C02技術・エビデンス
除菌・殺菌・抗菌の言葉の使い分け
除菌と書かれたスプレー、殺菌と書かれた石けん、抗菌と書かれた敷きマットが、同じ棚に並んでいます。裏の表示を読むと、時間の単位がそろっていません。スプレーの試験は秒で区切られ、敷きマットの規格は24時間ほど置いたあとの菌の数を見ています。3語の違いは、強さの順番で決まっていません。どの制度に属する言葉で、何をどれだけの時間で測ったかが違います。殺菌は医薬品・医薬部外品で使われる言葉で、雑貨のスプレーには書けません。この記事では、除菌と殺菌と抗菌の違いを、測った時間の単位と、所属している制度の2つの軸だけで並べ直します。
軸1・秒と24時間がまざっている|除菌と殺菌の見分け方は、測った時間の単位から入る
3つの言葉は、どれも同じ物差しの上に並んでいません。いちばん先に見えるずれは、時間の単位です。除菌をうたう液体の試験は秒で区切られています。抗菌をうたう布や樹脂の試験は、24時間ほど置いたあとの菌の数を数えます。殺菌には、そもそも時間の単位がついていません。ついているのは制度のほうです。
台所に置き換えると、ずれの大きさが見えます。ほうれん草を30秒だけ湯に通すことと、すじ肉を3時間煮込むことを、どちらも「加熱」という一語でまとめて、強い加熱・弱い加熱と並べる人はいません。目的も道具も、測っている時間の桁も違うからです。除菌と殺菌と抗菌の違いも、これと同じ形をしています。棚の前で3語を強さの順に並べようとすると、30秒と3時間を同じ軸に乗せることになります。
この図の左右は、役割が違うだけです。秒で区切る側は「いま手を入れた瞬間」を、24時間で見る側は「置いてあるあいだ」を担当しています。床にこぼれたものをすぐふきたい人が探しているのは左側で、毎日その上で寝ている敷物を選びたい人が探しているのは右側です。除菌と抗菌の違いを強弱で読むと、この振り分けが効かなくなります。
軸2・どの制度に属する言葉か|除菌と殺菌の比較は、薬機法の内と外で線が入る
2つめの軸は、その言葉が誰の制度の言葉か、です。殺菌は、医薬品・医薬部外品で使われる言葉です。承認を受けたものが、承認された範囲でだけ使えます。だから雑貨や化粧品として売られているスプレーの表示に、殺菌という語は出てきません。書いていないのは弱いからではなく、その言葉を使える枠の外にある製品だからです。
- 殺菌:医薬品・医薬部外品の言葉。承認された対象と用法とセットでのみ成り立ちます
- 除菌:制度の外にある言葉。業界の自主基準と、その製品ごとの試験条件で中身が決まります
- 抗菌:加工品の規格の言葉。24時間ほど置いたあと、加工していないものとの差で示されます
この3行のうち、いちばん読みにくいのは真ん中です。除菌という語には、言葉じたいに枠が入っていません。たとえば口に入れる飲みものには、飲むことを前提に決められた規格基準があります。数字が意味を持つのは、先に枠が決まっているからです。除菌はその枠を言葉の外に置いているので、試験条件と検査機関が書かれていない限り、何をどこまで調べたのかが決まりません。
人用の薬用石けんに殺菌と書けるのは、医薬部外品として承認を受けているからです。同じ棚のペット用スプレーに書かれていないのは、承認の枠に入っていない製品だからで、比較の結果として劣ると判定されたわけではありません。読む順番は、強い語を探すことではなく、どの枠の言葉かを先に見ることです。枠が分かると、その次に見るべき数字も決まります。
3語を1枚の表に置き直す|除菌と殺菌はどっちが上か、という問いが消える並べ方
2つの軸を1枚にすると、どっちが上かという問いが立たなくなります。3語は縦に積む言葉ではなく、横に3つ置く言葉です。棚の前で迷うのは、この表のどの列を探しているのかが決まっていないときです。
| 読むところ | 除菌 | 殺菌 | 抗菌 |
|---|---|---|---|
| 所属する制度 | 制度の外(自主基準) | 医薬品・医薬部外品 | 加工品の規格 |
| 時間の単位 | 秒 | 承認された用法 | 24時間ほど |
| 数えているもの | その時点の菌の数 | 承認時の試験成績 | 加工なしとの差 |
| 書ける製品 | 雑貨・化粧品でも書ける | 承認を受けたものだけ | 加工した物そのもの |
| 表示に要るもの | 試験条件と検査機関 | 承認番号と用法 | 規格名と試験方法 |
| 家での使いどき | 汚れた直後に手を入れる | 人の医薬部外品として | 毎日そこに置くものを選ぶ |
| この語で言えないこと | 家での持続 | 動物への使い方 | 吹きかけた瞬間の変化 |
最終行が、この表のいちばん使える行です。どの語にも「そこからは言えないこと」があります。除菌の試験が示すのは検査した瞬間までで、家に置いたあと何時間もつかは、その試験の範囲の外です。抗菌はその逆で、置いてあるあいだのことは扱いますが、いま床にこぼれたものには答えません。3語の違いは、答えられる範囲の違いだと読み替えると、表示の前で立ち止まる時間が短くなります。
犬や猫と暮らしている家では、もう1列が要ります。その子が口をつける場所かどうか、です。人の手指なら乾くまで待てますが、床や食器の周りは、拭いた3分後にその子の舌が届きます。除菌と殺菌の違いを制度の話として理解したうえで、最後は口に入る前提で選ぶことになります。
条件が書かれているかどうか|除菌と殺菌の条件を、手元の1本で確かめる
手元の1本で確かめられるのは3か所です。何を対象にした試験か、どんな条件で測ったか、誰が調べたか。この3つがそろっていない数字は、大きくても読めません。逆に、3つがそろっていれば、その数字が届く範囲もそこで確定します。
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対象を見る
菌の名前が書かれているかを見ます。標準混合菌なのか、黄色ブドウ球菌や大腸菌O157:H7のような個別の菌なのかで、試験の意味が変わります
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条件を見る
検査時間と、何に対して吹きかけたのかを見ます。秒が書かれていない除菌表示は、どの時点の話か決まりません
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調べた人を見る
検査機関の名前が書かれているかを見ます。名前があると、同じ条件でもう一度確かめられる形になります
この3か所を、当社の水にあてはめます。mofuwa が使っている電解水は、外部の検査機関に条件を決めて出した試験で、黄色ブドウ球菌や大腸菌O157:H7などを対象に、検査時間30〜60秒の時点で生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所/日本食品分析センター/ユニオンバイテック/日本繊維製品品質技術センター。※自社調べ)。試験に使った水は、特許5253483の三室構造の装置でつくる電解水です。ここで確かめられたのは水のふるまいで、製品が体の上で何かをするという話ではありません。
mofuwa スキンケアミストは、この電解水のうち酸性側にあたる高機能性電解酸化水100%で、精製水で薄めていません。舐めることを前提に設計されているので、口のまわりや耳のふちのように、ほかのものを置きにくい場所にも使えます。吹きかけた水が毛の上でとどまるのか、地肌まで浸透するのか——それは除菌の試験が答える問いではなく、使う場所と量で決まる話です。スキンケアミストを選ぶときに読むのは、強い語ではなく、この試験条件の3か所です。
30秒や60秒という検査時間は、試験室で条件をそろえて測った数字です。家の床やその子の毛の上には、汚れも皮脂も水分もあります。同じ秒数で同じことが起きると読み替えないでください。家で持てるのは、汚れたら早いうちに手を入れるという順番だけです。除菌という語に条件が付いているのは、その条件の外では別の話になる、という意味でもあります。
棚の前で3語を読み替える|除菌・殺菌・抗菌が指している範囲を1行にする
3語の違いを、探しものの言葉に置き換えて終わります。いま手を入れたいなら秒の言葉を、置いてあるものを選ぶなら24時間の言葉を、人の医薬部外品を探しているなら殺菌の言葉を見ます。強さの順番はどこにも出てきません。
| 探していること | 読む語 | 表示で確かめる1か所 |
|---|---|---|
| こぼした直後に手を入れたい | 除菌 | 検査時間と検査機関の名前 |
| 毎日その上に寝るものを選びたい | 抗菌 | 規格名と、比べた相手 |
| 人の薬用品をさがしている | 殺菌 | 医薬部外品の表示と用法 |
| その子が口をつける場所に置く | 3語のどれでもない | 何でできているか |
最後の行だけ、3語のどこにも入りません。舐める場所に置くものは、除菌や抗菌の強さで選べないからです。mofuwa スキンケアミストのように水そのものでできているかどうかは、3語の外にある情報として、成分の欄で確かめることになります。
棚の前に立ったら、強い語を探すのをやめて、時間の単位と制度の名前だけを拾ってください。除菌には秒が、抗菌には24時間が、殺菌には承認の枠がついています。3語の違いは、この3つの札の違いです。札が読めれば、その1本が自分の探しものかどうかは、数十秒で決まります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 除菌と書かれていない製品は、菌に対して何もしていないということですか。
- 表示に書いていないことと、調べていないことは別です。除菌という語は制度の外にあるため、書くかどうかはその会社の判断になります。試験をしていても、表現を避けて成分と試験条件だけを載せている製品があります。反対に、条件の書かれていない除菌という語だけが大きく載っている製品もあります。見分ける順番は、語の有無ではなく、検査時間と検査機関が書かれているかどうかです。この2つがあれば、語がなくても何をどこまで調べたのかが読めます。
- 殺菌と書かれた人用の石けんを、犬や猫に使ってよいのでしょうか。
- 殺菌の表示は、人が使うことを前提に承認された範囲で成り立っています。犬や猫に使ったときのことは、その承認の中では調べられていません。皮膚の厚さが人の3分の1ほどで、しかも舐める習性があるため、同じ条件がそのまま当てはまらない前提で考えることになります。すでに使ってしまって皮膚が赤い、しきりに舐めているといった変化があるときは、使ったものの表示を持って動物病院で相談してください。
- 抗菌と書かれたマットを敷けば、吹きかける手間はなくなりますか。
- 2つは担当している時間が違うので、置き換えにはなりません。抗菌の試験が答えているのは、24時間ほど置いたあとの菌の数を、加工していないものと比べたときの差です。散歩から帰った直後にマットへ持ち込まれたものについては、その試験は何も言っていません。逆に、吹きかける側の除菌試験は、その後ずっと同じ状態が続くとは言っていません。時間の担当が違う2つを、両方の札を読んだうえで組み合わせるのが現実的な形です。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
