C09シーン別・暮らし

共働きで時間がない人が帰省で困ること、その手当て

公開日 2023年5月27日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、荷造りを終えたかばんのそばに落ち着いて伏せている淡い色の犬
帰省の支度で最後まで残るのは、締め切りを持っていない側の準備です。写真:Jay Brand/Pexels

帰省の前夜、切符と土産と着替えを詰め終えた11時に、その子の器がまだ棚に置いたままなのへ気づきました。そこから何を持っていくかを考え始めて、結局その日は決めきれず、翌朝ふだんの出勤と同じ時刻に起きて、思いついたものを袋へ放り込みました。共働きの家では、帰省の準備は人の分だけで手一杯になります。ペットの支度は、いつでもできるように見えるぶん、いちばん後ろに残ります。時間がないという条件は、手を速くすることでは解けません。解けるのは、やることの数を減らしておくほうです。この記事では、ペットを連れた帰省で共働きの人がつまずく場所を、7つの問答に分けて書きます。答えのうち1つは「やめてしまっていいこと」です。

帰省の前日、ペットに使える時間がないときは何から手をつけますか

答えから書きます。前日にやるのは1つだけです。いつも使っている器と、寝床に敷いている布を、そのまま袋に入れる。洗わず、乾かさず、たたみもせず、使っている状態のまま入れてください。共働きで時間がない前夜に、これ以上のことをやろうとすると、たいてい何もできないまま朝になります。

洗わないのには理由があります。帰省先はその子にとって知らない家です。床のにおいも、人のにおいも、空気の流れも違います。持っていく器と布は、その家で唯一「知っているにおい」がついているものです。前日にきれいに洗ってしまうと、荷物としては清潔になりますが、その子にとっての手がかりは消えます。時間がないのに手間をかけて、味方を1つ減らしていることになります。

前日にやらないほうがいいことも決めておきます。シャンプー、爪切り、新しいおやつ、新しい首輪。この4つは前日に持ち込まないでください。帰省の当日は、移動があり、場所が変わり、会う人が増えます。そこへ体の側の変化を足すと、向こうで何かが起きたときに、移動のせいなのか前日のせいなのかを切り分けられなくなります。共働きの家では、切り分けに使える時間がありません。判断の材料は減らさないほうが得です。

Note前日にやることを1つに減らすと、当日の朝が空きます

帰省の当日の朝は、共働きの家でいちばん時間がない時間帯です。出発の時刻が決まっていて、動かせません。前日に器と布だけ袋へ入れておくと、当日の朝にやるのは袋を持つことだけになります。逆に、前日に何も決めずに寝ると、当日の朝に「何を持っていくか」という判断がまるごと乗ります。判断は、時間がない時刻にいちばん残しておきたくないものです。

共働きの帰省で、なぜペットの準備だけが後ろに残るのですか

理由は、締め切りの有無です。切符は取らないと乗れません。土産は店が閉まると買えません。仕事は帰省の前日までに区切りをつけないと持ち越します。人の分の準備には、外から決められた締め切りがついています。ペットの準備にはそれがありません。前日でも、当日の朝でも、極端に言えば向こうへ着いてからでも、なんとかなるように見えます。だから、締め切りのあるものに押し出されます。

共働きの家には、もう一つ条件があります。使える時刻が朝と夜の2つしかなく、しかもその2つは平日ずっと埋まっています。時間がないというのは、1日の総量が足りないという意味ではありません。空いている時刻がないという意味です。帰省の準備をどこかに入れようとすると、必ずその2つの時刻のどちらかを削ることになります。削れるものがないので、後ろへ回ります。

帰省の準備が押し出される順番
準備の中身締め切り実際にいつやることになるか
切符・移動の手配外から決まる1〜2週間前
仕事の区切り外から決まる前日まで
土産店の営業時間数日前の夜
人の着替え出発の時刻前夜
ペットの器と布なし前夜11時以降、または当日の朝
帰省先での過ごし方の相談なし着いてから

解き方は単純で、締め切りのないものに、こちらで締め切りを付けることです。おすすめは「帰省の3日前の夜」です。前日ではありません。前日は人の分で埋まっているので、そこへ入れても同じことが起きます。3日前の夜に、器と布を袋に入れて玄関に置く。それだけを予定に書いておくと、時間がないという条件のまま、準備の位置が前へ動きます。

3日前という数字にも理由があります。忘れものに気づいたときに、まだ買いに行ける最後の日だからです。前日に気づくと、その夜に店へ行くか、向こうで買うかの二択になります。共働きの帰省では、どちらも時間がないところへ用事を足すことになります。

実家に持っていくペット用のものは、どこまで減らせますか

3つまで減らせます。器、寝床の布、拭くもの。この3つがあれば、2〜3泊の帰省は成立します。増やしてもかまいませんが、共働きの家では荷物が増えるほど、帰りの片づけに使う時間がないという形で返ってきます。持っていくものは、行きではなく帰りの手間で決めてください。

帰省に持っていく3つと、持たなくていいもの
もの理由
持ついつもの器食べる量が変わったときに、器のせいかどうかを外せます
持つ寝床の布(洗わずに)帰省先で唯一、知っているにおいがついています
持つ拭くもの一式床へ運ばれるものを、玄関と寝る前に止められます
持たないシャンプー類洗う日は帰省の前後に置きます。当日の日程には入りません
持たない新しいおもちゃ変化を足すだけで、帰省中に落ち着く材料になりません
持たない大袋のフード泊数ぶんを小分けにすれば、帰りの荷物が減ります
持たない部屋に置くにおいのもの実家の家族の生活に、こちらの都合を足すことになります

拭くものについて、少し具体的に書きます。帰省先では、その子の足の裏と、腹と、尾のつけ根に、家とは違うものが乗ります。畳の粉、カーペットの繊維、こたつ布団のほこり。このあとの表で「続ける」側に入れた、1日1回1分の中身がここです。mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませて、足の裏から順に一往復させる。体から脂が出るぶん、汚れるほうは帰省先でも毎日続きます。家でやっていることと同じで、向こうで新しく始める手順ではありません。舐めても問題のない基準でつくられているので、量をはかる手順もありません。だからこの1分は、フードの小分けと同じように、家族の誰かの手へそのまま渡せます。共働きの帰省で効くのは、自分の手を速くすることではなく、自分以外の手が使える形にしてあるかどうかです。無香料なので、実家の畳やこたつ布団に、こちらの家のにおいを置いていくこともありません。

フードを小分けにするのは、時間がないときほど効きます。泊数ぶん+1食を、1食ずつ袋に分ける。向こうで量をはかる手間がなくなり、家族の誰かが代わりに出すこともできます。共働きの帰省では、自分以外の手が使える形にしておくかどうかで、実際に使える時間が変わります。

帰省先の床が家と違うとは、どういうことですか

床が違うというのは、材質の話だけではありません。掃除の主導権が自分にない、という意味を含んでいます。自分の家なら、気になった時点で掃除機をかけられます。実家では、いつ、どこを、どこまでやるかを自分では決められません。畳の部屋に掃除機をかけていいのか、こたつ布団を外に出していいのか、その判断が自分の側にありません。共働きで時間がない人にとって、これは「やることが増える」より厄介です。

材質の話もしておきます。家のフローリングは、落ちた毛が表面に残ります。だから、目に見えて、まとめて取れます。畳とカーペットとこたつ布団は、毛を表面ではなく繊維の中に抱えます。目には見えなくなりますが、なくなったわけではありません。人が座り、子どもが転がり、こたつに足を入れるたびに、抱えていた毛が少しずつ戻ってきます。帰省中に「掃除したのにまた落ちている」と感じるのは、これが理由です。

ここから言えるのは1つです。帰省先では、床の側を変えられません。変えられるのは、その子の体に乗って床へ運ばれるものの量だけです。だから、持っていくものが「拭くもの」に寄るのは自然な結果です。床を追いかけると、時間がないところに掃除という無限の作業が増えます。運ぶ側で止めるほうが、共働きの帰省には合っています。

着いた日、その子の場所はどこに作ればいいですか

持っていった布を敷いた、1畳ぶんの場所です。広さはそれで足ります。着いてすぐ、荷物をほどく前に決めてください。あとから決めようとすると、家族への挨拶と荷ほどきと食事の支度が挟まって、結局その日は決まりません。共働きの帰省は日数が短いので、初日に決めないと最終日まで決まらないままになります。

  1. 人の動線から1本外れた場所を選ぶ

    台所と居間をつなぐ通り道、トイレへ行く廊下は避けます。人が通るたびに立ち上がる場所だと、その子は座っていられません。壁が2面あって、片側からしか人が来ない角が向いています。

  2. 持ってきた布を、洗わずにそのまま敷く

    実家の座布団やタオルを借りたくなりますが、最初の1枚は家から持ってきた布にしてください。知っているにおいの上に座れるかどうかで、その日の落ち着き方が変わります。足りなければ、その上に実家のものを重ねます。

  3. 器を、布から2〜3歩離して置く

    寝る場所と食べる場所は分けます。同じ場所にすると、食べこぼしが布に落ちて、そこがにおいの出どころになります。帰省中に洗える場所がないので、布は最後まで乾いた状態で保ちたい。

  4. 家族に、その場所を言葉で伝えておく

    「ここがこの子の場所です」と一度言っておくだけで、荷物を置かれることも、掃除機で追い立てられることもなくなります。説明ではなく、場所の申告だけで足ります。共働きの帰省では、説明に使える時間がありません。

こたつのある家では、こたつの中に入りたがることがあります。止める必要はありませんが、寝る場所としては使わせないほうが、帰るときが楽です。こたつ布団は温度と湿気がこもるので、においがいちばん残ります。持ち主は家族です。帰省が終わったあとに、こちらから洗いに行けません。

向こうに着いてから、やめてしまっていいのはどれですか

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。帰省中は、家でやっていることを3つやめてかまいません。やめるものを先に決めておくと、向こうで「やらなきゃ」と思う回数が減ります。時間がないという条件の下では、やることを足すより、やめるものを決めるほうが確実に効きます。

帰省中にやめていいこと、続けたほうがいいこと
内容そう決める理由
やめる毎日のブラッシング帰省中の数日でたまる量より、場所と人の変化のほうが大きく効きます
やめる落ちた毛を毎回追いかけること畳とカーペットは表面で完結しません。最終日にまとめて1回で足ります
やめる実家で体を洗うこと洗面所を占領する時間と、乾かしきる時間が帰省の日程に収まりません
続けるごはんの時刻場所が変わるぶん、時刻だけは動かさないほうが食べます
続ける1日1回、足の裏を拭くこと床へ運ばれるものを止められる、唯一の場所です
続ける水の器を見ること移動のあとは飲む量が変わりやすく、いちばん早く出る変化です

ブラッシングをやめていい、と書くと不安に思われるかもしれません。やめるのは帰省中の2〜3日だけです。その数日でたまるものより、家に帰ってから落ち着いた状態で一度やるほうが、結果としてきれいに取れます。実家の居間でブラシを出すと、毛が畳に落ちて、その毛を追いかけることになります。追いかけ始めると、帰省が休みではなくなります。

Pointやめるものは、出発前に口に出して決める

帰省の道中や、着いた先で決めようとすると、たいてい決まりません。出発前に「今回はブラッシングと掃除はやらない」と、一緒に行く人に言っておいてください。言葉にしてあると、向こうで手が止まったときに罪悪感が残りません。共働きで時間がない人が帰省で消耗するのは、実際の作業量よりも、やれていないと感じている時間のほうです。

帰ってきた日の夜、どこまでやるのかを知りたいです

玄関で足の裏だけ。布を洗濯機に入れて、あとは寝てください。帰省から戻った日の夜は、移動で疲れていて、荷物が床に出ていて、翌日は仕事です。時間がないというより、判断する力が残っていません。この日にやることを1つに決めておくと、次の帰省も同じ形で回せます。

足の裏を選ぶのは、帰省先で乗ったものがいちばん集まる場所だからです。畳の粉、カーペットの繊維、こたつ布団のほこり。玄関で止めれば、家の床には運ばれません。ペットの体をぐるりと拭こうとすると5分では終わりませんが、四つ足の裏だけなら1分で終わります。抱き上げず、立たせたまま、片足ずつ持ち上げてください。帰省先で使っていた布とグルーミングスプレーを、そのまま玄関で使います。

帰った日の夜と、翌朝に分ける
いつやることかかる時間
帰った日の玄関四つ足の裏を拭く1分
帰った日の夜持っていった布を洗濯機へ入れる1分
帰った日の夜水の器を洗って、新しい水を入れる1分
翌朝毛の流れに沿って、背中から尾のつけ根まで一往復5分
翌日の夜食べた量と水の減り方を、帰省前と比べる1分
3日目同じ2つを、もう一度比べる1分

翌朝に回すぶんも、5分で終わる量にしてあります。帰省のあとに時間がないのは、当日の夜だけではありません。翌日から通常の勤務が戻ってきます。ここで30分の作業を予定に入れると、実行されないまま3日が過ぎます。1分と5分に割っておくほうが、実際には全部が終わります。

7つの答えを、朝と夜の2つの時刻に割り当てる|最後に残る疑問はどれか

最後に、ここまでの7つを時刻の側から並べ直します。共働きの家で動かせる時刻は、朝と夜の2つしかありません。帰省の準備も、帰ったあとの手当ても、その2つのどちらかに入っていなければ実行されません。下の表は、やることを増やすためのものではなく、入る場所がないものを落とすための表です。

ペットを連れた帰省を、朝と夜に割り当てる
いつどちらの時刻やること
3日前夜器と布を袋に入れて玄関に置く
3日前夜フードを1食ずつ小分けにする
前日夜何も足さない。袋を確認するだけ
当日朝袋を持つ
着いた日着いてすぐ1畳ぶんの場所を決めて、布を敷く
帰省中朝水の器を見る
帰省中夜足の裏を1日1回拭く
帰った日夜玄関で足の裏。布を洗濯機へ
翌朝朝背中から尾のつけ根まで一往復

この表に入らなかったものが、やめていいものです。帰省中のブラッシング、落ちた毛を毎回追うこと、実家で洗うこと。入る時刻がないから落とす、という決め方をしてください。やる価値がないから落とすのではありません。共働きで時間がないという条件は、価値の順番ではなく、時刻の数で決まります。

最後に残る疑問は、たいてい「帰省で疲れたのか、別の理由があるのか」というところです。切り分け方は1つで、食べた量と水の減り方が、3日で帰省前の幅に戻るかどうか。戻るなら、場所と移動の変化です。戻らないなら、帰省とは別のものが動いています。数字を2つだけ見ると決めておくと、迷っている時間が短くて済みます。

Caution食べた量と水の減り方が3日で戻らないときは、動物病院にご相談ください

帰省から戻って3日たっても、食べる量が戻らない、水を飲む量が明らかに増えた、下痢や嘔吐が続いている、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、耳を振る回数が増えた、元気の落ち方が続いている。こうした変化があるときは、拭き取りや掃除を増やす前に動物病院にご相談ください。移動と場所の変化のあとは、体の側の変化に気づきにくくなります。泊数と、帰省先の床の種類をメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。空けるのは朝か夜のどちらかの時刻1つで足りることが多いので、気づいた日のうちに連絡だけ入れておいてください。

共働きの帰省でペットの支度が回らないのは、気持ちの問題ではありません。動かせる時刻が朝と夜の2つしかなく、そこに入るものしか実行されないからです。3日前の夜に器と布を袋へ入れ、帰省中は足の裏の1分だけ続ける。この2つが時刻の中に入っていれば、時間がない年でも同じ形で回せます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。