C12Q&A・豆知識

雨の日の散歩のあとは洗うべき?

公開日 2023年6月23日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋で、窓のそばに落ち着いて伏せている淡い色の犬
濡れて帰った日にまず決めるのは、洗うかどうかではなく、いつ乾き終わるかです。写真:Jessika Arraes/Pexels

雨の中を30分歩いて帰ると、毛の表面だけでなく、根元まで水が届いています。洗うかどうかでいえば、答えは洗わなくてよいです。散歩後にやることの順番でいうと、乾かすほうが先に来ます。雨の日に問題になるのは、体についた汚れの量ではありません。濡れている時間の長さのほうです。そして洗えば、その時間はさらに延びます。この記事では、雨の日の散歩後に洗うべきかという疑問を、7つの問答に分けて書きます。途中で1つだけ、その日は洗ったほうがいいという条件も出てきます。

雨の日の散歩後は、洗ったほうがいいですか

答えから書きます。洗わなくてよいです。雨の日の散歩後にやることは、洗うことではなく乾かすことで、順番としても乾かすほうが先に来ます。毎回洗う習慣にしてしまうと、雨の日が来るたびに、その子の体が濡れている時間が長くなっていきます。

理由は1つです。雨の日に効いてくるのは、汚れの量ではなく、濡れている時間の長さだからです。玄関に着いた時点で、その子はもう濡れています。ここから乾き終わるまでの時間が、その日いちばん短くなる手を選ぶ。それが「洗わなくてよい」という答えの中身です。洗えば、濡れている時間はそこから延びます。

もう少し具体的に言うと、雨で濡れた体はすでに水を含んだ状態から始まります。乾いた日に散歩後の足を洗うのとは、出発点が違います。乾いた日なら、洗って濡らして、乾かして元に戻る。雨の日は、濡れているものをさらに濡らして、そこから乾かすことになります。同じ「洗う」でも、雨の日は往復が1回多い。

同じ散歩後でも、乾いた日と雨の日で出発点が違う
乾いた日の散歩後雨の日の散歩後
帰宅時の状態毛は乾いている毛の根元まで濡れている
ついているもの砂ぼこり、乾いた土水を含んだ砂、泥、路面の水
洗ったときの手間濡らす→洗う→乾かすすでに濡れている→洗う→乾かす
乾き終わるまで洗った時点から数える帰宅した時点から数え始めている
先にやること汚れを落とす水を減らす

表の最後の行が、この記事の主題です。雨の日の散歩後にやるのは、汚れを落とす作業ではなく、水を減らす作業です。ここが入れ替わっていると、玄関でやることも、その順番も変わってきます。次の問いから、1つずつ開いていきます。

洗わずに済ませると、雨の日についた汚れは残ったままになりませんか

残りません。雨の日についた汚れの多くは、乾けば落ちます。これは、乾いた日についた汚れとは性質が違います。乾いた日の砂ぼこりは、皮脂と混ざって毛に張りつきます。雨の日についているのは水を含んだ砂と泥で、これは水が抜けると粒に戻ります。粒に戻れば、手ではらうか、ブラシを一度通すだけで落ちます。

むしろ、濡れているうちにこすると広がります。泥は水を含んでいるあいだは伸びます。足先だけについていた泥を、濡れた布でこすって腹まで広げてしまうのは、雨の日にいちばん起きやすい事故です。泥は、伸ばすより、乾かして落とすほうが早い。これは洗濯物の泥はねと同じ考え方です。

最後の1つだけは例外です。指のあいだに入った小さな石や、とがったものは、乾くのを待たずにその場で取ってください。ここは汚れの話ではなく、当たっているものの話だからです。雨の日は路面のものが浮きやすく、指のあいだにも入りやすくなります。玄関で足を持ち上げたときに、指を1本ずつ開いて見ておくと足ります。

つまり、雨の日の散歩後に洗わなくてよいという答えは、汚れを放っておくという意味ではありません。落とす順番を、乾いたあとへ回しているだけです。洗うのを省いているのではなく、乾かすことと汚れを落とすことの順序を入れ替えている。ここが分かると、洗わずに済ませることへの落ち着かなさはだいぶ減ります。

雨の日に洗うと、なぜ濡れている時間が延びるのですか

時間を足し算にしてみると分かりやすくなります。雨の日の散歩後、乾き終わるまでの時間は、玄関に着いた瞬間から数え始めています。ここへ「洗う」を挟むと、何が足されるかを並べます。

  1. 浴室へ移動して、待たせる時間が足される

    玄関から浴室まで運ぶあいだ、その子は濡れたままです。お湯の温度を合わせているあいだも、濡れたまま待っています。ここだけで数分が乗ります。乾かし始めるまでの空白は、そのまま濡れている時間に入ります。

  2. 全身が、雨で濡れた以上に濡れる

    雨で濡れているのは、たいてい体の上側と足です。腹の下や内ももは、意外と乾いていることがあります。洗えば、乾いていた場所まで濡れます。濡れる面積が増えるので、乾かす時間もそのぶん延びます。

  3. すすぎの時間が足される

    洗ったら流します。全身をすすぐには、それなりの時間がかかります。この時間はまるごと、濡れている時間に加算されます。雨の日は、ここを足すかどうかがそのまま総時間の差になります。

  4. 乾かす時間が、最初から数え直しになる

    タオルだけで帰った日は、玄関の時点である程度の水を落とせています。洗ったあとは、水を含みきった状態から乾かし始めることになります。洗わなければ乾かすところから始められたのに、洗うと濡らすところから始まります。

この4つを足すと、雨の日の散歩後に洗うという選択は、乾き終わるまでの時間を、短くする方向には働きません。汚れの側から見れば洗ったほうがきれいになりますが、水の側から見ると逆を向いています。そして雨の日に効いてくるのは、水の側です。

もう1つ、季節の問題もあります。雨の多い時期は、部屋の湿度も上がっています。同じ量の水でも、乾くまでにかかる時間が延びる時期です。洗って足した水は、乾いた季節より長く体に残ります。雨の日に洗うかどうかで迷ったときは、その日の湿度も一緒に考えてください。

雨の日の帰宅後、いちばん先に手をつけるのはどこですか

玄関から動かさずに、その場で水を減らします。順番は、下から上ではなく、水が多いところから。雨の日は上から降ってくるので、背中と頭が最も濡れています。足はそのあとです。乾いた日の散歩後とは、手をつける順番が逆になります。

  1. 背中の水を、こすらずに押さえて取る

    乾いたタオルを背中に乗せて、上から手のひらで押さえます。拭くのではなく、押して吸わせる動きです。こすると毛が絡み、水が根元へ押し込まれます。背中、腰、頭の順に、面を変えながら押さえていきます。

  2. 毛の量が多い場所は、握って絞る

    耳のうしろ、首まわり、尾。この3か所は、タオルを当てただけでは水が抜けません。タオルごと軽く握って、水を移します。ねじらないでください。ねじると毛が絡みます。握って、離して、位置をずらす。この繰り返しです。

  3. 足は最後、指を1本ずつ開いて見る

    四つ足の裏と、指のあいだ。ここだけは、水を取るのと一緒に、入っているものを確かめます。小石や、とがったかけらが入っていないか。指を開くと、水も一緒に抜けます。片足ずつ、立たせたまま持ち上げるほうが早く終わります。

  4. 腹の下に手を入れて、濡れているかを確かめる

    雨の強さと、その子の高さで、腹の下が濡れているかどうかは変わります。濡れていなければ、ここは触らなくて構いません。濡れていれば、乾いたタオルで押さえます。濡れていない場所を触らないのは、乾かす面積を増やさないためです。

  5. タオルの面を変えて、もう一度背中から

    1枚目が水を吸いきったら、乾いた面に替えて同じ順番をもう一度通します。2回目のほうが、根元の水が表面へ出てきています。ここまでで、風を当てる前にできることは終わりです。

ここまでを玄関で終わらせるのには理由があります。濡れたまま室内へ入ると、床と、その先の寝床に水が移ります。体から出た水は、床で乾くのではなく、次に触れた布へ移っていきます。雨の日の散歩後に、部屋がなんとなく湿っぽくなるのは、この移動が起きているからです。玄関で減らしておけば、室内へ持ち込む水そのものが減ります。

Note雨音が続いている日は、玄関での時間を短くする

雨の日は、外の雨音が家の中まで届いています。音が続いているあいだは、落ち着かない子がいます。玄関で長く押さえていると、体をよじる、逃げようとする、という形で出てきます。そういう日は、玄関でやることを背中と足の2か所に絞って、残りは部屋に入ってから続けてください。手順を守ることより、その子が立っていられるかどうかのほうが先です。

それでも雨の日に洗ったほうがいいのは、どんな日ですか

条件で割ります。次の4つのどれかに当てはまる日は、洗ってください。雨の日の散歩後は洗わなくてよい、という答えには、この4つだけ例外があります。逆に言えば、これ以外の日は洗わずに済ませる側で足ります。

雨の日でも洗う日と、洗わずに済ませる日の分かれ目
その日の状況洗うかどうか理由
泥をかぶった、水たまりに座り込んだ洗う泥は乾くと粒に戻りますが、量が多いと毛の根元に残ります
側溝や、たまり水の中を歩いた洗う路面の水以外のものが混ざっている可能性があります
油の浮いた路面を歩いた洗う水では落ちず、乾いても毛に残ります
体に何かが付着している洗う何がついているか分からないものは、乾かす前に落とします
雨に濡れただけ洗わずに済ませる乾かすほうが先。汚れは乾いてから落ちます
足だけが泥で汚れた足だけ洗う全身を濡らす理由がありません

最後の行が、実際にはいちばん多いパターンです。足だけ汚れているなら、洗うのは足だけで足ります。全身を洗うか、まったく洗わずに済ませるかの二択にする必要はありません。雨の日の散歩後に洗うかどうかは、体の部分ごとに決められます。足先だけをぬるま湯ですすいで、そのあと指のあいだまで水気を取る。ここまでなら、乾き終わるまでの時間はほとんど延びません。

そして、洗うと決めた日にも順番があります。洗う前に、乾かし終える時間が取れるかを先に確かめてください。洗ったあとに出かける予定があるとか、そのまま寝る時刻が近いとか。時間が取れない日は、洗うより、玄関で水を減らして乾かすほうに寄せます。洗ったのに乾かしきれない、というのがいちばん避けたい形です。

Point洗う日は、洗う前に乾かす場所を用意しておく

浴室から出したあと、どこで乾かすかを先に決めておきます。風の当たる場所と、乾いたタオルを2枚。これが用意できていない状態で洗い始めると、洗い終わってから探すことになり、そのあいだ濡れたまま待たせることになります。雨の日は、この待ち時間がそのまま総時間に乗ります。準備を先に置くだけで、同じ手順でも短く終わります。

雨の日に、水を足さずにできることはありますか

あります。雨の日の散歩後にやることの中心は乾かすことなので、水を足さない手だけで組み立てられます。拭く・整える・においを持ち込まないところまでを、水を1滴も足さずに済ませる形です。シャンプーは、洗うと決めた日のためにとっておきます。

雨に濡れて帰った日、その子が自分でできるのは体を振ることまでです。口の横、尾のつけ根、指のあいだの3か所は、振っても水が抜けず、その子の毛づくろいも回りません。とくに指のあいだは、玄関で放しておくと、その子がいちばん先に舐めにいく場所です。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。拭いたそばから舐めにいく場所に当てるので、舐めても差し支えのない基準であることが、そのまま雨の日の使いどころになります。雨の日は、直接吹きかけずに布に含ませてから使ってください。すでに濡れている体に、さらに水分を足す形になるからです。布に取れば、量を自分で決められます。当てる場所は、玄関で水を取ったあとの足まわりと、口の横、尾のつけ根あたりで足ります。

順番としては、タオルで水を減らす → 乾かす → 最後に布で気になる場所だけです。乾く前に使うと、乾かす時間が延びます。ここでも、判断の基準は同じで、濡れている時間を延ばさないことです。雨の日は、何をするにしてもこの1本で決められます。

寝床の話だけ、少し足しておきます。その子が乾ききる前に寝床へ入ると、水は布のほうへ移ります。雨の日が続く時期は、布の側が乾く時間も長くなっています。体を乾かしたつもりでも、翌日に寝床が湿っているなら、まだ乾いていない状態で入っていたということです。雨の日の散歩後にやることは、体の側だけでは終わりません。

7つの答えを、帰宅後の時間の順に並べ直す|最後に残る疑問

最後に、ここまでの答えを時間の順に置き直します。雨の日の散歩後にやることは、玄関から数えて15分ほどで終わる形にできます。洗わなくてよいという答えは、手を抜くという意味ではなく、この15分に収めるための選び方です。

雨の日の散歩後、帰宅してからの順番
いつやること目安の時間
玄関に入ってすぐ背中と頭の水を、タオルで押さえて取る2分
続けて耳のうしろ・首・尾を、握って水を移す1分
続けて四つ足の裏と、指のあいだを見る2分
続けて腹の下に手を入れて、濡れているか確かめる30秒
タオルを替えて同じ順番をもう一度通す2分
部屋に入ってから風を当てて、根元まで乾かす5〜10分
乾いてから気になる場所だけ布で一往復。ブラシを一度通す2分
その日のうちに使ったタオルを洗濯機へ入れる1分

この表に「洗う」は入っていません。入るのは、前の章の4条件に当てはまった日だけです。雨の日の散歩後に洗うべきかという疑問は、条件が4つあるかないかで決まります。当てはまらない日は、この8行で足ります。当てはまる日は、洗う工程を足したうえで、乾かし終える時間を先に確保します。

最後に残る疑問は、たいてい「乾いたと思っていいのはどこを触ったときか」というところです。毛の表面ではなく、指を入れて根元に触れたときに冷たくないこと。濡れているところは、まわりより冷たく感じます。背中の真ん中、耳のうしろ、尾のつけ根、腹の下。この4か所に指を入れて、冷たさが残っていなければ、その日は終わりです。

Caution雨の日が続いたあとに、こういう変化があるときは

同じ場所を舐め続けている、地肌が赤い、においが強くなった、体をこすりつける回数が増えた、耳を振る回数が増えた、乾かしても毛が束のまま戻らない。こうした変化があるときは、洗う回数や乾かし方を変える前に、動物病院にご相談ください。雨の日が続く時期は、濡れている時間そのものが長くなります。いつから、どの場所に出ているか、その週に何日雨だったかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

雨の日の散歩後に洗うべきか。答えは洗わなくてよい、です。洗うか洗わずに済ませるかを決めているのは清潔さの基準ではなく、乾き終わるまでの時間の長さです。濡れて帰った日は、その時計がもう動き始めています。玄関で水を減らして、風を当てて、乾いてから汚れを落とす。この順番なら、雨の日でも15分で終わります。洗うという手は、その時計をもう一度巻き戻す手です。巻き戻す価値がある日だけ、4つの条件で選んでください。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。