C09シーン別・暮らし

賃貸で暮らすを楽にする、敏感肌の子と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2023年12月16日|文=mofuwa編集部

明るい木の床に敷いたやわらかいマットの上で、クリーム色の毛の猫がくつろいでいる
床そのものは選べません。選べるのは、その上に何を敷くかのほうです。写真:Iza Ponchie/Pexels

入居の内見で見ていたのは間取りと日当たりで、床が何でできているかは、そのとき一度も確かめませんでした。住みはじめて半年たって、その子が一日の大半を体の側面ごとその床につけて寝ていることに気づきます。合板のフローリングに薄いワックス、壁はビニールクロス。賃貸で暮らしていると、ペットのにおいがどこに残るかを決めている面を、こちらが選べません。敏感肌の子と暮らす人にとって、この「選べない」は、においの話であると同時に、肌が毎日触れている面の話でもあります。手数を増やせないなら、動かせるのはどこか。この記事は、賃貸で選べない面と選べる面を分けたうえで、選べるほうだけで組み直した3か月を書きます。

入居のときにもう決まっていた床と壁|賃貸でペットのにおいが気になる背景

犬でも猫でも、一日のうち横になっている時間は、思っているよりずっと長くなります。体の側面が床や布に触れている時間を足していくと、一日の半分を超えます。その面は、賃貸では入居の日にもう決まっています。合板のフローリングなのか、クッションフロアなのか、和室なのか。選んだ覚えがないまま、その子が毎日いちばん長く触れる面になっています。

敏感肌の子と暮らしていると、この事実の重さが少し変わります。体に何を使うかは選べるのに、その子の肌がいちばん長く触れているものだけは選べていない。賃貸でペットのにおいが気になりはじめたとき、多くの場合、においは空気中を漂っているのではなく、この触れている面の側に置かれています。人の鼻がそれを拾うのは、玄関を開けた最初の数秒だけです。

6つとも、賃貸では動かせません。動かせないものを並べたのは、あきらめる話をするためではなく、手を入れる場所をここから外すためです。床をなんとかしようとして拭く回数を増やすと、増えるのは作業だけで、その子の肌が触れている面は同じままです。敏感肌の子と暮らす家では、この空回りが特に高くつきます。触る回数も、部屋を薄めるための手数も、増やせる余地がもともと少ないからです。

Noteにおいが強くなったのではなく、置かれる場所が動いていません

賃貸の部屋でペットのにおいが気になりはじめるのは、たいてい住みはじめて数か月後です。その子の体から出る量が増えたのではなく、同じ面に同じものが置かれ続ける日数が積み上がっただけのことがあります。同じ部屋にいる人は少しずつの変化に気づけないので、久しぶりに来た人の反応で初めて分かる、ということも起こります。まず疑うのは体ではなく、面の側です。

肌が触れる面を選べないなら、敷いたもののほうを選ぶ|賃貸とペットのにおいの考え方

ここからが、この記事でいちばん言いたいところです。賃貸で手を入れられる場所を、選べる面と選べない面の2つに分けてください。そして選べない面のことは、いったん考えるのをやめます。残ったのが、その日から動かせるものです。

賃貸で、選べない面と選べる面を分ける
選べない面選べる面
床フローリングの素材とワックスその上に敷くラグ・マット
寝る場所部屋の広さと窓の位置寝床の中身とカバー、その下の1枚
食べる場所台所の床材食器の下に敷くもの
通り道廊下の幅と向き通り道に置く細長い布
玄関たたきの素材上がり口に置くマット
洗う洗濯機の置き場所洗う間隔と、乾かす場所
空気窓と換気扇の位置どの窓をいつ開けるか

右の列だけを見てください。賃貸でも、その子の肌が触れる面のほとんどは、実は敷いたものの側で決まっています。床そのものに体がじかに触れているのは、その子が敷きものの外に出ているあいだだけです。だから、床材を気にする時間を、敷きものを選び直す時間に振り替えられます。ペットのにおいが部屋に残るという悩みも、同じ場所で扱えます。においが残っているのは床材ではなく、その上に置いた布のほうだからです。

敏感肌の子と暮らす人にとって、この分け方には別の意味もあります。体に何かを足す方向へ行かなくて済むことです。手数を増やせない子では、触る回数そのものが条件になります。面のほうを替えるやり方なら、その子に触らずに条件が動きます。替えるのは布で、洗うのは洗濯機です。その子の側は何も増えません。

賃貸で選べない面と、選べる面 床材や壁材、窓の位置は入居のときに決まっています。動かせるのは、その上に敷くものと、洗う間隔と、乾かす場所です。 同じ部屋の中で、動かせるものと動かせないものが混ざっています 選べない面 床材・ワックス 壁のクロス 窓と換気扇の位置 日の当たる時間 選べる面 床に敷くもの 寝床の中身とカバー 洗う間隔 乾かす場所 敏感肌の子では、その子に触らずに条件を動かせるほうを選びます
手を入れる場所を、右の列だけに絞ります。

では、選べる側をどう選ぶか。値段でも見た目でもなく、次の4つで見てください。どれも、賃貸の部屋の条件と、敏感肌の子の条件を同時に測る物差しです。

  1. 洗えるか。家の洗濯機に入るか

    洗える素材でも、家の洗濯機に入らなければ洗う間隔は延びます。賃貸は洗濯機の容量が決まっているので、大きな1枚より、小さい2枚のほうが回ることがあります。畳んで入れてみて、ふたが閉まるかどうかで判断してください。ここで落ちる敷きものは、見た目がどれだけ良くても候補から外します。

  2. 乾くまでに何時間かかるか

    洗えることと、翌日までに戻せることは別です。賃貸では干せる場所が限られるので、乾くまでの時間が、そのまま「その面がない時間」になります。厚みのあるラグは2日、薄手の敷き布なら半日。乾かないあいだ、その子は床にじかに触れます。替えの1枚を先に用意しておくと、この空白が消えます。

  3. 毛足が長いか、短いか

    毛足の長いものは、抜けた毛が繊維の奥へ入って出てきません。においも同じ場所に残ります。賃貸でペットのにおいが気になるなら、毛足の短いものか、平らに織られたものを選んでください。掃除機を一往復かけたときに、表面が見えるかどうかが目安になります。敏感肌の子では、毛足が肌に当たる感触も条件のひとつです。

  4. 1枚の面積を、どこまで小さくできるか

    部屋全体に大きい1枚を敷くより、その子が実際にいる場所に小さい数枚を置くほうが、洗う回数を上げられます。面積を小さくすると、1枚あたりの洗う間隔を短くできます。寝床の下、食器の下、通り道、窓ぎわ。この4か所だけで、その子が触れている面の大半が入ります。使っていない場所には敷かなくて構いません。

4つ並べましたが、優先順位ははっきりしています。乾くまでの時間がいちばん上です。賃貸では干す場所が増やせないので、ここが詰まると全部が止まります。次が面積、次が毛足、洗えるかどうかは最低条件として最初にふるいをかけます。この順番で選ぶと、ペットのにおいの話と敏感肌の子の話が、同じ1枚の上で一致します。

1か月に1枚ずつ入れ替えた3か月|賃貸で、ペットのにおいの出方に起きた変化

全部をいっぺんに替えないでください。理由が2つあります。ひとつは、敏感肌の子は生活の面が一度に変わると、どれが合っていてどれが合っていないのか分からなくなること。もうひとつは、賃貸の物置と洗濯機の容量では、同時に何枚も回せないことです。1か月に1枚。3か月で3枚。これで足ります。

3か月で入れ替えた順番と、そのときに見ていたもの
時期替えた場所見ていたこと
1か月目寝床のカバーと、その下の1枚帰宅した最初の3秒のにおいの強さ
2か月目通り道に置く細長い布掃除機をかけたあと、毛が残るかどうか
3か月目食器の下と、窓ぎわの1枚乾ききらない日が週に何日あったか
3か月を通して洗う間隔(10日→7日)肌が赤くなる場所が動いたかどうか

変化がいちばんはっきり出たのは1か月目でした。寝床の下に1枚はさんだだけで、部屋に入った最初の3秒の印象が変わります。その子が体重をかけている場所は、床と布のあいだに空気が通りません。ここに洗える1枚が入ると、洗濯機で外へ出せるようになります。それまで床の側に留まっていたぶんが、週に一度、部屋の外へ運び出されるようになったということです。

2か月目は、通り道です。犬なら玄関から寝床まで、猫なら窓ぎわから食器までの線。その子が毎日必ず歩く線の上には、立ち止まる場所と同じくらいのものが落ちています。ここに細長い布を置くと、掃除機をかける対象が床から布に変わります。賃貸の床の継ぎ目に入り込むぶんが、先に布で受け止められる形です。敏感肌の子では、足の裏が触れる面が布に変わることのほうが大きいかもしれません。

3か月目に食器の下と窓ぎわを替えたのは、この2か所が最後まで残ったからです。食器の下は水と食べこぼしで湿り、窓ぎわは日が当たって温まります。湿りと温度がそろう場所は、においが変わるのがいちばん早い場所です。ここだけは、洗う間隔を他より短くしています。小さい布を2枚用意して、交代で回すと止まりません。

Point記録は、帰宅した最初の3秒だけでいい

毎日ノートを書く必要はありません。玄関を開けて最初の3秒で感じたにおいの強さを、1から5の数字で書くだけです。同じ部屋に住んでいると変化に気づけませんが、外から帰った瞬間だけは、その日の濃さを一度だけ受け取れます。賃貸でペットのにおいを扱うとき、この数字が、替えた1枚が働いているかどうかを判断する唯一の材料になります。3か月ぶん並べると、季節と洗う間隔のどちらが効いていたのかも見えてきます。

雨が3日続いた週は、替えの1枚も乾きません。賃貸では干す場所を増やせないので、この空白はどうしても出ます。敷きものは洗濯機で外へ出せますが、その子の体だけは入れ替えられない1枚です。選べる面をどれだけ組み直しても、肌そのものは最後まで残ります。ここだけは、人が直接手を入れる場所です。mofuwa スキンケアミストは、水を電気分解した電解水だけでできています。足されているものが無いという一点で選べるので、敏感肌の子が同じ場所を舐めても、口に入るのは水です。拭くのは、替えの1枚が戻るまでのあいだ、床にじかに触れていた側の面だけ。体の側面のうち、下になっていたほうを布に取って拭きます。帰宅3秒の数字と同じノートに、拭いた日だけ丸をつけておくと、部屋の面の話と体の話が混ざりません。

選べる面だけで組み直したあとに残ったもの|賃貸で敏感肌の子と暮らした経験

3か月やってみて、はっきりしたことが2つあります。ひとつは、賃貸でも動かせる面がかなりあったということ。もうひとつは、面を全部替えても変わらないものが残る、ということです。この2つめのほうが、敏感肌の子と暮らす人には大事だと思います。

敷きものを替えると、部屋の側の条件は動きます。においの数字も下がります。けれど、その子の肌の側で起きていることは、それとは別に進んでいることがあります。面を替えたのに同じ場所が赤いままなら、それは面の話ではありません。ここを混ぜないでください。賃貸の環境を整える話と、その子の皮膚の話は、途中まで同じ道を歩いていて、ある地点で分かれます。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

皮膚が赤い、じくじくしている、においの質が以前と違う、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、敷きものを替える前に、動物病院にご相談ください。敏感肌の子では、家の側の条件を動かして様子を見る期間が長くなりがちです。2週間やって変わらないものは、そのまま持っていってください。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行くときは、替えた月・替えた場所・洗う間隔・帰宅3秒の数字の4つを持っていってください。賃貸の部屋の条件は、口で説明すると伝わりにくいものです。「フローリングで、寝床の下に洗える1枚を敷いていて、週に1回洗っています」と言えれば、家でできることをどこまでやったかが一度で伝わります。ここまで動かして変わらなかった、という事実そのものが材料になります。

最後に、この3か月でいちばん変わったのは、部屋そのものではなく、こちらの見る場所でした。床のにおいが気になるたびに床を拭いていたころは、拭いても翌日には戻っていました。賃貸の床材は選べないので、そこに手を入れ続けるかぎり、同じ日が繰り返されます。敷いたものを見るように変えてから、洗濯機を回すという一手で終わるようになりました。作業の回数はむしろ減っています。

賃貸でペットと暮らしていると、選べないもののほうが先に目に入ります。床も壁も窓の位置も、こちらが決めたものではありません。それでも、その子の肌が実際に触れている面は、そのほとんどが後から置いたものでできています。選べない面のことを考える時間を、選べる4か所の布に振り替える。敏感肌の子と賃貸で暮らすうえで、いちばん手数が増えないやり方は、たぶんこれです。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。