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サロン通いをしている人のためのドッグラン|5分で終わらせるケア

公開日 2023年10月28日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの草地に、淡いクリーム色の毛の犬が座っている
整えた直後の被毛は、いちばんきれいで、いちばん土を奥まで通します。写真:Pexels/Pixabay

土曜にトリミングへ行き、日曜にドッグランへ行った翌朝、その子の背中に指を入れたら、途中で止まりました。前の日の朝は、同じ場所に指がすっと通っていました。走らせてやりたい気持ちで連れて行った1日で、整えてもらった状態のほとんどが終わっています。サロン通いをしている人は、次の予約までの4〜6週間をどう保つかという側に立っています。その4〜6週間のうち、いちばん多くを失うのが最初の1日だとすると、順番のほうを疑ったほうが早い。この記事は、ドッグランとトリミングをどちらの順番で置くかという話です。

きれいになった週末に走らせたくなる|サロン通いの人がドッグランで繰り返している背景

サロン通いをしている家では、毎日のケアがひとつの日付を軸に回っています。次のトリミングの予約日です。今日が何週目かで、家でやることの量が変わる。3週目までは指が通り、4週目から耳のうしろが引っかかりはじめ、5週目には脇の下が怪しくなる。そういう時間の感覚を、通っている人はだいたい持っています。

ところが、ドッグランのほうにはこの感覚が働きません。走る日は、天気と予定で決まるからです。晴れた週末、時間が空いた日、友人と行く約束をした日。そこに「次の予約まであと何週」という数え方は入ってきません。結果として、トリミングの直後にドッグランが重なる週が、かなりの頻度で発生します。

この5つは、どれも自然な気持ちです。責める話ではありません。ただ、結果として起きているのは、4〜6週間ぶんの持ちのうち、いちばん大きいひと口を最初の24時間で使ってしまうことです。そして翌週から「もう指が通らない」と感じて、家でのケアの手を増やすことになります。増やした手は、次の予約までずっと続きます。

ドッグランとトリミングは、どちらもその子にとって必要なものです。減らす話ではありません。順番を入れ替えるだけで、同じ回数のまま持ちが変わる——というのが、この記事で書きたいことです。

整えた直後の被毛が、いちばん奥まで土を通す理由|ドッグランの1日で失うもの

まず、トリミングで整えられた状態とは何かを言葉にしておきます。足し算ではなく、引き算でできている状態です。洗って皮脂を落とし、抜けかけの下毛を取り除き、乾かしきって、毛の向きをそろえる。仕上がった被毛は、余分なものが何も乗っていない状態になっています。指が通るのは、通り道に何もないからです。

トリミングの直後、被毛と皮膚がどうなっているか
どこ整えた直後の状態そこで何が起きやすいか
毛の向き根元から立ち上がり、そろっている毛のあいだの隙間がいちばん広い
下毛抜けかけのぶんが取り除かれている詰まっていた場所が空いている
乾き具合根元まで乾ききっている湿ると向きがすぐ崩れる
足まわり足裏と指のあいだの毛が短い地面に触れる面が変わっている
皮膚の表面皮脂が落とされている元に戻るまで数日かかります

ここに、ドッグランの1日を重ねます。走れば土と砂が舞い上がり、寝転がれば背中と脇腹が地面に接します。他の子と体を寄せれば、相手の毛と唾液が乗ります。水場があれば、足先から胸元までが濡れます。問題は、この土の粒がどこまで入るかが、被毛の側の状態で決まることです。

毛が寝ていて、抜けかけの下毛が詰まっている状態なら、土の粒は表面で止まります。払えば落ちる場所にとどまります。ところがトリミングの直後は、毛が根元から立ち上がっていて、詰まっていた下毛も取り除かれている。粒にとっては、いちばん奥まで届く通り道が開いています。整えた直後のドッグランがいちばん響くのは、走った量が多いからではなく、この受け入れ側の条件のためです。

トリミングの翌日に走った場合と、走った週にトリミングへ行く場合 整えた直後の被毛は毛が立ち上がり、下毛も取り除かれているので、ドッグランの土がいちばん奥まで入ります。逆に、走ってからトリミングへ行けば、入ったものはそこで落とされます。 どちらも同じ月に1回ずつ、という前提です トリミング → ドッグラン 立ち上がった毛の奥まで粒が入る 空いた下毛の隙間に入り込む 皮脂が戻る前の皮膚に触れる 残りの4〜6週間、家で拾い続ける ドッグラン → トリミング 入った粒は数日で落とせばよい 残りはトリミングで洗い流される 整えた状態から週数を数えられる 家でのケアは通常量のまま 走る回数を減らさずに、持ちだけを変える組み方です
回数は同じでも、置く順番で残るものが変わります。

もうひとつ、皮膚の側の話もしておきます。トリミングで洗ったあと、皮膚の表面の皮脂は一度減っています。元の状態に戻るまでには数日かかります。その数日のあいだに土と砂が根元まで入ると、被毛の下でこすれる条件がそろいます。かゆがる、同じ場所をなめる、といった変化がトリミングの数日後に出ることがあるのは、この重なり方をしているときです。

Note「汚れる」ではなく「奥まで入る」の問題です

トリミングの翌日にドッグランへ行っても、見た目はそれほど変わりません。変わるのは、粒がどの深さまで届いたかです。表面にある粒は、家で払えば落ちます。根元まで入った粒は、ブラシの歯が届かず、次のトリミングまで残ります。整った状態が1日で終わったように感じるのは、見えている汚れではなく、この届いた深さのほうが原因です。

動かしやすいのは走る日ではなく予約のほう|4〜6週間のどこに置くかという考え方

では順番を入れ替えるとして、どちらを動かすか。結論から言えば、動かしやすいのはトリミングの予約のほうです。ドッグランへ行く日は天気で決まります。前日に雨が降れば地面が変わりますし、暑い時期は時間帯も限られます。人の都合だけでは決められません。いっぽう予約は日付で決まるので、1週間ずらすという操作ができます。

サロン通いをしている人ほど、予約を固定サイクルで先まで入れています。6週間ごとの同じ曜日、という組み方をしていると、ドッグランのほうを予約に合わせるしかなくなります。ここを一度だけ組み替えてください。予約を1回ずらせば、そのあとのサイクルは新しい位置で回りはじめます。動かすのは1回だけです。

4〜6週間のサイクルの、どこに走る日を置くか トリミングの直後は、被毛の受け入れ側の条件がいちばん開いています。走る日は、次の予約に近い側へ寄せるほど、家で拾い続ける期間が短くなります。 週数はサイクルの長さで前後します。5週で回している家なら1週ずつ手前になります 1週目 トリミングの直後。いちばん奥まで入る ここに走る日を置くと、残りの5週間ずっと拾い続けます 2〜3週目 毛が寝はじめ、粒は表面で止まりやすくなる 行くなら、この週から後ろがおすすめです 4〜5週目 次の予約が近い。入ったものはそこで落ちる 走る日を置くのに、いちばん向いている週です 予約の前日〜3日前 走った直後にトリミングへ トリマーに、いつ走ったかと水場に入ったかを伝えてください
同じ月に同じ回数走っても、置く週で残る期間が変わります。

実際に組むと、こうなります。ドッグランへ行くのは、次のトリミングの予約から逆算して3日前から前日までのあいだ。走って帰ったあとは、家で5分ぶんのケアだけをして、残りはトリミングで落としてもらう。この形にすると、根元まで入った粒を家で追いかける期間が、数週間から数日へ縮みます。

順番を入れ替えると、家でやることがどう変わるか
トリミング → ドッグランドッグラン → トリミング
粒が残る期間次の予約までの4〜6週間予約までの数日
家でのケアの量毎日ふだんより増えるふだんのまま
ブラシで届くか根元まで入ると届かない届かなくても数日で済む
皮膚の側皮脂が戻る前に土が入る皮脂が戻っている時期に入る
トリマーに伝えること前回いつ走ったか思い出せない何日前にどこで走ったか言える
動かす回数—予約を1回ずらすだけ

予約をずらすときに、ひとつ気をつけたいことがあります。走った翌日にトリミングへ持ち込むのは構いませんが、前の晩に家で頑張って落とそうとしないでください。根元まで入った粒を家で押し出そうとすると、乾いた被毛をこすることになり、毛が絡む向きに力がかかります。落とすのはトリマーの仕事です。家では、次のセクションの5分ぶんだけやって渡してください。

Pointドッグランの回数は減らさなくて構いません

順番の話をすると、「走らせないほうがいいのか」と受け取られることがあります。そうではありません。ドッグランで走る時間は、その子にとって代わりのきかない時間です。この記事で変えているのは回数ではなく、4〜6週間のサイクルの中でどこに置くかという1点だけです。月に2回行くなら、2回とも予約の手前側へ寄せてください。それだけで、家で拾い続ける期間が変わります。

乾いているうちに終わらせる5分|ドッグランから帰ったあとに起きる変化

順番を入れ替えたうえで、ドッグランから帰った日にやるケアの話をします。ここが5分で終わるかどうかは、腕ではなく、始める時刻で決まります。乾いているうちに始めれば5分、湿ってからだと10分以上かかります。土の粒は、乾いていれば払って落ちますが、湿ると毛に貼りついて、拭き取る作業に変わるからです。

  1. 1分目:ドッグランを出たその場で、身震いを1回させる

    車に乗せる前です。表面に乗っている粒の多くは、この1回でまとまって落ちます。車内に持ち込むぶんが減るので、家に着いてからの作業も軽くなります。止めないでください。同時に、足の裏を持ち上げて指のあいだをのぞき、大きな粒だけ指ではじきます。

  2. 2分目:帰宅後すぐ、背中と脇腹の毛を流れと逆に起こす

    手のひらを毛の流れと逆向きに当てて、根元を数回起こします。ブラシではなく手です。乾いているあいだなら、根元に入った粒はこれで表へ出てきます。出てきた粒は、そのまま床へ落とします。ここでこすらないでください。起こして、落とすだけです。

  3. 3分目:地面に接していた面を、上から下へ

    寝転がったなら背中と脇腹、座って過ごしたならお尻まわりと後ろ脚の外側。走った跡と、座って過ごした跡では、つくものが違います。その日どちらが多かったかを思い出して、多かったほうから手をつけてください。両方やろうとすると5分では終わりません。

  4. 4分目:口のまわりと、前脚のつけ根

    他の子と体を寄せた場所です。唾液と、相手の毛が乗っています。被毛が薄く、皮膚が近い場所なので、ここだけは強くこすらないでください。湿らせた布を当てて、置いて離すだけで十分です。ここを飛ばすと、翌日にその場所をなめていることがあります。

  5. 5分目:湿っている場所だけ、手のひらで探して拭く

    水場に入った日は、胸元と前脚の内側が残ります。全身を確かめる必要はありません。手のひらを当てて冷たさが残る場所だけ、押さえて拾ってください。乾かしきってから寝床へ入れると、翌朝の被毛の状態が変わります。

この5分に、洗う工程は入っていません。ドッグランのたびに洗うと、次のトリミングまでに皮脂が戻る時間が足りなくなります。サロン通いをしている家では、洗う回数はすでにトリミングの側で確保されています。そこへ家での洗いを足すより、乾いているうちに払う手を毎日の側に置くほうが、被毛の状態は安定します。

この5分の最後に置くのが、グルーミングスプレーです。拭いたあと、布に含ませて背中と脇腹を毛の流れに沿ってなでます。粒を落とすためではなく、2分目で逆に起こした毛の流れをそろえ直すための一手です。すすぎも乾かしも入らないので、5分の枠を延ばさずに足せます。4分目に触れた口のまわりのような、被毛が薄い場所へ直接吹きかける使い方はしないでください。

サロン通いをしている家で、この一手が意味を持つのは走った日ではなく、そのあとの毎日のほうです。犬は体から脂を出すので、整えてもらった状態は翌日から少しずつ動いていきます。4〜6週間のうち、指が通る状態をどこまで持たせられるかは、家で被毛に手を入れた回数で決まります。グルーミングスプレーに使われているのはアルカリ電解水で、余分な皮脂や油とは乳化して落ちます。次のトリミングまでに戻ってほしいぶんの皮脂まで流してしまわずに、毎日1回の手を続けられます。

順番を入れ替えた月に、家の側で起きた変化
予約の翌日に走っていたころ予約の3日前に走る
帰宅後のケア10分以上。湿ってから始めていた5分。乾いているうちに始める
翌週からの毎日のケアふだんより手が増えるふだんのまま
指が通らなくなる週2週目から4週目あたりから
トリマーに伝えること思い出せない3日前に土のランで走った、と言える
皮膚の側皮脂が戻る前に土が入っていた戻っている時期に入る

順番を変えて1サイクル回すと、いちばんはっきり分かるのは4週目の手ざわりです。これまで2週目で引っかかっていた耳のうしろや脇の下が、4週目まで持つようになります。整えてもらった状態から数えられる週数が増えるので、次の予約を少し後ろへ延ばせる月も出てきます。走る回数はそのままで、変えたのは置く週だけです。

最後に、順番の話では説明がつかない変化についても書いておきます。ドッグランへ行っていない週にも同じ場所を気にする、トリミングの数日後に決まって皮膚が赤くなる、同じ場所だけをなめ続ける、被毛が根元から抜けて地肌が見えている、においの質が変わった。こうした変化は、順番やケアの量の話ではありません。家でのケアを増やす前に、動物病院で相談してください。その際、直近でドッグランへ行った日と、トリミングの日を伝えると、時期の重なりから切り分けてもらえます。次のトリマーにも、同じ2つの日付を伝えておいてください。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。