C12Q&A・豆知識

カーペットに残る毛の量

公開日 2023年10月20日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な居間で、淡い色のラグの上に落ち着いて伏せている淡い色の犬
カーペットの毛は、目に見える毛足の上よりも、その根元のほうに多く残っています。写真:Iza Ponchie/Pexels

掃除機をかけ終えたカーペットに、粘着ローラーを一度だけ転がしたら、シートが埋まるくらい毛が付きました。カーペットに残る毛の量は、掃除機で取れた量とは別の数字です。比べる相手になるのは、同じ場所からもう一度取れた量のほうです。毛は毛足の上ではなく、根元に寄って残ります。そこは、毛足を起こさないと出てきません。この記事では、表面にある毛と根元に入った毛という二つの軸で分けたうえで、掃除機をかけた直後と、ブラシで毛足を起こしたあとを、同じカーペットの同じ面で並べます。最後に出てくるのは、取れた量ではなく、まだ残っている量のほうを見る、という数え方です。

掃除機が持っていけるのは、毛足の上に乗っている分|カーペットの毛が取れる側の条件

掃除機のヘッドがやっていることは、空気の流れで毛を持ち上げて、ノズルの中へ運ぶことです。持ち上げられるのは、毛足の上に乗っていて、まわりの繊維に絡んでいない毛だけです。乗っているだけの毛は、少し浮かせれば流れに乗ります。ここが、掃除機がいちばん得意にしている範囲です。

だから、掃除機をかけたあとのカーペットは、たしかにきれいに見えます。目で見えていた毛は、目で見えていたぶん、毛足の上にありました。上に乗っているものが消えれば、視界からは消えます。見えなくなったことと、なくなったことは、同じではありません。この一行が、この記事の全部と言ってもいいくらいです。

毛足の上に留まってくれる毛には、条件があります。落ちてから時間が経っていないこと、その面がまだ踏まれていないこと、繊維が寝ていないこと。犬が走り回った直後の廊下と、誰も通っていない部屋のカーペットでは、同じ量が落ちても、どこにあるかが変わります。

この六つを見ていくと、掃除機の性能の話がほとんど出てこないことに気づきます。取れるかどうかを決めているのは、毛がカーペットのどの深さにあるかです。深さが同じなら、道具を変えても結果はそれほど変わりません。逆に、深さが違えば、同じ道具でも結果が変わります。カーペットの毛の量を考えるときは、まず深さの話から入るほうが早くたどり着きます。

毛足の根元に入った毛は、起こさないと出てこない|カーペットに毛が残る側の条件

もう一方の軸が、根元です。カーペットの毛足は、繊維が立って並んでいます。立っている繊維の隙間は、上から見ると閉じているように見えますが、指で押し広げると下に空間があります。落ちた毛は、踏まれるたびにその空間へ押し込まれていきます。押し込まれた毛は、上からの空気の流れではほとんど動きません。

押し込まれる力は、生活そのものです。人が歩く、犬が方向を変えて走る、猫が同じ場所で丸くなる。その一回ごとに、毛足の上にあった毛が少しずつ下へ移ります。つまり、カーペットの上でその子が過ごす時間が長いほど、上ではなく下に毛がたまります。いちばん毛が集まる場所ほど、いちばん見えなくなる、という順番になります。

乾いた時期には、これに静電気が加わります。繊維と毛のあいだに静電気が起きると、毛は繊維の側面に張り付きます。張り付いた毛は、上に乗っているのでも、下に落ちているのでもなく、繊維の途中でとどまります。この状態がいちばん取りにくいとされていて、掃除機でも粘着ローラーでも、ほとんど動きません。毛足を横から起こして、張り付いている面をこすってやらないと外れません。

根元に毛が入りやすいカーペットの条件と、その理由
条件何が起きるか残りやすさ
毛足が長い(ラグ・シャギー)繊維のあいだの空間が深く、下まで落ちます多く残ります
毛足が短くて密下へは落ちにくいものの、繊維のあいだに挟まります量は少なめでも取りにくい
ループ状の織り輪の中に短い毛が入り込みます起こしても出にくい
化繊で起毛したもの静電気で繊維の側面に張り付きます乾いた時期に増えます
よく踏まれる動線の上押し込まれる回数がそのまま多くなります同じ部屋でも差が出ます
その子が寝る場所体重がかかり、体温と湿気も加わりますその面だけ条件が変わります
Noteこの記事に、割合や重さの統計は出てきません

カーペットに残る毛の量を、何%とか何グラムという形で書いた資料を探すと、それらしい数字はいくつも見つかります。ただ、毛足の長さ、素材、頭数、掃除の頻度、季節がどれも違えば、その数字は自分の家では使えません。この記事では、出どころを装った調査名や機関名を挙げないことにしました。代わりに、同じ家の同じ面で二回取って比べる、という形だけを書きます。比べる相手が自分の家の中にあるほうが、数字としては役に立ちます。

掃除機の直後と、ブラシで毛足を起こしたあと|同じ面で取れるカーペットの毛の違い

二つの軸を、同じ面で並べます。用意するのは、掃除機と、毛足を起こせる硬めのブラシ(デッキブラシでもゴム製のものでも構いません)と、粘着ローラーです。やることは単純で、掃除機をかけた面に、もう一度だけ手を入れます。比べたいのは道具の優劣ではなく、同じ場所から二回目に何が出てくるかです。

同じカーペットの同じ面で、掃除機の直後とブラシで起こしたあとを並べる
掃除機をかけた直後ブラシで毛足を起こしたあと
取っている場所毛足の上に乗っている毛毛足の根元に入り込んでいた毛
見た目の変化きれいになったように見えます起こした直後は、かえって毛が増えて見えます
一畳ほどの面にかかる時間1〜2分ほど(我が家での目安です)3〜5分ほど(同じく目安です)
同じ面を続けてやったとき二度目はあまり増えません起こす向きを変えると、また出てきます
何を数えているか取れた量まだ残っていた量
向いている時期毎日の掃除換毛の時期と、乾いて静電気が起きる時期
数字としての性質その日の表面にあった分その面に積み上がってきた分
同じ面から、二回目に出てくるものが違う 掃除機は毛足の上に乗っている毛を持っていきます。ブラシで毛足を起こすと、根元に入っていた毛が表面へ上がってきます。取れた量と残っていた量は、別々に数えられます。 毛足の長さと素材で出かたが変わるので、比べるのは同じ面どうしにします 掃除機をかけた直後 毛足の上の分は持っていける 目で見て減ったと分かる かけた面は一度きれいに見える 同じ面を二度かけても増えない 根元の分はそのまま残る ブラシで毛足を起こしたあと 根元の毛が表面へ上がる 直後はかえって毛が増えて見える もう一度吸う手間が要る 向きを変えるとまた出てくる 残っていた量が目で分かる 数えたいのは左の量ではなく、右に出てきた量のほうです
二回目に出てきた量が、掃除機をかけ終えた時点で残っていた量です。

実際にやってみると、いちばん驚くのは二度目の量ではなく、出てくる場所が偏っていることのほうだと思います。部屋の真ん中は、起こしてもそれほど出てきません。出てくるのは、動線の上と、その子がいつも寝ている面です。犬と暮らしている家なら、玄関からリビングへ入る通り道。猫と暮らしている家なら、日の当たる窓ぎわ。押し込む回数が多かった場所に、そのまま積み上がっています。

この偏りが分かると、掃除の割り振りが変わります。カーペット全体を同じ手間でやる必要がなくなるからです。毎日は掃除機で表面だけ、週に一度は起こす面を二か所だけ決めておく。面積で割るのではなく、押し込まれた回数で割る。時間の使い方としては、こちらのほうが結果に近いところへ届きます。

取れた量ではなく、まだ残っている量を見る|カーペットの毛を家で数える時期と手順

ここまでの二つの軸から、どちらを見るかを決めます。見るのは、まだ残っている量のほうです。取れた量は、その日の表面にあった分でしかありません。多く取れた日は、たくさん落ちた日だったという意味にもなりますし、前の日にかけていなかったという意味にもなります。どちらなのかは、取れた量からは決まりません。

残っている量には、その性質がありません。掃除機をかけ終えた時点で毛足の根元にあった分は、その面に積み上がってきた結果です。その日の落ち方ではなく、ここ数週間の暮らし方が出ます。だからカーペットの毛の量を数えるなら、こちらを数えるほうが情報が多くなります。手順を四つに分けます。

  1. 数える面を、一か所だけ決める

    部屋全体ではありません。その子がいちばん長くいるカーペットの上を、一畳ぶんだけ選びます。次の月も同じ面を使うので、家具の脚などを目印にして覚えておいてください。面が変わると、数字が比べられなくなります。

  2. いつもどおり掃除機をかけて、そこで一度終わりにする

    特別に念入りにやらないでください。ふだんの速さ、ふだんの回数で構いません。比べたいのは、ふだんのあとに何が残っているかです。この日のためだけに丁寧にやると、翌月の数字とつながらなくなります。

  3. ブラシで毛足を起こして、粘着ローラーを一往復させる

    ブラシは、毛足を横から起こす向きに動かします。起こしたら、粘着ローラーを一往復。使ったシートの枚数を数えます。グラムでもセンチでもなく、枚数です。道具が要らず、来月も同じ数え方ができます。

  4. 枚数と日付を、その場で書き留める

    紙でも携帯のメモでも構いません。書くのは、日付・面の場所・シートの枚数の三つだけ。一回では何も分かりません。意味が出るのは、二回目からです。前の月より増えたか減ったかだけで、その面の条件が動いたかどうかが分かります。

数える時期にも、向き不向きがあります。年に一度だけ数えても、その数字がその年の平均なのか山なのかが決まりません。カーペットに残る毛の量は、時期によって同じ家の中でも動きます。下の条件が重なる時期は、同じ掃除をしていても残る量が増える側に寄ります。

この六つのうち、家の側で動かせるのは最後の二つだけです。換毛も湿度も気温も、こちらでは決められません。だから数字が増えた月に、掃除の回数を責める必要はありません。増えて当然の条件がそろっていた、というだけのことがあります。数えておくと、そこを切り分けられます。数える意味は、頑張るためではなく、頑張らなくていい月を見つけるためでもあります。

掃除機とブラシの使い分け|カーペットに入る毛の量は、体の側でも動かせる

二つの軸を、そのまま道具の使い分けに落とします。掃除機は毎日、表面の担当。ブラシで起こすのは週に一度、面を絞って。この二つを同じ日にまとめてやると、どちらも中途半端になります。順番としては、起こしてから吸う。起こしたあとに吸わないと、上げた毛がまた戻ります。

カーペットの毛に対する、道具ごとの担当と使い分け
道具担当する深さ使い分けの目安
掃除機毛足の上に乗っている分毎日。向きを二方向に変えるだけで取れ方が変わります
粘着ローラー毛足の上と、少し下まで来客の前など、短時間で表面だけ整えたいとき
硬めのブラシ毛足の根元週に一度、動線と寝場所の二か所だけ
ゴム製のブラシ静電気で張り付いた分乾く時期に。こすると繊維から外れます
カーペットを洗う全部季節の変わり目に一度。乾かしきる時間が要ります
ブラッシング(その子の体)落ちる前の段階毎日。カーペットに入る量そのものが変わります

表のいちばん下の行が、この記事の締めにあたります。カーペットに残る毛は、床に手を入れるより、体の側で減らすほうが早い場面があります。被毛の中に浮いている抜け毛を先に外へ出しておけば、その分は床に落ちません。落ちなければ、押し込まれることもありません。掃除の話なのに最後が毎日のケアの話になるのは、そのためです。

表のいちばん下の行に手を入れるときの話です。乾く時期は毛が舞うので、先に軽く湿らせてからブラシを入れます。被毛の中に浮いたままの抜け毛は、その子が自分では外に出せません。毛づくろいで舌に取れるのは表面の分までで、下毛のあいだに引っかかっている毛は、ブラシが入るまでそこに残ります。カーペットの毛の話でいちばん上流にあたるのが、この段階です。mofuwa スキンケアミストは、中身が電解水100%です。清涼飲料水の規格基準をクリアしています。布に取ってから、毛の流れに沿って一往復させて、そのあとブラシを入れてください。週に一度ブラシで起こすと決めたカーペットの面は、その子が寝そべって顔をつけている面でもあります。舐めても問題のない基準でつくられているので、寝場所のすぐ上で使えます。

Caution毛の量そのものが変わったときは、掃除の話ではありません

カーペットに落ちる毛の量が季節と関係なく増えた、一か所だけ毛が薄くなっている、地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、フケが目立つ。こうした変化があるときは、掃除の回数やブラシの種類を変えて様子を見る場面ではありません。自己判断せず、動物病院にご相談ください。相談するときに、いつごろから量が変わったかを言えると話が早くなります。この記事の数え方でシートの枚数を書き留めてあれば、そのまま材料として使えます。

最後に、数字の形にして置き直します。カーペットに残る毛の量は、掃除機で取れた量では出せません。出せるのは、同じ面から二回目に取れた量のほうです。比べる相手は、よその家でも、平均でもありません。先月の同じ面です。取れた量を見ていると、掃除の出来ばえの話になります。残っている量を見ると、その面で何が起きているかの話になります。カーペットの毛について家で決められることは、たぶん後ろのほうにしかありません。

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よくある質問

カーペットの毛は、粘着ローラーだけで取れますか
毛足の上に乗っている分は取れます。ローラーの粘着面が届くのは、繊維の先端から少し下までなので、根元まで入り込んだ毛はそのまま残ります。ローラーは表面の担当、と決めてしまうほうが使いやすいです。根元の分まで出したいときは、先にブラシで毛足を起こしてから転がしてください。順番を逆にすると、起こした毛がまた押し戻されます。
毛足が短いカーペットなら、毛は残りませんか
残り方が変わるだけで、残らないわけではありません。毛足が短いと下へ落ちる空間は浅くなりますが、そのぶん繊維が密に並んでいるので、短い毛が繊維のあいだに挟まります。挟まった毛は上から吸っても動きにくく、横から起こすほうが出てきます。長いか短いかではなく、その面がどれだけ踏まれているかで条件が変わる、と考えるほうが実際に近いです。
犬と猫で、カーペットに残る毛の量は違いますか
毛の太さと長さが違うので、入り込み方が変わります。細くて短い毛は繊維のあいだに刺さりやすく、長い毛は毛足の上にまたがって残りやすい傾向があります。ただ、量そのものは頭数・季節・その子がカーペットの上で過ごす時間で大きく動くので、犬と猫という分け方では決まりません。比べるなら、同じ家の同じ面で、先月と今月を比べてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。