C05犬種・猫種別ケア

ポインターのケア|皮膚の乾燥を減らす3つの習慣

公開日 2024年7月30日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床に、短い毛の白と茶色の犬が落ち着いて立っている
手のひらを当てる場所は胴ですが、先に変わっているのは耳の先や脚の先のほうです。

ポインターの背中に手のひらを当てても、指の腹には何も返ってきませんでした。同じ日に、耳の先を親指と人差し指でつまんでみると、そこだけ紙をこすったような手ざわりがします。鼻すじを手の甲でなでると、同じ感じが返ってきます。ポインターの乾燥は、胴から出てくるのではなく、体の端から出てきます。この犬種の被毛は極端に短く、しかも体の中心から端へ向かうほど薄くなっていきます。毛が薄いところから先に変わるのは、順番として自然なことです。逆に言えば、胴で気づいたときには、端はもっと前から変わっていたことになります。この記事では、なぜ端からなのかを先に整理して、そのあとで端から中心へ向かって確かめる手順を並べます。

毛は中心から端へ向かって薄くなる|ポインターの乾燥が出てくる順番

ポインターの被毛は、犬種の中でもとくに短い部類に入ります。硬めの毛が体にぴたりと寝ていて、下毛はありません。ここまでは、短毛の犬種によくある説明です。ポインターで押さえておきたいのは、その短い毛が体のどこでも同じ密度で生えているわけではない、ということです。いちばん厚いのは背中と脇腹。そこから離れるほど薄くなり、耳の先、鼻すじ、脚の先、しっぽの先、内股までくると、被毛は面として数えられないほどになります。

鳥を探して野原を長く走る犬として作られた背景を考えると、この作りには理屈があります。体の中心は雨と日ざしを受ける面なので、毛がそろっている必要がありました。一方で、脚の先や鼻すじは、走る・においを取るという動きのじゃまにならないほうがいい。結果として、被毛は中心でいちばん厚く、端へ向かって薄くなる勾配を持っています。ポインターの乾燥を考えるときは、この勾配がそのまま順番になります。

なぜ薄い場所から先に変わるのか。理由は3つあります。ひとつめは、皮脂の広がり方です。皮脂は地肌から出たあと、毛を足場にして面へ広がります。足場になる毛が少ない場所は、皮脂が行き渡る前に端が来てしまいます。ふたつめは、外に触れる回数です。脚の先は地面に、鼻すじは草や床に、耳の先は歩くたびに揺れて何かに当たります。みっつめは、空気に当たる面の割合です。細い部分ほど、まわりをぐるりと空気に囲まれています。湿度が下がった日には、この3つが同時に効いてきます。

ポインターの体の端と胴で、条件がどう違うか
体の端(耳の先・鼻すじ・脚の先・しっぽの先)胴(背中・脇腹)
被毛の量面として数えられないほど薄い短いが、面としてそろっている
皮脂の広がり方足場になる毛が少なく、行き渡りにくい毛を伝って面へ広がる
外に触れる回数地面・草・床・家具に、毎日何度も当たるほとんど当たらない
空気に当たり方細いので、まわりを空気に囲まれている面が広く、表面をなでられるだけ
うるおいの持ち短い時間で動く長い時間をかけて動く
変化が出るまで早い遅い
そこで気づいた意味始まったところ端はもっと前から変わっている

この表のいちばん下の行が、この記事でいちばん伝えたいところです。胴の手ざわりは、いちばん遅れて動く指標です。背中に手を当てて何も感じないことは、その子の皮膚がどこも乾いていないことの証明にはなりません。逆に、背中で引っかかりを感じた日は、端の側ではもっと前から手ざわりが変わっていたはずです。ポインターの乾燥を見るときに、最初に手を当てる場所を変えるだけで、気づける時期がまるごと前へ動きます。

Note背中をなでる習慣が、いちばん遅い場所を見ています

犬をなでるとき、手はたいてい背中から入ります。ポインターの場合、そこはいちばん毛が厚く、いちばん変化が遅い場所です。毎日なでていても乾燥に気づけないのは、注意が足りないからではなく、触っている場所が遅い側だからです。なでる習慣は変えなくて構いません。そのついでに、耳の先を1回つまむ、という動作を足してください。

耳の先から胴へ、外側から順に触る|ポインターの乾燥を確かめる手順

確かめかたには順路があります。端から入って、中心へ向かって進みます。逆から回ると、遅い指標を先に見ることになって、手順の途中で判断が鈍ります。全部で30秒ほどです。立たせたままでも、伏せているところに手を伸ばすだけでも構いません。指の腹ではなく、場所によって手の使い方を変えるのがコツです。

  1. 耳の先を、ふちから親指と人差し指ではさむ

    耳の内側ではなく、外側のふちです。指のあいだで、紙のような手ざわりが返ってくるか。ポインターの耳は薄いので、被毛の状態がそのまま指に伝わります。左右を比べてください。片方だけ違うときは、その耳が寝ている面や、こすれている場所を思い出します。

  2. 鼻すじを、目のあいだから鼻の先へ、手の甲でなでる

    手のひらより手の甲のほうが、乾きの差が分かります。途中で引っかかりが増える場所があれば、そこが今日の起点です。ポインターは鼻すじが長く、地面や草に触れる回数が多い場所です。皮膚そのものではなく、そこにある薄い被毛の状態を見ています。

  3. 前脚を、先から肘へ向かって、手で握るように送る

    指の先、手根、前腕、肘の順です。途中から手ざわりが変わる位置が、その日の境目になります。境目が肘の近くまで上がってきているなら、端の側でしばらく前から動いていたことになります。後ろ脚も同じように、先から上へ送ってください。

  4. しっぽを、先から付け根へ向かって握って送る

    しっぽの先は、家具や壁に毎日当たる場所です。被毛が薄く、こすれる回数も多いので、変化が早く出ます。先だけがかさつくのか、途中まで続いているのかを見ます。嫌がる子もいるので、握らずに、上下から軽くはさんで滑らせるだけでも足ります。

  5. 最後に、胴に手のひら全体を当てて滑らせる

    脇腹から背中へ、毛の流れに沿って。ここで初めて手のひらを使います。ここまでの4か所で何も感じず、胴でも滑るなら、その日は何もしなくて構いません。逆に、端では何も感じないのに胴だけが引っかかるときは、この記事の順番から外れています。最後の章を見てください。

この手順の意味は、時間を前へ動かすことにあります。端は早く動き、胴は遅れて動く。だから端を先に触れば、同じ変化に何日か早く気づけます。ポインターのように被毛が薄い犬種では、この数日の差が、家でできることの幅を変えます。手ざわりの言葉は、次の4つで足ります。

手ざわりを4つの言葉に分けて記録する
手ざわり何を見ているかその日にすること
さらさら滑る被毛のうるおいが行き渡っているとくになし。翌日も同じ順路で触る
少し引っかかる皮脂が端まで届いていないその場所だけ、拭き方と風の当たり方を見直す
かさついて、指に細かい粉が残る地肌の側で変化が出ている洗う回数を上げず、湿度と寝床を先に見る
地肌が赤い、その場所を気にしている手ざわりの話ではなくなっている手を止めて、動物病院に相談する
Point順路は毎日、記録は週に1回で足ります

5か所を触るのは毎日でいいのですが、書き残すのは週に1回で構いません。「今週いちばん引っかかった場所」を1行だけ書いてください。先週と同じ場所なのか、端から中心へ移っているのか。ポインターの乾燥は、この2つのどちらかで動きます。毎日全部を記録しようとすると続かないので、順路は毎日、記録は週1回に分けるのが現実的です。

端を先に、胴をあとに|ポインターの乾燥で毎日のやり方を組み替える3つの習慣

ここからは、家でできることの話です。3つ挙げますが、3つとも毎日やるものではありません。帰宅のたびに決めるものが1つ、洗う日に決めるものが1つ、季節の変わり目に一度だけ決めるものが1つ。粒度をずらしてあるので、忙しい週でも全部が同時に止まりません。共通しているのは、手を入れる場所を端の側へ寄せる、というやり方の組み替えです。

  1. 習慣1:散歩から帰ったら、端だけを拭く。胴は拭かない

    脚の先、鼻すじ、耳の先。外に触れたのはこの3か所で、胴はほとんど何にも当たっていません。拭くのは、汚れを落とすためというより、外で付いたものを長く置かないためです。乾いた布でこすらず、湿らせた布を当てて、そのまま滑らせてください。ポインターは端の被毛が薄いので、力を入れると布の摩擦がそのまま地肌に届きます。時間にして1分もかかりません。

  2. 習慣2:洗う日は回数を上げず、端をこすらない

    乾燥が気になると洗う回数を上げたくなりますが、洗いすぎると、皮脂と一緒に地肌のうるおいのほうが先に減ります。ポインターは被毛が薄いぶん、その影響が端から出ます。洗う日は回数を変えず、端の扱いだけを変えてください。耳の先、鼻すじ、脚の先はこすらずに、泡を置いて流すだけ。乾かすときは、逆に端から先に乾かします。薄い場所ほど、濡れたまま置かれる時間を短くしたいからです。

  3. 習慣3:季節が動く時期に、風の当たり方を一度だけ決める

    エアコンや扇風機、暖房の風が、その子が伏せている位置のどこに当たっているかを見てください。ポインターは伏せると、鼻すじ・前脚の先・しっぽの先が床に接して、体の外側に出ます。ここに風が直接当たり続けると、端の条件だけが悪くなります。寝床を数十センチ動かすか、風の向きを変えるか。年に2回、湿度が大きく動く時期に一度決めてしまえば、あとは触りません。

3つの習慣は、決める単位をそろえていません
何を決めるか決める単位
習慣1外に触れた端だけを拭く。胴は拭かない散歩から帰るたび
習慣2洗う回数は変えず、端をこすらない・端から乾かす洗う日ごと
習慣3伏せているときに、風がどの端に当たるか季節の変わり目に一度

ブラッシングについても書いておきます。ポインターは毛が短いので必要ないと思われがちですが、短い毛でも、皮脂を毛の面へ広げる役割があります。ラバーブラシや獣毛のブラシで、毛の流れに沿って軽く。強く当てる必要はまったくありません。ただし、端の側はブラシではなく手で触ってください。耳の先やしっぽの先は、ブラシの面が当たると力の逃げ場がなくなります。胴はブラシ、端は手。この使い分けだけ覚えておけば足ります。

Caution端をこすると、確かめるための材料が消えます

かさついている場所を見つけると、つい強く拭きたくなります。けれどポインターの端は、こすった直後だけ手ざわりが変わって見えます。翌日に同じ場所を触っても、こすった影響なのか、もとの状態なのかが分かりません。手を入れるのは、当てて滑らせるところまで。落ちないものは、その日は落とさなくて構いません。

ここまで触ってきた端は、どこもその子の口が先に届く場所です。鼻すじも、前脚の先も、しっぽの先も、人が手を伸ばすより舌のほうが早く回ります。mofuwaスキンケアミストは電解水100%で、油分もクリームの膜も残しません。当てたあとにその場所を舐めにいったかどうかを、見張らずに済みます。胴はブラシ、端は手。この使い分けはそのままです。ボトルの口を近づけずに、指へ移してから耳の先と鼻すじに当てると、道具の面が当たりません。地肌が赤くなっている場所と、その子が気にしている場所には使わず、そこは触らずに残してください。

皮膚の乾燥は、そのままにしておくと様々な皮膚トラブルの原因になります。従来のクリームやローションなどの保湿剤だとべたつきや気にして舐めてしまう子もいるため、電解水100%で舐めても安全なmofuwaスキンケアミストは日々のケアとしておすすめです。

近藤 竜太 先生/白金高輪動物病院 院長・獣医師(麻布大学卒/比較眼科学会所属)
東京都港区白金1-2-2 白金ザ・スカイ西棟1階
※実際にお使いいただいている獣医師のご感想です。本記事の監修を受けたものではありません。

ここまでの3つは、どれも「胴でやっていたことを、端へ移す」という形をしています。ポインターと暮らしていると、手が向かうのはどうしても背中です。背中は気持ちよさそうにしてくれる場所ですが、乾燥の話では、いちばん反応の遅い場所でもあります。なでる時間はそのままで構いません。そこに、端を触る30秒を足す。毎日のやり方で動かせるのは、この配分のところです。

端より先に胴が変わった日

ここまでは、被毛の厚みの勾配で説明のつく乾燥の話でした。順番が逆になったときは、別の見方が要ります。端では何も感じないのに、胴のほうが先に引っかかる。あるいは、端と胴のどちらでもなく、体の一か所だけが急に変わる。こうした変わり方は、被毛が薄いことでは説明がつきません。次のような様子に気づいたときは、家での手順を増やす前に相談してください。

Caution早めに動物病院へ相談したい様子

地肌が赤い、じくじくしている、においが出てきた、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、触ると痛がる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ポインターは被毛が薄く、地肌の様子が外から見えやすい犬種です。気づいた日にスマートフォンで撮っておくと、そのまま伝えられます。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行くときは、どこが最初に変わったか、いつからか、その週に湿度や風の当たり方を変えたかの3つをメモしてください。ポインターの乾燥は端から動くので、「最初の場所」が分かっていると、家の条件で説明のつく範囲かどうかを切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてしまうと、もとの状態が分からなくなります。そのままの状態で連れて行くほうが役に立ちます。

最後に、この記事の順番をもう一度だけ書いておきます。ポインターの被毛は、中心から端へ向かって薄くなります。だから乾燥は、耳の先・鼻すじ・脚の先・しっぽの先から動きはじめ、胴には遅れて届きます。触る順路を端から始めるだけで、気づける時期が数日ぶん前へ動きます。拭くのは端だけ、洗う回数は上げない、風の当たり方は季節に一度だけ決める。ポインターの乾燥で、毎日のやり方として動かせるのは、この3つです。

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よくある質問

ポインターは毛が短いので、ブラッシングはしなくてもいいですか?
短い毛でも、皮脂を毛の面へ広げる役割があるので、軽く当てる意味はあります。ラバーブラシや獣毛のブラシで、毛の流れに沿って数往復で足ります。ただし耳の先やしっぽの先のように被毛が薄い場所は、ブラシではなく手で触ってください。胴はブラシ、端は手、という使い分けにすると力が入りすぎません。
冬より夏のほうが、耳の先や鼻すじがかさつくのはなぜですか?
季節そのものより、風の当たり方が変わることが関係している場合があります。夏はエアコンや扇風機の風が一日じゅう同じ向きに流れるので、伏せているときに外側へ出ている端に、風が当たり続けます。ポインターは伏せると鼻すじや脚の先が床に接して外に出るので、寝床の位置か風の向きを一度見直してみてください。
肉球のかさつきも、体の端の話として同じように見ていいですか?
見る順路には入れて構いませんが、肉球は毛が生えていない場所なので、被毛の厚みの勾配とは別の条件で動きます。歩く床の素材、散歩の距離、地面の温度のほうが効いてきます。手ざわりを確かめる順路の最後に足しておいて、変化があったときは被毛の話と分けて考えてください。

掲載しているご感想は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。気になる変化が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。