C09シーン別・暮らし
子どものいる家庭を楽にする、大型犬と暮らす人の毎日の習慣
4歳の娘と犬が写った写真を20枚並べたら、18枚で2つの顔が同じ高さに並んでいました。体高が60センチを超える大型犬は、座っただけで顔の位置が子どもとそろいます。娘の手が伸びていた先は、背中でも足でもなく、口のまわりと耳と前足でした。子どもが毎日いちばん近くで触れているのは、大型犬の顔まわりです。それに気づいてから、家でのケアの場所を背中から顔まわりへ移しました。子どもとペットの安全を何を根拠に確かめたのかも含めて、3か月ぶんを書きます。
写真20枚のうち18枚で、顔が同じ高さに並んでいました|大型犬と子どものいる家の経験
きっかけは、保育園に出す写真を選ぶために、その年に撮った写真をまとめて見返したことでした。娘と犬が一緒に写っているものが20枚あって、そのうち18枚で、娘の顔と犬の顔が同じ高さに並んでいました。娘の身長は105センチほど、犬の体高は60センチを超えます。犬が座ると、頭の位置はちょうど娘の目から鼻のあたりに来ます。伏せていても、顔を上げれば同じところです。
写真をよく見ると、娘の手はほとんど同じ場所にありました。犬の頬を両手ではさんでいるか、耳を持っているか、前足に手をかけているか。背中に手が乗っている写真は、20枚のうち2枚しかありませんでした。こちらは毎日ブラシを背中から入れていたので、子どもも同じところを触っていると思い込んでいました。実際に触っていた場所は、大人とは重なっていませんでした。
その日から1週間、娘が犬に触るたびに、触った場所をメモに書きました。7日で42回。ペットに触れた回数としては多いほうだと思います。内訳は、口のまわりと頬が19回、耳が11回、前足が7回、首から胸が3回、背中が2回です。子どもが大型犬に触れる場所は、ほとんどが顔とその周囲でした。大人が家でやっているペットのケアは、そのどれにも当たっていませんでした。
- 頬をはさむ:正面から両手で。口のまわりに手のひらが当たります
- 耳を持つ:外側から根もとへ。垂れている耳は子どもの手のいちばん取りやすい高さにあります
- 鼻先に顔を近づける:子どもの側から顔を寄せる動きは、大型犬では立ったままできます
- 前足を持ち上げる:床についていた面が、そのまま子どもの手のひらに移ります
- 口のまわりをなめられる:高さがそろっているので、犬の側から届きます
- 抱きつく:胸から首にかけて、子どもの顔が押しつけられる形になります
背中と腰のブラッシングは、抜け毛と毛の流れのために続けています。ここで言いたいのは配分のほうです。大型犬は面積が広いので、背中と腰だけで毎日の時間が終わります。そのあいだ、子どもがいちばん長く触れている顔まわりには、大人の手が1日1回も入っていませんでした。時間を足すのではなく、背中に使っていた5分のうち2分を顔まわりへ回す、という置き換えの話です。
小型犬なら見下ろす位置に、大型犬の顔があります|子どもの手が口のまわりから始まる理由
同じ年ごろの子どもがいる友人の家では、犬の体高が25センチほどです。娘がその家へ行くと、まずしゃがみます。しゃがんでから、上から背中に手を置きます。抱き上げるときも、背中とお尻を下から支えます。小型犬では、子どもは犬を見下ろす位置に立っています。だから最初に手が届くのは背中と頭のてっぺんで、口のまわりは子どもの手からいちばん遠いところにあります。
大型犬では、この関係が正面に変わります。子どもは犬を抱き上げられませんし、しゃがむ必要もありません。立ったまま近づくと、目の前に犬の顔があります。見下ろす角度がなくなると、手は上からではなく、まっすぐ前に伸びます。まっすぐ伸ばした手がいちばん先に触れるのは、頬と口のまわりです。子どもとペットの距離の話が、大型犬では高さの話になるのはここです。
| 体格の条件 | 子どもから見た犬の顔 | 最初に手が届く場所 |
|---|---|---|
| 体高25センチ前後 | 足元。見下ろす | 背中・頭のてっぺん |
| 体高40センチ前後 | 腰から胸のあたり | 首から肩・背中 |
| 体高60センチ以上(座位) | 目から鼻の高さ | 頬・口のまわり・耳 |
| 体高60センチ以上(立位) | 胸から顔の高さ | 胸・前足・あごの下 |
そしてもう一つ、大型犬では口のまわりに残るものの量が違います。口が大きいぶん、飲んだあとの水が口角から胸へ落ちます。おもちゃをくわえたあと、あごの下が湿ったままになります。垂れた耳を持つ子であれば、耳の内側が外気に触れる時間も短くなります。面積が広いということは、乾きにくい場所も広いということです。ここが、子どもの手が毎日当たっている場所と重なっています。
この形が分かってから、家のケアの順番を組み直しました。子どもとペットの安全を考えるとき、大型犬の家で先に見るべきなのは、子どもの手と犬の顔が毎日出会っている面です。背中は大人しか触りません。顔まわりは、大人と子どもとペット自身の3者が触ります。手が集まる場所から手を入れる、という順番にしました。
顔まわりに使うものは、規格基準と試験条件から選びました|子どもとペットの安全を根拠で確かめる考え方
手当ての場所を顔まわりへ移すと決めた時点で、使うものの中身が気になりました。口のまわりを拭けば、犬は自分でなめます。娘も、犬を触ったあとの手をそのまま自分の口へ持っていきます。顔まわりで使うものは、子どもと犬の両方が口に触れる前提で選ぶことになります。ここで「安全そうだから」という感覚で選ぶと、あとから理由を説明できません。安全という言葉を、根拠のほうから確かめる作業に切り替えました。
見たのは3つです。何の基準をクリアしているか、どんな試験条件でどこの検査機関が測ったか、そして何を入れていないか。この3つが書かれていないものは、安全かどうかを判断する材料がない、という扱いにしました。強い・弱いという印象ではなく、確かめられる形で書かれているかどうかで線を引いています。
| 確かめること | 何を見るか | 見つからないときの扱い |
|---|---|---|
| 基準 | 清涼飲料水の規格基準をクリアしているか | 顔まわりには使わない |
| 試験 | 試験条件と検査機関の名前が書かれているか | 数値だけの表示は根拠にしない |
| 中身 | 香料・界面活性剤を入れているかどうか | 子どもが触る面には回さない |
| 使い方 | 拭き取りが要るか、そのままでよいか | 手数が増えるものは続かない |
| 容器 | 音と噴射の勢い | 顔に向けて使えるかで判断する |
この3つで線を引いているのは、拭いてそのまま残るもののほうです。顔まわりに毎日当てるものは、いまのところ湯で固く絞った布だけで足りています。足すかどうかで迷ったのは、むしろ前足のほうでした。口のまわりと耳に付くのは家の中で付いたものですが、前足の指のあいだに入っているものは、外から直接乗ってきたものだからです。娘が持ち上げて手のひらで受けるのも、この面です。
地面についていた面は、その子が自分ではどうにもできない場所です。なめることはできても、指のあいだに入った砂は、なめても出てきません。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして浸けるタイプで、泡立ててこする工程がありません。桶に張った湯そのものが洗浄液になるので、指を一本ずつこじ開けなくても、あいだに入ったものが浮いてきます。入っているのはアミノ酸系の界面活性剤と、完熟前の青パパイヤからとれる天然酵素パパイン、それに保湿成分のセラミドです。流して落とすものなので、拭いて残すものとは別の基準で見ています。うちでは玄関の外に桶を置いて、散歩から帰った日だけ前足を入れます。大型犬は前足も大きいので、桶ひとつで両足が入る日と、片足ずつになる日があります。
「安全です」と書いてあるかどうかは判断材料になりません。確かめられるのは、規格基準の名前・試験条件・検査機関の名前の3つが書かれているかどうかです。清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています、という形なら、何をどこまでクリアしたのかが後から追えます。子どもとペットの安全について家族に説明するときも、この形のほうが伝わります。うちでは、この3つが書かれていないものは顔まわりに使わない、という一行だけを冷蔵庫に貼っています。
毎日の顔まわりは、2分で終わります。固く絞った布で、口のまわりを毛の流れに沿って一往復、耳は外側だけ一往復、前足は指のあいだを一本ずつ。顔に向けて何かを吹きかけることはしません。大型犬は顔が大きいぶん、布のほうが早く終わります。桶を出すのは散歩から帰った日だけなので、この2分とは別の時間として数えています。背中のブラッシングから回した時間で収まりますし、子どもとペットの安全という点でも、残るものを増やさないほうが説明しやすくなりました。
3か月で、拭く場所が3か所に決まりました|大型犬と子どものいる家に起きた変化
始めた月は、顔まわりのどこを触ればいいのかが決まっていませんでした。口のまわり、あごの下、耳、目のまわり、首の前。毎日ちがう場所を触っていたので、変化があったのかどうかも分かりません。2か月目に、娘が触った場所のメモをもう一度取り直して、回数の多かった3か所だけに絞りました。口のまわり、耳の外側、前足の指のあいだ。この3か所は、子どもの手が当たる場所と、ペットが自分でなめる場所が重なっているところです。
| 背中と腰にかけた時間 | 顔まわりにかけた時間 | その月に起きた変化 | |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 1日5分 | 1日0〜1分 | 触る場所が毎日ちがい、記録が読めない |
| 2か月目 | 1日3分 | 1日2分 | 3か所に絞る。娘のメモを取り直した |
| 3か月目 | 1日3分 | 1日2分 | 娘が拭いたあとに手を置くようになった |
変化としていちばん大きかったのは、娘の側の動きでした。大人が口のまわりを拭いているところを毎日見ていると、子どもは自分から順番を待つようになります。3か月目には、こちらが拭き終わってから頬に手を置く、という形が定着しました。触らせないようにしたわけではありません。大人が先に触る場所ができたので、子どもの手がそのあとに来るようになった、というだけです。ペットの側も、顔に手が伸びてくる回数が増えたぶん、身をよじる動きが減りました。
- 口のまわり:水を飲んだあと、遊んだあと。1日1回、毛の流れに沿って一往復
- 耳の外側:外側と根もとだけ。奥には触らず、指を入れない
- 前足の指のあいだ:散歩から帰った日だけ。子どもが持ち上げる面と同じ場所です
- 背中と腰:ブラシで1日3分。ここは大人だけが触る場所として残しました
- やらないと決めたこと:目のまわりを毎日触ること。子どもの手も届きにくく、回数を増やす理由がありません
顔まわりを毎日触っていると、変化に早く気づけるようになります。耳を振る回数が増えた、同じ場所をなめ続けている、口のまわりだけが赤い、あごの下から出るにおいが1週間で戻る、触ると声を出す、片方の耳だけを気にする。こうした変化があるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。大型犬は面積が広いぶん、片側だけの変化が見落とされやすくなります。ペットの体で左右の差が出ているときは、そのまま伝えてください。子どもが「今日はここを触らせてくれなかった」と言った日も、記録として持っていくと役に立ちます。迷ったときは早いほうを選んでかまいません。
3か月やってみて、いちばん効いたのは道具でも回数でもなく、子どもの手がどこに当たっているかを1週間数えたことでした。大型犬と暮らす家では、子どもと犬の顔の高さがそろいます。そろっているぶん、毎日いちばん濃く触れ合っているのは顔まわりです。そこへ手を入れる、というだけの組み替えでした。子どもとペットの安全についても、根拠のある形で説明できるものを顔まわりに置く、という一点で決めています。背中の手入れは減らしていません。順番を、手が集まっている場所から始めるようにしただけです。
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
