C12Q&A・豆知識

毛玉ができやすい部位の順位

公開日 2023年6月16日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のソファの上に落ち着いて座っている長毛の淡い色の猫
名前が挙がる部位に共通しているのは、どれも何かとこすれている場所だという点です。写真:Lara/Pexels

脇の下、内もも、耳の後ろ、首輪の下、尾のつけ根。毛玉の話をすると、名前が挙がるのはたいていこの5か所です。順位をつけた並びを見かけることもありますが、その順位は、何を数えたかで入れ替わります。サロンでほどいた数を数えるのか、飼い主が家で見つけた数を数えるのかで、上位に来る部位は変わります。並びを覚えるより先に見ておきたいのは、5か所に共通している条件のほうです。毛玉ができやすい場所は、どれも何かとこすれている場所です。この記事では、こすれ方を「動きでこすれる」と「物でこすれる」の2つに分けて比較し、その子の生活のどちらを先に見ればいいかを決めます。

毛玉ができやすい場所の順位は、何を数えたかで入れ替わる

順位という並びを見るときは、先に分母を確かめておくと迷いません。毛玉ができやすい場所の順位は、誰が、どの場面で数えたかによって作られています。数え方が変われば、上位も変わります。ここを飛ばして並びだけ覚えると、自分の家の子に当てはまらないときに、どこを見ればいいか分からなくなります。

同じ「毛玉ができやすい場所」でも、数え方で上位が変わる
何を数えたか上位に来やすい場所数から抜けやすい場所
サロンでほどいた数全身のうち、道具が入りにくい部位飼い主が先に自分でほどいた部位
飼い主が家で見つけた数目に入る場所、手が届く場所腹の下や内もも、見えない側
ブラッシングで引っかかった数毛の量が多い部位毛の短い部位
換毛期だけを数えた数抜けた毛がたまる背中側季節に関係なくこすれる部位
1年を通して数えた数毎日こすれている部位その時期だけ増える部位

表を見ると分かるとおり、上位に来る部位は「毛玉ができやすい」というより「その数え方で見つかりやすい」場所です。家で数えれば、見える場所が上に来ます。サロンで数えれば、飼い主がほどけなかった場所が上に来ます。どちらも間違っていませんが、そのまま順位として覚えると、見落とす場所が固定されます。

それでも、どの数え方をしても名前が残る場所があります。脇の下、内もも、耳の後ろ、首輪の下、尾のつけ根。この5か所は、数え方を変えても上位から消えません。ということは、数え方の側ではなく、体の側に理由があるということになります。5か所に共通している条件は1つで、どれも何かとこすれている場所だという点です。

こすれると、毛と毛が同じ場所で何度も向きを変えます。毛先だけでなく、根元の近くでも向きがずれます。ずれた毛どうしが絡み、そこへ抜けた毛が入り込むと、ほどけなくなります。だから毛玉ができやすい場所を探すときは、部位の名前を覚えるより、こすれている場所を探すほうが早く終わります。ここから先は、こすれ方を2つに分けて比べていきます。

Note順位の数字は、この記事では作りません

「◯番目に多い」「◯%がここ」といった数字は、調べ方によっていくらでも動きます。出どころを確かめられない数字を覚えても、自分の家の子には使えません。この記事で扱うのは、数え方によらず上位に残る5か所と、その5か所に共通している条件だけです。自分の家の順位が知りたいときは、下で書く1週間の数え方で、その子だけの並びを作るほうが確実です。

軸1・体の動きでこすれる場所|毛玉ができやすい条件を関節の側から見る

1つめの軸は、その子自身の動きです。体が曲がるところは、毛が閉じたり開いたりを1日に何百回も繰り返しています。関節の内側は、閉じたときに毛どうしが密着し、開いたときに向きが戻ります。この往復が、毛の根元に近いところで起きます。毛先だけがなびいている場所とは、絡み方が違います。

見つけ方は、部位を覚えるより毛の向きを見るほうが早いです。こすれている場所は、毛が一方向にそろっていません。渦を巻いたり、途中で向きが折り返したりしています。毛先ではなく、根元に近いところで向きが乱れている場所が、動きでこすれている場所です。被毛を手のひらで軽く逆立てて、光の当たり方が変わるところを探すと見つかります。

動きでこすれる場所には、もう1つ特徴があります。左右で同じように出るということです。脇も内ももも耳の後ろも、両側に同じくらいの毛玉ができます。片側だけに偏っているときは、動きではない理由が混ざっています。この見分けは、あとで出てくる2つめの軸を切り分けるときに使えます。

動きの量は、その子の暮らし方で変わります。散歩が長い子は脇と内ももが増えます。家の中で寝ている時間が長い子は、この軸の毛玉は少なめになります。年齢が上がって動きが減ると、こちらの軸は減り、代わりにもう1つの軸が増えます。毛玉ができやすい場所は、同じ子でも一生同じではありません。

軸2・物でこすれる場所|首輪と寝床が毛玉のできやすい場所をつくる

2つめの軸は、体の外側にある物です。物は動かないので、同じ一点に力が集まり続けます。体の動きは向きが毎回少しずつ違いますが、首輪が当たる場所は毎日ほぼ同じです。だから、こちらの軸でできる毛玉は、範囲が狭く、輪郭がはっきりしています。

こちらの軸の見つけ方は簡単です。物を外して、その物が当たっていた線をなぞってください。首輪を外して、留めていた位置の毛に指を入れます。ハーネスを外して、ベルトが通っていた線をたどります。物の形と、毛の乱れている形が一致していれば、原因の側は物です。体の動きでできた毛玉は、こういう直線的な形になりません。

そして、こちらの軸は片側だけに出ることがあります。いつも同じ側を下にして寝る子は、その側だけ。留め具がいつも同じ位置に来る首輪は、その位置だけ。左右差があるときは、まず物の側を疑うほうが早く見つかります。動きの軸との切り分けは、この左右差で足ります。

物の軸には、家の側で変えられる余地があります。首輪の位置を少しずらす、寝床の布を毛のすべりやすいものに替える、抱き上げるときに手を入れる位置を毎回ずらす。体の動きは減らせませんが、物の当たり方は動かせます。毛玉ができやすい場所のうち、手が入るのはこちら側です。

2つのこすれ方を並べて比べる|毛玉ができやすい場所はどっちを先に見るか

2つの軸を並べます。同じ「こすれる」でも、出方も、見つけ方も、手の入れ方も違います。この表のどちらに当てはまるかが決まると、その子の毛玉ができやすい場所は、部位の名前ではなく条件で言えるようになります。

動きでこすれる場所と、物でこすれる場所の比較
動きでこすれる場所物でこすれる場所
代表的な部位脇の下・内もも・耳の後ろ首輪の下・寝床に接する側・胸のベルト位置
形丸くぼんやり広がる線や帯の形になる
左右差両側に同じくらい出る片側だけに出ることがある
毛の向き根元で渦を巻く一方向に押しつぶされている
増える時期散歩や遊びが増える時期服や首輪を使う時期
家で変えられることほとんど変えられない位置・素材・当たる時間を変えられる
先に見る順番毎日ブラシを入れる場所として物を外したときに毎回確かめる場所として
毛玉ができやすい場所を、こすれ方の2つの軸で分ける 体の動きでこすれる場所と、首輪や寝床など物でこすれる場所を、出方と見つけ方の違いで左右に並べた比較カード 同じ部位に、両方の軸が重なっていることもあります 動きでこすれる 脇の下・内もも・耳の後ろ 両側に同じくらい出る 丸くぼんやり広がる 根元で毛が渦を巻く 動く量が多い子ほど増える 物でこすれる 首輪の下・寝床に接する側 片側だけに出ることがある 線や帯の形になる 毛が一方向に押される 同じ物を使うほど増える 左右差があるかどうかで、どちらの軸かをまず分けられます
どちらの軸が多いかは、その子の1日の過ごし方で変わります。

どちらを先に見るか。答えはその子の1日で、時間が長いほうです。1日の大半を寝て過ごしている子なら、寝床に接する側から見ます。散歩と遊びで動いている時間が長い子なら、脇と内ももから見ます。部位の順位ではなく、時間の順位で決めるということです。毛玉ができやすい場所は、こすれている時間の長い場所から順に並びます。

自分の家の順位は、1週間で作れます。やり方は、見つけた毛玉の場所を紙に書くだけです。ほどいたかどうかは書かなくて構いません。場所と、その日の日付だけ。7日分たまると、同じ場所が何回出てきたかが並びます。これがその子の順位です。よそから借りた順位より、こちらのほうが当たります。

1週間、場所だけ書き出す(記入例)
日見つけた場所どちらの軸か
月左の脇の下動き
火首輪の下、留め具の側物
水右の脇の下動き
木首輪の下、同じ位置物
金内もも(左右とも)動き
土下になって寝ている側の肩物
日耳の後ろ(左右とも)動き

この例なら、動きが4回、物が3回です。そして物の3回のうち2回が、首輪の同じ位置に出ています。ここまで分かれば、次にやることは1つに決まります。首輪の位置を少しずらすか、毎日外したときにその線をなぞるか。順位を覚えていても、ここまでは出てきません。

順位より、その子の生活でこすれている時間を見る|時期で上位が入れ替わること

最後に、時期の話をしておきます。毛玉ができやすい場所の順位は、季節でも入れ替わります。同じ子でも、春と冬で上位が変わります。理由は2つあって、換毛期と、空気の乾く時期です。この2つは、効いてくる軸が違います。

時期によって、どちらの軸が増えるか
時期何が変わるか増えやすい側
換毛期抜けた毛が被毛の中に残る動きの軸。こすれる場所に抜け毛が入り込む
空気が乾く時期静電気で毛先が広がり、絡みやすくなる両方。特に物が当たる線に沿って増える
服や首輪を使う時期当たっている時間が長くなる物の軸
雨や雪の多い時期毛が湿ったまま押される時間が延びる物の軸。寝床に接する側
動きが増える時期関節の開閉が増える動きの軸

換毛期は、抜けた毛が体の外へ出ていかず、被毛の中に残ります。こすれている場所には、その抜けた毛が集まります。もともと絡んでいるところへ、材料が足されるかたちです。だから換毛期に増えるのは、新しい場所ではなく、いつもの場所です。ブラッシングを増やすとしても、増やす場所は同じで構いません。

空気が乾く時期は、静電気で毛先が互いに反発して広がります。広がった毛先は隣の毛と交差しやすく、根元まで戻りにくくなります。うるおいが足りない被毛は、ブラシを当てたときに毛が立って、毛先から根元へ歯が入りません。この時期は、乾いたままブラシを入れるより、毛先を一度落ち着かせてから始めるほうが早く終わります。

水を使わない日のケアとして、被毛の側を整えておく手もあります。mofuwa 毛玉予防ジェルは、被毛をコーティングして、もつれと静電気が起きにくい状態にするジェルです。香料無添加で、こすれる場所にだけ薄くのばして使えます。すでにできている毛玉をほどく道具ではなく、こすれている場所の毛先を落ち着かせておくためのものです。洗い流さないケアと合わせるなら、mofuwa グルーミングスプレーを布に取って毛先をなでてから、ブラシを入れる順番にすると、根元まで歯が入りやすくなります。使う場所は、1週間の記録で上位に来た場所だけで足ります。

Point全身をやろうとすると、上位の場所が終わりません

毛玉ができやすい場所が5か所に絞れているなら、ブラッシングも5か所から始めてください。全身を1回通すより、上位の2か所を毎日、残りを2〜3日に1回のほうが、結果として毛玉は減ります。1回の時間が長くなると、その子が途中で嫌がって、いちばん最後に回した場所がいつも残ります。順位を作る意味は、増やすためではなく、削るためにあります。

Cautionこういうときは、ほどく前に動物病院にご相談ください

毛玉のあった場所の地肌が赤い、じくじくしている、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、においが出てきた、短い期間に急に増えた。こうした変化があるときは、ブラッシングの回数を増やしたり、その場でほどこうとしたりする前に、動物病院にご相談ください。皮膚の側に何かが起きていて、その結果としてこすれている場合もあります。いつから、どの場所に、どのくらいの間隔で出ているか。1週間の記録があれば、そのまま持っていってください。

毛玉ができやすい場所の順位は、覚えるものではなく、作るものです。共通しているのは「こすれる場所にできる」という条件だけで、そこから先は、その子の1日で決まります。動きの時間が長い子と、寝ている時間が長い子では、上位が入れ替わります。年齢が変われば、また入れ替わります。だから、よそで見た並びを当てはめるより、場所だけを7日書き出すほうが早い。毛玉ができやすい場所を探すというのは、部位を覚えることではなく、その子の生活のどこがこすれているかを見ることです。

Product

mofuwa 毛玉予防ジェル

mofuwa 毛玉予防ジェル

50g / 2,970円(税込)

被毛をコーティングして、もつれと静電気を起きにくくするジェル。香料無添加です。

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よくある質問

毛玉ができやすい場所の順位は、犬と猫で違いますか
こすれる場所にできるという条件は同じですが、こすれ方の中身が変わります。自分で毛づくろいをする猫では、口が届かない背中側と首の後ろが上位に残りやすくなります。犬では、首輪やハーネスなど物が当たる場所の比重が上がります。どちらの場合も、順位を借りてくるより、その子の1日で時間が長いほうから見るのが確実です。
短毛でも毛玉ができやすい場所はありますか
毛の長さが短いほど絡む余地は小さくなりますが、こすれる条件そのものは同じです。短毛の子では、毛玉としてほどけなくなるより、その場所の毛が寝てしまう、毛の向きが乱れる、という見え方になりやすくなります。首輪の下や、寝床に接する側で、毛の向きが周りと違っていないかを見てください。
換毛期は、ブラッシングの回数を増やしたほうがいいですか
増やすなら、場所を広げるのではなく、上位に来ている場所の回数だけを増やしてください。換毛期に増えるのは新しい場所ではなく、いつもこすれている場所です。1回の時間は延ばさないほうが続きます。地肌の赤みや、触ると痛がる様子があるときは、回数を増やす前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。