこがいちばん条件の重なる場所になります。換毛期は抜けた下毛も一緒に湿るので、この一手間の差が大きくなります。

汚れの状態と、手の使い分け
汚れの状態使うもの動かす向き
毛の上に乗っている乾いたブラシ、または乾いた手毛の流れに沿って、長く
毛の中で止まっている湿らせた布毛の流れと直角に、短く
皮脂とまざって面になっている湿らせた布を、面を変えながら一方向へ、押し当てて移す
においが残っている拭いたあと、乾いた布で押さえる動かさず、当てて待つ
Cautionこすって落とそうとしないでください

面のようになった場所へ力を入れてこすると、粒は外へ出ずに、毛の根元と地肌のあいだへ押し込まれます。マンクスのしっぽまわりは骨が近く、皮膚の下に厚みがない場所です。1回で全部を落としきらなくて構いません。今日は布2枚ぶん、明日また2枚ぶん、で足ります。嫌がる、体をひねる、声を出すというときは、その場で手を止めてください。

布に含ませる水分も、先に決めておきます。mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしておきたい場所の皮脂と汚れを、こすらずに布の面へ移すための道具です。体に直接吹きかけるのではなく、布へ移してから当ててください。しっぽがないぶん、後ろの面は音や風の刺激をさえぎるものがなく、直接吹きかけると驚く子がいます。布が湿っていれば、毛の中で止まっている粒は布の側へ移るので、骨の近いこの場所でも力を入れずに済みます。舐めても問題のない基準でつくられているので、そこを毛づくろいする猫でも量を気にせず使えます。グルーミングスプレーを使ったあとは、乾いた布で押さえるところまでを1組にしてください。

頻度の話もしておきます。毎日拭く必要はありません。指の腹で確かめて、当たった日だけです。体格が大きめの子や、寝床で長く丸まっている子は、当たる日が週に3〜4回になることもありますし、若くて動き回る子なら週に1回で足りることもあります。回数を先に決めると、必要のない日にも触ることになり、そのぶん皮脂が減ります。マンクスのしっぽまわりでは、決めるのは回数ではなく、確かめる時間帯のほうです。

拭く回数では説明がつかない、マンクスのしっぽまわりの戻り方

ここまでは、しっぽがないという体の作りで説明のつく汚れの話でした。指で確かめて、使い分けて、乾かしているのに、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、選び方を変えてください。拭く回数を増やす方向へ進むのではなく、いちど手を止めて、次の変わり方に当てはまらないかを見ます。

Caution骨が近い場所は、外から見て分かることが限られます

地肌が赤い、じくじくしている、においが強い、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、排泄の姿勢や様子が変わった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまる日は、布を持たずに、動物病院で地肌を見てもらってください。マンクスのしっぽまわりは骨が近く、外から見て分かることが限られます。指の腹で当たった日づけと、その戻り方をそのまま伝えてください。

相談するときは、当たる場所、いつからか、その日に使ったものの3つをメモして持っていってください。この3つがあると、体の作りで説明のつく汚れなのか、別の見方が要るのかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてから行くと、もとの状態が分からなくなります。気になる状態のまま連れて行って構いません。

最後に、選び方の全体をひとつにまとめます。マンクスと暮らすうえで、しっぽまわりが外に出ていること自体は変えられません。変えられるのは、そこに乗ったものが動くまでの時間のほうです。覆いと払いという2つの動きがないぶん、その代わりを人が入れる。入れる日は指の腹で決めて、乗っているだけなら乾いたまま、中で止まっているなら湿らせた布で受け止めて、必ず乾かして終わる。この順番が回っていれば、拭く回数そのものは増やさなくて済みます。それでも戻る汚れが出てきたときが、相談を選ぶ日です。

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よくある質問

しっぽがない子は、おしりまわりを毎日拭いたほうがいいですか?
毎日でなくて構いません。腰に手のひらを置いて後ろへ滑らせ、指の腹が地肌まで届く日は、そのままで足ります。回数を先に決めてしまうと、必要のない日にも触ることになり、そのぶん毛の根元の皮脂が減ります。決めるのは回数ではなく、確かめる時間帯のほうです。
しっぽの付け根が少しだけ残っている子は、条件が違いますか?
覆いと払いという2つの動きが使えない点は同じです。ただ、わずかでも動く部分がある子は、そこだけ毛の向きが変わるので、汚れの集まる場所が付け根の左右にずれます。指で挟んで確かめる場所を、そのずれた側に合わせてください。
ブラッシングだけでは足りないのは、どういうときですか?
毛の上に乗っている段階なら、乾いたブラッシングで外へ運べます。指を沈めてざらつきに当たる、毛がまとまって動く、においが指に残る。このどれかが出ているときは、粒が毛の中で止まっているので、湿らせた布で受け止める側へ切り替えてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。