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涙やけとは?被毛が染まった状態

公開日 2023年6月9日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色の布の上に落ち着いて伏せているクリーム色の犬
この言葉が指しているのは、目のまわりの毛の色が変わってしまった状態のことです。写真:https://kaboompics.com//Pexels

白い毛の子で、目の下の毛だけが薄い茶色に見えることがあります。涙やけと呼ばれているのは、この見え方です。言葉の中身をひとことにすると、涙やけとは、涙が毛について、時間がたって色が変わった状態のことです。上に何かが乗っていて色を作っているわけではありません。毛そのものの色が変わっています。だから、目のまわりを何度拭いても、その色は戻りません。手が届くのは、まだ新しい涙のほうです。この記事では、涙やけとは何を指す言葉なのかという背景から入り、拭いても色が減らない理由、拭き取りでどこまで届くのかという考え方、そして色の変わった毛がそのあとどう変化していくのかまでを、順番に書きます。

涙やけとは何を指す呼び名か|目のまわりの毛が変色するまでの背景

まず、言葉の中身をもう一度置きます。涙やけとは、目からあふれた涙が毛につき、そこが濡れたり乾いたりを繰り返すうちに、毛の色が変わってしまった状態を指す呼び名です。病名ではありませんし、検査で決まる区分でもありません。目のまわりの見え方につけられた、暮らしの中の言葉です。犬でも猫でも同じ言い方をします。

「やけ」という字が入っているので、熱で焼けたように受け取られることがあります。ここに熱は関係していません。日に焼ける、という言い方と同じで、色が変わっていくことを「やける」と呼んでいるだけです。涙やけとは、涙が通った跡に色がついた、という見え方の名前です。言葉の形から仕組みを読もうとすると、ここで一度はずれます。

出る場所も決まっています。涙の通り道の上です。目頭の下から始まって、鼻すじの脇へ、そこから口の横へ向かって細く伸びていきます。目のまわりに毛が多い子では、下まぶたのふちに沿って帯のように広がることもあります。色がついているのは皮膚ではなく、毛のほうです。毛をかき分けて地肌を見ると、地肌のほうは色が変わっていないことがほとんどです。ここが分かっているだけでも、目のまわりを見るときの当て方が変わります。

涙やけという言葉が、実際には何を指しているか
この言葉が指すものこの言葉が指していないもの
目のまわりの毛の色が変わった状態皮膚そのものの色が変わった状態
涙が通った跡に沿って出てくる変化涙の量が多いか少ないかという判断
何週間かかけて見えてくる変化その日に起きた出来事
見え方につけられた呼び名病名や、検査で決まる区分
犬でも猫でも使われる言い方特定の年齢の子にだけ出る変化
毛の色が薄い子で目立つ変化毛の色が濃い子には起きない変化

時間の話も、この言葉の中に入っています。今日あふれた涙が、その日のうちに色を作るわけではありません。同じ場所が濡れて乾いてを何日も繰り返したあとに、少しずつ見えてきます。涙やけとは、1日ではなく、何週間かの積み重ねについた名前です。気づいたときには、すでにしばらく前から始まっていた、ということになります。だから「昨日まではなかったのに」という感じ方になりやすい変化でもあります。

Note涙やけとは、原因の名前ではありません

この言葉は状態を指しているだけで、なぜ涙があふれているのかについては何も言っていません。涙が作られる量の側なのか、目から鼻へ抜けていく通り道の側なのか、目のまわりの毛が涙を引き込んでいるのか。そこは見え方からは決まりません。家で見て分かるのは、色が変わっているかどうかと、濡れている時間が長いかどうかまでです。原因を1つに決めるところは、動物病院の側の仕事になります。言葉の意味と、原因の話は、はじめから分けておいてください。

拭いても色が減らない理由|涙やけとは毛が染まった状態のこと

ここからが、この言葉のいちばん大事なところです。目のまわりが汚れているとき、たいていは上に何かが乗っています。目やに、ほこり、食べもののかけら。これらは拭けば量が減ります。涙やけとは、上に乗っているものの名前ではありません。毛そのものの色が変わってしまった状態です。だから、同じ力で同じ回数を拭いても、色のほうは減りません。

確かめ方があります。色のついている部分の毛を、指で1本だけつまんで、根元から毛先まで目で追ってみてください。根元の側は元の色のままで、毛先に近いほうだけ色がついている、という見え方になっていることが多いはずです。色は毛の一部分に入っていて、毛の途中に境目ができています。上に乗っているだけのものなら、こういう境目はできません。

上に乗っているものと、色が変わった毛の違い 目のまわりに見えるものを、拭けば量が減るものと、毛そのものの色が変わっているものに分けて並べた比較カード 同じ場所に、左と右が重なって出ていることもあります 上に乗っているもの 目やに・ほこり・食べかす 拭くと量が減っていく 毛の外側についている その日のうちに変わる 毛の途中に境目ができない 色が変わった毛 涙が通った跡に沿って出る 拭いても色は減らない 毛そのものが染まっている 何週間かかけて進む 毛の途中に境目ができる 先に左側を減らしておくと、右側がどこまで進んでいるかが見えます
涙やけとは、右側のほうを指す言葉です。左側は拭けば減っていきます。

色は、はじめから濃いわけではありません。うっすらとした薄い色から始まって、同じ場所が濡れ続けているほど、少しずつ濃くなっていくとされています。だから色の濃さは、どのくらい前から続いているかの目安として読めます。薄い色が広い範囲に出ているのと、濃い色が細い線で出ているのとでは、続いてきた時間の長さが違います。ただし、濃さから原因は読めません。ここは分けて考えてください。

拭き取りを毎日やっているのに変わらない、という話をよく聞きます。拭き方が足りないから色が落ちないという受け取り方をしてしまうと、力が強くなり、回数が増えます。目のまわりは皮膚が薄く、こすれば赤くなります。色が落ちないのは、拭き取りが届く場所に、その色がないからです。ここを分けておくと、手の力を上げずに済みます。涙やけとは何かを先に決めておく意味は、実はここにあります。

同じ目のまわりでも、拭いて減るものと減らないもの
見えているもの拭いたときの変わり方その日にできること
目頭にたまった目やにその場で取れる湿らせた布で、目頭から外へ一度だけ
毛先についた新しい涙湿っているうちなら動かせる気づいたときに、軽く押さえて水気を取る
乾いて固まった涙の跡ふやかせば取れることがある湿らせた布を当てて、待ってから一度動かす
色の変わった毛そのもの拭いても変わらないこすらない。そのままにしておく
目のまわりの地肌の赤み拭くと増えることがある触るのをやめて、動物病院に相談する

表を上から下へ読むと、拭き取りで手が届く範囲がどこで切れているかが見えてきます。上の3行までが、その日の手で動かせるところです。4行目からは、手を増やしても変わりません。5行目にいたっては、触るほうが増やしてしまう側になります。

落とせるのは新しい涙まで|涙やけとは、どこまで手が届くかという考え方

では、拭き取りに意味がないのかというと、そうではありません。拭き取りで手が届くのは、まだ新しい涙のほうです。今日あふれた涙、さっき毛先についた涙。ここは湿っているうちなら動かせます。動かしておけば、その涙が同じ場所で乾いて、次の色を作るところまでは進みません。涙やけとは進み続ける変化なので、止められるのは先のほうだけです。

ここで、拭き取りの目的を1つ置き換えておくと迷わなくなります。今ある色を落とすための作業ではなく、濡れている時間を短くするための作業です。色を落とす作業だと思っていると、落ちないので回数と力が増えていきます。時間を短くする作業だと思っていれば、1回は軽くて短くて足ります。涙やけとはどこまで手が届く話なのか、という考え方は、ここに落ち着きます。

  1. 乾いた布ではなく、湿らせた布を用意する

    乾いた布で拭くと、毛の表面を滑るだけで、涙は毛の根元に残ります。水で湿らせて、固く絞った布を使ってください。ガーゼでも、目の細かい布でも構いません。指に巻きつけて、当たる面が平らになる形にしておきます。丸めたままだと、当たる場所が点になって力が集まります。

  2. 目頭から外へ、一方向にだけ動かす

    往復させると、動かした涙を元の場所へ戻すことになります。目頭の下から、鼻すじの脇を通って外へ。毛の流れに沿って、1回で終わらせます。目そのものには触れません。まぶたのふちより内側へは入れないでください。左右で布の面を変えると、片方の涙をもう片方へ運ばずに済みます。

  3. 力ではなく、待つ時間で動かす

    乾いて固まっているところは、こすっても動きません。湿らせた布を当てたまま、20〜30秒ほど待ちます。ふやけてから一度だけ動かすと、力を入れずに取れます。それでも取れなければ、その日はそこで終わりにしてください。次の日にもう一度やれば足ります。

  4. 最後に、その場所を乾かす

    拭いたあとが濡れたままだと、濡れている時間を短くしたことになりません。乾いた布で、押さえるように水気を取ります。ここまでで1か所30秒ほどです。毎日続けるものなので、短く終わる形にしておくほうが残ります。

涙が下りていく道は、目頭の下から鼻すじの脇を通って、口の横までです。その子は前足で顔をこすることはできても、この線をたどってぬぐうことはできません。ここは人が代わる場所です。mofuwa スキンケアミストの中身は、清涼飲料水の規格基準をクリアした電解水100%です。涙の道の終わりが口の横にあるということは、拭いたあとにその子がなめてしまう範囲だということでもあります。ここを毎日拭けるかどうかは、その一点で決まります。顔に向けて直接吹きかけず、必ず布に含ませてから当ててください。噴射の音も、顔に向かう風も、たいていの子が嫌がります。当てるのは、色が変わってしまった毛ではなく、今日の涙がまだ湿っているところです。目そのものには触れません。まぶたのふちより内側へは入れないでください。

Point回数を増やすより、気づく時間を早くする

1日に何度も拭くより、濡れているのに気づいてから拭くまでの時間を短くするほうが効きます。朝の1回と、夜の1回。そのあいだに顔を見て濡れていたら、そこでもう1回。決まった回数を決めるより、この形のほうが続きます。目のまわりを触る回数が増えるほど、その子は顔に手が来ることを嫌がるようになります。1回を短く終わらせることが、明日も触らせてもらうための条件です。

色が変わった毛は伸びるのを待つ|涙やけとは時間で入れ替わっていく変化

最後に、すでに色が変わってしまった毛のほうです。ここは待つしかありません。毛は伸びます。伸びれば、色のついた部分は根元から遠ざかっていきます。そして毛はいつか抜けて、新しい毛に入れ替わります。色が変わった毛は、直すものではなく、入れ替わるのを待つものです。この一行が、涙やけとは何かという問いの、いちばん実際的な答えかもしれません。

色の変わった毛が、そのあとどう動いていくか 涙が毛についてから、色が見えはじめ、伸びて毛先へ移り、生え変わって入れ替わるまでの順番を縦に並べた図 涙やけとは、この流れ全体につけられた呼び名です その日 涙が毛につく 湿っているうちは拭き取りで動かせます 数日 濡れて乾いてを繰り返す まだ色は見えていないことが多い時期 数週間 毛の色が変わって見えはじめる 薄い色が、涙の通り道に沿って出ます 数か月 色のついた部分が毛先へ移る 根元の側に、元の色の部分が増えます 生え変わり 色のついた毛が入れ替わる 速さは、その子と季節で変わります 手が届くのは1段目だけで、2段目から下は時間の側の話になります
進み方も速さも個体差があります。順番だけを目安にしてください。

待っているあいだに、やることが1つだけあります。記録です。同じ場所から、同じくらいの明るさで、月に1回だけ写真を撮っておきます。正面から1枚、少し斜めから1枚。見るのは色の濃さではなく、色のついた部分と元の色の部分の境目が、どこにあるかです。境目が毛先のほうへ動いていれば、新しく染まっていく量より、伸びている量のほうが多いということになります。

月に1回の写真で、何を見るか
見るところ動いているときの見え方止まっているときの見え方
境目の位置毛先の側へ移っている根元の側にとどまっている
根元の色元の色の部分が増えている根元まで色がついている
範囲の広さ外側の縁が薄くなっている外側へ少しずつ広がっている
濡れている時間拭いたあと、しばらく乾いている拭いてもすぐに濡れている
左右の差両目で同じように動いている片目だけ進み方が違う

表の最後の行だけは、待つ話から外れます。片目だけ進み方が違うときは、待つ前に確かめてほしい変化です。両目で同じように出ているのと、片目だけ濡れ続けているのとでは、見ている先が変わります。写真を月に1回撮っておくと、この差にいちばん早く気づけます。

Cautionこういう変化があるときは、動物病院にご相談ください

片目だけ涙が多い、涙の量が急に増えた、目を気にしてこすっている、まぶたが腫れている、目やにの色や量が変わった、目のまわりの地肌が赤い、においが出てきた。こうした変化があるときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。涙やけとは見え方につけられた名前でしかないので、その裏で何が起きているかまでは、家からは分かりません。いつごろから色がついてきたか、片目か両目か、月に1回の写真があればそれも持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

涙やけとは何か。一言で答えるなら、涙が毛について、時間がたって色が変わった状態です。汚れの名前ではなく、時間の名前だと思っておくと、家でやることが決まります。今日の涙は動かせる。何週間か前に色が変わった毛は、伸びるのを待つ。手が届く場所と、届かない場所を先に分けておくと、目のまわりを強くこすらずに済みます。毎日拭いても色が変わらないのは、やり方が悪いからではありません。そもそも、そこには手が届いていないだけです。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。