C05犬種・猫種別ケア

ミニチュアプードルのケア|涙やけを減らす3つの習慣

公開日 2024年8月27日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、小さな巻毛の犬が静かに座っている
目頭から頬までは一本道ではありません。途中で、涙が乗るものが皮膚から毛へ入れ替わります。

ミニチュアプードルの目の下に、乾いた指の腹をそっと当てて、目頭から頬のほうへゆっくり下ろしてみてください。途中まで指は皮膚の面をなぞっていて、あるところから急に毛の中へ入ります。境目は、たいてい目の下二センチほどのところにあります。ミニチュアプードルの涙やけを考えるとき、この境目が出発点になります。顔をすっきり短く整えるカットが多い犬種なので、目のまわりの毛は短く、涙を支えるほどの長さがありません。だから涙は毛の上に乗れず、皮膚の面へ落ちて、そこを薄く広がって流れます。境目から先は逆です。毛が長くなり、涙は毛に乗って毛先のほうへ運ばれていきます。同じ一筋の涙が、途中で乗り物を乗り換えています。ここが分かれていることに気づかないまま同じ拭き取りをくり返すと、片方の区間にしか手が届きません。

目頭から頬までを二つに区切る|ミニチュアプードルの涙やけで家でできることの範囲

涙は目頭のあたりにたまり、あふれると下へ向かいます。ここまではどの犬でも同じです。分かれるのは、あふれた涙が最初に何に乗るかです。目のまわりの毛が長い犬種では、涙は毛に乗ってそのまま下ります。ミニチュアプードルでは、そうなりません。顔を短く整えるカットが定着している犬種なので、目のすぐ下の毛は数ミリの長さしかないことが多いからです。

毛が短いと、毛と毛のあいだの隙間が涙を支えられません。表面張力で毛の上に留まるより先に、隙間を抜けて下の皮膚に届きます。届いた涙は、皮膚の面を薄く広がりながら流れます。これが一つめの区間です。細い筋にならず、面で濡れるのが特徴で、目の下から鼻の脇にかけての、いちばん短く刈られている範囲がここにあたります。

そのまま下へ進むと、カットの境目に行き当たります。頬から下は毛を長めに残すことが多いので、ここから毛の長さが急に変わります。長くなった毛は涙を受け止められるので、涙は皮膚から離れて毛に乗り、巻いた毛の側面に沿って毛先のほうへ運ばれていきます。これが二つめの区間です。面ではなく、一本ずつの毛が濡れます。

ミニチュアプードルの目のまわりで、涙の通り道が二つに分かれます
皮膚の上を流れる区間毛を伝って下りる区間
場所目の下から鼻の脇まで頬の境目から下
毛の長さ数ミリ。涙を支えられません長く残っている場所です
濡れかた面で薄く広がります一本ずつの毛が濡れます
長さ短い区間です長い区間です
乾くまで面なので、乾きは速い毛の内側は、乾きが遅い
残るもの皮膚の上の湿り毛の色の変化
手が届くか布を当てれば面で届きます毛の中までは布が届きません

この二つは、手当ての向きが逆になります。皮膚の区間で必要なのは、面に残った湿りを取ることです。押さえて乾かせば、その日の分は終わります。毛の区間では、拭いても毛の中までは届きません。布は毛の表面をなでるだけで、毛と毛のあいだにこもった湿りはそのまま残ります。ここで拭き取りの回数を増やしても、変わるのは表面だけです。

Note家でできることと、できないことの線

ミニチュアプードルの涙やけで家でできるのは、皮膚の区間を濡れたままにしないことと、毛の区間に空気を通しておくことの二つです。毛についてしまった色そのものを、その日のうちに戻すことはできません。色は、その毛が伸びて切られるか、入れ替わるまで残ります。ここを目標にすると、こすりすぎて目のまわりの皮膚のほうを傷めます。拭き取りを増やせば色が薄くなりますという考え方に寄らないでください。

乾かす区間と、毛を通す区間|ミニチュアプードルの涙やけを減らす3つの習慣の順番

区間が二つあると分かったところで、手を三つに分けます。順番があります。乾かすのが先、毛を通すのが後、記録がいちばん最後です。この順番には理由があって、湿ったまま毛に触れると、濡れた毛どうしが寄って束になり、内側の空気がかえって動かなくなるからです。先に面を乾かしてから、毛に手を入れます。

  1. 習慣1:皮膚の区間は、拭かずに押さえて乾かす

    乾いた柔らかい布を目の下に当てて、三秒ほど押さえます。横に動かさないでください。短い毛のあいだを横に拭くと、布は皮膚をこすることになります。面に広がった涙は、押さえるだけで布に移ります。目頭のすぐ下、目の下の中ほど、鼻の脇。三か所を順に押さえて、片側十秒ほどで終わります。目に布が触れないよう、下から上へは動かさないのがコツです。朝と夜、一日二回で足ります。

  2. 習慣2:毛の区間は、毛を通して空気を入れ替える

    境目から下の毛に、目の細かいコームを毛の流れに沿って通します。狙いは毛の色を落とすことではなく、束になった毛をほどいて、内側にこもった湿った空気を外の空気と入れ替えることです。根元を指で押さえて、毛先の側から少しずつほどき、最後に根元から一度通す。片側で三十秒あれば十分です。濡れているうちに通さないでください。習慣1で面を乾かしてからにします。

  3. 習慣3:週に一度、境目の位置と毛の色を同じ条件で見る

    明るい窓辺で、同じ曜日、同じ時間に見ます。見るのは二つ。皮膚の区間と毛の区間の境目が、先週より上がっていないか。毛の色が変わっている範囲が、毛先の側へ広がっているか。境目が上がっているなら、カットで短くしている範囲が広がったということで、皮膚の区間が長くなっています。範囲が広がっているなら、毛の区間で空気が動いていません。どちらも、次の週の手の配り方が変わります。

三つの習慣は、決める単位を揃えていません
何をするか決める単位
習慣1皮膚の区間を押さえて乾かす一日二回。朝と夜
習慣2毛の区間にコームを通す一日一回。片側三十秒
習慣3境目と毛の色を同じ条件で見る週に一度。同じ曜日

順番を守れない日があっても構いません。ただし、習慣2だけをやる日はつくらないでください。面が濡れたまま毛を通すと、湿りを毛の区間へ運び込むことになります。時間がない日は習慣1だけで終える。これがミニチュアプードルの涙やけで、いちばん壊れにくい形です。三つのうち一つを残すなら、乾かすほうを残します。

押さえて乾かしたあと、その面が今どうなっているかを知っているのは、指を下ろした側だけです。境目が今日どこにあったかは、その子の側には残りません。mofuwaスキンケアミストは電解水100%で、香料も着色料も入っていません。目のまわりは持ってこられるものが少ない場所ですが、水のほかに何も入っていないぶん、顔の面に置く前提のまま選べます。使うのは皮膚の区間だけ、それも鼻の脇から下です。顔では必ずコットンに移してから当ててください。目に向けて吹きつけないでください。当てたあとは、乾いた面でもう一度押さえて終わりにします。毛の区間へは広げません。あちらは習慣2のコームの受け持ちです。

拭き取りを増やしても変わらないとき|ミニチュアプードルの涙やけで頻度を見直す

三つの習慣を始めてから二週間ほどで、たいていの家庭が同じところでつまずきます。変わらないので、拭き取りの回数を増やす。これは自然な流れですが、ミニチュアプードルの涙やけでは、増やす方向がたいてい逆に働きます。理由は、増やした回数のほとんどが皮膚の区間に落ちるからです。

皮膚の区間は面積が小さく、乾きも速い場所です。一日二回押さえていれば、その日のうちに湿りは残りません。そこへ五回、六回と手を入れると、涙を取るというより、目のまわりの皮膚を布でこする回数が増えるだけになります。短く刈られている場所なので、毛のクッションもありません。頻度を上げるなら、増やす先は毛の区間のほうです。

毛の区間で回数を増やすときも、一度に長くしないでください。片側三十秒を、朝と夜の二回に分けます。一度に二分かけるより、短く二回のほうが、毛の内側の空気は動きます。巻毛は一度ほどけてもすぐ戻るので、間隔を空けて何度か触れるほうが条件に合っています。ミニチュアプードルの被毛の性質から出てくる、この犬種なりの頻度の決め方です。

変わらないと感じたときに、どこを動かすか
起きていること動かす場所
拭いた直後だけきれいになる皮膚の区間。拭かずに押さえる形へ
毛の色の範囲が毛先へ広がる毛の区間。コームの回数を二回に分ける
目の下の皮膚が赤みを帯びてきた回数を減らします。こすりすぎです
境目が先週より上がっているカットの範囲。次のトリミングで相談
朝だけ濡れている寝ているあいだの姿勢と、寝床の位置
片側だけ濡れている左右差は記録して、動物病院で伝えます
Point境目の位置は、家庭では決められません

皮膚の区間がどこまでかを決めているのは、顔をどこまで短く整えるかというカットの範囲です。これはトリミングで決まる条件なので、家庭で毎日動かせるものではありません。逆に言えば、次のトリミングのときに相談できる項目でもあります。目の下をどこまで短くするか、頬の毛をどこから残すか。涙やけの話としてトリマーに伝えると、境目の位置は動かせます。毎日の手だけで抱え込まないでください。

もうひとつ、拭き取り以外で見ておきたい条件があります。顔まわりが濡れる原因は、涙だけとはかぎりません。水を飲んだあとに口のまわりから広がる、食器のふちに顔が触れる、遊んだあとによだれが混ざる。目のまわりだけを見ていると、これらが混ざったまま同じ「涙やけ」として扱われます。飲み水のあとに口のまわりを一度押さえておくだけで、毛の区間へ届く水分は減ります。

毛の色が変わる速さが上がったら、ミニチュアプードルでも様子見にしないでください

ここまでは、涙の通り道が二つに分かれることで説明のつく範囲の話でした。手を変えても、毛の色が変わる速さのほうが上がってきたときは、通り道の話ではなくなっています。週に一度の記録をつけていると、この変化はいちばん先に数字として出ます。先月は二週間かけて広がった範囲が、今月は四日で同じところまで来ている、という形です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

涙の量が急に増えた、目を気にしてこすり続けている、まぶたが腫れている、目やにの色が変わった、目の下の皮膚が赤くじくじくしている、片側だけ様子が違う、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭き取りの頻度を上げる前に、動物病院にご相談ください。目のまわりは、家庭で見て分かる範囲がとても狭い場所です。迷った時点で相談したほうが、結果として手数は少なくなります。

相談に行くときは、週に一度の記録、濡れている区間がどこからどこまでか、左右で違うかどうかの三つを持って行ってください。前の晩に念入りに拭いていくと、見てもらいたかった状態が消えてしまいます。そのままの顔で連れて行くほうが、材料が残ります。写真を撮っておくなら、明るい窓辺で、正面と斜め横の二枚があると伝わりやすくなります。

ミニチュアプードルと暮らすうえで、顔を短く整えるかぎり、皮膚の区間は必ず生まれます。それはこの犬種の被毛と、選ばれてきたカットの組み合わせから来るもので、なくすものではありません。動かせるのは、その区間を濡れたまま置く時間と、その先の毛の区間に空気が通っているかどうかです。短い区間は押さえて乾かす。長い区間はコームを通して入れ替える。週に一度、同じ条件で見る。ミニチュアプードルの涙やけで、家でできることはこの三つに収まります。

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よくある質問

ミニチュアプードルの涙やけは、拭き取りシートで毎回きれいにしたほうがいいですか?
回数を増やすほどよくなる、という関係ではありません。皮膚の区間は面積が小さく乾きも速いので、一日二回押さえれば足ります。それ以上は、涙を取るというより目のまわりの皮膚をこする回数が増えることになります。増やすなら、増やす先はコームを通す毛の区間のほうにしてください。
毛についた色は、どのくらいで戻りますか?
その日のうちに戻るものではありません。色は毛の内側に入っているので、拭き取りでは表面しか触れられません。毛が伸びて次のトリミングで切られるか、その毛が入れ替わるまでは残ります。家でできるのは色を落とすことではなく、色が広がる速さのほうを見ておくことです。速さが上がってきたときは、動物病院にご相談ください。
顔の毛を伸ばせば、皮膚の区間はなくなりますか?
毛を長く残せば、涙が毛に乗る区間は目に近いところから始まります。ただ、目のすぐ下の毛が長くなると、今度は毛先が目に触れる条件が増えます。どこまで残すかは、その子の目の形や毛の生え方を見て決める話なので、次のトリミングのときにトリマーに相談してください。家庭で鋏を入れて調整する場所ではありません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。