C12Q&A・豆知識
猫にアロマは危険?
ディフューザーを置いた日から、猫がその部屋で寝なくなりました。猫がいる部屋では、アロマの精油を空気に広げない。これが現実的な線です。危険という言葉で白と黒に分ける問いにすると、答えが出ないまま迷いだけが残ります。決め手になるのは、空気に広がったものを猫が自分で選べない、という一点です。食べ物や水なら、猫は口をつけないという選び方ができます。部屋の空気には、その選び方がありません。この記事では、猫とアロマをめぐる問いを、成分の強さの話から「猫が選べるかどうか」に置き換えて、8つに分けて書きます。
猫がいる部屋で、アロマを使ってもいいですか
答えは条件で割れます。精油(エッセンシャルオイル)を空気に広げる使い方は、猫がいる部屋では避けておくのが現実的な線です。猫が自分の意思でその部屋から出ていける状態なら、飼い主が使う部屋を分けるという選び方は残ります。猫が出ていけない部屋で広げる使い方だけは、避けておいてください。この線は、香りの良し悪しの話ではありません。猫の側に、選ぶ手段があるかどうかの話です。
理由は2つあります。1つは、猫が一部の成分を体の中で処理する仕組みが、人や犬と違うとされていることです。もう1つは、空気に広がったものを猫が避けられないことです。前者は体の側の条件で、家では確かめられません。後者は部屋の側の条件で、家で見て決められます。この記事が長く書くのは、家で見て決められるほうです。
そもそも「アロマ」という言葉が指す範囲がとても広い、というところから始めておきます。精油そのもの、精油を薄めたスプレー、香りつきの芳香剤、お香、香りを足した洗剤や柔軟剤。これらは中身も濃さも作り方も違いますが、日常の会話ではまとめてアロマと呼ばれます。話がかみ合わなくなるのは、たいていここです。
ディフューザー、アロマストーン、加湿器に精油を落とす使い方、スプレーを部屋にまく使い方。いずれも共通しているのは、香りの成分を空気に乗せて部屋じゅうに広げるという点です。猫にアロマは危険か、という問いが出てくるのは、ほとんどがこの使い方をしているときです。香りつきの日用品については濃さも作り方も別の話になるので、この記事では扱いません。
「危険」という言葉で答えを出さないのは、どうしてですか
危険かどうかという問いは、答えが出たように見えて、家では使えない答えになります。危険という言葉は、何かが起きたあとに付ける言葉だからです。いま目の前にある一本の精油と、いま部屋にいる猫について、その言葉が当てはまるかどうかは、家では確かめようがありません。
当てはまるかどうかを左右する条件は、少なくとも4つあります。どれも家では数字にできません。だから、危険という一語で片づけると、条件のほうが全部見えなくなります。
- 何が入っているか:植物の名前が同じでも、採れた部位や抽出の方法で中身が変わります
- どれくらいの濃さか:部屋の空気の中の濃さは、家に測る道具がありません
- どれくらいの時間か:1日に何時間、何日続いたかで話が変わります
- その子の状態:年齢、体重、持病の有無。ここは家では判断できません
だから、書ける形と書けない形をはっきり分けておきます。アロマは猫に危険ですも、この精油なら猫にも安全ですも、どちらも家では確かめられません。書けるのは、「猫がそれを避けられる状態にあるかどうか」という、その場で目で見て分かることのほうです。この記事は、危険という言葉の代わりに、この線を置いています。
香りのある製品を作っている側から見ると、香りは目的があって入っているものです。使う人が心地よく感じるため、あるいは別のにおいを覆うため。役割があって選ばれています。その役割そのものを否定する記事ではありません。ただ、猫と同じ空気を分け合う部屋では、その役割が猫の側にとって何の意味も持たない、という点だけが残ります。
猫と人や犬とで、体の中の何が違うとされているのですか
体に入った成分は、そのままの形で外に出るわけではありません。肝臓でいくつかの手順を踏んで、外に出しやすい形につなぎ替えられるとされています。猫では、そのつなぎ替えのうちのある経路が、人や犬にくらべて働きにくいとされています。香りの成分の一部が、この経路を通るものにあたります。
ここから言えるのは、同じ量が体に入ったときに、外に出るまでの時間が種によって違う可能性があるということまでです。何がどれだけ残るか、それで何が起きるかは、家の中では見えません。見えないものを見えることにしないのが、この話でいちばん大事なところです。猫にアロマの成分がどう働くかを、飼い主が判断する道具は家にありません。
犬と一緒に暮らしている家では、もう1つ気をつけたいことがあります。犬が平気そうにしているという観察は、猫についての答えにはなりません。同じ部屋、同じ空気、同じ時間でも、体の中で起きることは種で違うとされています。犬猫を同じ部屋で飼っている家では、猫のほうに合わせて決めるのが安全側の選び方になります。
経路はもう1つあります。空気に広がったものは、猫の皮膚と被毛にも付きます。猫は毛づくろいで全身をなめるので、被毛に付いたものは口に入ります。呼吸から入る経路と、毛づくろいから入る経路の2つがあって、後者は本人が香りを気にしていなくても続きます。毎日の毛づくろいという習性そのものが、経路になっているからです。
空気に広がったものを、猫はどうやって避けるのですか
ここがこの記事の核です。猫は、空気を選べません。食器に入ったものなら、においを嗅いで口をつけないという選び方ができます。床に置かれた物なら、近寄らないという選び方ができます。けれど、部屋に広がった空気だけは、そこにいるかぎり吸うことになります。呼吸を止めるという選択肢は、猫にはありません。
選べない受け取り方は、3つの経路に分かれます。どれも、猫が嫌がるそぶりを見せなくても続きます。行動に出ていないことを、平気だという証拠にしないでください。
- 呼吸から:部屋にいるかぎり、寝ているあいだも続きます
- 被毛から:空気に乗った成分は毛に付き、毛づくろいで口に入ります
- 足の裏から:床に落ちた分を踏み、そのまま前足をなめます
3つ目は見落とされやすいところです。空気に広がった粒は、時間がたてば床に落ちます。猫の生活面は人より床に近く、歩いた足の裏をこまめになめます。人が立って感じている空気と、猫が床の上で受け取っているものは、同じではありません。ここは皮膚と被毛のケアを毎日する家ほど気づきやすい差だと思います。
薄めて短時間なら大丈夫、という考え方は成り立ちますか
考え方としては筋が通っています。受け取る量は、濃さと時間の掛け算で決まるからです。ただ、この掛け算を家でやろうとすると、2つの数字のどちらも手に入りません。だから結論としては、「大丈夫かどうかを判断する材料が、家にはない」というところに落ち着きます。
| 決めたいこと | 家でできること | 家でできないこと |
|---|---|---|
| 空気の中の濃さ | 何滴入れたかを数える | 部屋の空気に何がどれだけあるかを測る |
| 猫が浴びた時間 | 運転した時間を計る | 猫がその部屋にいた時間を全部数える |
| 猫が受け取った量 | 推測する | 呼吸・被毛・足の裏の合計を出す |
| 体の中でどうなるか | 様子を見る | 外から見て判断する |
もう1つ、濃さは部屋の中で均一になりません。粒は空気に乗って広がりますが、やがて重さで下へ落ちていきます。人の鼻の高さと、猫がいる床から30センチほどの高さでは、同じ部屋でも受け取る量が違います。人が「もう香らない」と感じた時点が、猫にとっての終わりとはかぎりません。
運転を止めたあとも、香りは布に残ります。カーテン、ソファ、ラグ、猫のベッド。布は空気よりゆっくり離すので、部屋の空気が入れ替わったあとも、猫が顔をうずめる場所に残ります。換気で消えるのは空気の側だけで、物に移った分は洗うか拭くまでその場に残る、という点は覚えておいてください。
部屋を分けて使えば、猫と同居できますか
部屋を分けるという考え方は有効ですが、空気はドアで完全には区切れません。ドアの下の隙間、エアコンの循環、換気扇、人の出入り。この4つがあるかぎり、隣の部屋の空気は少しずつ移ります。完全に分けたつもりでも、家の中では薄まった形でつながっていると考えてください。
それでも、分けること自体は意味があります。受け取る量を減らせるからです。ただし、分けたときに必ず一緒に確かめてほしいことが1つあります。猫が、自分でその部屋から出ていけるかどうかです。ドアが閉まっている部屋に猫がいる状態では、猫の側に選ぶ手段がありません。逆に、人が使う部屋のドアを閉め、猫が家の他の場所を自由に使えるなら、猫は自分で距離を取れます。
| やり方 | 猫の側から見ると | 選ぶ手段 |
|---|---|---|
| 人の部屋を閉め、猫は家じゅうを使える | 近づかない選び方ができる | 残る |
| 猫を1部屋に入れ、ドアを閉める | その空気から離れられない | 残らない |
| ワンルームで、猫と同じ空間で使う | 逃げ場が家の中にない | 残らない |
| 猫が寝ている部屋で夜に使う | 眠っているあいだは動けない | 残らない |
香りは、人の体にも付いて移動します。服、髪、手。人が別の部屋で香りを浴びてから猫のところへ戻れば、猫は人の体から受け取ります。猫を抱く前に手を洗う、上着を替える。これだけで移る量はかなり変わります。部屋を分ける工夫は、人の動線まで含めて初めて成り立ちます。
猫が使う物に香りを付けない、というのも同じ考え方です。ベッド、爪とぎ、キャリー、食器を置く場所。猫が長い時間を過ごす面は、香りを足さないまま置いておく。ここを守っておくと、家全体をどうするか決めきれない日でも、猫が逃げ込める面が確保できます。
猫が自分で出ていけるか、家ではどう確かめますか
確かめ方は、目で見て終わります。4つだけ見てください。どれも道具は要りません。危険かどうかを測ろうとするより、こちらのほうが早く、しかも毎日できます。
-
ドアが開いているかを、猫の高さから見る
人が「開いている」と思っていても、猫が通れる幅が空いていないことがあります。床の高さでどれくらい空いているかを、しゃがんで見てください。猫用の出入り口があるかどうかも、ここで確かめます。
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逃げ場を2か所以上つくる
1か所だと、そこが使えない日に選び方がなくなります。別の部屋、あるいは高い場所と低い場所というふうに、性質の違う2か所を用意します。どちらにも水と、寝られる面があるほうがいいです。
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使った日に、猫がどこにいたかを見る
置いた日、運転した日に、猫がふだんいる場所から動いたかどうかを見ます。移動していたら、それは猫が選んだ結果です。移動できる状態にあったこと自体が、まず確かめたい点になります。
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近寄らなくなった場所を書き留める
以前は寝ていたのに使わなくなった場所があれば、日付と一緒にメモします。猫の毎日のケアは、変化に気づけるかどうかで決まります。においを足した日と重なっていれば、そこが手がかりになります。
1つだけ注意があります。猫が離れないからといって、平気だとは決められません。逃げ場がない家では、離れたくても離れられません。じっとしている、いつもの場所から動かない、というのは、選べる状態にあることの証拠にはなりません。見ているのは猫の気持ちではなく、猫の側に選択肢があったかどうかです。
猫の様子で気になることが出たときは、行動の記録がそのまま相談の材料になります。いつから、どの部屋で、何を使っていたか。この3つを書いておくと、あとで動物病院で話すときに順番に説明できます。何も起きなければ使わない紙で終わりますし、書く手間は1日10秒です。
香りを足さない側で組み立てる
ここまでを畳みます。猫とアロマの話は、3つの問いに置き換えられます。
| 問い | 家で見るところ | 答えがノーのとき |
|---|---|---|
| 猫は、その空気から離れられるか | ドアと逃げ場の数 | 使う場所と時間を変える |
| 猫が長くいる面に、香りが移っていないか | ベッド・爪とぎ・キャリー | 洗うか、置き場所を移す |
| 人の体から猫へ移っていないか | 服・髪・手 | 触る前に着替えて手を洗う |
この3つに全部イエスと答えられるなら、危険かどうかを判断しなくても、その日の使い方は決められます。判断できないことを判断しようとせず、判断できることだけで決める。猫と暮らす家では、この組み立て方がいちばん長く続きます。
そのうえで、猫の体そのものの手入れは、香りの話とは別に毎日あります。猫は自分で全身をなめて整えますが、後頭部と肩の上、あごの下だけは舌が届きません。ここは、人の手が代わりに入る場所です。mofuwa スキンケアミストは、中身が電解水だけでできています。香りも油分も足していないので、拭いたあとに猫がその場所をなめても、なめ取られるのは水です。猫に噴きつけず、布に取ってから当ててください。音で驚かせずに済みます。拭く場所を後頭部・肩の上・あごの下の3か所に決めておくと、猫が自分でやれる範囲と、人が代わる範囲が、家の中ではっきり分かれます。
よだれが増えた、口をくちゃくちゃさせる、ふらつく、呼吸が速い・浅い、食べない、急に隠れて出てこない、皮膚を気にしてなめ続ける。こうした様子があるときは、部屋の使い方を変える前に動物病院にご相談ください。精油をこぼした、猫がなめた可能性がある、という場合も同じです。使っていた製品の容器と、成分の表示が読める部分を持っていくと、その場で確認してもらえます。いつから、どの部屋で、何を使っていたかを一緒に伝えてください。
猫がいる部屋では、精油を空気に広げない。これが現実的な線です。危険かどうかは家では確かめられませんが、猫がその空気から自分で離れられるかどうかは、しゃがんで見れば分かります。選べないものを持ち込まない、という決め方にしておくと、成分の名前を1つずつ調べなくても毎日が回ります。猫のケアは無香料の側で組めるので、香りは人の側だけで楽しむ、という分け方が長く続きます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
