C09シーン別・暮らし

ドッグカフェ、保護犬・保護猫を迎えた人はどうしている?

公開日 2023年11月4日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の木のテーブルのそばで、クリーム色の犬が落ち着いて伏せている
その子がいつ帰りたいかは、席に着いてからでは決められません。決めておくのは行く前です。写真:3194556/Pixabay

ドッグカフェの扉を開けると、先に来ていた3頭がいっせいにこちらを向きました。そのうしろから、初めて会う店員さんが席まで案内してくれます。人も犬も、その子にとっては全部が初対面です。保護犬・保護猫を迎えた家にとって、この場所がふつうのおでかけと違うのは、知らない人と知らない犬が、同じ空間に同時にいるところです。触られることにどこまで慣れているかは、迎えて数か月では分かりません。以前どうしていたのかも、こちらからは分かりません。だからこの記事では、席に着いてから様子を見るのではなく、行く前に「いつ帰るか」を決めておく順番で当日のやり方を組みます。保護犬・保護猫とドッグカフェへ行く日の、滞在時間の決め方の話です。

知らない人と知らない犬が、同じ空間にいます|ドッグカフェで保護犬・保護猫に起きていることの順番

ドッグカフェという場所を、いちど条件だけで言い直してみます。知らない人と、知らない犬が、同じ空間に同時にいます。しかも、そのどちらとも距離が近い。席と席のあいだは1メートルないことが多く、通路を人が通れば、伏せている犬のすぐ横を足が通ります。保護犬・保護猫を迎えた家にとって、ここがふつうの散歩と違うところです。散歩なら、苦手なものが近づいてきたときに、向きを変えて距離を取れます。ドッグカフェの席では、その距離を自分で作れません。

触られることに慣れていない子は、実際に触られるより先に、触られそうな距離まで来られることのほうで固まります。テーブルのあいだを人が通るたび、その距離が1回ずつ更新されます。30分の滞在なら、回数はだいたい10回から20回です。同じ30分でも、通路側の席と壁側の席では、更新される回数が倍ちがいます。ドッグカフェで保護犬に起きていることを数で見ると、時間の長さより、この回数のほうが先に効いてきます。

保護猫を迎えた家では、ドッグカフェの日は自分の家の側の話にもなります。犬が持ち帰ったにおいと被毛が、玄関から部屋へ運ばれて、猫の生活圏に入るからです。保護猫は、迎えてしばらくのあいだ、部屋のにおいが変わることそのものに反応することがあります。ドッグカフェの日は、外の話と家の話が、同じ1日の中で重なります。だから当日のやり方は、席を立ったところでは終わりません。

Note以前どうしていたかは、分からないままで構いません

保護犬・保護猫を迎えた人の多くが、最初に知りたいのは「この子はドッグカフェが平気なのか」です。けれど、迎える前の暮らしは、こちらからは分かりません。分からないことを推測して当日の判断材料にすると、判断そのものがぶれます。使えるのは、今日この子が実際に見せた反応だけです。この記事の順番は、そこだけを起点にしています。

帰る時刻を先に決めてから席に着く|保護犬・保護猫とドッグカフェへ行く日のやり方

ふつうの進め方は、席に着いてから様子を見て、落ち着いていればもう少し居る、という形です。保護犬・保護猫では、この順番を入れ替えます。先に帰る時刻を決めて、その時刻になったら、その場の様子がどうであっても席を立ちます。落ち着いて見えるから延ばす、という判断をしないためです。迎えたばかりの子は、固まっているのか落ち着いているのかが、外からは見分けにくい。ドッグカフェのやり方としては、そこを判断しないで済ませます。

  1. 前の日に、滞在時間を紙に20分と書いておく

    当日ではなく、前の日に決めます。初回は20分で足ります。飲みものが1杯届いて、半分飲んだら立つくらいの長さです。短すぎると感じても構いません。迎えたばかりの子とドッグカフェへ行く目的は、その日を長く過ごすことではなく、この場所が最後まで平気だったという1回を作ることです。20分で帰れた回のほうが、次につながります。

  2. 店に入る前に、外で3分立ち止まる

    扉の前で、いきなり入らずに3分待ちます。中から出てくる音とにおいが、その3分で一度その子に届きます。3分のあいだに座れたら入る、座らなければその日は入らずに帰る。この線を先に引いておくと、入口で迷いません。帰る判断は、店の中より外のほうが軽くできます。

  3. 席は、通路から遠いほうを1つだけ選ぶ

    案内された席が通路側だったら、壁側が空いているか聞いてみてください。変えるのは席だけで、他の条件はいじりません。壁側に入れば、その子の片側は壁になり、人が通る側が半分に減ります。前のセクションの数え方でいえば、距離が更新される回数がそのまま半分になります。

  4. 20分たったら、様子と関係なく席を立つ

    ここが今日いちばん大事なところです。落ち着いているように見えても、延ばしません。「まだ大丈夫そうだから」で延ばした日が、次に行きたがらない日を作ります。会計は先に済ませておくと、立ってから店を出るまでが1分で終わります。迎えて間もない子には、この1分の差がその日の最後の印象になります。

  5. 帰ったら、玄関で体を拭いてから部屋に入る

    店の床に触れていたのは、腹・肘・尾のつけ根・前脚の指のあいだです。玄関で、その4か所だけを拭きます。全身はやりません。このうち尾のつけ根には、その子の口が届きません。腹と肘は逆に、玄関を上がってすぐ自分で舐めにいく場所です。4か所とも、拭いたものがそのあと口へ回る前提で選ぶことになります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%でできていて、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。皮膚に直接吹きかけず、布に含ませてから当ててください。保護猫がいる家では、犬が舐めた前脚が、そのまま猫のいる部屋の床に乗ります。舐めても問題のない基準でつくられているものを選ぶ理由が、この4か所にはあります。

滞在時間を先に決めると、当日その場で決めることが3つ減ります
その場で決めていたこと先に決めておくと
いつ帰るか前の日に決めた時刻。当日は見ない
落ち着いているかどうか判断しない。時刻だけで立つ
どこまで触らせるかこちらからは触らない、と決めておく
帰ってから何を拭くか床に触れていた4か所だけ

20分のつもりが60分になる|ドッグカフェで保護犬・保護猫の滞在時間が延びるときのコツ

決めても延びます。しかも延び方には型があって、だいたい次の4つのどれかです。延ばしているのは犬の側ではなく、人の側の事情です。そこを先に分かっていると、席を立つ判断が軽くなります。保護犬・保護猫とドッグカフェを重ねるうえで、いちばん実用的なコツがこの表です。

滞在時間が延びる4つの場面と、そこでのコツ
延びる場面そのときのコツ
同席の人と話が続いている先に「20分で出ます」と伝えておく。その子の話にしない
他の犬が近づいてきて、飼い主どうしの会話が始まった立ったまま話す。座り直すと、そこから15分は動けません
注文したものがまだ届かない届く前に時刻が来たら、そのまま立つ。飲みものは目的ではありません
伏せて動かないので、寝ていると思った伏せたまま耳だけ動いていないか見る。動いていれば休めていません
せっかく来たのだからと、写真を撮り始めた撮るのは席を立ってから、店の外で1枚。中では増えていきます

延びた日は、帰ってからの皮膚と被毛の見え方も変わります。床に触れている時間が長くなるぶん、腹と肘に細かい汚れが乗り、翌日にその場所を気にすることがあります。60分居た日は、玄関で拭く場所を増やすのではなく、次に行くまでの間隔のほうを空けてください。ドッグカフェの日の毎日のケアは、その日に足すより、次の日程で調整するほうがうまくいきます。

Point時計ではなく、注文の数で区切ると守れます

20分という数字は、店の中では見づらいものです。「1杯だけ頼んで、それを飲み終えたら立つ」と決めておくと、時計を見ずに同じ長さになります。2杯めを頼まない、という1つの決めごとに置き換わるので、同席の人にも説明しやすくなります。迎えたばかりの家では、当日にその場で判断することを1つでも減らしておくほうが続きます。

次はいつ行くか|保護犬・保護猫とドッグカフェを重ねる頻度の決め方

頻度は、カレンダーで決めません。前回の帰宅後30分に、その子が何をしたかで決めます。ドッグカフェから帰ってすぐの30分は、その日の負荷がいちばん素直に出る時間帯です。ここを3回ぶん記録すると、次に行く間隔は自然に決まります。迎えて間もない子の場合、頻度を上げる根拠は「前回が短く終わったこと」だけです。

間隔を空けることは、後退ではありません。ドッグカフェに慣れる速さは、行った回数ではなく、平気だった回が何回続いたかで決まります。途中で1回、長く居すぎた日をはさむと、そこから数え直しになります。迎えた家が急がなくていいのは、この場所が生活に必要な場所ではないからです。行かない選択がいつでも残っています。

Caution早めに動物病院へ相談したいサイン

帰宅後に同じ場所をなめ続けている、皮膚が赤い、被毛が一部だけ立っている、食欲が落ちた、震えが数時間おさまらない、下痢が続いている。いずれかに当てはまるときは、次のドッグカフェの予定を考える前に、動物病院にご相談ください。迎えて間もない子は、家での平常時の様子がまだ分かっていません。比べる材料が少ないぶん、迷ったら早いほうを選んでください。相談のときは、行った日・滞在した時間・帰宅後30分の様子の3つをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

ドッグカフェは、保護犬・保護猫と暮らす家にとって、行けたら嬉しい場所であって、行けなければ困る場所ではありません。動かせるのは、その子の性格ではなく、滞在時間と席の位置と、次までの間隔の3つだけです。3つとも、行く前に決められます。今日この子がどう見えたかで当日に決めるのをやめて、前の日と、帰ってからの30分に判断を移す。ドッグカフェで保護犬・保護猫と過ごす日のやり方として、動かせるのはそこです。

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よくある質問

ドッグカフェに初めて行くのは、迎えてからどれくらい経ってからがいいですか
日数で決めるより、家の中での様子を材料にしてください。玄関のチャイムで隠れなくなった、来客が座っていても同じ部屋にいられる、この2つが揃ってからで足ります。迎えたばかりの子では、外の場所より先に、家の中で人が動いても場所を移らないところまで進んでいるかどうかが目安になります。
席で他の飼い主さんに「触ってもいいですか」と聞かれたら、どうしますか
断って構いません。「迎えたばかりなので」の一言で足ります。保護犬・保護猫を迎えた家では、触られることに慣れているかどうかがまだ分かっていません。断ったことでその日が失敗になるわけではなく、むしろ触られなかった20分のほうが、次に行ける日を近づけます。
家に保護猫がいる場合、ドッグカフェから帰ってすぐシャンプーしたほうがいいですか
帰ってすぐ洗う必要はありません。玄関で腹・肘・尾のつけ根・前脚の指のあいだを拭けば、部屋に持ち込むものはかなり減ります。洗う回数を増やすと、皮膚のうるおいまで一緒に減っていきます。保護猫が避けるようであれば、洗うより先に、犬が通る動線と猫の居場所を分けるほうを試してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。