C02技術・エビデンス
ダブルコートとシングルコートで洗い方が変わる理由
ダブルコートの背中に泡を置いてから、指先が地肌に届くまでに1分近くかかったことがあります。シングルコートの子では、同じ量の湯を同じ場所へ流して押すと、数秒で指が皮膚に当たります。この差をつくっているのは毛の量ではありません。下毛の層が空気を抱えていて、その空気が抜けるまで水が入っていかないからです。洗濯桶に沈めたセーターが、しばらく浮いたままでいるのと同じ状態です。ダブルコートの洗い方が変わる理由はここにあって、変えるところは泡の量より、水を入れてから泡を置くまでの間になります。この記事は、その時間差だけを7つの問いに分けて開いていきます。
ダブルコートの洗い方は、なぜシングルコートと変わるのですか
水と洗浄成分が地肌に届くまでの時間が違うからです。ダブルコートは上毛と下毛の二層でできています。外側の上毛は太くて硬く、その内側に細い下毛が密に生えています。湯をかけたとき、最初に濡れるのは上毛の表面です。下毛の層へ水が入っていくのは、そこに残っている空気が押し出されてからになります。
シングルコートは層が1枚なので、湯をかけた場所から地肌までの距離が短く、抱えている空気も少ないです。同じ湯の量で、届くまでの時間だけが変わります。ダブルコートの洗い方で変えるのは、洗浄成分の強さや泡の量ではなく、この時間差をどう扱うかです。届く前に泡を置けば、泡は表面にとどまります。届いたあとに置けば、同じ泡が下毛の中で仕事をします。
洗濯の場面に置き換えると分かりやすくなります。セーターを桶に沈めても、しばらく浮いたままでいます。繊維のあいだの空気が抜けるまで沈まないので、手で押して空気を出します。ダブルコートの被毛で最初にやることは、この「押して空気を出す」に当たる動作です。順番を1つ入れ替えるだけの話で、道具を足す話ではありません。
下毛が空気を抱えているとは、どういう状態のことですか
毛と毛のあいだのすきまが細かく、そこに空気が残っている状態です。下毛は1本が細く、数が多く、寝た向きに重なっています。すきまが細いほど、水は入りにくくなります。水には表面でまとまろうとする性質があるので、細いすきまの入口でいったん止まります。止まっているあいだ、その内側は空気のままです。
- 上毛:太く硬く、外側を向いて生えています。湯が最初に当たる面です
- 下毛:細く密で、寝て重なっています。すきまが細く、空気が残ります
- 地肌:その下にあります。洗浄成分が届くのはいちばん最後です
- 空気の層:下毛のすきまにあります。押し出されるまで水の通り道を塞ぎます
- 季節:下毛の量は換毛の時期で増減します。時間差の長さもそれで変わります
この空気の層は、その子にとっては要るものです。外の冷たい空気と皮膚のあいだに空気をはさむことで、体温が逃げにくくなります。洗うときに邪魔になるものが、暮らしの側では役に立っているという関係です。だから洗い方のほうを合わせます。空気を減らそうとするのではなく、洗うあいだだけ水で置き換える、という考え方になります。
泡がよく立っているのに、地肌が濡れていないことはありますか
あります。ダブルコートの被毛ではむしろ普通に起きます。泡は水と洗浄成分と空気でできています。上毛の表面で立った泡は、その下にある空気の層の上に乗っているだけで、下毛のすきまへは入っていきません。手のひらに返ってくる泡の高さは、どこまで届いたかを教えてくれません。
| 手に見えているもの | 地肌の状態 | その時点で洗えているもの |
|---|---|---|
| 泡がすぐ高く立った | まだ乾いているか、湯が触れた程度 | 上毛の表面についたもの |
| 泡が立たず水が流れる | 水が下毛のすきまへ入りはじめている | 上毛と、下毛の外側 |
| 押すと指に湯が返ってくる | 根元まで湯が回っている | ここから下毛と地肌が洗える |
| すすいでも指がぬるつく | 泡が下毛の中に残っている | 落としたものが戻る余地が残る |
表の2行目は、多くの人が「泡立ちが悪い」と受け取る場面です。泡が立たない時間は、水が入っている時間でもあります。この時間を飛ばして泡を足すと、泡の量は増えますが、届く順番は変わりません。家で確かめるのは泡の高さではなく、毛をかき分けて指を入れたときに、根元が温かい湯で濡れているかどうかの1点です。
シングルコートの被毛では、水はどう入っていくのですか
抱えている空気が少ないので、湯をかけた数秒後には地肌まで届きます。層が1枚で、毛のあいだの空間も下毛ほど細かくありません。待つ工程がほとんど要らないぶん、洗い方の注意点は逆の側に移ります。洗浄成分が地肌に触れている時間が、最初から長くなるということです。
同じ製品を同じ量だけ使っても、届くのが早い被毛では、地肌に当たっている時間が長くなります。ダブルコートで気をつけるのは「届かないこと」で、シングルコートで気をつけるのは「早く届きすぎること」です。時間差という1つの物差しで、注意する向きが左右に分かれます。同じ1本のシャンプーでも、手の止め方が変わるのはここです。
犬と猫で言えば、猫の多くは下毛を持っていますが、短毛で下毛が薄い子もいます。犬でも犬種によって下毛の量は大きく違います。犬種名で分けるより、毛をかき分けて根元を見て、細い毛の層があるかどうかで見たほうが早いです。混ざった血の子でも、その場で判断できます。洗い方を決めるのは名前ではなく、指が根元に届くまでの秒数です。
洗い方のどこを変えるのか、手順として知りたいです
変えるのは、泡を置くタイミングです。先に水を入れて空気を押し出し、根元まで湯が回ってから泡を置きます。順番を入れ替えるだけで、道具も製品も増えません。ダブルコートの洗い方としては、次の4つの並びになります。
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泡の前に、湯を根元まで入れる
上毛の表面に流すのではなく、毛をかき分けて湯の出口を根元の側へ向けます。ここで空気が押し出されます。
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毛の流れに沿って押す
こするのではなく、手のひらで押して空気を出します。洗濯桶でセーターを沈めるときと同じ動きです。
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根元が濡れてから泡を置く
指を入れて湯が返ってきたら、そこで泡を置きます。届いてから置いた泡は、下毛の中で広がります。
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すすぎは、入れた順の逆をたどる
表面から流すだけでは下毛に残ります。根元へ湯を入れて、押して出す。入れたときと同じ動きを逆から行います。
この4つのうち、時間が要るのは1つめだけです。あとの3つは、いつもやっていることの順番が入れ替わるだけで終わります。ダブルコートの洗い方で増える時間は、水を入れる最初の数十秒に集まっています。その数十秒を惜しんで泡を先に置くと、あとの工程すべてが上毛の表面で行われることになります。
泡を多くすれば解決しますか|ダブルコートの洗い方でいちばん多い疑問
泡の量を増やすいちばん簡単な方法は、洗浄成分を増やすことです。ただ、増やした洗浄成分は、届いたときに地肌へ当たる量も一緒に増えます。時間差のある被毛では、届くまでのあいだ濃い泡が表面に乗り続け、届いたあとにそれが下毛の中へ入ります。泡の高さで安心を買うと、落としすぎの側に寄っていきます。
mofuwa モイストシャンプーは、ここを逆から組んでいます。アミノ酸系の洗浄成分を使い、その量も少なくして、11成分無添加にしています。減らしたぶんを埋めているのは、原料の水です。精製水で薄めていない電解水を原料の水に使っていて、この水は三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくられています。水そのものに汚れを動かす働きがあることは、東洋ビューティーとウェーブコーポレーションの試験条件のもとで検証されています(※自社調べ)。洗浄成分の量ではなく、水の側で泡立ちを補う設計です。
当社の電解水について公開されている数字は、検査機関と試験条件を添えた洗浄力の検証や、生菌の試験のものです。下毛のすきまへ水が浸透するまでの秒数を測ったデータではありません。届くまでの時間差は、その子の被毛の密度と手の動かし方で決まるもので、製品の側で短くなるものとして読まないでください。ここを分けておくと、家でどこを変えればよいかがはっきりします。
洗浄成分が少ないと、洗い上がりがごわつきにくくなります。ごわつきは、汚れだけでなく必要なものまで落ちたときに出るからです。戻すための工程が要らなくなると、その子が浴室にいる時間が1つ短くなります。短くなっているのは飼い主の手間よりも、その子が浴室で耐えている時間のほうです。
すすぎは、どこまでできたら大丈夫と言えるのですか
入れるときにあった時間差は、出すときにも同じだけあります。下毛のすきまへ入った泡は、表面へ湯を流すだけでは出てきません。すすぎの終わりを見るのは、流した湯の透明さではなく、根元を押したときに指へ何が返ってくるかです。泡が返ってこず、ぬるつきも残っていなければ、そこで終わりにできます。
- 根元を押す:指に泡が戻ってこないかを見ます。ダブルコートでは背中の中央と腰に残りやすいです
- ぬるつきを見る:指の腹をすべらせて、抵抗なく通るかを確かめます
- 脇と内股:毛が合わさっている場所は、湯が通り抜けにくく最後まで残ります
- 湯の温度:ぬるい湯は下毛の中で止まりやすく、押し出す動きが要ります
mofuwa モイストシャンプーのように洗浄成分の量を抑えた1本では、すすぎに要る湯と時間も短くなります。落とすものが少ないぶん、出すものも少ないという関係です。洗う日の全体の長さを決めているのは、洗っている時間ではなく、入れる時間とすすぎの時間の合計です。ダブルコートの洗い方では、この2つがどちらも長くなります。だから合計を短くできる場所を先に探します。
ダブルコートの洗い方を、時間差から通しで組み直す
ここまでの答えは、1つの事実から出ています。下毛は空気を抱えていて、水と洗浄成分が地肌へ届くのは最後になる、という事実です。泡の高さが合図にならないのも、泡を置くタイミングを変えるのも、すすぎの終わりを指で見るのも、すべてこの時間差から出てきます。
| 場面 | ダブルコート | シングルコート |
|---|---|---|
| 湯が地肌に届くまで | 空気が抜けるまで待つ | 数秒で届く |
| 泡を置くタイミング | 根元が濡れてから | 流したあとすぐ |
| 気をつける向き | 届かないこと | 早く届きすぎること |
| すすぎの終わり | 根元を押して確かめる | 表面のぬるつきで分かる |
| 季節で変わるもの | 下毛の量とともに時間差が動く | ほとんど変わらない |
表の右と左で、やっていることの中身は同じです。変わっているのは、どこに時間を置くかだけです。ダブルコートの洗い方は、工程を足す話ではなく、時間の置き場所を変える話です。
次に洗う日は、泡を手に取る前に、毛をかき分けて指を根元に当ててみてください。そこが温かい湯で濡れているかどうかが、その日の洗い方を決める最初の1点です。濡れていれば泡を置き、乾いていればもう少し湯を入れる。判断はこれだけで足ります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
