C04悩み解決
季節の変わり目に猫のあごニキビが増えるのは、なぜか
7月に入ってから、水を飲む回数が1日5回から9回になった猫がいます。そのたびに、あごは器のふちのすぐ近くを通ります。猫のあごニキビが季節で増えるとき、先に動いているのは、あごが器に触れた回数のほうです。この記事では、回数という軸と、フードの形という軸の2つに分けて、夏と冬を比較します。
季節で動くのは、あごが器のふちに当たる回数
あごの下は、猫が自分では手入れできない場所です。舌は届かず、前足で顔を洗う動作でも、あごの真下までは回りません。そこに残った皮脂は、季節に関係なくそのまま置かれたままになります。季節で動くのは、皮脂の量よりも先に、あごが何かに触れる回数のほうです。猫のあごニキビが夏に増えると言われる背景には、この回数の変化があります。
猫が水を飲むとき、頭は器の上に下がり、あごは器のふちのすぐ近くを通ります。器が深いほど、ふちが厚いほど、あごの毛がふちに当たります。1日に5回飲む子と10回飲む子では、同じ器でも当たる回数が倍になります。暑い時期に飲む回数が増えると、あごが器に触れる回数も同じだけ増えるということです。
- ふちに残っていたものが移る:前に飲んだときの皮脂と水分が、あごの毛につきます
- あごの毛が濡れる:濡れてから乾くまでの時間が、一回ごとに生まれます
- 乾く前に、次が来る:回数が増えるほど、あごが乾いている時間は短くなります
夏は皮脂が増える、という説明をよく見かけます。ただ、家の中にいる飼い主が実際に数えられるのは、皮脂の量ではなく、器の前に立った回数のほうです。猫のあごニキビと季節の話は、数えられる側から見ていきます。
2つの軸を、夏と冬で比較する
軸は2つです。軸1は、水を飲む回数。軸2は、フードの形。前者はあごが器に当たる回数そのものを決め、後者は当たったときにあごが濡れるかどうかを決めます。季節でどちらが動いたかによって、家でやることが変わります。
| 軸1・水を飲む回数 | 軸2・フードの形 | |
|---|---|---|
| 夏 | 回数が増える。1回は短く、回数が多い | 水分の多いウェットに寄せる家がある。口とあごが濡れる |
| 冬 | 回数は減りやすいが、暖房の効いた部屋では増える家もある | ドライ中心に戻る。あごは濡れないが、砕けた粒がふちに残る |
| 動くもの | あごがふちに当たる回数そのもの | 当たったときに、あごが濡れるかどうか |
| あごに残るもの | 回数分の皮脂と水分 | ウェットは食べかす、ドライは細かい粉 |
ウェットの日は、あごの毛が濡れます。濡れた毛は、乾くまでのあいだ汚れを抱えたままになります。ドライの日は濡れませんが、砕けた粒が器のふちに残り、次に顔を近づけたときにあごへ移ります。どちらが良い悪いという話ではなく、あごに残るものの種類が違います。だから、拭き取りの手順も夏と冬で変わります。
加湿をせずに暖房を強く使う家では、冬のほうが水を飲む回数が増えることがあります。猫のあごニキビが季節で増えるかどうかは、外の気温ではなく、その家の器の前で起きている回数で決まります。去年の記録がある方は、外の季節ではなく自分の家の回数と見比べてください。
うちの子は、どっちの軸が動いたか
2つの軸のうち、動いたのがどっちなのかは、1週間あれば分かります。難しい観察は要りません。数えるのは、水の減り方と、食事の形の2つだけです。
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水の高さを、朝と夜にメモする
器に入れた水の高さを、朝と夜の2回だけ記録します。飲む量ではなく、減る速さを見ます。同じ器で先月より速く減っているなら、軸1が動いています。器を複数置いている家は、いちばんよく使う1つに絞って構いません。
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飲んだあと、器のふちを指でなぞる
内側のふちを、指の腹で軽くなぞります。ぬるつきが残っていれば、あごが当たる面に皮脂が乗っています。ここは毎回洗っているつもりでも残りやすい場所です。洗った直後と、半日経ったあとで、感触の違いを確かめてください。
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7日ぶんの食事の形を書き出す
ドライだけの日と、ウェットが入った日を分けて書きます。ウェットの日が先月より増えているなら、軸2が動いています。夏に食欲が落ちて水分の多い食事に切り替えた家は、ここが動いていることが多くなります。
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あごの写真を、週のはじめと終わりに撮る
同じ明るさ、同じ角度で2枚だけ。黒い点の数が増えるのか、同じ数のまま濃くなっているのかを見ます。数が増えるのに出る場所が変わらないなら、器の前で起きていると考えられます。
1週間で、どっちが動いたかはだいたい見えてきます。両方とも動いていることもあります。その場合は、回数の側から手をつけてください。フードの形は季節や体調の都合で変えにくく、回数のほうが器で調整できるためです。
触れる回数を減らす、器と置き方の選び方
選び方の基準は1つだけです。あごがふちに当たらない形かどうか。デザインや素材の好みより先に、この一点で見てください。
- 浅くて広い:頭を深く入れずに飲めるので、あごがふちを通りません
- ふちが薄く、外へ開いている:当たっても面ではなく線で触れるので、毛につく量が減ります
- 陶器かステンレス:細かい傷がつきにくく、皮脂が残りにくい面です
- 台に載せて高さを出す:首を下げる角度が浅くなり、あごの位置が上がります
置き方も回数に効きます。家の中に器を2か所置いている場合、2つとも同じ形にそろえてください。片方だけ深い器だと、そこで飲んだ回数分だけ条件が戻ります。飲む場所が分かれても、あごが通る道が同じなら、回数の管理は1つで済みます。
洗うのは毎日です。ただし、洗う頻度より洗う面のほうが大事で、あごが当たる内側のふちを、指でなぞって確かめながら洗ってください。ここが残ると、器を替えても条件は変わりません。食事のあとの拭き取りも、あごの下から始めます。
器を替えたら、その日をカレンダーに書いてください。あごの毛穴の中身が入れ替わるまでには時間がかかるため、替えた翌日に見た目が変わることはありません。2週間を1区切りにして、週のはじめの写真だけで比べます。毎日見ると、変わっていないように見えて途中でやめてしまいます。
回数が減っても増えるときの、見分け方
器を替えて2週間、飲む回数も食事の形も落ち着いたのに、あごニキビが増えるとき。これは季節や器の話では説明がつきません。次の見分け方で、家で続けてよいものと、そうでないものを分けてください。
- あごの皮膚が赤く盛り上がっている:黒い点だけの段階を過ぎています
- 触ると嫌がる、逃げる:これまで触らせていた子が避けるようになったとき
- 毛が抜けて地肌が見えている:あごの一部だけ毛が薄くなっている場合も含みます
- 2週間で、目に見えて数が増える:写真で数えて、はっきり分かるとき
- あご以外にも同じものが出ている:しっぽの付け根や口の横など、離れた場所に出たとき
- 元気や食欲が落ちている:あごの話とは別に、体の側で何か起きている可能性があります
これらに当てはまるときは、器を替えて様子を見る対象から外してください。自己判断で消そうとせず、動物病院にご相談ください。受診の前には、器を替えた日、水の減り方の記録、週ごとのあごの写真を持っていくと、経過がそのまま伝わります。診察前にあごをきれいにしてしまうと、いまの状態が分からなくなるため、こすらずに連れて行ってください。
器を替えると、これから移ってくるものは減ります。ただ、いまあごの毛のあいだに乗っているものは、器を替えた日に落ちるわけではありません。舌も前足も回らない場所なので、置かれたぶんはそのまま日数を重ねます。mofuwa 猫あごクリーナーは、あごに留まるようジェルにしたアルカリ電解水です。9つの無添加で、ぬるま湯であごを軽く濡らしてから、コットンに取ってくるくるとなでる。二度拭きもすすぎも要りません。拭き終えたコットンに何が乗っているかは、そのまま目で見えます。器のふちを指でなぞって確かめたのと同じことを、あごの側でもできるということです。あごの皮膚に炎症や出血があるときは使用せず、獣医師にご相談ください。
器の写真と、あごの写真。週のはじめに2枚撮る習慣は、あごニキビの数が落ち着いてからも残してください。数が減ったあとに撮る1枚が、次にあごニキビが増えはじめたときの比べ先になります。去年の夏と今年の夏を並べられるようになると、うちの子が回数の側で動く子なのか、フードの形の側で動く子なのかが、器を替えるより先に見当がつきます。
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よくある質問
- 夏だけあごニキビが出ます。冬は放っておいていいですか?
- 冬に見えなくなったのは、あごが器のふちに触れる回数が減ったためと考えられます。ただ、器のふちに残る皮脂そのものは冬もたまります。回数が少ない季節こそ、器を替えたり洗い方を変えたりする条件の見直しがしやすい時期です。次に回数が増える季節の前に、器の形だけ整えておいてください。
- 水をあまり飲まない子でも、あごニキビは増えますか?
- 増えることがあります。回数は軸の1つで、もう1つはフードの形です。ウェットが中心の子は、飲む回数が少なくても食事のたびにあごが濡れます。飲む回数が少ないのにあごニキビが出ている場合は、水の器より先に、食事の器のふちを指でなぞって確かめてください。
- あごの黒い点は、こすって取っていいですか?
- こすらないでください。取れた実感がある方法ほど、皮膚の表面を削っていることがあります。あごは猫が自分で確かめられない場所で、痛みが出ても伝わりません。取ることではなく、器のふちから移るものを減らすことに手を回してください。数が増えていくときは、動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
