C08季節・行事
おせちのにおいは、床から上がってきます
重箱を卓上に出しておいた時間は、元日だけで六時間半ありました。おせちは一度ふたを開けると、朝の分、昼の分、来客が来たときの分と、出したまま置いておく時間が普段の食事よりずっと長くなります。煮しめの汁や照りの油は湯気になって上がり、冷えたところで下りてきます。行き先は床です。だから三が日の家でにおいが残るのは、台所の上ではなく、いちばん低いところからでした。そして、その低いところに体をつけて寝ているのは、その子のほうです。
重箱が出ている時間と、床に触れている六か所|おせちのにおいが床から上がる条件
普段の食事で、料理が卓上に出ている時間は一食あたり30分ほど、一日で一時間半です。三が日はここが変わります。おせちはふたを開けたまま置き、人が来るたびに箸をつけ、夕方までそのままということが起こります。元日の六時間半という数字は、普段の四倍を超えています。においの話を「正月はにおう」で終わらせないために、この記事ではこの時間と、床に触れている六か所を最後まで数えます。
| その日 | 卓上に出ている時間 | 床に落ちるもの | 換気の回数 |
|---|---|---|---|
| 普段の平日 | 一時間半 | 食べこぼしが数粒 | 調理中に一度 |
| 元日 | 六時間半 | 煮しめの汁と照りの油 | ゼロ |
| 二日 | 四時間 | 前日の油の上に新しい粒 | 玄関の開け閉めだけ |
| 三日 | 三時間 | 乾きかけた油と皮脂が混ざる | 一度だけ短く |
| 松の内の後半 | 一時間半に戻る | 拭き残しだけが残る | 普段どおり |
六か所というのは、前足の裏が二つ、後ろ足の裏が二つ、腹、あごです。座っているときに床へ接しているのは足だけですが、寝ているあいだは腹とあごが床に置かれたままになります。三が日に人が集まって居間がにぎやかだと、その子は人のいない床の端に移って、そこで長く寝ます。台所に近い床の端ほど、油の粒が届いている場所です。
冬の床は、この条件をさらに動かします。床暖房やホットカーペットが入っていると、落ちた油は固まらずに薄くのびます。固まった油は掃除機で吸えますが、のびた油は拭くしかありません。そのうえ正月は窓を開ける回数がほぼゼロになります。換気が止まった部屋では、上がったにおいが天井で冷えて、また下りてきます。おせちのにおいが何日も同じ濃さで続くのは、この上下の往復が閉じているからです。
三が日と、松の内が明けたあと|おせちの床のにおいが質を変える時期
同じ床のにおいでも、三が日と、松の内が明けたあとでは、もとになっているものが違います。前半は油と汁そのもののにおいで、甘辛く、料理の記憶とつながる種類です。後半は、拭き残した油とたんぱく質が時間をかけて変わったにおいで、こちらは料理を思い出させません。同じ場所を拭いているのに、途中からにおいの質が変わったと感じるのは、そのためです。
この時期の切り替わりは、拭き取りのやり方にそのまま効きます。前半の油は、乾いた布で広げると面積が増えます。後半になると、油そのものより、その上に乗った汚れのほうが残ります。三が日のあいだは水気のある布で面を拭き取り、松の内の後半は、線になって残った場所だけを狙う。同じ道具で同じように拭いていると、後半に効かなくなります。
床に置いてある食器と水皿も、この時期に見ておく場所です。器の縁は床から数センチの高さで、落ちてくる油がいちばん乗りやすい高さにあります。その子は一日に何度もそこへ口をつけます。床を拭いた日に器の縁も拭いておかないと、六か所のうちで最も口に近い場所だけが取り残されます。寝床の布も同じで、腹とあごが接していた面には、床から移ったものがそのまま溜まっています。
床の側から拭くか、接地面の側から拭くか|おせちのにおいの出どころの比較
同じにおいを、床の側から取るか、その子の体の接地面から取るかという比較になります。どちらも同じ油を追いかけていますが、面積も、回数も、拭いたあとに戻ってくるまでの時間も違います。片方だけをやっている家がいちばん多く、その場合は、たいてい床の側だけが残ります。
| 見るところ | 床の側 | 体の接地面の側 |
|---|---|---|
| 面積 | 居間と台所で十数平方メートル | 六か所ぶんの手のひら大 |
| 一回にかかる時間 | 十分から十五分 | 三分 |
| 一日にやる回数 | 重箱を下げたあとに一回 | 帰宅時と寝る前の二回 |
| 拭いたあとの戻り | 人が歩くと数時間で戻る | 床がそのままなら数分で戻る |
| においの出どころ | 落ちた油と汁そのもの | 油と皮脂が混ざったもの |
| 残る場所 | 足跡の形の線 | 指のあいだとあごの下 |
| やらなかったときの行き先 | 寝床の布へ移る | 口の中へ入る |
表のいちばん下が、この比較の分かれ目です。床を拭かないと、においは寝床の布へ移って、そこに溜まります。接地面を拭かないと、そのままその子の口の中に入ります。前足の指のあいだとあごの下は、毛づくろいでいちばん時間をかける場所だからです。同じ「におい対策」という言葉でひとまとめにできる話ではありません。
面積の差も見ておいてください。床は十数平方メートルありますが、実際に体が触れているのは六か所ぶんです。おせちのにおいをその子の体から遠ざけたいだけなら、面積の小さいほうを毎日やるほうが、手間あたりの効きが大きくなります。床の全面を毎日拭ける家は、三が日には多くありません。
先にどっちを拭くか|おせちのにおいが床から戻ってこない順番
順番は、床が先、体の接地面があとです。逆にすると、拭いたばかりの前足を、油ののびた床にまた置くことになります。実際にやってみると、体を先にふいた日は、三十分もしないうちに指のあいだから同じにおいが戻ってきました。床を先に拭いた日は、翌朝まで戻りませんでした。六か所という数は変わらないのに、順番だけで持ち時間が変わります。
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重箱を下げたらすぐ床を拭く
落ちた直後の油はまだ広がっていません。面で拭き取れる時間は短いです
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床に置いた食器と水皿の縁
床から数センチの高さで、口がいちばん近づく場所です
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前足と後ろ足の指のあいだ
四か所。指を一本ずつ開いて、あいだに入ったものを取ります
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腹とあごの下
寝ているあいだ床に置かれたままの二か所。毛を分けて地肌まで
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寝床の布を一枚はがす
六か所から移ったものが集まる場所。三が日は毎日替えます
この六か所を毎日ふくとなると、使うものが問題になります。五か所までは、その子が自分の舌で届きます。指のあいだも、腹も、あごの下も、拭いた直後に必ず舐めにいきます。拭いたものがそこに残るなら、それはそのまま口へ入るということです。三が日は人の食べ物の油が体に乗る時期でもあるので、この線はいつもより手前に引いておきたくなります。
mofuwaスキンケアミストは、高機能性電解酸化水100%でつくられていて、香りも油分も足していません。清涼飲料水の規格基準をクリアした水そのものなので、舐めにいく場所と、そうでない場所で、使うものを分けなくて済みます。指のあいだからあごの下、口のまわりまで、六か所を一本で通せます。おせちのにおいを、別のにおいで覆い隠すのではなく、乗ったものを水でゆるめて布に移す、という手順になります。
スキンケアミストをこの場面で使う理由は、においそのものより、においの乗った先が舐める場所だからです。床から上がってきたものは、油と、その子自身の皮脂が混ざった形で接地面に残ります。乾いた布だけでこするより、水でゆるめてから布を当てるほうが、毛の根元に押し込まずに取れます。あご下は猫でも犬でも毛が短く、地肌が近いので、こする回数を減らせるかどうかがそのまま楽さに直結します。
床を先に拭き、寝床の布を替えても、指のあいだ一か所だけがにおう。そこだけ毛が湿ったままになっている、赤黒く色が変わってきた、その一か所を一日じゅう舐めている、においの質が甘辛いものから明らかに別のものへ変わった。こうなると、床から上がってきたおせちの油では説明がつきません。重箱を出した日から何日目か、六か所のうちどこか、拭いた回数はいくつか。この三つを書き出して、年始に開いた動物病院で診察の枠を取ってください。においの出どころを一か所に絞れている状態は、話をそこから先へ進めやすくします。
重箱をしまった日に、寝床の布はどうなっているか
松の内が明けて重箱をしまうころ、においがいちばん残っているのは床ではなく、寝床の布です。六か所から移ったものが、毎日少しずつ同じ面に積み上がっているからです。床は人が歩くたびに拭かれますが、寝床の布は洗う日が決まっていないぶん、正月のあいだ一度も替わっていないことがあります。
- 重箱が卓上に出ていた時間の合計(今年は三が日で十三時間半)
- 床を拭いた回数と、拭いた場所(台所の端から居間まで)
- 六か所のうち、最後まで戻ってきた場所
- 寝床の布を替えた日と、替えたあとのにおいの変化
この四行が残っていれば、来年の年末に、重箱を出す前に何をしておくかが決まります。床の全面を毎日拭ける家はほとんどありませんが、六か所と寝床の布なら、三が日でも回せます。おせちは毎年同じ時期に、同じ場所へ油を落とします。変えられるのは料理の側ではなく、落ちたあとの十五分の使い方のほうです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 床を拭くときに、洗剤を使ったほうがにおいは早く取れますか。
- 油が落ちた直後なら、水気のある布だけで面が取れます。時間がたって皮脂と混ざったあとは、台所用の中性洗剤をごく薄くといたもので拭き、そのあと水拭きで残りを回収する二段が要ります。気をつけるのは、その子が同じ床に腹とあごをつけて寝るということです。洗剤の成分が乾かないうちに寝てしまうと、六か所のうち二か所がそこに触れます。拭いた床が乾くまでは、寝床を別の部屋へ移しておいてください。
- おせちのにおいを、その子が気にしている様子はありません。それでも拭きますか。
- その子が気にしているかどうかと、口に入るかどうかは別の話です。指のあいだとあごの下は毛づくろいで必ず通る場所なので、においを感じていなくても、乗ったものは舌で回収されます。においを消すためというより、口に入る前に一度布へ移しておく、という意味で三分を使ってください。三が日が終わったあと、寝床の布の替え方がそのまま楽になります。
- 換気をすれば、床まで拭かなくても済みませんか。
- 換気で動くのは空気中のにおいで、床にのびた油はそのまま残ります。窓を開けたあとに部屋のにおいが軽くなって、夕方にまた戻ってくるなら、出どころは空気ではなく床です。冬は長く開けられないので、重箱を下げたあとに五分だけ二か所の窓を開け、空気を入れ替えたうえで床を拭く、という並びにすると両方が片づきます。順番は、換気が先で拭き取りがあとです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
