C09シーン別・暮らし

水が苦手な猫と暮らす人が夜勤・不規則な勤務で困ること、その手当て

公開日 2023年6月24日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床に、白い猫が静かに座っている
人の勤務表は毎週変わりますが、猫が動き出す時間帯はあまり変わりません。合わせる側は人のほうです。写真:Arina Krasnikova/Pexels

夜勤明けの朝8時に帰ると、猫はもう寝ています。こちらは一日の終わりで、その子は一日の折り返し。時刻がひとつも噛み合っていません。不規則な勤務でペットと暮らしていると、ケアの時刻を習慣として決められないという困りごとが先に来ます。そこに、水が嫌いな子だという条件が重なると、まとめて洗って一度に片づけるという逃げ道も最初からありません。この記事は、夜勤や交代勤務で暮らす人から実際によく出る7つの問いに、ひとつずつ答えていく形にしました。最後に、7つの答えを1週間の勤務表の上に並べ直します。

「夜勤明けの朝に帰ると、もう寝ています。いつやればいいですか」|不規則な勤務と水が嫌いな猫の時刻がずれる、その疑問から

まずここから始まります。答えは、帰宅した時刻に合わせるのをやめる、です。不規則な勤務で暮らしていると、空いている時間にやるしかないと考えます。ところが猫のほうは、人の勤務表を見ていません。明け方と夕方に活動が上がって、昼と深夜はよく寝ている。この形は、こちらの勤務が日勤でも夜勤でも変わりません。

だから夜勤明けの朝、帰ってすぐにやろうとすると、いちばん寝ている時間に手を出すことになります。そこで嫌がられた記憶が積み上がると、水が嫌いなうえに触られるのも嫌いな子になっていきます。やる時刻を動かすだけで避けられる話です。夜勤明けなら、帰宅後すぐではなく、こちらが仮眠を取って起きた夕方に回す。人の側の1回を後ろにずらすほうが、結果として早く終わります。

この記事全体を通しての前提を、ここで1つ置いておきます。猫は人の生活時刻に合わせません。不規則な勤務のほうを猫に合わせるのは無理ですが、1日の中のどこに置くかなら選べます。ペットのケアを毎日同じ時刻にできないことは、この場合そこまで大きな問題になりません。

「深夜2時に帰った日、そのままペットのケアをして大丈夫ですか」|不規則な勤務で猫の夜に踏み込む前に

深夜だからいけない、ということはありません。線は時刻ではなく、その子を起こすかどうかにあります。玄関の音で起きてきて、足元に来て、体をこすりつけてくるなら、そのときは1分だけやって構いません。逆に、寝ている場所まで探しに行って起こすのなら、深夜2時でも夕方6時でも同じことです。

深夜に気をつけるのは、時刻そのものより明かりと音です。部屋の照明をいきなり全部つけない、荷物を床に置く音を立てない。起きてきたかどうかで判断するので、起こしてしまう条件のほうを減らしておきます。玄関の小さな明かりだけで足りる形にしておくと、その子が自分で来るかどうかがはっきり分かります。

そして、深夜に来た日は短くします。1分から2分。水が嫌いな猫にとって、深夜に長く押さえられる経験はいちばん残りやすいものです。不規則な勤務でその日にできることが1分しかないなら、1分で終わる形をあらかじめ決めておいてください。あご下だけ、しっぽの付け根だけ、というように場所を1つに決めておくと、迷っているあいだに逃げられません。

「まとめてやろうとすると、途中で逃げられます」|不規則な勤務の都合が、水が嫌いな猫になぜ通らないのか

不規則な勤務でペットに触れない日が続いたあと、3日ぶんをまとめて、という考え方が通らない理由を書きます。人は勤務表の単位で考えますが、猫の側の限界は1回あたりの長さで決まっているからです。3日空いたからといって、1回を3分に延ばせるわけではありません。その子が受け入れる長さは、間隔が空いても変わりません。むしろ空いたぶん、短くなることがあります。

ここに、水が嫌いという条件が重なります。犬なら、間隔が空いたぶんを洗う日でまとめて回収するという手が残っています。水を使えない子には、その回収の手が最初からありません。だから不規則な勤務で間隔が空くこと自体を、別の方法で埋めるしかない。埋め方は、1回を長くすることではなく、割ることです。

まとめる形と、割る形。同じ週の合計時間でも結果が違います
まとめてやる形割ってやる形
1回の長さ5分から10分1分から2分
週の回数1回から2回4回から6回
途中でどうなるかだいたい途中で逃げられる終わる前に自分から離れることが少ない
次の回への影響嫌な記憶が残り、次が短くなる同じ長さを保てる
不規則な勤務との相性休みの日に集中し、平日が空くどの勤務の日にも1回は入る

割り方は場所で決めます。背中の中央、しっぽの付け根、あご下、足まわりの4つ。その日にできるのは1つだけ、と決めてしまってください。4日で一周します。不規則な勤務で1日空いても、一周が5日になるだけです。全身を1日で回そうとしないと決めた時点で、逃げられる回数が大きく減ります。

「1日でも空くと、被毛に溜まっていきますか」|水を使わないぶん、猫のケアで増やさなくてよいこと

この問いには、毎日やらなくてよいことです、とはっきり答えます。7つの問いのうち、これだけは手を増やさない話です。不規則な勤務で回数を確保しようと頑張っている人ほど、ここで手数が増えすぎています。

猫は一日のうちに何度も自分で毛づくろいをします。人が代わりにやるのは、その子が自分で届かない場所と、届くけれど回数が減っている場所だけです。背中の中央としっぽの付け根が前者、あご下と足まわりが後者にあたります。それ以外の場所は、放っておいて構いません。全身を毎日拭く前提で組むと、水が嫌いな子には手数が多すぎます。

見るのは、その日ではなく週の合計です。週に4回、1分ずつ触れていれば、不規則な勤務としては十分に回っている状態です。毎日という言葉を外すと、勤務表のどこにでも置けるようになります。

「猫が起きている時間は、勤務表からどう探しますか」|不規則な勤務でペットの1日を3つに割る

1週間ぶんの勤務表を出して、24時間の帯を3つの色に塗り分けてください。人も猫も起きている時間、人だけが起きている時間、人が寝ている時間の3つです。塗り終わると、1つ目の色が週に何コマあるかが見えます。不規則な勤務でも、この色は週に4コマから6コマは残ります。

勤務のかたちごとに、1つ目の色が出てくる場所
その日の勤務人も猫も起きている時間置きやすい長さ
日勤帰宅後の夕方から夜のはじめ2分
夜勤入り出勤前の夕方1分
夜勤明け仮眠から起きた夕方2分
遅番出勤前の昼下がりから夕方1分から2分
休み朝の早い時間と夕方の2回2分を2回

こうして並べると、どの勤務の日にも1つ目の色があることが分かります。夕方という時間帯が、ほとんどの勤務で共通して空いています。不規則な勤務でペットのケアの時刻を決められないと感じていたのは、帰宅時刻を基準にしていたからです。夕方という帯を基準にすると、勤務が変わっても同じ場所に置けます。

1週間ぶん塗ったら、その紙は冷蔵庫に貼っておいてください。次の週の勤務表が出たら、同じように塗る。続けるために覚えておくことが、時刻ではなく「夕方の帯」の1つだけになります。

「乾いた手で触るなら、体のどこから始めますか」|水が嫌いな猫の皮膚と被毛で、先に手が届くところ

順番は、その子が受け入れやすいところから始めて、嫌がりやすいところを後ろに置きます。背中の中央、しっぽの付け根、あご下、足まわりの順です。足まわりを最初に持ってくると、そこで終わってしまいます。

  1. 背中の中央から始める

    肩甲骨のあいだから腰にかけての一帯です。猫が自分の口を持っていきにくい場所なので、被毛が寝たままになりやすいところでもあります。手のひら全体で、首側から腰側へ1方向に。往復させないでください。布を使うときは、mofuwa グルーミングスプレーを含ませてから、同じ向きになでます。直接吹きかけると音で逃げる子がいるので、布を経由させます。

  2. しっぽの付け根へ移る

    背中の続きです。ここも自分で届きにくく、皮脂がまとまりやすい場所です。触ると腰を上げる子と、逃げる子にはっきり分かれます。上げるなら続けて構いません。逃げるなら、その日はここで終わりにします。無理に押さえないことが、次の回の長さを守ります。

  3. あご下は、顔を上げてくれた日だけ

    自分で毛づくろいが届かない数少ない場所です。ただし顔まわりなので、警戒される日もあります。指1本の腹で、下から上へ軽く。顎を乗せてくるなら、そのまま数秒。嫌がるそぶりがあれば、その日は飛ばして次の日に回します。4日で一周する形にしてあるので、1日飛ばしても崩れません。

  4. 足まわりは最後に、短く

    猫がいちばん触られたくない場所です。ここまでで受け入れてくれている日だけ、1本ずつではなく前脚2本をまとめて、指のあいだではなく甲側だけをなでます。10秒で切り上げてください。足まで届かない日が続いても、皮膚や被毛の状態を見る目的なら、目で見るだけで足ります。

背中に何かを使えば、そのあとその子が自分の口を持っていきます。猫がそこをなめることは、この1本では想定の外ではありません。中身は電解水だけで、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でできています。だから、毛づくろいのほうを止めさせる必要がありません。自分でやっている分はそのまま続けてもらって、人は口が届いていない側だけを足す。グルーミングスプレーで水を使わない日にやっているのは、その足し算です。触りながら、毛の下に固まりがないか、同じ場所を気にしていないかも見ます。不規則な勤務でペットに毎日は触れなくても、4日で全身を一周していれば、変化には気づけます。

「間隔が空いた週があると、動物病院に相談すべきですか」|不規則な勤務でも拾える、猫の変化を知りたいとき

間隔が空いたこと自体は、相談の理由になりません。相談するかどうかを決めるのは、その子の側に出ている変化のほうです。ケアが週2回になった週があっても、変化が何もなければそのままで構いません。逆に毎日触れていても、次のようなものが出ているなら、その週のうちに動物病院にご相談ください。

Caution水が嫌いな猫でも、待たずに相談してほしい変化

同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなってきた場所がある、皮膚が赤い、かさぶたのようなものがある、触ると痛がる、においがこれまでと違う、毛づくろいの回数が明らかに減った、食欲や水を飲む量が変わった。いずれかに当てはまるときは、家でのケアの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。水が嫌いな子は洗って様子を見るという手が使えないぶん、家で粘る時間が長くなりがちです。判断を先に持っていくほうが、その子の負担は小さくなります。

ペットの記録は、勤務表の余白に3つ書くだけで足ります。触れた日に○、触れた場所の記号、気づいたことがあればひとこと。不規則な勤務の人は勤務表を毎週見るので、そこに書いておくと見返す手間がありません。相談のときは、その紙をそのまま持っていってください。いつからか、どのくらいの間隔か、という質問にその場で答えられます。

もうひとつ。週に何回触れたかという数字は、その子の状態ではなく、こちらの勤務の記録です。回数が少ない週を反省する材料にしないでください。見たいのは、変化があったかどうかだけです。

乾いた手だけで組み直した1週間|不規則な勤務と水が嫌いな猫の、7つの答えの並べ直し

ここまでの答えを、1週間の形にまとめます。覚えるのは、夕方という帯と、場所を4つに割ることの2つだけです。時刻を覚える必要はありません。

7つの答えを、1週間の勤務の側に並べ直したもの
問い答え1週間の中でどこに来るか
いつやればいいか帰宅時刻ではなく、夕方の帯に置くどの勤務の日にも1コマある
深夜にやっていいか起きてきた日だけ、1分から2分深夜帰宅の日
まとめてやっていいかまとめない。場所で4つに割る4日で一周する
1日空いたら溜まるか溜まりません。毎日やらなくてよいこと週の合計で4回あれば足ります
猫が起きている時間はいつか勤務表を3色に塗って探す次の勤務表が出た日に塗る
どこから触るか背中、しっぽの付け根、あご下、足の順その日の1か所だけ
病院に相談すべきか間隔ではなく、変化が出たとき気づいた週のうちに

この形にすると、不規則な勤務でペットのケアが崩れる原因が1つに絞られます。崩れるのは時間がないからではなく、1日で全部やろうとするからです。水が嫌いな猫と暮らしていると、洗う日という区切りがないぶん、どこまでやれば終わりなのかが分かりません。場所を4つに割って一周する形は、その終わりを作るためのものです。

最後にもう一度。猫は人の生活時刻に合わせません。合わせるのは人のほうですが、合わせるといっても、勤務を変えるという話ではありません。夕方の帯に1分置く、その日の場所を1つ決める。動かしているのはそれだけです。不規則な勤務でも、水が嫌いな子でも、この2つなら勤務表がどう変わっても残ります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。