C04悩み解決

毛穴の角栓が出やすい子には共通点がある|体の構造から考える

公開日 2023年7月31日|文=mofuwa編集部

白い布の上で首をひねって肩を毛づくろいしている猫
角栓が残るのは、その子の舌がその日に届かなかった場所です。写真:Yudi Ding/Pexels

同じ家に住む2匹の猫で、角栓の出る場所が違うことがあります。一方はあごの下だけ、もう一方は背中の真ん中にも残っています。角栓の犬種差、猫種差として名前が挙がるとき、その中身は、その子が体をどこまでひねれるかという話に置き換えられます。この記事では名前を使わず、舌が届く範囲の広さで数えます。

犬種差と呼ばれているものの、中身

角栓は、毛穴に皮脂と古い皮膚が混ざって詰まったものです。猫ではあごの下、しっぽの付け根、背中の真ん中あたりに出やすいと言われます。この3か所を並べると、共通点が1つ見えてきます。どれも、その子の舌が届きにくい場所です。

角栓の犬種差として、あるいは猫種差として、特定の名前が挙がることがあります。中身を開けてみると、名前そのものが決めているのではなく、その名前の子が持ちやすい体型と体の柔らかさが決めています。名前ではなく、届く範囲の広さで数えてください。そうすれば、混血の子にも、名前の分からない保護猫にも、同じものさしを当てられます。

Note猫の舌は、それ自体が道具です

猫の舌の表面には、後ろ向きの細かい突起が並んでいます。毛をとかしながら、皮脂や抜けた毛を口のほうへ運び出す作りです。だから、舌が当たった場所には角栓が残りにくく、当たらなかった場所にだけ残ります。犬種差・猫種差として語られている差の正体は、この道具が届く範囲の広さの差です。

前足も道具の1つです。顔を洗う動作では、前足を舐めてから顔にこすりつけます。ただし、この動作で届くのは目のまわりから耳までで、あごの真下には回りません。あごの下は、舌でも前足でも届かない、数少ない場所です。だから、どんな子でもあごには角栓が出ます。差が出るのは、あご以外の場所です。

届く範囲を決める、2つの軸と4つの条件

届く範囲は、2つの軸で決まります。軸1は、体の柔らかさ。首と背骨をどこまでひねれるか。軸2は、体型。胴の長さ、体重、前足の長さ。この2つを、家で確かめられる4つの条件に分けます。

舌が届く範囲を狭める、4つの条件
条件届く範囲がどう変わるか
体重が増えている首をひねる角度が浅くなる。おなかから内ももへ口が回らなくなる
年齢が上がっている関節が曲がりにくく、姿勢を保てる時間も短い。1回の毛づくろいが途中で終わる
胴が長い首から腰までの距離が長く、背中の真ん中が最後まで残る
前足が短い、顔が短い顔を洗う動作で拭える範囲が狭く、口の横やあごの横が残る

この4つのうち、いくつ当てはまるかを数えます。0個から1個なら広い、2個ならその中間、3個から4個なら狭い、と考えてください。角栓の犬種差として名前が挙がる子は、この数がまとまって多くなりやすいというだけの話です。同じ名前でも、体重が2キロ違えば当てはまる数は変わります。

4つのうち、家で動かせるのは体重だけです。年齢は戻せず、胴の長さと前足の長さは変わりません。だから、条件の数を減らそうとするより、狭くなった範囲を人の手で埋めるほうが現実的です。どこを埋めるかは、次の比較で決めます。

広い子と狭い子で、残る場所を比較する

同じ角栓でも、届く範囲の広さによって、出る場所と気づき方が変わります。表で並べると、家でやることの違いがはっきりします。

届く範囲の広さによる、角栓の出方の比較
範囲が広い子(条件0〜1個)範囲が狭い子(条件3〜4個)
角栓が残る場所あごの下だけあごの下、しっぽの付け根、背中の真ん中
毛づくろいの様子首をひねって背中の真ん中まで舌が届く首から先へ回らず、肩の手前で止まる
気づくきっかけ食器を洗うときに、あごが目に入るブラッシングの途中で、手が引っかかって気づく
数の増え方同じ場所で数が上下する残る場所そのものが少しずつ増える
家でやることあごの拭き取りだけで足りる届かない3か所を、日を分けて分担する

比較していちばん差が出るのは、気づくきっかけの行です。範囲が広い子のあごは、毎日目に入ります。範囲が狭い子の背中やしっぽの付け根は、毛に隠れて見えません。手が引っかかって初めて気づくため、見つかった時点ですでに数がそろっていることが珍しくありません。

つまり、範囲が狭い子ほど、見つけるまでの時間が長くなります。角栓の犬種差として「出やすい」と言われている子の一部は、出やすいのではなく見つかるのが遅いだけ、ということも起こります。皮脂の量ではなく、毛づくろいで運び出せた量と、飼い主が気づくまでの時間の差です。

うちの子は、どっちの範囲にいるか

どっちなのかは、道具を使わずに確かめられます。毛づくろいを3分見るだけです。数値を測るのではなく、舌がどこで止まったかを見ます。

  1. 毛づくろいを3分、手を出さずに見る

    食後か、寝起きの直後がいちばん見やすい時間です。舌が体のどこまで届いたかを、口に出して確かめてください。肩まで、背中の手前まで、腰まで。3分のあいだに一度も背中の真ん中に届かなければ、そこは残る場所です。

  2. 背中の真ん中を、指の腹でなぞる

    毛の流れに逆らわず、上から下へ滑らせます。ざらつきや小さな粒に指が止まったら、そこに角栓が残っています。見た目では分からないので、目より指のほうが早く見つかります。週に一度、同じ順番でなぞってください。

  3. 後ろ足で、耳の後ろをかけるか見る

    後ろ足が耳まで上がる子は、体をひねる余裕が残っています。上がらない、途中で下ろす、片方だけ上がらないという場合は、届く範囲が狭くなっています。年齢が上がった子では、ここが先に変わります。

  4. 体重を量って、去年と比べる

    4つの条件のうち、唯一動かせるのが体重です。1年で体重が増えていれば、届く範囲は去年より狭くなっています。食事の量を変える前に、動物病院に相談してください。急に減らすことのほうが体に響きます。

4つを見終えると、うちの子がどっちの列に近いかが決まります。広い列なら、あごの拭き取りだけで足ります。狭い列なら、届かない場所を分担する必要があります。角栓の犬種差という言い方より、この列のほうが家では役に立ちます。中間の子は、いま届いている場所が来年も届くとは限らないため、半年に一度この3分を繰り返してください。

狭い子の、毎日の見分け方と手の貸し方

届く範囲が狭い子に必要なのは、毎日の長い手入れではありません。3か所を曜日で分けて、1日1か所だけ触ります。月曜はあご、水曜は背中の真ん中、金曜はしっぽの付け根、という決め方です。全部を毎日やると、こちらが続きません。

見分け方の基準は、数と場所の2つです。同じ場所で数が上下しているうちは、家で見ていて構いません。残る場所そのものが増えていくときは、届く範囲がさらに狭くなったか、皮膚の側で別のことが起きています。週に一度、指でなぞった結果を数字で書き留めてください。記憶では比べられません。

次のときは、家で見る対象から外してください。皮膚が赤く盛り上がっている、触ると嫌がる、毛が抜けて地肌が見えている、においが出てきた、毛づくろい自体をしなくなった。いずれかに当てはまるときは、動物病院にご相談ください。とくに毛づくろいをしなくなった変化は、角栓より先に確かめたいことです。

背中の真ん中としっぽの付け根は、その子の舌も、ざらざらした面も届かない場所です。曜日で分けて1日1か所を触るのは、その届かないぶんを人が代わるためですが、3か所をまとめて通せる日が別にあります。体を洗う日です。mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分の量を上げる方向でつくられていません。アミノ酸系のものを、量も抑えて使っています。それでも泡が立つのは、泡立ちのぶんを原料の水のほうへ振り替えて、その水に電解水を使っているからです。角栓を削り取るための道具ではありません。だから洗う日も、この記事でやってきた手つきの向きを変えずに済みます。取る力を強くしていない作りなので、洗ったあとに何かを重ねて手ざわりを戻す必要もありません。届く範囲が狭い子ほど、浴室で体をひねって姿勢を保つのがきつくなります。工程が1つ減るというのは、その子が浴室で耐える時間がそのぶん短くなるということです。洗う日も、角栓を取ろうとしないでください。指は取るためではなく、数えるために使います。洗った翌日に同じ3か所をなぞって、数が先週とどう違うかを書き留めてください。これを半年続けると、届く範囲が狭くなっていく変化に、体重や毛づくろいの様子より先に、角栓の数のほうから気づけるようになります。

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よくある質問

犬種差や猫種差は、本当に関係ないのですか?
犬種差が無関係というより、名前が体型と柔らかさの代わりになっているだけです。同じ名前でも体重が2キロ違えば、届く範囲は変わります。名前で判断すると、当てはまらない子を見落とします。4つの条件のうち、うちの子にいくつ当てはまるかで数えてください。
若いのに背中に角栓が出ます。年齢の条件は関係ないのでは?
4つの条件は、どれか1つで決まるものではありません。若くても、胴が長く体重が増えていれば2つ当てはまります。年齢は条件の1つで、必須の条件ではありません。当てはまった数と、実際に舌が届いた場所の両方で判断してください。
長毛の子は、角栓が出やすいですか?
毛の長さは、出やすさより見つけにくさに効きます。長い毛の下では地肌が見えず、指でなぞるまで気づけません。毛を分けて地肌の側を見る手順を、週に一度入れてください。見つかるのが遅いと、数がそろってからの発見になります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。