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一人暮らし、大型犬と暮らす人はどうしている?

公開日 2024年7月13日|文=mofuwa編集部

明るく簡素な部屋で、淡い色のラグの上に落ち着いて伏せている淡い色の大きな犬
動かせるのは体重のあるその子の体よりも、人が立つ側と道具の置き場所のほうでした。写真:Iza Ponchie/Pexels

一人暮らしの部屋で、37キロの体を反対向きにしようとして、両手で腰を押したことがあります。動きませんでした。5秒ほど押して、こちらが先に息が上がって、その日はそこでやめています。大型犬は、押しても引いても、その子にその気がなければ動きません。ペットのケアが止まる場所は、たいてい「向きを変える」ところでした。手が2本しかないことより先に、体重のほうが条件になっています。この記事は、その子を動かす代わりに人が回る、という5つの手順の話です。人が回る。その子は回りません。

押しても引いても動かない体を、どこで動かすか|一人暮らしと大型犬で、ペットのケアのやり方が変わる前提

先に前提を3つ並べます。1つめは体重です。大型犬は抱えて運べません。持ち上げて向きを変える、別の部屋へ移す、洗面所まで連れていく。小さい子なら1秒で終わることが、まるごと使えなくなります。2つめは、一人暮らしなので、その子を誘導する係と手を動かす係を分けられないこと。3つめは、部屋が狭く、人が動ける方向が1つしかないことです。3つめは見落とされがちですが、一人暮らしでペットのケアを組み直すとき、実際にいちばん効きました。

そのうえで、37キロの腰を押した話に戻ります。押されたとき、体重のある子の自然な反応は踏ん張ることです。押すほど、その子は動かなくなります。言うことを聞かないからでも、こちらの力が足りないからでもありません。4本の足で立っている体を回すには、足を踏み替える必要があって、それはその子にしかできない動作だからです。一人暮らしでペットのケアをしていると、ここで手が止まります。押さえてくれる人を待つ話にもならないので、止まったまま日が過ぎます。

大型犬の体で、人の力で動かせるものと、代わりに動かせるもの
動かしたいもの人の力で動くか代わりに動かせるもの
部屋から部屋への移動動かない(体重)人が先に歩く。その子があとから来る
立っている向き動かない(足の踏み替えが要る)人が反対側へ1歩で回る
伏せから立つこと動かない(本人が決める)立たせたい場所に、先に器やマットを置く
体を横向きに倒すこと無理に倒さないその子が自分で横になる時間に合わせる
頭の位置少しだけ動く手の高さを変えると、自分でついてくる
前足の1本を持ち上げること動く支えられる時間は短いので、先に順番を決める

表の右の列は、全部が人の位置か、物の位置です。一人暮らしで大型犬のケアをしていて動かせるのは、その子の体ではなく、その周りにあるもののほうでした。やり方を組み直すときの出発点は、力の入れ方でも道具の種類でもなく、こちらがどこに立って、何をどこに置いておくかです。

Noteしつけの話にしないでください

動かないことを、その子の問題として扱うと行き止まりになります。体重があるほど、押されたときに安定を取ろうとして踏ん張るのは、体の作りとして自然な反応です。従っていないわけではありません。一人暮らしだと相談する相手が家にいないので、原因を性格の側に置いてしまいがちですが、ここは物理の話として切り分けたほうが早く終わります。

人が回る、その子は回らない|一人暮らしで大型犬のペットに手を入れる5つの手順

ここからが手順です。5つありますが、いちばん最初にやるのは1つめだけで足ります。マットを1枚、毎日おなじ場所に置く。それだけで、その子が自分から来る場所が決まります。残りの4つは、その場所が決まってから順に足していきます。

  1. 立たせたい場所に、先に物を置く

    ケアをやる場所を決めたら、そこに滑らないマットを敷きます。大型犬は、足がすべる場所へは自分から行きません。フローリングの上に立たされると、それだけで体が固くなります。マットが1枚あるほうが、名前を呼ぶより早く来ました。一人暮らしなら、敷いたままにしておけます。水の器をその上か横に置いておくと、来る理由がもう1つ増えます。

  2. 呼ばずに、人がその経路を歩く

    名前を呼ぶと、こちらを見て終わることがあります。黙って立ち上がり、マットの上を通って台所へ行く。これを一日に何度か繰り返します。毎日おなじ経路を歩いていると、その子は先回りしてマットの上で待つようになります。大型犬にとって、こちらが動くことは分かりやすい合図です。声より足音のほうが、その子を動かしました。

  3. 向きを変えたくなったら、人が反対側へ回る

    右のわき腹を終えて、左をやりたくなったとき。その子を回すのに30秒かかることを、人は1歩で終えられます。これが5つの中心です。道具を左右に1つずつ置いておくと、回ったあとに取りに戻らずに済みます。一人暮らしの部屋では、この「取りに戻る」がいちばん時間を食い、そのあいだにその子が立ち上がります。

  4. 道具を持つ前に、自分がどちら側に立つかを決める

    先に道具を持つと、立ち位置を探しているあいだ、ずっと持ったままになります。順番を逆にします。背中側に立つのか、おなか側に立つのか。背中側からは首の後ろと背中と腰、おなか側からは前足のつけ根とわきとおなかに手が届きます。一人暮らしだと途中で受け取ってくれる人がいないので、この順番だけで進み方が変わりました。

  5. 終わりの合図を、毎回おなじにする

    大型犬は、終わりが分からないと自分で立ち上がって出ていきます。一度そうなると、次の日は途中で出ていく時間が早くなります。マットを半分たたむ、器を下げる、道具を袋にしまう。どれか1つを毎回おなじにしてください。終わりをこちらが決められた日は、次の日にその子が待っている時間が長くなります。

5つを通してやることは、要するにその子の周りを整えることだけです。体を動かす場面が一度も出てきません。一人暮らしで大型犬のペットのケアが続かないとき、たいていは、この5つのどこかで人が力を使おうとしています。力を使った日は、こちらが疲れて翌日が飛びます。1週間続かないやり方は、毎日のケアには残りませんでした。

道具を持つ前に、立つ側を決める|一人暮らしのペットのケアが大型犬でつまずく順番

つまずいた場面を並べると、共通点が1つありました。やることは合っているのに、順番が逆になっている。大型犬だと、順番が逆になったぶんの時間がそのまま「その子が立ち上がるまでの残り時間」を削ります。小さい子なら取り返せる数十秒が、一人暮らしと大型犬の組み合わせでは取り返せません。ペットのケアのやり方そのものを変える必要はなく、動かすのは順番だけでした。

一人暮らしの部屋で、大型犬のケアの場所を決めるときの条件
条件目安理由
床滑らないマットを1枚その子が自分から乗る場所になる
壁からの距離1メートル空ける人が反対側へ回れる
部屋の出口その子の背中側に置かない終わりの前に出ていきにくくなる
道具の置き場所左右に1つずつ回ったあとに取りに戻らずに済む
明るさ地肌が見える程度毎日、被毛と皮膚を見られる
広さその子が伏せて、まわりに人の一歩ぶん大型犬だと畳1枚では足りません

この中でいちばん難しいのが、壁から1メートル空けるという条件です。一人暮らしの部屋は、家具を壁づけにして真ん中を空けている形が多く、そこにマットを敷くと生活の邪魔になります。うちは、テレビの前のローテーブルを1つ動かして、通り道の途中に1メートル四方をつくりました。毎日のケアの場所は、部屋の中でいちばん通る場所にあるほうが続きます。片づけて出すやり方は、大型犬だと出すだけで気持ちが折れます。

Caution1回で全身をやらないことも、順番のうちです

大型犬は面積が広いので、全身を一度にやると15分を超えます。人も疲れますが、それ以上に、その子が同じ姿勢でいられる時間のほうが先に切れます。背中側の日と、おなか側の日に分けてください。人が回る回数も1回で済みます。毎日のケアは片側だけにして、翌日にもう片側。1回あたりが短くなるほど、次の日に始めるまでの心理的な距離も短くなりました。

終わりを人が決められた日は、次の日が短くなる|一人暮らしと大型犬のペットを続けるコツ

3週間やってみて、いちばん変わったのは所要時間でした。始める前は、その子をその場所へ連れていくまでに5分から10分かかっていました。いまは、マットの上で待っています。手を動かしている時間は変わっていないのに、1回あたりが半分になりました。短くなったのは作業ではなく、その前の移動のほうです。

続けるコツとして残ったのは2つです。1つは、道具を左右に1つずつ置くこと。もう1つは、終わりの合図を毎回おなじにすることです。とくに2つめは、こちらが思っていた以上に効きました。終わりが分かる日が続くと、その子は途中で立たなくなります。立たない日が増えるほど、こちらが力を使う場面が減ります。一人暮らしで大型犬のペットのケアが破綻するのは、力を使った日の翌日でした。その日は終わっても、翌日に体が動きません。

毎日やっているのは、布で拭くところまでです。背中と腰を毛の流れに沿って一往復、翌日はおなか側と前足のつけ根。布で届くのはここまでで、被毛の下の地肌には、その子の毛づくろいも布も届きません。月に一度の洗う日は、そこへ人が入る日です。浴室で起きているのも同じことで、泡を全身に届かせようとすると、こちらがその子のまわりを何周もすることになります。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして浸からせるつくりなので、湯そのものが洗浄液として全身に行き渡ります。周回が要らないぶん、こちらの手は体を支える側だけに使えます。それでも乾かしきるまでの時間は変わらないので、洗う日は休みの前に置いて、その日はほかの予定を入れないようにしました。

毎日ケアをしていると、皮膚の状態が目に入るようになります。ここで切り分けておきたいことがあります。地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、抜け毛の量が急に増えた、触ると声を出す、後ろ足のつけ根をさわると嫌がるようになった、立ち上がるまでにかかる時間が長くなった。こうした変化は、手順ややり方の話ではありません。ケアの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。大型犬は体重があるぶん、立ち上がり方の変化が早く出ます。毎日おなじ場所で見ていると、その日を特定しやすくなります。迷ったときは早いほうを選んで構いません。

一人暮らしで大型犬と暮らしていると、手が足りないという言い方をしがちです。実際に足りていなかったのは、手の数ではなく、こちらが動く余地のほうでした。ペットの体を動かす前提で組まれた手順は、体重のある子には最初から使えません。立たせたい場所に先に物を置き、呼ばずに人が通り、向きを変えたいときは人が反対側へ回る。その子は回りません。人が回ります。この順番に組み替えてから、毎日のケアが5分で終わるようになりました。

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よくある質問

マットを敷いても、その子がその上に来ません。どうすればいいですか。
呼ばずに、こちらがマットの上を通ってください。名前を呼ぶと、こちらを見るだけで終わることがあります。水の器をマットの横に置いておくと、来る理由が1つ増えます。それでも来ない日は、その日は追いません。大型犬は、行かない場所を数日で決めてしまうので、来なかった日に無理に連れていくほうが長引きます。3日から1週間ほどで、通り道として使いはじめました。
途中で立ち上がって、部屋から出ていってしまいます。
出口の位置と、終わりの合図の2つを見直してください。その子の背中側に部屋の出口があると、立ち上がってそのまま出ていけます。出口が視界に入らない向きにマットを置くだけで変わります。そのうえで、終わりの合図を毎回おなじにしてください。マットを半分たたむ、器を下げる、道具をしまう。終わりが分かる日が続くと、途中で立つ回数が減っていきます。
一人暮らしで大型犬を洗う日は、どう組めばいいですか。
洗う時間ではなく、乾かしきるまでの時間で予定を組んでください。大型犬は乾くまでが長く、人が付ききりになります。翌日に予定のない日を選び、その日はほかの用事を入れないほうが確実です。ふだんは水を使わない日のケアで足ります。洗う日と、毎日のペットの手入れを別のものとして分けておくと、洗えない週が続いても組み直しやすくなります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。