C04悩み解決
シニア期の皮膚の黒ずみ|若い頃と同じケアでは追いつかない
12歳の犬の内ももの黒ずみを、去年の8月に撮った写真と並べたとき、たいてい今のほうが濃く見えます。いちど濃くなった場所の色が、引いていかないためです。シニアになるほど、これまでの分が足し算のまま残ります。だから全体の濃さで比べると、毎年かならず増えたという答えが出ます。見るのは、去年の写真になかった場所のほうです。
毎日見ている経験では、増えたかどうかは決まらない
12歳になる犬のおなかを、いつもの場所でなでていて、去年より黒っぽい気がした。その日から気になって、毎日おなかを見るようになった。ところが、いつから濃くなったのかは、どうしても思い出せません。シニア期の黒ずみで最初につまずくのは、たいていここです。
毎日同じ場所をなでている経験は、変化を見つけるうえで不利に働きます。1日ぶんの差は小さすぎて、目には映りません。それが1年続くと、気づいたときには全体が濃くなっています。長く一緒に暮らしてきた経験ほど、いつからかを答えられなくなります。10年見てきた飼い主も、先月来たばかりの家族も、この点では同じ位置に立っています。
だから、黒ずみの話をするときは、記憶ではなく記録から始めます。シニア期に入った犬の写真は、たいていの家にすでに何枚もあります。ソファの上、散歩の帰り、動物病院の待合室。その中から、去年の同じ季節に撮った1枚を探してください。正面から撮った写真でなくても構いません。おなかや内ももが写っていれば、それで足ります。
皮膚の色が濃くなること自体は、犬ではよくある変化です。とくに、こすれる場所やうるおいが落ちた場所では、皮膚が自分を守る過程で色が濃くなります。シニア期の黒ずみを見るときは、色があること自体ではなく、これまでとの差がどこにあるかを見てください。
消えない色が積み上がる、という背景
背景にあるのは、色が引いていく速さです。皮膚は、こすれや乾燥、かゆみをともなう炎症が続いた場所で、自分を守る方向に働きます。その過程で色素が増え、皮膚そのものも少し厚くなります。ここまでは若い犬でも起きますが、違うのはその後です。
| 若い頃 | シニア期 | |
|---|---|---|
| 色が濃くなるまで | 刺激が続いた数週間で濃くなる | 同じ |
| 色が引くまで | 原因が外れると、数か月で薄れることがある | 薄れる速さが落ち、そのまま残りやすい |
| 皮膚の入れ替わり | 表面が順に入れ替わり、古い層が押し出される | 入れ替わりに時間がかかる |
| 1年後の見え方 | 去年の分は目立たなくなっている | 去年の分に、今年の分が足される |
つまり、シニア期の黒ずみは、いま起きていることの結果だけを見せているわけではありません。3年前の夏に虫に刺されてかいた場所、5年前から寝るときに床に当たり続けている場所。その全部が、いまも同じ皮膚の上に残っています。地肌をめくって年輪を数えることはできませんが、見えているのはそういうものです。
この背景を知らないまま、黒ずみを薄くしようとすると、行き先を見失います。洗いすぎたり、こすったり、人用のものを塗ったり。濃くなった色は、洗えば元に戻りますという考え方から入ると、皮膚に余計な刺激を足すことになります。積み上がった色は、家庭でのケアで引かせるものではありません。
そのうえで、できることは残っています。積み上がった分は動かせなくても、これから足される分は、条件を変えれば減らせます。そのために必要なのが、積み上がった分と新しい分を分けて数える手順です。
全体を見ると必ず増えたことになる、3つの理由
シニア期に「黒ずみが増えた」と感じるとき、その感覚は正しいのに、原因の見立てが外れていることがあります。全体の濃さで比べると、次の3つの理由で、毎年かならず増えた側に振れるためです。
- 理由1・過去の分が引かない:去年の色に、今年の色が足されます。差し引きが起きないので、合計は増える一方です
- 理由2・被毛が薄くなる:シニア期に入ると毛の密度が落ち、地肌が見える面積が増えます。同じ色でも、見える量が増えます
- 理由3・皮膚のきめが粗くなる:うるおいが落ちると表面が平らでなくなり、光が乱れて同じ色でも濃く見えます
この3つのうち、理由2と理由3は、色そのものが増えたわけではありません。見えやすくなっただけです。それでも飼い主の目には「濃くなった」と映ります。ここを分けずに全体の濃さだけで判断すると、進んでいないのに進んだと考えて、家でのケアを強めすぎることになります。
湿度が下がる時期には、理由3が強く出ます。空気が乾いて皮膚のきめが粗くなり、去年と同じ色が濃く見えます。ブラッシングを増やしたり、洗う回数を増やしたりして反応すると、うるおいがさらに落ちて、翌月にはもっと濃く見えます。洗いすぎは、理由3を強める方向に働きます。
シニア期の黒ずみを、去年の写真と全体で見比べて「濃いか薄いか」で判定しないでください。3つの理由が重なるため、判定は毎回「濃い」になります。比べるのは濃さではなく、場所の数です。次のセクションで、その数え方を決めます。
去年なかった場所だけを数える、という考え方
考え方はひとつだけです。濃さを比べず、去年の写真になかった場所の数を数える。積み上がった分は数に入れません。新しく黒ずみが出た場所が、この1年で何か所増えたか。その数だけを追いかけます。
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撮る場所を4つに固定する
おなか、内もも、わきの下、首の下。いずれも毛が薄く、地肌が見えやすい場所です。ここに寝床に当たる面が加わる子は5か所目として足してください。毎回同じ4か所を、同じ順番で撮ります。
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月に一度、同じ明るさで撮る
撮る場所は窓際の同じ位置、時間帯も合わせます。照明の下と昼の窓際では、同じ皮膚がまったく違う濃さに写ります。比べられるのは、条件をそろえた写真だけです。スマートフォンのアルバムに、月ごとのフォルダを作っておくと後が楽になります。
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去年の同じ月の1枚と、横に並べる
濃さは見ません。見るのは、去年の写真に何もなかった場所に、今年は色がついているかどうかです。あった、なかった、の2択で数えます。迷った場所は、なかった側に入れて構いません。増えた数を多く見積もる必要はありません。
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増えた場所の、下に何があったかを書く
新しく出た場所が見つかったら、そこが何に当たっていたかを書きます。寝床、床、ハーネス、後ろ足が当たる位置。新しい黒ずみには、たいてい新しい接触があります。この1年で変えた寝具や服も思い出してください。
1年で増えた場所が0か所か1か所なら、いま起きていることは、ゆっくり進む範囲に収まっています。3か所以上増えているときは、皮膚に当たっている条件がこの1年で変わっています。変えられるのは、この接触の側です。寝床の硬さ、床の材質、室内の湿度、洗う頻度、ブラッシングのときに入っている力。どれも家で動かせます。
動かすときは、1回に1つだけにしてください。寝床と洗う頻度を同時に変えると、翌月に変化があっても、どちらが効いたのか分かりません。シニア期は月ごとの変化がゆるやかなので、1つ変えたら、次の写真まで待ちます。1年で4つ変えられれば十分です。
数える前に、相談してほしい変化もあります。短期間に急に広がった、盛り上がってきた、左右のどちらかにだけ出ている、かゆがっている、においが出てきた、毛が抜けて地肌がむき出しになっている。いずれかに当てはまるときは、写真をそろえる前に動物病院にご相談ください。シニア期は、皮膚の変化が体の別のところから来ていることがあります。年齢のせいにできるのは、変化の速さがこれまでと同じときだけです。
そのうえで、写真に撮る4か所を思い出してください。おなか、内もも、わきの下、首の下。どれも、その子が体を丸めれば口が届く場所です。そこへ何かを塗っても、朝つけたものが昼には残っていないことがあります。乾いて気になる場所ほど自分で舐めるので、残らなさはシニア期にいちばん出ます。
mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。舐める場所にそのまま使えるので、写真を撮る4か所と、手入れをする4か所を、同じにできます。月に一度の撮影のあと、その流れで同じ順番に、布に取ってなでる。力を入れてこすらず、同じ面で往復させないようにします。これから足される分が減るのは、こすらずに済ませた月のほうです。
1年続けると、手元に12枚の写真が並びます。そこで分かるのは、黒ずみが濃いか薄いかではなく、その子の皮膚がどのくらいの速さで動く子なのか、です。速さを知っていれば、来年の夏に1か所増えたときも、慌てずに接触の側から探せます。シニア期のケアで最後に残るのは、薄くなった色ではなく、その子の速さを知っている自分のほうです。
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
