C05犬種・猫種別ケア

ハイランドフォールドのケア|耳の汚れを減らす3つの習慣

公開日 2023年6月27日|文=mofuwa編集部

明るい自然光の入る部屋で、耳の折れた長い毛の猫が淡い色の敷物の上に落ち着いて座っている
折れ目の中で向かい合っているのは、皮膚と皮膚だけではありません。外側の長い毛が、そのあいだに挟まっています。

ハイランドフォールドの折れた耳をそっと開くと、外側に生えているはずの長い毛が、折れ目の内側まで入り込んでいます。耳の外側の面をなでる手は、この毛の手前で止まります。短毛の折れ耳なら、折れ目で接しているのは皮膚と皮膚です。長い毛を持つ子では、そのあいだに毛が一枚挟まります。ハイランドフォールドの耳の汚れは、この挟まった毛の側で起きています。しかも猫が前脚で耳をなでる毛づくろいの動きは、外側の毛を折れ目のほうへ送る向きに働きます。毎日きれいにしているつもりの動きが、折れ目に入る毛を少しずつ増やしていく。この記事では、短毛の折れ耳と長毛の折れ耳を並べて、毛が折れ目の中で何をしているのかと、そこに手を入れる3つの習慣を書きます。

折れ目の中に、外側の長い毛が入り込む|ハイランドフォールドの耳に汚れが留まる条件

ハイランドフォールドの耳は、根元から少し先のところで前へ折れています。折れているので、耳の外側の面と、その下にくる面とが、折れ目のところで向かい合っています。ここまでは、短毛の折れ耳と同じ形です。違うのは、外側の面に生えている毛の長さです。ハイランドフォールドは長い毛を持つ子なので、外側の毛は折れ目の幅より長くなります。耳が折れたときに、その毛が一緒に中へ入ります。

つまり、折れ目の中で接しているのは皮膚と皮膚だけではありません。そのあいだに、長い毛が一枚挟まっています。挟まった毛は上下から押さえられているので、体が動いても、頭を振っても、その場から動きません。ハイランドフォールドの耳の汚れを考えるときに見る場所は、耳の穴でも耳の外側の面でもなく、この挟まっている毛の側です。

そこへ、猫自身の毛づくろいが関わってきます。猫は前脚を湿らせて、耳のあたりを頭の側から先へなでます。この動きは、耳の外側の毛を面に沿って寝かせる向きに働きます。寝かされた毛の行き先が、ハイランドフォールドでは折れ目です。毛づくろいそのものは耳に届いているのに、届いた結果として毛が折れ目へ送られます。届かないから溜まるのではなく、届いた動きが毛を運んでいる、という順番になります。

挟まった毛には、皮脂がからみます。皮脂は毛どうしを寄せるので、はじめは数本だった毛が、時間とともに面のようにまとまります。まとまると、そのあいだに空気が通らなくなります。空気が通らない場所は、湿った状態が長く続きます。湿りと皮脂と、外から入った細かいほこりがそこに重なって、耳の汚れとして見えるようになります。汚れが出てきたのは結果のほうで、条件のほうは折れ目に入った毛です。

Note耳の穴の中を掃除する話ではありません

この記事で扱うのは、折れ目の中に入り込んだ毛と、その毛のまわりの汚れまでです。耳の穴の中は、家庭で触る場所ではありません。綿棒を入れる、液体を流し込む、指を差し込むといったことはしないでください。ハイランドフォールドの耳は折れているぶん、外から穴の位置が見えにくく、見えないまま入れると届く場所が分かりません。穴の中に汚れがあるように見えるときは、家で取ろうとせず、動物病院にご相談ください。

短毛の折れ耳と、長毛の折れ耳|ハイランドフォールドの耳を比較すると何が変わるか

折れ耳という同じ形を持っていても、毛の長さが変わると、折れ目の中で起きることが変わります。ここでは短毛の折れ耳と、ハイランドフォールドのような長毛の折れ耳を、同じ項目で比較します。比べるのは汚れの多い少ないではなく、汚れがどこに、どんな形で留まるかです。留まり方が違えば、手を入れる場所も変わります。

短毛の折れ耳では、折れ目の中で皮膚と皮膚が接しています。接している面はなめらかなので、皮脂は面の上に薄く広がります。汚れは面についた状態になり、折れ目を開けばそのまま目に入ります。見えるところにあり、拭けば移動します。手を入れる相手がはっきりしているぶん、やることも短く終わります。

ハイランドフォールドの折れ目では、その面のあいだに毛があります。皮脂は面ではなく毛にからみ、汚れは毛の根元の側に留まります。折れ目を開いても、汚れは毛に隠れて見えません。拭いても、拭いているのは毛の表面のほうです。同じ折れ耳でも、短毛の子と同じやり方をそのまま持ち込むと、手が空振りします。

折れ耳という形が同じでも、毛の長さで折れ目の中が変わります
短毛の折れ耳長毛の折れ耳(ハイランドフォールド)
折れ目の中で接しているもの皮膚と皮膚皮膚と皮膚のあいだに毛が挟まる
外側の毛の長さ折れ目の幅より短い折れ目の幅より長く、中まで届く
前脚でなでたとき毛が寝るだけで終わる毛が折れ目のほうへ送られる
皮脂の行き先面の上に薄く広がる挟まった毛にからむ
汚れの見え方折れ目を開けば見える毛に隠れて、開いても見えにくい
乾くまでの時間面が離れれば早い毛が水分を抱えたまま残る
手を入れる相手折れ目の面折れ目に入っている毛の側
換毛期に起きること抜けた毛は耳の外へ落ちる抜けた毛が折れ目の中に残る
短毛の折れ耳と、長毛の折れ耳 折れ耳という形は同じでも、外側の毛が折れ目の幅より長いかどうかで、折れ目の中に何があるかが変わります。ハイランドフォールドでは、皮膚と皮膚のあいだに毛が一枚挟まります。 同じ折れ耳でも、手を入れる相手が変わります 短毛の折れ耳 折れ目の中は皮膚と皮膚 皮脂は面の上に広がる 開けば汚れが目に入る 拭けば汚れが移動する 長毛の折れ耳 あいだに毛が挟まる 皮脂は毛にからむ 開いても毛に隠れる 毛を動かさないと残る 短毛の子と同じ拭き方では、手が空振りします
汚れの量ではなく、汚れが毛にからむか面にのるかが分かれ目です。

換毛期の差も書いておきます。短毛の折れ耳では、抜けた毛は耳の外へ落ちます。ハイランドフォールドでは、外側で抜けた毛の行き先が折れ目です。春と秋には、折れ目に入る毛の量そのものが増えます。同じ手入れを続けているのに、その時期だけ汚れが目につくようになるのは、被毛の側で起きている変化がそのまま折れ目に流れ込んでいるからです。

もうひとつ、体格の話もしておきます。ハイランドフォールドは丸みのある体つきの子が多く、頭も丸く見えます。頭が丸いと、耳の折れ目までの距離が短く、後ろから前脚を回したときの動きが耳へ届きやすくなります。届きやすいことは、この場合は毛が送られやすいことでもあります。毛づくろいが上手な子ほど、折れ目に毛が入っていることがあります。

耳を開く前に、外側の毛の向きを見る|ハイランドフォールドの耳の汚れの見分け方

毎日、耳を開いて中をのぞく必要はありません。開くこと自体が折れ目を動かすので、回数が増えるほど嫌がられます。見分け方の中心は、開く前の外側にあります。次の順で、その日に手を入れる場所を決めてください。ここまでで1分もかかりません。

  1. 耳の外側の毛の、毛先がどちらを向いているかを見る

    外側の毛が、耳の先へ向かってきれいに寝ているなら、送られた毛はまだ折れ目の手前です。毛先が折れ目のほうへ入り込んで、途中で見えなくなっているなら、そこが今日の場所です。触る前に、目で分かる段階がここです。

  2. 折れ目のふちに、指の腹を軽く当てて滑らせる

    折れ目の線に沿って、耳の根元から先へ向かって指の腹を滑らせます。なめらかに滑るか、途中でざらつくか。ざらつく場所は、挟まった毛が面のようにまとまっています。ここで力を入れて押し込まないでください。触るのは折れ目のふちまでです。

  3. 耳の根元を手で支えて、5秒だけ開く

    耳をつまんで引くのではなく、根元の側を手のひらで支えて、折れ目をそっと起こします。開いたら、中に見える毛の量と、湿っているかどうかだけを見ます。5秒で足ります。開いたままにして毛をかき分ける必要はありません。すぐ元に戻してください。

  4. 左右で違いがあるかを比べる

    片方だけ毛が入り込んでいる、片方だけざらつく、というときは、寝るときの向きや、体を寄せている面が関係していることがあります。左右がそろっているか違うかは、そのまま記録しておく値打ちがあります。あとで相談するときの材料になります。

見た結果と、その日にやること
見て分かったことその日にやること
毛先が耳の先を向いて、寝ている外側をとかすだけ。折れ目は開かなくて構いません
毛先が折れ目に入り込んでいる外側を先にとかして、入る毛を減らします
折れ目のふちがざらつく外側をとかしたあと、折れ目のふちだけを拭きます
開いた中の毛が湿っている拭かずに、開いて空気を通す時間を先につくります
左右で手ざわりがはっきり違ういつからかをメモして、様子を見る日を決めます
Point見た目がきれいなことは、折れ目の中の証明になりません

ハイランドフォールドの耳は、外側の毛が長く流れているので、折れ目に毛が入り込んでいても外から見ると整って見えます。耳の外側がきれいなことと、折れ目の中に汚れが留まっていないことは、別の話です。抱き上げたついでに折れ目のふちへ指を滑らせる、と決めてしまうと、思い出さなくても回るようになります。手ざわりの差は、数日で覚えられます。

順番・開く時間・とかす回数|ハイランドフォールドの耳の汚れを減らす3つの習慣は、どっちから手をつけるか

ここからが毎日のケアの話です。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1回の中で決めることが1つ、1日の中で決めることが1つ、1年の中で決めることが1つ。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。どっちから手をつけるかで迷ったときは、いつも習慣1が先です。

  1. 習慣1:折れ目を開く前に、外側をとかす(1回の中で決める順番)

    耳に手を入れる日は、いきなり折れ目を開かないでください。先に、耳の外側の毛を耳の先へ向かって2〜3回とかします。折れ目に入りかけている毛を、入る前に外へ戻すのが目的です。順番を固定してしまうと、開く回数そのものが減ります。開いてから中の毛を引き出すのは、押さえられている毛を無理に動かすことになるので、そちらは後回しです。今日は時間がないという日は、外側をとかすところだけで終えてください。それでも順番は崩れていません。

  2. 習慣2:折れ目を開いて、空気を通す時間を1日に1回つくる(1日の中で決める時間)

    拭く時間ではなく、開く時間です。耳の根元を支えて折れ目を起こし、30秒から1分、そのまま何もせずに置きます。挟まった毛のあいだに空気が入って、抱えていた水分が抜けます。湿った状態の時間を短くするのが目的なので、触る必要はありません。膝の上で落ち着いているとき、なでている流れの中で開くと、嫌がられにくくなります。毎日同じ時間帯に決めておくと、その子のほうも身構えなくなります。

  3. 習慣3:換毛期だけ、外側をとかす回数を増やす(1年の中で決める回数)

    ふだんは、耳の外側をとかすのは1日1回で足ります。春と秋、被毛が入れ替わる時期は、耳の外側で抜けた毛がそのまま折れ目へ入ります。この時期だけ、外側をとかす回数を1日2回にします。1回にかける時間は増やしません。増やすのは回数のほうです。時期が終わったら、回数も元に戻します。道具も場所も変えないので、覚えることは増えません。

3つの習慣は、決める単位をそろえていません
何を決めるか決める単位
習慣1折れ目を開く前に、外側をとかすという順番1回の中
習慣2折れ目を開いて、空気を通す時間の長さ1日の中
習慣3耳の外側をとかす回数1年の中。換毛期だけ

皮脂の扱いにも触れておきます。挟まった毛が面のようにまとまるのは、皮脂が毛どうしを寄せるからです。だからといって、洗う回数を増やす方向へ寄せないでください。洗う回数が増えると、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで減っていきます。しかも折れ耳は、一度濡れると折れ目の中が乾きにくい場所です。皮脂が気になるときにまず動かすのは、洗う回数ではなく、折れ目を開いて空気を通す時間のほうです。

Caution折れ目の中に、液体を入れないでください

汚れが見えると、何かを流し込んで浮かせたくなります。折れ耳では、入れた液体は毛に抱えられて、そのまま折れ目の中に残ります。拭き取ろうとしても、毛の下までは布が届きません。濡れている時間だけが延びます。使うなら、布のほうを湿らせて、折れ目のふちを外側からなでるところまでにしてください。綿棒を耳の穴へ入れることも、家庭では避けてください。

耳の外側の毛は、その子の毛づくろいでは元に戻りません。前脚でなでる動きは、外側の毛を折れ目のほうへ送る向きに働いているからです。逆向きに毛を戻せるのは人の手だけで、ハイランドフォールドではここが人の代わる場所になります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。耳のまわりに当てたものは、そのあと前脚でなでられて、その前脚を舐めるときに口へ回ります。舐めても差し支えのない基準でつくられていることが、そのままこの場所での使いどころになります。耳に直接吹きかけるのではなく、布や指先に含ませて、耳の外側の毛を、毛の流れに沿ってなでるように整えてください。外側の毛の滑りがそろっていると、習慣1でとかしたときに毛が折れ目へ戻りにくくなります。折れ目の中や耳の穴には入れないこと、湿らせたあとは乾く時間をとることの2つを守ってください。

折れ目に入った毛では説明がつかない、耳の変わり方

ここまでは、外側の長い毛が折れ目の中に入り込むことで説明できる汚れの話でした。習慣を続けていても、同じ耳が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、被毛の条件やハイランドフォールドの耳の形の話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

耳のまわりの皮膚が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、頭をかたむけている、同じ耳をかき続けている、耳の穴の中に汚れが見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家で拭く回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。ハイランドフォールドの耳は折れているぶん、外から中が見えません。見えないまま様子を見る時間が延びるより、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いつからか、左右のどちらか、その日にやったことの3つをメモしてください。この3つがあると、折れ目に入った毛で説明のつく汚れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に頑張って拭いてから行くと、もとの状態が分からなくなります。気づいたままの耳で連れて行ってください。

ハイランドフォールドと暮らすうえで、耳が折れていることも、外側に長い毛が生えていることも、変えられません。折れた耳と長い被毛は、この猫が持っている作りです。減らせるのは汚れそのものではなく、毛が折れ目の中に入ったまま留まっている時間のほうです。開く前に外側をとかす。1日に1回、開いて空気を通す。換毛期だけ回数を増やす。ハイランドフォールドの耳の汚れで手を入れられるのは、そこです。

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よくある質問

ハイランドフォールドの耳は、毎日開いて拭いたほうがいいですか?
毎日拭く必要はありません。折れ目を開くこと自体が耳を動かすので、回数が増えるほど嫌がられます。毎日やるとしたら、外側の毛を耳の先へ向かってとかすことと、30秒ほど折れ目を開いて空気を通すことの2つです。拭くのは、折れ目のふちがざらついた日だけで足ります。
短毛の折れ耳の子と同じお手入れでは、だめですか?
折れ耳という形は同じですが、折れ目の中にあるものが違います。短毛の子は皮膚と皮膚が接しているので、開いて拭けば汚れが移動します。長い毛を持つ子は、そのあいだに毛が挟まっていて、汚れは毛にからんでいます。拭いても毛の表面をなでるだけになるので、外側の毛を先に動かす手順が必要になります。
耳の外側をとかすとき、どの向きにとかせばいいですか?
耳の根元から先へ向かって、毛の流れに沿ってとかします。折れ目のほうへ押し込む向きにはとかさないでください。猫が前脚でなでる動きも、外側の毛を折れ目へ送る向きに働いています。人が手を入れるときは、その逆向きに毛を戻してあげる、と考えると分かりやすくなります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。