C02技術・エビデンス

静電気が起きる条件と、水分が果たす役割

公開日 2024年3月24日|文=mofuwa編集部

やわらかな光が入る明るい部屋で、淡い色のラグの上に静かに寝ている薄い色の犬
パチッと鳴る日と鳴らない日の違いは、毛の側よりも、その日の部屋の湿度の側にあります。写真:Iza Ponchie/Pexels

3月の夕方、フリースのひざ掛けをめくった手に、その子の背中の毛がふわっと吸い寄せられて、指先でパチッと鳴ることがあります。同じことを梅雨のあいだにやっても、たいてい何も起きません。変わったのは、その日の湿度です。静電気が起きるには条件が2つあって、湿度が関わっているのはそのうちの片方だけです。洗濯物の乾き方に置き換えながら、その2つを分けて見ていきます。

3月の夕方だけ毛が手に吸い付く|静電気が起きた日の経験

乾いた日に取り込んだフリースと靴下がくっついて離れないのと、同じことが被毛で起きています。洗濯物のほうは引き離せば済みますが、被毛では毛先が指を追いかけてきて、離した先でぱさぱさと散ります。静電気という言葉が出てくるのはこの瞬間ですが、電気がたまっていたのはもっと前、こすれていたあいだです。

ブラッシングでいちばん分かります。始めて3回目か4回目、毛先がブラシのほうへ持ち上がり、通したあとの毛がまとまらずに広がる。根元はまだ落ち着いているのに、毛先だけが浮いています。電気は毛の全体にたまるのではなく、こすれた場所とその先にたまります。だから根元と毛先で様子が違って見えます。

この3つがそろった日に、決まってパチッと鳴ります。ということは、数えるものも決まります。1回のブラッシングで何回鳴ったかと、そのときの湿度計の数字です。この2つを並べるだけで、毛のせいなのか部屋のせいなのかが見えてきます。うちの子の毛が変わったという話にする前に、まず部屋の数字を確かめたほうが早く進みます。

条件は2つあり、湿度が関わるのは片方だけ|静電気が起きる背景

1つめの条件は、こすれることです。違う素材どうしがこすれると、電気を帯びた小さな粒が片方から片方へ移ります。移られた側と移った側で電気の偏りができ、この偏りが静電気です。ブラシと被毛、毛布と被毛、服と被毛。どれも素材が違うので、触れて動くたびに少しずつ移っています。ここは湿度では減りません。触れる回数と素材の組み合わせで決まる条件です。

2つめの条件は、たまった電気に逃げ場がないことです。偏りができても、その場で流れて散ってしまえば何も起きません。逃げ場になるのは、空気中の水分と、毛や地肌に残っている水分です。乾いた空気と乾いた繊維は電気を通しにくいので、逃げ場がありません。行き先を失った電気が毛先にたまり、次に手が近づいた瞬間にまとめて動きます。あの音は、たまっていたものが一度に動いた音です。

乾いた日の被毛と、湿った日の被毛で、たまった電気の行き先がどう変わるか こすれて電気の偏りができるところは同じで、違うのは、たまった電気が空気側へ抜けていけるかどうかです。 乾いた日の被毛 こすれた電気が毛先に残る 毛先が手や布に引かれる ブラシが根元で引っかかる 湿った日の被毛 電気が水分ぞいに抜ける 毛先が下りたままになる ブラシが根元まで通る 湿度は、電気が起きる側ではなく、逃げ場の側にある条件です
こすれる側は湿度では動きません。動くのは、逃げ場の側だけです。

洗濯に置き直すと分かりやすくなります。部屋干しの日に洗濯物が静かなのは、繊維に水分が残っていて、電気が抜けていけるからです。乾燥機から出した直後がいちばんくっつくのは、こすれる量が多いうえに水分が抜けているからです。洗濯物でくっつきやすい日は、被毛でもパチッと鳴りやすい日です。洗濯物は先に手に触れるので、その日の予告として使えます。

Note2つに分けると、手を打つ場所が1か所に決まります

こすれることは減らせません。抱き上げるのをやめるわけにも、ブラッシングをやめるわけにもいきません。動かせるのは逃げ場の側、つまり水分のほうだけです。だから静電気の話は、いつのまにか湿度の話になります。加湿器を足すのも、寝床の素材を替えるのも、毛に水分を置くのも、全部この片方の条件に手を入れています。

換毛期に入ると鳴る回数が増える|静電気の変化を毛の量から追う

春と秋の換毛期は、抜けた毛が抜けたまま毛の間に残ります。残った毛は根元で浮き、ほかの毛とこすれ、毛先で絡みます。こすれる面が増えるので、1回のブラッシングでこすれる回数も増えます。条件の1つめが厚くなった状態です。ここに暖房の乾燥が重なると、2つめの条件もそろいます。春の換毛期に静電気の話が増えるのは、この2つが同じ時期に並ぶからです。

時期ごとに、2つの条件のどちらが動いているか
時期こすれる側逃げ場の側
冬の暖房期服と毛布でこすれる量が多い部屋の水分が少ない
春の換毛期抜けた毛が残り、こすれる面が増える暖房の残りで乾いている
梅雨から夏こすれる量は変わらない水分が多く、抜けていける

3行目が、こすれる側を減らせないことの裏返しになっています。梅雨に静かなのは、ブラッシングの回数が減ったからではありません。同じだけこすれていても、逃げ場があるので毛先にたまらないだけです。ということは、冬と春にやることも、こすれる量を減らす方向ではなく、逃げ場をつくる方向になります。

毛の側に水分を置くものとして、mofuwa スキンケアミストがあります。中身は高機能性電解酸化水100%で、毛と地肌に水分を置くためのミストです。ブラッシングの前に、毛先ではなく根元の側から入れて、そのまま毛先へ向けて通します。かけた場所はその子が舐めます。だから使っている水そのものが、飲みものとして売られる水に求められる規格に照らして確かめられています(調査機関:江東微生物研究所)。口が届く場所にかけるものは、かける前に水の側が確かめられている必要があります。公式の使い方は1日数回で、まずは2週間を目安に続ける形です。

ここから言えないことも、はっきりしています。ミストは部屋の湿度を上げる道具ではありません。毛と地肌に置いた水分は時間とともに抜けるので、乾いた部屋ではまた同じ条件に戻ります。うるおいを置くことは逃げ場を一時的につくることで、静電気そのものを止める話ではありません。部屋の側の湿度と、毛の側の水分は、別々に数えたほうが混ざりません。

なお、数えるものが変わってきたら別の話になります。鳴る回数ではなく、根元のフケや地肌の赤みが増えている、毛が抜けたあとに生えてこない場所がある。こういう変化は湿度の記録では説明がつきません。書き留めた湿度計の数字と、気づいた日を持って動物病院で診てもらってください。そのうえで、家では毎日の数えかたを続けていけます。

湿度の数字を2週間ぶん並べる|犬と猫の静電気をめぐる考え方

家で読める数字は2つだけです。湿度計の値と、1回のブラッシングで鳴った回数です。どちらも道具がなくても始められます。湿度計は寝床の高さに置くのが大事で、棚の上と床の近くでは数字が違います。その子が過ごしている高さの数字が、その子にとっての湿度です。

  1. 湿度計を寝床の高さに置く

    床から30cmほど。人の目の高さの数字ではなく、その子が息をしている高さで読みます

  2. ブラッシングのたびに鳴った回数を数える

    0回でも書きます。0の日が並ぶことにも意味があります

  3. ブラッシングの前に、根元の側へ水分を置く

    スキンケアミストは毛をかき分けて根元へ入れます。毛先から入れると表面だけが湿って、根元のこすれは変わりません

  4. 2週間ぶん並べて見る

    湿度が上がった日に回数が下がっているか。連動していれば、部屋の側で動かせます

犬と猫で、同じ記録の読み方が少し変わります。猫は自分で毛づくろいをするので、置いた水分はその子の舌でも動きます。犬は人の手で触る回数が多く、服やハーネスとこすれる時間も長くなります。犬では服と寝具の素材、猫では寝床の場所と毛づくろいの時間を、記録のとなりに書いておくと理由が追えます。同じ湿度でも、こすれる側の中身が違うからです。

パチッと鳴る日は、こすれ方と湿度が同じ向きにそろった日です。毛の質がその日だけ変わったわけではないので、片方の条件を1つ動かせば、翌週の数え方が変わります。数えた紙が残っていれば、来年の3月にも同じ時期から手を入れられます。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。