C12Q&A・豆知識

洗濯で落ちるペットの毛の割合

公開日 2023年12月1日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋で、淡い色のリネンのソファに落ち着いて座っているクリーム色の猫
洗濯かごに入れる前の一手間が、洗ったあとに残る毛の量をいちばん大きく動かします。写真:Lara/Pexels

洗ったのに、たたむ段になって黒い服から毛が出てくる。しかも、その毛は犬や猫が乗っていない服にまで付いています。洗濯で毛がどれだけ落ちるかを割合で示した数字を見かけることがありますが、その割合は、何を分母に置いたかで入れ替わります。洗う前に付いていた毛を分母にするのか、洗ったあとに残った毛を分母にするのか、排水と一緒に出ていった分まで数えるのか。数え方が変われば、同じ洗濯でも数字は動きます。だからこの記事では、洗濯で落ちる毛の割合を数字では書きません。代わりに、洗濯機の中で毛に何が起きているかを条件として書きます。洗濯機の中では、外れた毛に行き場がありません。行き場のない毛は、ほかの衣類へ移ります。入れる前に払った場合と、払わずに入れた場合を並べて比べていきます。

「洗濯で落ちる毛の割合」は、何を分母に置いたかで入れ替わる

割合という言い方は、分母と分子の両方が決まって初めて意味を持ちます。洗濯で落ちる毛の割合という数字は、この分母の置き方が公開されていないことがほとんどです。だから同じ洗濯を見ていても、数え方を変えると数字が動きます。ここを飛ばして割合だけを覚えると、自分の家の洗濯機で起きていることに当てはまりません。

同じ1回の洗濯でも、何を数えるかで割合が入れ替わる
何を分母に置くか何が「落ちた」に数えられるか見落とされるもの
洗う前に服に付いていた毛服から離れたすべての毛離れたあと別の服に移った分
洗ったあとに服に残った毛残らなかった毛もともと付いていた量の違い
排水と一緒に出た毛水に乗って出ていった毛機内やフィルタに残った分
フィルタに集まった毛回収できた毛回収されずに残った毛
乾かしたあとに出てきた毛乾燥の工程で外れた毛洗濯の工程で外れた分との区別
1枚だけを見た数その1枚から離れた毛同時に洗ったほかの衣類の分

6行目が、この話のいちばん厄介なところです。洗濯は1枚ずつではなく、まとめて行う作業です。1枚から離れた毛は、消えるのではなく、同じ水の中にいるほかの衣類のところへ行きます。1枚だけを見て「落ちた」と数えれば、その毛は落ちたことになります。かごの中身全体で見れば、落ちてはいません。位置が変わっただけです。

Noteこの記事では、割合の数字を作りません

洗濯で毛がどれだけ落ちるかについて、確かめられる出どころのある数字を、私たちは持っていません。だから「◯%が落ちます」「◯割は残ります」という書き方をしません。洗濯機の型、水量、洗濯物の量、素材の組み合わせ、毛の長さ、その日の乾き具合。動く条件が多すぎて、1つの割合には畳めないというのが実際のところです。洗濯で毛の8割は落ちますのような書き方は、それらしく見えて、家では使えません。代わりにこの記事で書くのは、条件のほうです。条件が分かれば、自分の家の洗濯で何が起きているかを、自分で見られるようになります。

条件のほうを1文にすると、こうなります。洗濯機の中では、外れた毛に行き場がありません。水は循環しています。毛は水より軽くも重くもない状態で漂い、繊維に触れれば引っかかります。排水口から出ていく分もありますが、その前に別の衣類に触れる機会が何度もあります。洗濯は、毛を取り除く工程というより、毛を配り直す工程に近いところがあります。この見方で、以降の2つの軸を並べていきます。

軸1・入れる前に払ってから洗う|水の中に入る毛が、そもそも少ない

1つめの軸は、洗濯機に入れる前の状態です。服から外れかけている毛を、かごに入れる前に落としてしまうやり方です。やることは単純で、ベランダや玄関で服を振る、粘着ローラーを一往復させる、ブラシで表面をなでる。どれでも構いません。共通しているのは、水に入る前に毛を服の外へ出す、という点です。

この一手間が効くのは、水に入ったあとでは毛の行き先を選べなくなるからです。乾いた状態で服から落ちた毛は、床やごみ箱へ行きます。行き先が1つに決まっています。水の中で服から離れた毛は、そこから先の行き先が決まっていません。どこへ行くかは、水の流れとその日の洗濯物の中身で決まります。

5つめと6つめは、払うのとは少し違う考え方です。払うのが「毛の量を減らす」なら、こちらは「移る先を減らす」やり方になります。ペットのベッドカバー、ソファのカバー、その子が乗る毛布。この3つを、家族の服と一緒に洗わないだけで、洗ったあとに服に残る毛の量は変わります。洗濯かごを2つに分けている家では、たいていこの効果が先に出ています。

水の中で何が起きているかも、この軸で見ておきます。繊維が水を含むと、少しふくらんで、毛をつかんでいた力がゆるみます。だから水に入れれば、毛は服から離れやすくなります。ここまでは、洗濯が毛を落とす工程だという理解と合っています。問題は、離れたあとです。離れた毛は水の中を漂い、別の繊維に触れます。離れやすくなるということは、同時に、付きやすくなるということでもあります。

だから、入れる前に払っておくと二重に効きます。水の中に入る毛が減るので、離れる毛も減り、ほかの衣類に配られる毛も減ります。洗濯で落ちる毛の量を増やそうとするより、水に入れる毛を先に減らすほうが、結果として服に残る毛は少なくなります。順番の話です。

軸2・払わずにそのまま入れる|行き場のない毛が、ほかの衣類へ移る

2つめの軸は、そのまま入れた場合です。洗濯かごに入っていた服を、そのまま洗濯機に移して回す。いちばんよくあるやり方で、悪いやり方というわけでもありません。ただ、このとき洗濯機の中で起きることは、はっきりしています。服に付いていた毛が水の中に出て、行き先を探します。

毛は、水に溶けません。洗剤で分解される汚れとは、そこが違います。皮脂や食べこぼしは水と洗剤で細かくなって流れていきますが、毛は毛のまま残ります。1本の毛は、洗ったあとも1本の毛です。だから洗濯の工程で毛に起きることは、なくなることではなく、移動することだけになります。

水の中に出た毛が、どこへ行くか
行き先そこで何が起きるか気づくタイミング
ほかの衣類の表面繊維に絡んで、そのまま干されるたたむとき
起毛やニットの内側毛足のあいだに入り込んで残る着たとき、または次に洗ったとき
ポケットや縫い目袋状のところに集まる気づかないことが多い場所です
排水と一緒に外へ水に乗って出ていきます気づく機会がありません
糸くずフィルタ回収されて溜まりますフィルタを開けたとき
洗濯槽のすきま残って、次の回に出てくる次に洗ったとき

この表の1行目と2行目が、たたむときに「洗ったのに毛が付いている」と感じる正体です。その毛は、その服から落ちなかった毛ではなく、別の服から来た毛であることがあります。犬や猫が一度も乗っていない服に毛が付いているとき、たいていはこれが起きています。洗濯で落ちる毛と、洗濯で移る毛を分けて見ないと、この現象は説明がつきません。

6行目についても書いておきます。洗濯槽の中に残った毛は、次の回にも出てきます。だから毛の多い洗濯をしたあとは、そのまま次を回すより、槽の中をさっと見ておくほうが確実です。糸くずフィルタも、毛の多い時期は毎回開けてください。フィルタに集まっている量は、その回にどれだけの毛が水の中を漂っていたかの目安になります。これは家で見られる、数少ない実測値です。

そして、この軸には季節の要素が乗ります。毛が抜け替わる時期には、服に付く毛の量そのものが増えます。同じやり方で洗っていても、水に入る毛の量が増えれば、配られる先も増えます。時期が変わると洗濯の結果が変わるのは、洗い方が変わったからではなく、入口の量が変わったからです。

2つを並べて比べる|残る毛・ほかの衣類への移り・フィルタに集まる量

2つの軸を、3つの見るところで並べます。洗ったあとに残る毛、ほかの衣類への移り、そして糸くずフィルタに集まる量です。この3つは、どれも家で確かめられます。割合の数字を借りてこなくても、自分の家の洗濯機で比べられるところが大事です。

入れる前に払った場合と、払わずに入れた場合
見るところ入れる前に払った払わずに入れた
水の中に入る毛の量少ない。外れかけた分が先に落ちている多い。服に付いたまま水に入る
洗ったあとに残る毛減る。もとの量が少ないため残る。離れた毛が戻って付く
ほかの衣類への移り移る毛そのものが少ない移り先が多いほど、広く配られる
フィルタに集まる量減る増える。漂った毛の量を映します
排水と一緒に出る量少ない多い。ただし家では数えられません
乾かしたあとに出てくる毛少ない干すとき・たたむときに出てきます
次の回への持ち越し少ない槽に残って、次の洗濯に出てきます
洗濯機に入れる前に払ったかどうかで、毛の行き先が変わる 入れる前に毛を払った場合と、払わずにそのまま入れた場合を、水の中に入る毛の量と、その毛がどこへ配られるかで左右に並べた比較カードです。 洗濯機の中では、外れた毛に行き場がありません 入れる前に払った 外れた毛が服の外にある 水の中に入る毛が少ない 移る先の毛がそもそも少ない フィルタに集まる量が減る 洗ったあと残る毛が減る 払わずに入れた 外れた毛が服についたまま 水の中で毛が離れて漂う ほかの衣類に移り先ができる フィルタに集まる量が増える 洗ったあとも毛が残る 落ちるかどうかではなく、どこへ配られるかで分かれています
洗濯そのものの設定ではなく、入れる前の状態で分かれます。

この比較で決めたいのは、どちらが正しいかではありません。洗濯で落ちる毛の量を動かしたいとき、動かせるつまみがどこにあるかを決めることです。洗濯機の設定を変えても、水温を上げても、洗剤を替えても、入口の量は変わりません。動かせるのは、入れる前の状態のほうです。

自分の家の数字を出したいときは、フィルタを使ってください。やり方は、2回分だけ条件を分けるというものです。1回目は、いつもどおりそのまま洗って、終わったあとにフィルタに集まった毛を見ます。2回目は、入れる前に全部の服を振ってから洗って、同じようにフィルタを見ます。洗濯物の量と種類をそろえておけば、この2回の差が、そのまま家の答えになります。よそから借りた割合より、こちらのほうが当たります。

2回だけ条件を分けて、自分の家の差を見る
回やり方見るところ
1回目いつもどおり、そのまま洗うフィルタに集まった量/たたむとき残った毛
2回目全部の服を振ってから洗う同じ2か所を、同じ目で見る
そろえること洗濯物の量・種類・洗い方変えるのは入れる前の状態だけです
書き留めること多い・同じ・少ない の3段階で足ります数字にしなくても差は読めます

3段階で足りる、と書いたのには理由があります。毛の量を正確に測るのは家では難しく、測ろうとすると続かないからです。多いか、同じか、少ないか。この3つで2回分を比べれば、次からどちらのやり方を選ぶかは決められます。決めるために必要な精度は、そこまでで足ります。

洗濯を「毛を配る工程」として見ると、順番が変わる|時期と、体の側でできること

ここまでを1つに畳みます。洗濯は、毛を取る工程ではなく、毛を配る工程です。配る先を減らすか、配るものを先に減らすか。手が入るのはこの2か所で、どちらも洗濯機を回す前にあります。回している最中と、回したあとにできることは、ほとんど残っていません。

工程のどこに手が入るか
工程できることできないこと
洗濯かごに入れる前振る・ローラー・ブラシ・裏返すこの段階を飛ばすと後で取り返せません
洗濯機に入れるときペットの布と服を分ける・単独で洗う入れたあとに分けることはできません
回している最中特にありません水の中の毛の行き先は選べません
干すとき振ってから干す繊維に入った毛は取れません
たたむときローラーで取る移ってしまった毛を戻せません
洗ったあとフィルタと槽を見る次の回への持ち越しだけ減らせます

3行目が空欄になっているところが、この記事の要点です。回している最中にできることが無いから、その前の2行に手を入れる価値があります。洗濯で落ちる毛の割合を上げようとするのではなく、水に入れる毛を減らす。この順番に切り替えると、やることが1つに減ります。

時期の話もしておきます。毛が抜け替わる時期には、入口の量が増えます。春と秋に多いとされていますが、室内で暮らしている子では、暖房や照明の条件で1年を通してゆるやかに続くこともあります。時期を待つより、フィルタに集まる量が増えたら入口が増えた、と読むほうが確実です。フィルタは、その家の毛の量を映している唯一の計器です。

最後に、体の側でできることを書いておきます。洗濯に入る毛は、その前に服に付いた毛で、その前に床に落ちる毛で、さらにその前は、その子の体に付いていた毛です。いちばん上流は体の側にあります。ブラッシングで、外れかけている毛を先に外へ出しておくと、服に付く量そのものが減ります。ここが減れば、洗濯の話は自然に小さくなります。

その一手間の前に、もうひとつ置けるものがあります。背中の中心線から腰にかけては、その子の毛づくろいが届かない帯になります。口が回る範囲は舌で整いますが、そこから外れた面は、外れかけた毛を抱えたまま服と床へ配られていきます。洗濯で落ちる毛の話でいちばん上流にあるのが、この帯です。mofuwa スキンケアミストの中身は電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。布に取って毛の流れに沿って一往復させてから、ブラシを入れる順番にすると、毛先が落ち着いて根元まで歯が入ります。ブラシのあと、その子は自分で体をなめて毛並みを整え直します。舐めても問題のない基準でつくられているものを、ブラシの前に置く理由がここにあります。かごの手前に手を入れるのと同じ理屈が、被毛の側にもある、という順番で見てください。

Point洗濯で落ちる毛について、覚えておくのは2つだけです

1つめ。洗濯機の中では、外れた毛に行き場がありません。だから落ちた毛は、ほかの衣類へ配られます。2つめ。手が入るのは、入れる前と、入れるときの分け方だけです。この2つを持っておけば、割合の数字を覚えていなくても、自分の家の洗濯で何を変えればいいかを決められます。そして、変えた結果は糸くずフィルタで確かめられます。よそから借りた数字ではなく、自分の家の3段階で足ります。

Caution抜ける量そのものが急に変わったときは、動物病院にご相談ください

短い期間で抜け毛が急に増えた、特定の場所だけ薄くなってきた、地肌が見えている、赤みやフケが出ている、同じ場所をなめたりかいたりし続けている、被毛のつやが前と違う。こうした変化があるときは、掃除や洗濯のやり方を変える前に、動物病院にご相談ください。毛が抜けること自体はふつうに起きますが、量や場所の変わり方には、体の側の理由が混じっていることがあります。いつから、どのあたりが、どう変わったか。洗濯のフィルタに集まる量が増えた時期をメモしておくと、それも手がかりになります。

洗濯で落ちる毛の割合という数字は、覚えるものではなく、自分の家で作るものです。分母をどこに置くかで数字が動くのなら、動かない条件のほうを持っておけば足ります。外れた毛には行き場がなく、洗濯はそれを配り直す工程である。この一行だけで、入れる前の一手間をやる理由になります。たたむときに毛を取る作業を減らしたいなら、手を入れる場所は、かごの手前です。

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よくある質問

洗濯ネットに入れると、毛は落ちるようになりますか
ネットは、毛の行き先を変えるものです。中に入れた服から外れた毛はネットの内側にとどまりやすくなるので、ほかの衣類へ配られる量は減ります。ただし、その服自体に残る毛が減るわけではありません。ほかの衣類への移りを抑えたいならネット、その服から毛を減らしたいなら入れる前に払う。目的で使い分けてください。毛の多い1枚を単独で洗うのも、同じ考え方になります。
柔軟剤を使うと、洗濯で落ちる毛は増えますか
柔軟剤は、繊維の表面を滑らかにして静電気を起きにくくするものです。静電気が減れば、乾いたあとに毛が引き寄せられる量は減ります。ただし、水の中で毛がどこへ行くかを決めているのは水の流れなので、洗濯そのもので落ちる量が増えるとはかぎりません。効いてくるのは、洗濯のあとの干す・たたむ・着るという場面のほうです。入れる前に払う一手間と、役割が違います。
ペットのベッドカバーは、家族の服と一緒に洗ってはいけませんか
いけないというより、一緒に洗うと配られる先が増えます。ペットが乗る布には毛が多く付いているので、同じ水の中に服を入れれば、その毛の移り先が服になります。分けて洗うのがいちばん簡単な対処です。分けられないときは、ペットの布を先に単独で1回洗ってから服を洗う、という順番でも差が出ます。カバーの地肌に触れる面に、赤みやにおいなど気になる変化があるときは、洗い方を変える前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。