C09シーン別・暮らし

賃貸でにおいが気になる人が散歩から帰ったあとで困ること、その手当て

公開日 2023年10月14日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床で、犬が落ち着いて休んでいる
においの濃さは一日じゅう同じではありません。帰ってからの時間で、山が2回きます。写真:Leohoho/Pexels

散歩後の部屋のにおいは、帰ってから20分のあいだがいちばん濃くなります。ドアを閉めた直後、その子の毛は外の空気よりも温かく、湿っています。においのもとになるものは、温度と湿度が上がるほど空気の側へ出ていきます。賃貸で暮らしていて部屋のにおいが気になるなら、動かせるのはこの最初の20分です。ここで空気に出たぶんが、そのあと寝床やソファの布へ移り、翌日の分になっていきます。この記事は、散歩後のケアを時計の側から組み直すための問答を7つ並べたものです。場所を決める話ではなく、においが濃い時間と薄い時間を分けて、どこに手を置くかという話をします。

散歩後、賃貸の部屋がいちばんにおうのは、なぜ帰ってすぐなのですか

答えは、その子の体がまだ温かくて湿っているからです。においのもとになる成分は、温度と湿度が上がるほど空気の側へ出ていきます。30分歩いて帰ってきた体は、外の空気より温度が高く、被毛の根元にも汗ばみと湿りが残っています。散歩後のケアに手をつける前のこの数分が、その日いちばんにおいが濃い時間です。

しばらくすると被毛の表面から水分が飛び、体温も下がります。放出されるにおいの量は、そこから落ちていきます。つまりにおいの濃さは一日じゅう一定ではなく、帰宅後にひとつ山があって、そのあと下がる形をしています。賃貸で部屋のにおいを気にしている人が、夜になってから「今日はにおう気がする」と感じるとき、原因になった空気はもう数時間前に部屋へ出ています。

帰宅後、においの濃さがどう動くか 散歩後のにおいは、帰った直後にいちばん濃くなり、そのあと下がります。ただし空気から消えたぶんの一部は布へ移っているので、寝床に入ったあとにもうひとつ、ゆるい山がきます。 時間はおおよその目安です。湿度の高い日は、どの区切りも後ろへずれます 帰宅〜20分 その日いちばん濃い時間 体温と湿りが残り、空気の側へいちばん多く出ます 20〜60分 空気の側が入れ替わる時間 換気をしていれば、ここでだいぶ薄まります 1〜3時間 布から出てくる2回目の山 寝床やソファに移ったぶんが、ゆっくり出ます 翌日以降 残るのは布に移ったぶんだけ 空気の側はすでに入れ替わっています
賃貸の部屋で動かせるのは、最初の20分の濃さのほうです。

この形が分かると、賃貸で毎日やることの置き場所が決まります。最初の20分に手を置けば、そのあとの山も一緒に低くなります。逆に、夜になってから部屋に消臭剤をまいても、それは2回目のゆるい山にだけ効いている作業です。散歩後のケアを見直すなら、帰宅後の手前側から見てください。

においについて言うなら、散歩後のケアとは、どこまでを指すのですか

散歩後のケアとは、外から持ち帰ったものを体から降ろす作業のことです。においに限って言えば、降ろす先が3つあります。体の側、空気の側、布の側です。この3つは、においが移っていく順番でもあります。体から空気へ、空気から布へ。賃貸でにおいが気になるという相談のほとんどは、3つめの布の側で気づいたものです。

散歩後のにおいが移っていく3つの側
どこ何が起きているか手が届く時間
体の側被毛と地肌に湿りと皮脂が残り、そこから出ていく帰宅後0〜20分
空気の側部屋の空気に混ざり、天井近くに溜まる帰宅後0〜60分
布の側寝床・ソファ・カーペットの繊維に入り、あとから出てくるその日のうちなら間に合う

3つのうち、いちばん短い時間で終わるのが体の側です。拭き取りを1回やるかやらないかで、空気へ出るぶんと布へ移るぶんの両方が変わります。散歩後のケアという言葉を、体を拭くところまでと考えている人が多いのですが、においの話では、その1回が下流の2つを決めています。

Note体の側は「汚れ」ではなく「湿り」で見てください

散歩後の体についているものは、泥や砂だけではありません。においに関わっているのは、目に見えない湿りと、そこに混ざった皮脂のほうです。だから、見て汚れていない日でも、においは出ています。雨が降っていない日にも拭き取りを1回入れるのは、汚れを落とすためではなく、湿りを減らして出ていく量を下げるためです。

そのにおいは、何もしなければ何分くらいで薄れますか

空気の側は、換気ができていれば20〜30分でだいぶ薄まります。窓が向かい合っていない間取りだと、もう少しかかります。問題は、薄まったぶんが全部そとへ出ていくわけではないことです。においの成分の一部は、そのあいだに寝床やソファ、カーペットの繊維へ移っています。だから空気は入れ替わったのに、部屋そのものはにおったままという状態になります。

つまり「時間がたてば消える」が当てはまるのは空気の側だけで、布の側は待っても消えません。賃貸で部屋のにおいが少しずつ濃くなっていく感じがするときは、毎日の散歩後に少しずつ布へ移ったぶんが積み上がっています。空気の入れ替えを何回やっても変わらないのは、そのためです。

逆に言えば、布へ移る量を減らせば、あとから足していく作業は要りません。帰宅後20分の体の側を1回押さえるほうが、部屋じゅうに手を入れるより早く終わります。賃貸で使える時間は限られているので、上流から順に見てください。

上がってしまう前に終わらせないと間に合わない、という疑問について

間に合わない、ということはありません。場所で線を引くと、線を越えた日に取り返しがつかなくなります。そのつもりで見ると、実際には帰宅後60分ぶんの幅があります。走って部屋へ行ってしまった日でも、20分以内に体の側を1回押さえれば、においの山は下がります。

この考え方を勧める理由は、賃貸で暮らしていて散歩後のケアが続かなくなるいちばんの原因が、「今日は間に合わなかった」で1日ぶん丸ごと落とすことだからです。線を場所ではなく時間に置き直すと、遅れた日も途中から拾えます。0点か100点かではなく、何分後にやったかという幅で考えてください。

何分後に手を入れたかで、残るものがどう変わるか
手を入れた時間そのあとどうなるか
帰宅後すぐ〜10分空気へ出るぶんも布へ移るぶんも、いちばん少なく済みます
10〜20分空気の側にはすでに出ていますが、換気で片づく範囲です
20〜60分布への移りが始まっています。寝床のカバーは翌朝に一度めくってください
60分以降その日は空気の入れ替えだけにして、翌日の帰宅後に時間を戻します

この表で言いたいのは、遅れた日にやることを増やさない、ということです。60分を過ぎたら、その日は追いかけずに切り上げてください。取り返そうとして布まで手を広げると、翌日から続かなくなります。散歩後のケアは毎日あるものなので、1日の完成度より、次の日に同じ手が出せるかどうかのほうが効きます。

帰宅後、換気を先に始めますか、それとも拭き取りが先ですか

換気が先です。理由は単純で、空気の入れ替えには時間がかかり、拭き取りには時間がかからないからです。先に窓を開けておけば、拭き取りをしているあいだに空気のほうが動きます。順番を逆にすると、拭き終わってから換気を始めることになり、いちばん濃い20分のあいだ、部屋の空気が止まったままになります。

  1. 手順1:入ってすぐ、部屋の窓と、いちばん遠い側の窓を開ける

    換気は1か所では進みません。入り口と出口の2か所を開けて、はじめて空気が動きます。賃貸で窓が1つしかない部屋なら、換気扇を回して出口を作ってください。開ける幅は10センチで足ります。全開にする必要はありません。

  2. 手順2:その足で、拭き取りを1回だけやる

    足のうら、脚の外側、おなかの下、口のまわり。濡れていた場所と、地面に近かった場所の2つが基準です。何往復もしないでください。1か所につき1回、湿りを拾うだけで十分です。ここに時間をかけるほど、続かなくなります。

  3. 手順3:布に触れる前に、被毛の表面が乾いているか手のひらで確かめる

    湿ったまま寝床へ入ると、布へ移る量がまとまって増えます。乾ききっていなければ、あと5分だけ待たせてください。この5分は、においの2回目の山の高さを決めています。待たせているあいだに、自分の上着をしまえば時間は二重に使えます。

  4. 手順4:20分たったら、窓を閉めてよい

    換気は長く開ければいいというものではありません。20分あれば、居室ぶんの空気は入れ替わります。冬に長く開けたままにすると室温が下がり、そのぶん翌日の換気がおっくうになります。続けるための時間としても、20分を上限にしてください。

Point換気は「におい」ではなく「湿り」を出しています

散歩後の帰宅直後に部屋へ入ってくるのは、においだけではありません。その子の被毛が持ち帰った水分も、一緒に部屋の空気へ出ています。賃貸の居室は容積が小さいぶん、この湿りが上がりやすい場所です。換気を先に始めるのは、においを外へ出すためであると同時に、部屋の湿度を戻しておくためでもあります。雨の日ほど、この順番が効きます。

毎日、寝床のカバーまで洗わなくていいのですか

洗わなくて構いません。これが、この記事でひとつだけ挙げる「やらなくていいこと」です。賃貸でにおいが気になる人ほど、下流の布を毎日洗う方向へ進みがちですが、洗濯の回数は上流の20分ほどには効きません。週に1回で足ります。

理由は、布へ移る量が、洗う頻度ではなく「湿ったまま布に触れた回数」で決まっているからです。帰宅後の拭き取りを1回入れて、被毛の表面が乾いてから寝床に入る。この2つができていれば、カバーが受け取る量はそもそも少なくなります。毎日洗っても、湿ったまま毎日入っていれば、翌日にはまた同じ状態です。

洗えない布のほうが問題になります。ソファやカーペット、賃貸に備え付けの敷物は、その日のうちに洗えません。だから、そこへ移る量そのものを減らす側で組みます。移る量を決めているのは、この記事でくり返している湿りのほうです。

体の側で人が代われるのは、洗う日の1回です。背中と尾のつけ根は、その子が自分ではいちばん届かない面で、寝床の布にいちばん長く触れている面でもあります。mofuwa モイストシャンプーは、洗うのと同じ一度のなかに、保湿までを入れてあります。洗う側に使っているのはアミノ酸系のものだけで、量も絞ってあります。泡立ちは原料の水にした電解水が補い、そこへ保湿成分を重ねてある、という順番です。乾いたあとの手ざわりを、別の工程で戻さずに済みます。工程が1つ減ると、その日いちばん濡れている時間がそこで短くなります。賃貸の浴室は狭く、乾かし始めるまでが長くなりがちです。散歩後のケアで見てきた「湿ったまま布に触れた回数」は、洗う日にも同じ形で効いてきます。

Caution洗う回数を増やす方向へ寄せないでください

においが気になると、その子の体を洗う回数のほうも増やしたくなります。ただ、洗う回数を増やすと、地肌のうるおいまで一緒に減ります。皮脂が減りすぎた地肌は、かえって乾いて荒れやすくなり、そこから出るにおいが変わることもあります。賃貸でにおいを気にしているときこそ、洗う回数は増やさず、拭き取りと換気という毎日の側で組んでください。

翌日まで残る日と、残らない日の違いを知りたいのですが

分かれ目は3つあります。その日の湿度、被毛が乾ききるまでの時間、そして布に触れた回数です。気温ではありません。夏でも乾いた日は残らず、冬でも雨上がりの日は残ります。賃貸の部屋は容積が小さいので、外の湿度がそのまま室内に響きます。

翌日まで残る日と、残らない日を分けているもの
条件残らない日残る日
外の湿度50%台まで。帰宅後20分で被毛が乾く70%を超える。1時間たっても湿りが抜けない
拭き取りの回数帰宅後20分以内に1回入っているその日は入っていない、または60分を過ぎている
換気2か所開けて20分していない、または1か所だけ開けた
寝床に入るまで被毛の表面が乾いてから湿ったまま寝床へ直行した
食器と水皿その日のうちに洗った口のまわりからついたものが残っている

この5つのうち、いちばん動かしやすいのは寝床に入るまでの5分です。湿ったまま布に触れた日は、翌日ににおいが戻ります。逆に、そこさえずらせば、雨の日でも翌日には残りにくくなります。散歩後のケアで賃貸のにおいを見るときは、この1点だけ毎日確認すれば足ります。

もうひとつ、においの質が変わったときの話をしておきます。ここまでは、外から持ち帰ったものと湿りの話でした。散歩に行っていない日にも同じにおいがする、特定の場所だけが強い、甘いようなにおいや、鼻につく酸っぱいにおいに変わったというときは、体の側の変化として見てください。耳の中、口のまわり、指のあいだ、お尻まわりのどこかに偏っていることがあります。においの質が変わった、その場所を気にしてなめている、地肌が赤い、といったときは、拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。

帰宅後の60分を4つに区切る|散歩後のケアと賃貸のにおいに残る疑問を並べ直す

7つの問答を、時計の順に並べ直します。場所で区切らず、帰ってからの経過時間だけで区切っています。賃貸で毎日回すことを前提にしているので、どの区切りも数分で終わる量にしてあります。

  1. 0〜5分:窓を2か所開ける

    いちばん濃い時間なので、まず空気の出口を作ります。10センチで足ります。窓が1つしかない部屋なら換気扇を回してください。ここを先にやると、拭き取りのあいだに空気が動きます。

  2. 5〜20分:拭き取りを1回だけ入れる

    濡れていた場所と、地面に近かった場所。1か所につき1回で十分です。ここが、においの山を下げる唯一の手です。散歩後のケアで賃貸のにおいに効くのは、ほぼこの15分に集まっています。

  3. 20〜30分:被毛の表面が乾いてから、寝床へ入れる

    手のひらを当てて、湿りが残っていればあと5分待たせます。この5分が、翌日に残るかどうかを分けています。待たせているあいだに、窓を閉めてください。

  4. 30〜60分:その日はもう追いかけない

    布へ移ったぶんは、翌朝にカバーをめくって風を通せば足ります。その日のうちに洗おうとしないでください。毎日ある作業なので、続く量に抑えるほうが結果的に部屋のにおいは軽くなります。

7つの答えを、頻度で分けたもの
いつやること
毎日換気20分と、帰宅後20分以内の拭き取り1回
毎日寝床に入る前に、手のひらで湿りを確かめる
2〜3日に1回寝床のカバーを裏返して風を通す
週に1回カバーの洗濯と、食器・水皿のふちを洗う
月に1回ソファとカーペットの、寝ている面だけ
やらない毎日の洗濯と、部屋じゅうへの消臭剤

散歩後のケアを賃貸で続けるときに気をつけたいのは、においを気にするほど手が増えていくことです。ここまでで毎日やることは2つだけにしてあります。においの濃い時間が帰宅後20分に集まっている以上、そこに手を置けば、残りは頻度を落として構いません。部屋の側で追いかけるのをやめて、時間の側で先回りしてください。

最後にもう一度書いておきます。ここに並べたのは、外から持ち帰ったものと湿りで説明のつくにおいの話です。においの質そのものが変わったとき、散歩に行っていない日にも同じにおいがするとき、体のどこか一か所だけが強いときは、毎日のケアの話として片づけないでください。耳・口・指のあいだ・お尻まわりのどこかを気にしてなめている、地肌が赤い、元気や食欲が落ちているといった変化があれば、動物病院で相談してください。賃貸の部屋のにおいの話と、その子の体の話は、途中で分かれます。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。