C12Q&A・豆知識
プールや海のあとは洗うべき?
海から帰って数時間たつと、被毛が指に引っかかって、きしむような手ざわりに変わります。プールに入った日も同じで、乾いてから手ざわりが動きます。原因は砂や泥のような目に見える汚れではなく、水に溶けていた塩と塩素のほうです。だから、海やプールのあとは犬を洗ったほうがよい、というのが短い答えになります。ただし、毎回シャンプーで洗うという意味ではありません。真水で流すだけでも、毛に残る量はかなり変わります。この記事では、洗う理由を「汚れを落とす」ではなく「乾いたあとに残るものを減らす」として置き直したうえで、海とプールの違い、タオルと風の順番、シャンプーを使う日と使わない日の分け方までを、8つの問いに分けて書きます。
海やプールのあと、犬は洗ったほうがいいですか|短い答えは「洗う」です
答えから置きます。洗ってください。ただし、この「洗う」には段があります。何もしない、真水で流す、シャンプーを使う。この3つのどれを選ぶかで、かかる時間も、毛に残る量も変わります。いちばん大きい差は、何もしないのと真水で流すのとのあいだにあります。シャンプーを使うかどうかは、そのあとの話です。
| やり方 | かかる時間の目安 | 毛に残るもの |
|---|---|---|
| 何もしない | 0分 | 水が乾いて、溶けていたものが毛の表面に残る |
| 真水で流す | 5〜10分ほど | 流した分だけ減る。流し残した場所には残る |
| シャンプーを使う | 20〜30分ほど | 地肌の側まで手が届く。乾かす時間は延びる |
時間の目安は、体の大きさと毛の量でいくらでも動きます。ここで見てほしいのは分数ではなく、上から2行目に移るだけで、いちばん大きい差がつくということです。海やプールで泳いだ犬を毎回シャンプーで洗える家ばかりではありません。真水で流すところまでを標準にして、シャンプーは条件で足す。この置き方が、いちばん続きます。
そして、洗う理由がどこにあるかを間違えないことが大事です。砂を落とすためではありません。砂は乾けば落ちますし、ブラシでも取れます。洗う理由は、水に溶けていて、目に見えず、乾いても落ちないもののほうにあります。次でそこを開きます。
なぜ汚れの話ではなく、塩と塩素の話になるのですか
海の水には塩が溶けています。プールの水には、水質を保つために塩素が使われています。どちらも、水に溶けている状態では目に見えません。だから犬が水から上がってきた時点では、被毛はきれいに見えます。実際、砂や泥がついていなければ、上がった直後がいちばんきれいに見えるくらいです。
汚れとの違いは、落ち方にあります。砂や泥は粒なので、重さがあります。乾けば落ちますし、振れば飛びます。溶けているものには粒としての重さがないので、水が乾いても、その場に残ります。振っても飛ばず、乾いたブラシでも取れません。海やプールのあとに犬を洗うのは、この「振っても落ちないもの」を、もう一度水に溶かして流すためです。
- 砂や泥:粒で、重さがある。乾けば落ちる。ブラシで取れる
- 海の塩:水に溶けている。乾くと毛の表面に残る。水に溶かせば流れる
- プールの塩素:水に溶けている。乾いたあとに、においと手ざわりで分かることがある
- 草の実や毛玉:ものとして残るので、水では流れない。手で外す
- 体から出る皮脂:水だけでは動きにくい。ここだけがシャンプーの出番
並べると、洗い方の選び方も決まります。上から2行目と3行目は、真水で流すだけで大きく減らせます。いちばん下だけが、シャンプーを使う理由になります。ここで一行だけ断っておきます。海の水もプールの水も、入ったことそのものを問題にする話ではありません。管理された水に入って泳ぐこと自体は、その子にとって楽しい時間です。この記事が扱っているのは、水から上がったあと、乾く過程で何が残るかという物の条件だけです。
「乾くと毛に残る」とは、どういうことですか
水が乾く、というのは、水の分だけがいなくなるということです。溶けていたものは、いなくなりません。その場に置いていかれます。海から上がった犬の被毛では、水が蒸発したあとに塩が残ります。プールなら、水の管理に使われていた成分が残ります。これが「乾くと毛に残る」の中身です。
残ったものは、毛の表面で少しずつ形を持ちます。海のあとに被毛がきしむのは、乾いた塩が毛の表面にあるためです。指を通すと引っかかり、白っぽい粉のように見えることもあります。水から上がった直後よりも、家に着いて数時間たってからのほうが、手ざわりの変化がはっきりします。プールのあとは、においで気づくことのほうが多いかもしれません。
- 指を通すと引っかかる:毛の表面に、乾いたものが残っています
- 白っぽい粉のように見える:濃い色の毛で分かりやすく出ます
- においが残っている:プールのあとに気づきやすいところです
- 体を舐める回数が増える:口が届く場所から順に、自分で落とそうとします
- 寝床の布に手ざわりが移る:乾いた毛から、布の側へ移ります
5つ目まで来ると、洗うか洗わないかは犬だけの話ではなくなります。乾いた被毛が触れたものへ、そのまま移ります。ソファ、寝床、車のシート。海やプールのあとに犬を洗う理由には、家の布の側の事情も入っています。
毛に残る量は、水の濃さ、泳いだ時間、被毛の量、乾くまでの時間で大きく変わります。家庭で測れる種類の数字ではないので、この記事では「どのくらい残る」という数字を書きません。その代わり、家で分かる手がかりのほうを並べています。上の5つのうち、いくつ当てはまるか。それが、その日どのくらい残っているかの目安になります。数字を覚えるより、指を通したときの引っかかりを覚えておくほうが確実です。
真水で流すだけでも違いますか|シャンプーを使わない日の流し方
違います。塩も、水の管理に使われている成分も、水に溶けるものです。もう一度水をかければ、溶けて流れていきます。ここがシャンプーの要る汚れとの分かれ目です。皮脂は水だけでは動きにくいのでシャンプーが要りますが、溶けるものは真水で足ります。海やプールのあとの犬に、毎回シャンプーが必要とは限らない理由がここにあります。
ただし、流し方には順番があります。上からかけると、下と内側が最後になります。そして、最後になる場所ほど流し残しが出ます。順番を決めておくと、5分でも取りこぼしが減ります。
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先に砂を落とす
海のあとは、濡れているうちに砂を手で落とします。砂がついたまま水をかけると、毛のあいだへ入り込みます。足の指のあいだと、お腹の下を先に見てください。ここに砂が残ると、乾いてから歩き方が変わることがあります。
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首から下へ、流れをつくる
背中の首側から尾に向けて水をかけ、体の上から下へ流れをつくります。顔は最後です。顔から始めると、その時点で嫌がって終わってしまいます。水の勢いは強くしなくて構いません。量より、当てている時間の長さのほうが差になります。
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最後に残る場所へ、先に手を入れる
脇の下、内もも、お腹の下、指のあいだ、尾のつけ根。この5か所は、上から流すといちばん最後になります。だから、順番としては先に手を入れてしまいます。指で毛を分けて、そこへ水を当てる。ここだけで、流し残しはかなり減ります。
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顔は、布に水を含ませて
顔に直接かけると、目と耳に水が入ります。布に真水を含ませて、目のまわりと口のまわりを一方向にぬぐいます。海のあとは口のまわりに塩が残りやすく、そこを舐めるので、ここは省かないでください。
この4つで、シャンプーを使わない日の流しは終わりです。シャンプーを使わない日という言い方をすると手を抜いているように聞こえますが、海やプールのあとに関しては、真水で流すことのほうが本体です。シャンプーは、そこに足すかどうかの選択肢という位置づけになります。
海とプールで、やることは変わりますか|いちばん疑問が分かれるところ
変わるところと、変わらないところがあります。変わらないのは「乾く前に真水で流す」という一行です。変わるのは、先にやることと、流す時間の長さのほうです。ここは疑問が分かれやすいところなので、同じ項目で並べます。
| 海 | プール | |
|---|---|---|
| 毛に残るもの | 溶けていた塩と、粒としての砂 | 水の管理に使われている成分 |
| 乾いたあとの手ざわり | きしむ、ごわつく | 変化は小さいが、においが残ることがある |
| 先にやること | 濡れているうちに砂を落とす | そのまま真水をかけてよい |
| 流す時間 | 長め。溶け出すまで時間がかかる | 短めでも変わる |
| とくに見る場所 | 指のあいだと口のまわり | 目のまわりと、耳の入り口の手前 |
| そのあと | 乾いてから、もう一度指を通す | 乾いてから、においが残っていないか |
海のほうが手数が多くなるのは、粒と溶けたものの両方が乗ってくるからです。砂を落とさずに水をかけると、砂が毛のあいだへ押し込まれます。順番が逆になるだけで、あとから取れなくなる場所ができます。プールは粒が乗らないぶん、順番の自由度が高くなります。
もうひとつ、どちらにも共通することがあります。泳いだ時間が長いほど、地肌まで濡れています。足先だけ入った日と、体ごと入って何度も上がり下がりした日では、乾かすのにかかる時間がまったく違います。海やプールで犬をどのくらい泳がせたかは、洗う量ではなく、そのあとの乾かす時間のほうに効いてきます。
そのまま乾かしても大丈夫ですか|タオルと風の順番
順番があります。タオルが先で、風はそのあとです。濡れたまま風を当てると、風が持っていくのは表面の水だけで、地肌の側は残ります。海やプールのあとは、ふだんより濡れている量が多いので、この差がそのまま時間の差になります。
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まず、押さえて水を移す
こするのではなく、当てて押さえます。毛の表面をこすると、残っていた砂で毛が引っかかります。タオルを当てて、数秒置いて、離す。これを場所を変えて繰り返すだけで、乾かす時間はかなり短くなります。
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タオルの枚数を数えておく
1枚で足りたのか、3枚使ったのか。枚数は、その日どのくらい濡れていたかの記録になります。次に同じ場所へ行くときの目安にできます。海で長く泳いだ日は、たいてい枚数が増えます。
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風は、地肌に当てる
毛の表面ではなく、指で毛を分けて地肌に当てます。表面が乾いても、地肌が湿っていれば乾き終わっていません。判断は、指を入れたときの地肌の感触です。手ざわりが冷たければ、まだ残っています。
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最後に、もう一度指を通す
乾いてから、背中と脇に指を通します。ここで引っかかるようなら、流し残しがあります。その日のうちに、その場所だけ布で拭き直せば足ります。全部やり直す必要はありません。
風の話でひとつ添えます。乾かす道具の音を嫌がる子では、海やプールのあとがいちばんこたえます。濡れている量が多いぶん、風を当てている時間が延びるからです。だから、タオルの段でどれだけ水を移せるかが、そのまま時間の差になります。音を小さくするより、風を当てる時間そのものを短くするほうが、その子には早く終わります。
そして、生乾きのまま寝かせないことです。体温で乾くのではなく、寝床の布に移ります。朝、犬より寝床のほうが湿っていたら、前の晩に乾き終わっていなかったということです。海やプールから帰った日は、洗う時間より、乾かし終える時間を先に確保してください。
シャンプーは毎回使ったほうがいいですか|先に知りたい、洗う日と流すだけの日の分け方
毎回でなくて構いません。分かれ目は、真水で流せたかどうかと、皮脂の側に手を入れたいかどうかです。塩と塩素は真水で流れますが、皮脂は水だけでは動きにくい。だから、シャンプーを使う理由は「海やプールに入ったから」ではなく、「皮脂の側に手を入れたい日だから」になります。
- 真水で流せた日:シャンプーは要りません。乾かし終えることのほうに時間を使ってください
- 流せずに帰った日:家で流します。それでも手ざわりが戻らなければ、シャンプーを足します
- 長く泳いで、地肌まで濡れた日:乾かす時間が要ります。時間が取れないなら、その日はシャンプーを使いません
- 前回の洗う日から間があいている日:ここが、シャンプーを使うのにちょうどいい日です
- 乾かし終える時間が取れない日:シャンプーは使いません。真水で流して、しっかり乾かすところまでで止めます
5つ目が、いちばん大事な線だと思います。海やプールのあとに犬を洗うかどうかは、洗う時間ではなく、乾かし終える時間で決めてください。洗ってしまうと、そのあとの工程は途中で止められません。
洗う工程の話に、最後の一手だけ足しておきます。海から帰った日にいちばん塩が残るのは、口のまわりです。ここは舌が届く場所ですが、届くからこそ、残ったものはその子が舐めて口へ入れることになります。取れたわけではなく、行き先が変わっただけです。指が引っかかる背中や脇と違って、飼い主が代わりに拭くしかない場所です。
口のまわりに置くものとして、mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。置いたものがそのまま口へ入る場所なので、選ぶ条件はここで決まります。使うのは、乾かし終えてから背中と脇に指を通す、あの最後の工程のところです。布に含ませて、口のまわりと、指が引っかかった場所だけに当てます。全身にはやりません。泳いだ日は前の工程が長くなるので、最後の一手が短いほど、その日のうちに終わります。
帰り道から寝るまでを、ひと続きに並べる|海・プールのあとに犬を洗う流れのまとめ
7つの答えを、時間の順に並べ直します。やることが多いのではなく、順番が決まっているだけです。順番どおりに置けば、真水で流す日なら15分ほどで終わります。
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水から上がったら、濡れているうちに砂を落とす
海のあとだけの工程です。足の指のあいだとお腹の下を、手で払います。ここで落とさないと、あとから毛のあいだに残ります。
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帰る前か、帰ってすぐに真水で流す
首から下へ流れをつくり、脇・内もも・お腹の下・指のあいだ・尾のつけ根には先に手を入れます。顔は布に水を含ませて、一方向にぬぐいます。ここまでが、海やプールのあとに犬を洗うときの本体です。
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タオルで押さえて、水を移す
こすらず、当てて押さえる。使った枚数を覚えておくと、その日どのくらい濡れていたかが分かります。
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地肌に風を当てて、乾かし終える
毛を分けて地肌に当てます。表面ではなく地肌の感触で判断します。時間が取れない日は、そもそもシャンプーを使わない判断をしておきます。
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乾いてから、もう一度指を通す
背中と脇で引っかかりが残っていれば、そこだけ布で拭き直します。全部をやり直す必要はありません。
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寝床の布を替えてから寝かせる
乾いた被毛からでも、残ったものは布へ移ります。海やプールへ行った日は、布のほうも一緒に替えてしまうほうが早く終わります。
最後に、家で決めない線を書いておきます。帰ってから同じ場所を舐め続けている、地肌が赤い、耳を振る回数が増えた、目をしょぼしょぼさせている、水から上がったあとに元気がない。こうした変化は、洗い方を工夫して様子を見る話ではありません。いつから、どのくらい泳いだあとかを言えるようにして、動物病院にご相談ください。海やプールへ行った日は、いつもと違うことが重なった日でもあります。判断に迷ったときは、早いほうを選んで構いません。
もう一度、短い答えに戻ります。海やプールのあとは、犬を洗ってください。理由は汚れではなく、乾いたときに毛へ残る塩と塩素のほうにあります。そして、洗うの中身は毎回シャンプーではありません。真水で流すだけでも、残る量は大きく変わります。次に泳ぎに行く日は、帰り道に真水をどこで使えるかだけ先に決めておいてください。それだけで、その日の後半がずいぶん楽になります。
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
