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趾間とは?犬と猫の指と指のあいだにある閉じた空間

公開日 2023年11月24日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のブランケットの上に前足をそろえて置いている白っぽい毛の犬
趾間は、この写真の角度からは写りません。指を持ち上げて開いたときだけ現れる空間です。写真:https://kaboompics.com//Pexels

趾間とは、指と指のあいだで、皮膚どうしが向かい合っている空間のことです。「趾」は足の指を指す字で、趾間はその指と指のあいだ、という組み立てになっています。読み方は「しかん」です。犬でも猫でも、地面につく指は1本の足に4本なので、合わせ目は1本の足に3つ、4本の足で12か所ほどあります。ここで大事なのは、趾間が肉球のような「面」ではなく、向かい合った皮膚どうしの「合わせ目」だという点になります。合わせ目は閉じているので、外から風が当たりません。そして立っているあいだは、その空間があること自体が外から見えません。足を持ち上げて、指を軽く開いて、そこで初めて現れます。散歩から帰った犬の体で、いちばん「見ていないのに濡れている」場所が、たぶんここです。この記事では、趾間という言葉が何を指しているのか、なぜ乾きにくいのか、そして毎日の足拭きの中で何が変わって見えるようになるのかを、順番に書いていきます。

趾間とは何を指す言葉か|指と指が向かい合っている「合わせ目」のこと

趾間とは、指と指のあいだで、皮膚どうしが向かい合っている空間のことです。字のとおりで、「趾」が足の指、「間」がそのあいだ。犬にも猫にも、前足と後ろ足の両方にあります。犬も猫も、地面につく指は1本の足に4本なので、そのあいだの合わせ目は1本の足に3つ。4本の足で12か所ほどになります。前足の内側には、地面から浮いた指(狼爪)がある子もいます。数えられる数の場所なので、順番に開いていけば全部を見られます。

名前がついているということは、そこが1つの場所として扱われている、ということでもあります。動物病院で足のことを話すとき、「足の裏」ではなく「趾間」と言い分けるのは、そこが別の場所だからです。肉球は下を向いた面で、床に触れています。趾間は横を向いた面どうしが向かい合っていて、床には触れていません。同じ足の一部でも、置かれている条件がまったく違います。

趾間という言葉が指しているものと、指していないもの
場所どちらを向いているか趾間に含まれるか
肉球の面下(床のほう)を向いている含まれません。これは面です
指と指のあいだの皮膚向かい合っているここが趾間です
指のつけ根の合わせ目奥で向かい合っている趾間のいちばん奥にあたります
爪の際前と横を向いている隣り合っていますが、別の場所です
指の背側(甲のほう)上を向いている含まれません。外気に触れています
肉球と肉球のすきま向かい合っている趾間の一部として扱われます

この表で分けたかったのは、向きです。上を向いている面と、下を向いている面には、外の空気が当たります。向かい合っている面には、当たりません。趾間という言葉が指しているのは、この「向かい合っている」側だけです。だから趾間は、広さで測る場所ではなく、閉じているかどうかで測る場所になります。

Note「足の裏」と「趾間」は、同じ場所を指していません

散歩から帰って足を拭くとき、多くの人が拭いているのは肉球の面のほうです。布を当てて往復させれば、面はきれいになります。けれど趾間は、指を開かないかぎり布が入りません。「足の裏を拭いた」と「趾間まで見た」は、同じ作業ではありません。この2つを1つの言葉でまとめてしまうと、拭いたつもりの場所と、実際に手が入った場所がずれます。趾間という言葉を1つ覚えておくと、そのずれが起きなくなります。

呼び名についても、線を1本引いておきます。趾間に何かの変化が出たとき、その状態にはそれぞれ呼び名がつけられていますが、どれに当たるかを決めるのは診察です。この記事で扱うのは、趾間という「場所」の話までになります。名前をつけるところから先は、家の仕事ではありません。

閉じている空間には、外から風が当たらない|趾間が乾きにくいという条件

趾間が乾きにくいのは、水が多いからではありません。閉じているので、水が減っていく道が細いからです。水が減るには、空気に触れて出ていく必要があります。空気に触れる面積が小さければ、同じ量の水でも、なくなるまでの時間は長くなります。趾間は、向かい合った皮膚どうしで塞がれているぶん、その面積がもともと小さい場所です。

開いている面と、閉じた合わせ目では、条件が違う 肉球のように外気へ開いている面と、趾間のように皮膚どうしが向かい合っている合わせ目を、乾き方と手の入り方で左右に並べた比較カードです。 広さの違いではなく、向きの違いから来ています 開いている面 外の空気に直接ふれる 風が当たれば水が減る 拭くときに布が届く 目で見て確かめられる 乾いたかどうかが分かる 閉じた合わせ目 向かい合う皮膚でふさがる 風が入らず水が残る 開かないと布が届かない 開かないと目に入らない 乾いたかどうか分からない 趾間は右側の条件にそろっている場所です
同じ足の中で、この2つの条件がとなり合っています。

乾きにくさを作っている条件を、もう少し分けて並べます。どれも1つずつは小さな条件ですが、同じ場所で重なっています。重なっているというところが、趾間という場所の性格です。

4つめについて、少し補足します。毛の長い犬では、指と指のあいだから毛が伸びて、合わせ目に橋を架けたような状態になります。この毛は、水を抱えたまま残ります。被毛が長い子の趾間が乾きにくいのは、毛が多いからというより、毛が合わせ目をまたいで水の道を作ってしまうからです。短毛の子でも、指が太くて合わせ目が深い体つきなら、同じことが起きます。

そして、この条件は季節に関係なく続きます。夏に水たまりを歩いた日も、冬に雪の上を歩いた日も、雨の日に濡れて帰った日も、趾間の側の条件は変わりません。変わるのは、水がどこから来たかだけです。肉球の面は、帰ってから10分もすれば乾いています。趾間は、同じ10分では終わりません。同じ足の中で、乾く時刻が別々になっている、と考えるほうが実際に近いところです。

ここまでを1つの文に畳むと、こうなります。趾間とは、水が入りやすくて出にくい形をした空間のことです。入るときは、歩けば自然に入ります。出るときは、開いて風を通すか、布を差し入れるかしないと出ていきません。この非対称が、趾間という場所をめぐる話のほとんどを決めています。

立っているあいだは存在しないように見える|開いて初めて現れる場所という背景

趾間のもう1つの性格は、見えないということです。立っている犬や猫を横から見ても、上から見ても、趾間は写りません。指は接地していて、合わせ目は下を向いて閉じています。歩いているときも同じで、足が地面から離れる一瞬に指が広がることはありますが、人の目が追える速さではありません。趾間は、日常の視界の中には存在しない場所です。

つまり、趾間は「見ようとしたときだけ現れる」空間です。足を持ち上げて、指を軽く開いて、そこで初めて形になります。これは他の部位とかなり違う性質です。背中の毛は、見ようとしなくても目に入ります。耳の外側も、口のまわりも同じです。趾間だけが、こちらが動作を1つ起こさないと現れません。見ていないのに濡れている場所というのは、この性質から生まれます。

  1. その子が落ち着いているときに始める

    興奮しているとき、帰宅直後で気が立っているときは向きません。横になっているか、座って落ち着いているときのほうが、足を触らせてくれます。時間は1本の足につき10秒あれば足ります。

  2. 足首より下を、下から支える

    上からつかむと、その子は引き抜こうとします。手のひらを下に入れて、足を乗せてもらう形にすると、力が要りません。持ち上げる高さも、床から数センチで足ります。

  3. 指を1組ずつ、軽く広げる

    全部の指を一度に開こうとしないでください。親指と人差し指で、隣り合う指を1組だけ、そっと左右に離します。ここで合わせ目が現れます。無理な角度に開くと痛みが出るので、抵抗を感じたところで止めます。

  4. 明るいところで、色と湿りを見る

    自然光か、明るい室内灯の下で見てください。見るのは、色と、湿っているかどうかと、毛の向きの3つだけです。暗いところでは、湿りが影と区別できません。

  5. 嫌がったら、その足でやめる

    1本目で嫌がったら、残りの3本は次の日に回します。毎日1本ずつでも、4日で1周します。1回で全部やろうとすると、足を触らせてくれなくなる方向に進みます。

  6. 終わったら、そのまま手を離す

    ごほうびを毎回出す必要はありませんが、終わりを明確にすると、次のときに足を出しやすくなります。足を触られることが、何かの前ぶれにならないほうが続きます。

この手順は、何かを見つけるためのものではありません。趾間という空間が、その子の足のどこに、どんな深さであるのかを知っておくためのものです。深さも広さも、その子ごとに違います。指の太い子は合わせ目が深く、細い子は浅い。前足と後ろ足でも違います。ふだんの状態を知っておくと、あとで違いに気づけるようになります。ふだんを知らないと、違いという概念が成り立ちません。

散歩のあとの足拭きについても、この視点で見直しておきます。布で肉球の面を往復させる作業は、趾間には届いていません。届かせるには、指を開いて、布の角を合わせ目に沿わせる必要があります。毎日やる必要があるかどうかは、その子の暮らし方によります。土や草の上を歩く子、水辺に行く子、雨の日も出る子では、入るものの量が違います。「毎日やる」と決めるより、「濡れて帰った日は必ず開く」と決めるほうが、続きます。

猫の場合は、少し事情が変わります。猫は自分で毛づくろいをするので、足先も自分でなめて手入れをします。ただし、なめるという行為は水を足す行為でもあります。趾間が乾きにくい場所であることは、猫でも同じです。室内で暮らしていて濡れる機会が少ないぶん、犬より条件はゆるやかですが、場所そのものは同じようにあります。

趾間という言葉を覚えると、毎日のケアで何が変わって見えるか|家から見えるのはここまで

趾間という言葉を持つと、散歩から帰った犬の足拭きが、面を拭く作業から合わせ目を開く作業に変わります。用語を1つ知ることの値打ちは、辞書の一行を覚えることより、その言葉を持ったあとで同じ足が違って見えることのほうにあります。持つ前と持ったあとで何が変わるかを並べておきます。

趾間という言葉を持つ前と、持ったあと
場面言葉を持つ前言葉を持ったあと
散歩から帰ったとき足の裏を拭いて終わり濡れた日は、指を開いて合わせ目まで見る
足をなめているとき足をなめている、と見える面をなめているのか、合わせ目かを分けて見る
洗ったあと乾かすとき足は最後にざっと乾かす指を開かないと風が入らないことを知っている
毛を短くするとき足まわりの毛を整える合わせ目をまたぐ毛があるかどうかを見る
動物病院で話すとき「足を気にしています」「趾間が湿っていて、なめています」と言える
ふだんの状態特に見ていないその子の合わせ目の深さを知っている

5行目が、いちばん実用的かもしれません。場所の名前を持っていると、伝えられる情報の細かさが変わります。「足を気にしています」と「右の前足の、内側から2つめの趾間が湿っていて、そこをなめています」では、受け取る側に届く情報量が違います。言葉は、家と診察室のあいだをつなぐ道具でもあります。

そのうえで、家から見えるのはどこまでか、という線を引いておきます。家で確かめられるのは、色・湿り・毛の向き・その子がなめる回数・左右差の5つまでです。この5つは、目と手で確かめられます。それ以上のこと、たとえばそこに何が起きているのかという名前は、家では決められません。決めようとすると、材料がないところで判断することになります。

家から見えることと、家では決められないこと
家から見えること確かめ方家では決められないこと
色明るいところで、開いて見るその色が何を意味しているか
湿っているかどうか指の腹を当てて確かめる湿りがどこから来ているか
毛の向き合わせ目をまたいでいるかを見る毛を切るべきかどうかの判断
なめる回数1日のうち何回か数えるなめている理由
左右差同じ位置の趾間を左右で比べる差がある理由

右の列は、書けないことを書いた列です。この列を空欄のまま持っておけるかどうかが、家でのケアの安全な線になります。左の列を毎日見て記録しておけば、右の列は必要なときに人に渡せます。趾間について家でやることは、判断ではなく観察のほうにあります。

毎日のケアとしてできることも、この線の内側で書いておきます。濡れて帰った日は、指を開いて合わせ目の水を取る。それだけです。布の角を1組ずつ差し入れて、押さえるように水を移します。こすらないでください。皮膚どうしが向かい合っている場所なので、こする動きは両側の皮膚に同時にかかります。水を取ったら、そのまま数十秒開いておくと、風が入ります。ここまでが、家でやれることの全部です。

そのとき布を何で湿らせるかも、ここで決めておきます。趾間は、その子の舌は届いても、開いて風を通すことだけはできない場所です。指を1組ずつ離せるのは人の手だけで、なめるという動作は、前のセクションで書いたとおり水を足す側に働きます。合わせ目については、飼い主が代わるほかにありません。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしたものです。布に取ってから、指を1組ずつ開いて、布の角を合わせ目に沿わせてください。足先は、拭き終わった直後にその子が口を持っていく場所です。犬は帰宅してすぐ足をなめますし、猫は毛づくろいのついでに足先まで回ります。スキンケアミストを布に取る形にしているのは、そこまで数えなくて済むからです。直接吹きつけると驚いて足を引くので、必ず布に取ってから。

Caution趾間に出た変化は、拭き方を変える前に動物病院へ

趾間の地肌が赤い、腫れている、じくじくしている、触ると痛がる、においが出てきた、同じ趾間をなめ続けている、片足だけかばって歩く、毛が抜けている。こうした変化があるときは、拭き方を変えたり、毛を切ったり、何かを塗ったりする前に、動物病院にご相談ください。趾間は皮膚どうしが向かい合っている場所なので、家から見えるのは表面だけです。いつから、どの足の、どの位置の趾間か。左右差があるか。なめる回数が増えたのはいつからか。この4つをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

Point趾間とは、を3つの文に畳んでおきます

趾間とは、指と指のあいだで、皮膚どうしが向かい合っている空間のことです。面ではなく合わせ目なので、閉じているあいだは風が当たらず、水が出ていきません。そして立っているあいだは見えないので、開かないかぎり、濡れていることに気づく機会がありません。この3つを覚えておけば、足を拭くという毎日の作業のなかで、手が入っている場所と入っていない場所を、自分で分けられるようになります。

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よくある質問

「趾間」の読み方と意味を教えてください
読み方は「しかん」です。指と指のあいだで、皮膚どうしが向かい合っている空間を指します。「趾」が足の指、「間」がそのあいだにあたる字で、肉球のような面ではなく、閉じた合わせ目のほうを指す言葉です。
犬の趾間は、1本の足にいくつありますか
地面につく指は1本の足に4本なので、そのあいだの合わせ目は3つです。4本の足で12か所ほどになります。前足の内側に、地面から浮いた指(狼爪)がある子もいます。猫も同じ数え方になります。
散歩から帰ったあとの足拭きで、趾間まで拭けていますか
布で肉球の面を往復させるだけでは、趾間には届いていません。指を開かないと布が合わせ目に入らないからです。濡れて帰った日は、足を下から支えて、隣り合う指を1組ずつそっと離してから、布の角を沿わせてください。
猫にも趾間はありますか
あります。猫は自分で毛づくろいをして足先も手入れしますが、なめる動作は水を足す側に働きます。室内で暮らしていて濡れる機会が少ないぶん犬より条件はゆるやかですが、風が当たらない合わせ目であることは同じです。
趾間が湿っているとき、家では何をすればいいですか
布の角を1組ずつ差し入れて、押さえるように水を移します。こすらないでください。水を取ったあと、数十秒開いたままにしておくと風が入ります。赤み・腫れ・におい・なめ続ける動きがあるときは、拭き方を変える前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。