C09シーン別・暮らし
赤ちゃんが生まれた家、大型犬と暮らす人はどうしている?
ソファとローテーブルのあいだは、うちだと75センチしかありません。そこを、体高60センチを超える犬が通ります。まっすぐ歩くだけなら足りていますが、途中で振り向くと、体の後ろ半分が想定より外へ出ます。赤ちゃんが生まれてプレイマットを敷いてから、その外へ出るぶんが気になるようになりました。大型犬が赤ちゃんの近くを通ってしまうのは、近づきたいからではありません。曲がるのに要る幅が、体の大きさぶん広いからです。この記事では、なぜそうなるのかを先に書いて、そのあとで、部屋を分けるのではなく床の高さで動線を分ける手順を並べます。赤ちゃんとペットの毎日を、家の側の条件から組み直す話です。
体が大きいと、通るつもりのない場所を通ります|赤ちゃんが来た家の大型犬の毎日
まず、性格の話をいったん外します。大型犬が赤ちゃんのそばを通るのは、その子が赤ちゃんに用があるからではありません。水を飲みに行く、窓の外を見に行く、飼い主が座っているほうへ行く。目的地は別の場所で、通り道がそこしかなかった、というのが実際に起きていることです。ここをペットの性格の話にしてしまうと、対処が「近づけない」になり、家の中でずっと見張ることになります。
体の大きい犬には、まっすぐ歩くのに要る幅と、方向を変えるのに要る幅の差があります。体幅が25センチでも、体長が90センチある子が向きを変えるときは、後ろ半分がふくらみます。通路の幅が足りているかどうかは、直進ではなく、曲がるときの幅で決まります。ソファとテーブルのあいだ、キッチンの入口、廊下の角。家の中でこの条件が厳しくなる場所は、だいたい3〜4か所です。
そこへ、赤ちゃんが来ると床の使い方が変わります。プレイマット、バウンサー、おむつ替えのシート。赤ちゃんの居場所は、床という、家の中でいちばん低い層に置かれます。大型犬が毎日使っている層と、同じ高さです。部屋を広く使っているつもりでも、犬の通り道と赤ちゃんの居場所は、平面図の上では重なります。
もうひとつ、体が大きい子に固有の条件があります。犬は自分の体の後ろ半分を見ていません。前を見て避けていても、尾やお尻は通った跡としてあとからついてきます。小型の子ならその跡が10センチ程度で済むところが、大型犬では40センチ動くことがあります。避けているのに当たる、という状況は、ここから生まれます。ペットの側の努力では埋まらない差です。
- 曲がる幅は、直進の幅より広い:通れているように見える通路でも、向きを変える場所では足りません
- 後ろ半分は見えていない:本人が避けているつもりでも、跡が残ります
- 目的地は3〜4か所しかない:水・寝床・窓・飼い主。動線はほぼ固定です
- 床がいちばん低い層:赤ちゃんの居場所と、犬の通り道が同じ高さに並びます
- 毎日の回数が多い:1日に何十回も通るので、たまたま重なる回数も増えます
この記事は、大型犬と赤ちゃんが一緒にいることを問題として書いていません。扱っているのは、家の寸法と動線という、変えられる側の条件だけです。犬の性格や慣れに答えを求めると、毎日の見張りが増えます。通路の幅と、居場所の高さ。この2つを先に決めておけば、同じ部屋で過ごす時間はそのままにできます。
部屋ではなく床の高さで分ける|赤ちゃんと大型犬の動線を家でできる5手順で引く
最初に考えるのは、たいてい部屋を分ける方法です。犬をリビング、赤ちゃんを寝室に。これがうまくいきにくいのは、大人が両方の部屋を行き来し続けることになるからです。扉の開け閉めが1日に何十回も増え、そのたびに犬が扉の前で待つようになります。分けたはずの動線が、扉の前という1点に集まります。ここで方向を変えて、平面ではなく高さで分けます。
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手順1|赤ちゃんの居場所を、床から1段上げる
プレイヤードやベビーベッドのように、床面より高い場所を1か所つくります。狙いは仕切ることではなく、犬が使っている層と、赤ちゃんがいる層をずらすことです。高さが変わると、通路の幅の計算から赤ちゃんの居場所が外れます。床に直接マットを敷く時間をなくす必要はありません。大人が付いているあいだと、そうでないあいだで、置く高さを変えるという運用にします。
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手順2|大型犬の側は、床のままで固定する
犬をソファに上げる、寝床を高くする、という方向には動かしません。層をずらすときは、片方だけを動かします。両方が動くと、どこが誰の高さなのかが決まらなくなります。大型犬は体重があるぶん、上り下りが増えると足腰への負担も増えます。床のままにしておくほうが、毎日の条件としても素直です。
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手順3|犬が必ず行く3か所を結んで、線を1本引く
水の器、寝床、窓か玄関。この3つを線で結ぶと、その家の犬の動線がほぼ出ます。線の上に赤ちゃんの居場所が乗っていないかだけを見ます。乗っていたら、動かすのは犬の目的地のほうです。水の器を50センチずらすだけで、線が壁ぎわに寄ることがあります。家でできる調整のうち、いちばん結果が変わるのがこれです。
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手順4|通路の幅を、体長のぶんだけ確保する
曲がる場所の幅を、その子の体長と同じくらいまで空けます。体長90センチなら90センチです。足りない場所が2か所以上あるときは、家具を減らすより、通る場所を1本に絞るほうが早く決まります。ローテーブルを壁につける、洗濯かごを床から上げる。床に置いてあるものを1つ減らすたびに、曲がれる幅が広がります。
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手順5|境目に、素材の変わる帯をつくる
高さを分けたら、その手前に敷物の素材が変わる帯を置きます。フローリングからコルク、ラグから板の間のように、足の裏の感触が変わる場所を作っておくと、犬は自分で歩幅を落とします。しつけの話ではなく、床の感触が変わると足取りが変わるという性質を使うだけです。幅は30センチもあれば十分です。
| 部屋で分ける | 床の高さで分ける | |
|---|---|---|
| 大人の動き | 扉の開け閉めが増える | 同じ部屋の中で完結する |
| 犬の動き | 扉の前で待つようになる | 毎日の通り道がそのまま残る |
| 赤ちゃんの居場所 | 別室。様子が見えない | 同じ部屋。目に入る |
| 崩れやすい場面 | 手がふさがって扉を閉め忘れたとき | 抱っこで高さが動いたとき |
| 家でできる調整 | 扉と柵を足す | 水の器の位置と、床に置くものを減らす |
ここまでの5手順は、赤ちゃんとペットのために1日でやりきる必要はありません。順番だけ守ってください。先に柵や仕切りを買うと、動線を見ないまま置き場所が決まってしまいます。線を引いて、幅を測って、足りないところに物を足す。この順にすると、買うものはたいてい1つか2つで足ります。赤ちゃんとペットが同じ部屋にいる時間を減らさないための手順なので、そこは崩さないでください。
引いた高さが崩れる3つの場面|赤ちゃんと大型犬で、戻す頻度をどう決めるか
高さで分ける方法には、崩れやすい場面がはっきりあります。崩れること自体は問題ではなく、崩れたまま何日も気づかないことのほうが問題です。3つとも、赤ちゃんとペットが同じ部屋にいる毎日のどこかで必ず起きます。起きる前提で、戻す頻度を決めておきます。
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場面1|授乳と抱っこで、赤ちゃんの高さが動くとき
抱いて座れば、赤ちゃんの高さはソファの座面になります。床に下ろせば、犬の層に戻ります。1日のうちで、赤ちゃんの高さはいちばんよく動く変数です。ここで守るのは高さそのものではなく、大人が座る位置を、犬の動線の上に置かないことです。座る場所を1か所決めておくと、抱っこのあいだも線が動きません。
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場面2|来客や宅配で、犬が玄関へ走るとき
チャイムが鳴った瞬間、大型犬は最短距離を通ります。ふだんの動線ではありません。この場面だけは幅の計算が効かないので、玄関までの最短距離の上に、床置きのものを置かないという形で対処します。頻度としては、週に何度も起きます。マットや荷物を床に置いたら、その日のうちに戻す。これを毎日の締めの動作にします。
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場面3|夜間、暗いときに壁ぎわを歩くとき
暗いと、犬は壁沿いを歩きます。日中の動線とは違う線になります。夜間に赤ちゃんの居場所を床へ下ろしているなら、壁から60センチは空けてください。足元の明かりを1つ足すだけでも、歩く場所が部屋の中央寄りに戻ります。ここは毎晩の条件なので、寝る前の確認に1つだけ足す形にします。
| 崩れる場面 | 何が動くか | 戻す頻度 |
|---|---|---|
| 授乳・抱っこ | 赤ちゃんの高さ | そのつど。座る位置を1か所に固定して吸収する |
| 来客・宅配 | 犬の通る線が最短距離になる | 毎日1回。床置きのものを寝る前に戻す |
| 夜間・暗いとき | 犬が壁ぎわを歩く | 毎晩。足元の明かりと、壁から60センチ |
| 家具を動かした日 | 通路の幅そのもの | 動かした当日に測り直す |
| 犬の体格が変わる時期 | 曲がるのに要る幅 | 月1回。若い子なら2週に1回 |
床を戻す日と、大型犬のケアの日を別々に管理すると、どちらも忘れます。ブラッシングの日に、床に置いてあるものも一緒に戻す。そう決めておくと、確認が1回で済みます。赤ちゃんが来た時期は、覚えておくべきことが一度に増えます。数を増やさず、既にあるペットのケアの習慣にぶら下げるのが、いちばん現実的なコツです。
大型犬の被毛と皮膚に出るサイン|赤ちゃんが来た時期のペットのケア
動線を引き直したあとに、もうひとつ動くものがあります。洗う頻度です。大型犬は面積が広く、洗ってから乾かしきるまでの時間が長い。赤ちゃんが来た家では、まとまった時間がいちばん確保しにくくなります。月2回洗っていた家が月1回になり、いつのまにか2か月空く、という形で減っていきます。
だから、この時期に決めておくのは洗う回数ではなく、1回にかかる工程の数のほうです。背中から腰、脇、内もも。体をひねっても、大型犬の口はこの面まで回りません。ここは人が代わるしかない場所なので、間隔が空くほど後ろへたまります。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして、湯そのものを洗浄液にするタイプです。泡を立てて被毛をかき分ける工程がないので、体重のある子を押さえて擦る時間が要らず、すすぎも軽く済みます。乾かす時間そのものは変わりません。変わるのは、浴室に入ってから乾かしはじめるまでの長さのほうです。赤ちゃんが寝ているあいだに終わらせたい家で動かせるのは、この工程の側だけになります。全身が難しい日は、桶に入れて肘とかかとだけ、という分け方もできます。床に落ちる毛の出方は、洗う間隔がどこまで空くかでも変わります。
| 見る場所 | 何を見るか | 頻度 |
|---|---|---|
| 背中と腰 | 毛の流れがそろっているか。抜け毛の量 | 毎日、ケアのついでに |
| 脇と内もも | 皮膚の色。こすれている跡がないか | 週2回 |
| 肘とかかと | 床に当たる場所。硬くなっていないか | 週1回 |
| 耳のまわり | におい。かく回数が増えていないか | 週1回 |
| 肉球と爪 | 歩き方が変わっていないか | 2週に1回 |
大型犬は体重があるぶん、床に当たる場所の条件が小型の子とは違います。肘、かかと、腰。寝ている姿勢のまま、床と接している面がどこかを一度見ておくと、毎日どこを確かめればいいかが決まります。赤ちゃんが来て家具の配置を変えた家では、寝床の位置も変わっていることがあります。位置が変われば、当たる場所も変わります。ペットの体に出る変化は、家具を動かした日から数えると理由が見えます。
そして、家の話ではないところです。皮膚が赤い、同じ場所をなめ続けている、においが体の1か所から続いている、歩き方が変わった、元気や食欲が落ちている。こうした変化に気づいたときは、ケアの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。赤ちゃんが来た時期は、飼い主の側が忙しく、気づくのが遅れやすい時期でもあります。迷ったら早いほうを選んでください。
相談に行くときのコツを1つ書いておきます。いつからか、体のどこか、その時期に家で変えたことは何か。この3つをメモしていってください。とくに3つめが大事で、家具の配置、寝床の場所、洗う間隔、床材。赤ちゃんが来た家では、この4つが同時に動いていることがあります。同時に動いたものが並んでいると、切り分けがその場で進みます。
赤ちゃんが生まれた家で、大型犬と暮らすことは、どちらかを我慢させることではありません。体が大きいという条件は変えられませんが、家の寸法と、床の高さは変えられます。部屋を分けずに層をずらす。犬の目的地を先に動かす。曲がる幅を体長ぶん空ける。崩れる場面には、戻す頻度を先に決めておく。赤ちゃんとペットが同じ部屋で過ごす毎日を、家の側の条件から支える形です。
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mofuwa 入浴シャンプー
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浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見るよくある質問
- 赤ちゃんが泣くと、大型犬が近づいてきます。やめさせたほうがいいですか?
- 近づくこと自体を止めるより、来たときに落ち着ける場所を先に決めておくほうが続きます。泣き声がしたときに向かう先を、赤ちゃんのそばではなく、大人が座る位置の足元にしておく。そこにマットを1枚置いておけば、目的地が変わります。止める指示を毎回出す形にすると、大人の手が1つふさがったままになります。
- サークルやベビーゲートで仕切るのは、間違ったやり方ですか?
- 間違いではありません。ただ、仕切りは平面を区切る道具なので、この記事の高さで分ける話とは目的が違います。仕切りを置くなら、動線を引いたあとにしてください。先に置くと、犬が扉や柵の前で待つ場所が新しくできて、そこが人の通り道と重なることがあります。順番を逆にしないのがコツです。
- 大型犬の抜け毛が、赤ちゃんのいる床に落ちます。掃除の回数を増やすべきですか?
- 回数を増やすより、落ちる場所を寄せるほうが手数が減ります。犬が長く過ごす場所を1〜2か所に決めて、そこに洗える敷物を置く。ブラッシングもその上でやります。掃除は毎日その敷物のまわりだけにして、部屋全体は週2回。落ちる場所が決まっていると、床に置くものを減らす判断もしやすくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
