C09シーン別・暮らし

小さな子どもがいる家庭のための高齢の飼い主|5分で終わらせるケア

公開日 2024年8月3日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋の窓ぎわで、落ち着いて休んでいる淡い色の高齢の犬
静かに過ごしている子ほど、子どもが来た日には立ち上がる回数が変わります。写真:Rufina Rusakova/Pexels

日曜の夕方、子どもたちが帰ったあとの居間に、ふだんの日曜の何倍もの毛が落ちていました。掃除機をかけて、その日はそれで終わりにしました。翌朝、同じ場所に同じくらい落ちていました。ふだん、その子は一日の大半を窓ぎわの同じ場所で過ごしています。高齢の飼い主の家では、家の中が静かなぶん、その子も静かです。ところが子どもが来る日は、その子が一年のうちでいちばん動く日になります。立ち上がり、玄関へ出て、居間を何度も往復して、ソファに上がる。ペットの体で起きたことが表に出てくるのは、その日の夜ではありませんでした。手当てをする日を1日ずらすだけで、5分で終わります。足すものの安全をどう見るかも、途中で一度だけ整理しておきます。

子どもたちが帰った翌朝、同じ場所にまた毛が落ちていました|高齢の飼い主とペットの家に子どもが来た日の背景

その日曜のことから書きます。来たのは13時で、帰ったのは16時。3時間でした。子どもは4歳と6歳です。その子は11歳になる犬で、ふだんは窓ぎわの決まった場所にいて、一日に立ち上がるのは4回くらいです。この日は、数えていたわけではないのに20回を超えていました。玄関のチャイムで立ち、子どもが走るたびに立ち、台所へ移動する足音のたびに顔を上げていました。

子どもが来た日の3時間に、その子がしていたこと
時刻その子がしていたことふだんの日曜なら
13:00玄関まで出て、そこで5分立っていた窓ぎわで寝ている
13:20居間と廊下を何度か往復した同じ場所から動かない
14:00子どもに呼ばれてソファへ上がった床にいる
14:40抱きつかれて、胸に顔をつけられていた誰も触っていない
15:30台所の入口まで移動して、また戻った1回だけ水を飲みに立つ
16:00玄関で見送って、そのまま横になった夕方まで同じ姿勢

帰ったあとの居間には、毛が落ちていました。においも、いつもの日曜より出ていました。そしてその子は、夕方から翌朝まで、ほとんど動かずに寝ていました。高齢の飼い主の家では、静かな一日が基準になっているので、この差がはっきり見えます。掃除機を出して、床をひととおりかけて、その日はそこで終わりにしました。

翌朝、同じ場所にまた毛が落ちていました。量は前の日とそれほど変わりません。前の晩にかけた掃除機は、何をしていたのだろうと思いました。ここが、この記事の出発点です。子どもが来た日にやったことが効いていないのだとしたら、やる日が違っているのかもしれない、というところから考え直しました。

Note動いたことを、悪いことにしないでください

毛が落ちるのは、子どもが来たからではありません。その子が動いたからです。そして、11歳の犬が3時間のあいだに20回立ち上がったというのは、それ自体はいいことです。高齢の飼い主とペットだけの家では、動く理由が減っていきます。子どもが来る日は、その理由が一日ぶんまとめて来る日です。減らすほうへ手を入れるのではなく、あとの片づけ方を変えるほうへ手を入れます。子どもに気をつかわせる形にはしない、というのがこの記事の前提です。

動いた分が出てくるのは、その日の夜ではありません|子どもが来た日にペットの体で起きていることの理由

翌朝また落ちていた理由は、3つに分けられます。どれも、掃除の腕とは関係ありません。体の側の時間差です。順に書きます。

1つめ。抜けかけの毛は、抜けた瞬間に床へ落ちるわけではありません。いったん、その子の被毛の中に留まります。立ち上がる、体を振る、ソファや人の服にこすれる。こうした動きで根元から緩み、そこからゆっくり外へ出ていきます。緩んでから床に落ちきるまでに、半日から1日かかります。だから当日の夜に掃除機をかけても、その時点ではまだ体の上にある毛が、翌朝になって落ちてきます。

2つめ。においが出てくるのも、動いている最中ではありません。体温が上がると、皮脂は毛の表面のほうへ回ります。動きが止まって落ち着いてから、数時間かけて表に出てきます。子どもが帰った直後の居間でにおいを感じるのは、そのためです。翌朝はもう一段はっきりします。ペットのにおいを当日に追いかけようとすると、いちばん出ていない時刻に手を入れることになります。

3つめ。当日の夕方、その子は疲れて寝ています。11歳の犬が3時間動いたあとの夕方は、休む時間です。そこへブラシや拭き取りを持ち込むと、休む時間を削ることになります。そして、高齢の飼い主にとっても、日曜の夕方は一日でいちばん体が重い時刻です。お互いにいちばん疲れている時刻に、いちばん効かない作業をしていたことになります。

子どもが来た日の時刻ごとに、体の側で何が起きているか
時刻その子の体で起きていることそこで手を入れると
来ているあいだ毛が根元で緩みはじめる動いている最中なので、触れない
帰った直後緩んだ毛はまだ体の上にある床を拭いても、出どころが残る
当日の夜体温が下がりながら皮脂が表へ回るその子は寝ている。起こすことになる
翌日の朝毛が落ちきって、においも表に出ている1回で両方に手が届く
翌日の午後落ち着いて、いつもの場所に戻っている触らせてもらいやすい
翌々日ふだんの量に戻っているやることが残っていない

表を通して見ると、手を入れる時刻は1つに決まります。翌日の午前です。当日にやると、毛にもにおいにも半分しか届かず、しかも2日にわたって同じ作業をすることになります。高齢の飼い主にとって、同じ作業を2回やらされるのがいちばん重い。回数を減らすのではなく、当てる日を1日ずらすだけで、1回で済みます。

猫と暮らしている家でも、同じ形になります。子どもが来た日に猫が高いところへ上がったままだったとしても、降りてきたあとに毛は落ちますし、においも出ます。動いた量ではなく、動いたあとの時間で決まるということです。ペットの側の時間割に、こちらの予定を合わせているだけの話です。

手当ての日を翌日の午前にずらす|高齢の飼い主が5分で終わらせる考え方と、足すものの安全の見方

決めたことは2つだけです。子どもが来た日は、何もしない。翌日の午前に、5分だけやる。当日にやらないと決めておくのが大事です。決めておかないと、床の毛が目に入るたびに立ち上がることになります。それが日曜の夕方に何度も起きると、翌日には何もする気力が残りません。

  1. 子どもが座っていた床を、1畳ぶんだけ

    居間の全部をやろうとしないでください。子どもが座っていた場所と、その子がソファから降りた場所。この2か所で1畳ぶんです。毛は人が座った場所の周りに集まります。範囲を先に決めておくと、かがむのが1回で済みます。所要は1分です。

  2. その子の背中から腰まで、乾いたまま一往復

    床に降ろしたまま、毛の流れに沿って一度だけ。往復させる回数ではなく、その日に一度当てたかどうかで決めます。翌日の午前は、その子が長く寝たあとで、いちばん落ち着いています。持ち上げる必要はありません。2分です。

  3. 子どもが顔をつけた面を、1か所だけ

    胸のまん中から、前肢のつけ根まで。子どもが抱きつくのは毎回ここです。においが最初に戻るのも、同じ場所です。固く絞った布で、一往復させます。毎日ではなく、子どもが来た翌日だけです。1分です。

  4. 水の器を洗って、入れ替える

    動いた翌日は、飲む量が変わります。器を洗うついでに、減り方を見ておきます。高齢の飼い主が一日に一度は必ず立つ用事なので、ここに合わせておくと忘れません。1分です。

合わせて5分です。翌日の午前にまとめる理由は、かがむ回数を1回にできることにもあります。床と、その子と、器。この3つが同じ5分の中に入っていれば、立ったり座ったりが1回で済みます。当日の夕方に思い立つたびに動くと、同じ3つに対して立ち上がる回数が3倍になります。やる量は同じでも、体にかかる負担はまったく違います。

ここで、足すものの話をしておきます。子どもがまた来る家では、床にもその子にも、こちらが何かを足すことになります。子どもの手は、拭いた直後の床に触れますし、その子の胸にも顔をつけます。だから「においが取れるか」より先に「何でできているか」を見ることになります。安全という言葉が出てくるのはこの場面なので、書き方をはっきりさせます。

まず前提として、安全だと言い切れるものは、この世に1つもありません。安全という言葉は、何を根拠にしているかとセットでしか使えません。「100%安全です」「舐めても大丈夫です」といった書き方は、根拠を示していないという一点で、判断の材料になりません。高齢の飼い主が知りたいのも、言い切りではなく根拠のほうだと思います。

うちで実際に見たのは、6つです。何の基準に照らしたか、誰が調べたか、どんな条件で調べたか、結果は何と書かれているか、どう届くか、そして書かれていないこと。この6つが読み取れないものは、子どもが来る家の床とその子の胸には回さない、と決めました。強い・弱いという印象ではなく、あとから追える形で書かれているかどうかで線を引いています。高齢の飼い主にとっては、この6つを一度決めてしまうほうが、毎回迷うより早く済みます。

子どもがまた来る家で、足すものをどこまで確かめるか
確かめることどこを見るかそこから分かること
何の基準に照らしたか清涼飲料水の規格基準という記載照らした基準が示されている
誰が調べたか検査機関の名前(江東微生物研究所ほか)自社の中だけの話ではない
どんな条件で調べたか試験条件と検査時間(30〜60秒など)数字が何を指しているかが読める
結果は何と書かれているかその時間後に生菌が検出されなかった試験の結果であって、効きめの約束ではない
どう届くか浸透のしやすさ(精製水の35倍)少ない量で行き渡らせやすい
書かれていないこと「安全です」という言い切り根拠のない言い切りは、安全の判断に使わない

試験の話は、条件とセットでしか意味を持ちません。たとえば mofuwa が電解水について公開している検証は、16の菌種・ウイルスについて、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかったという形で示されています(江東微生物研究所ほかの検査機関による、それぞれの試験条件下での結果)。対象によっては15秒という条件のものもあり、時間は一律ではありません。試験条件を外して数字だけを取り出すと、まったく別のことを言っていることになります。読めるかどうかを確かめているのであって、効きめを確かめているのではありません。

床とその子の胸のほうは、これで決まりました。残っていたのは、月に一度の洗う日です。そこは、この5分の外にある場所です。布の一往復で届くのは背中の表面までで、その下の地肌には、翌日の午前に何往復させても手が入りません。ここだけは人が代わる場所で、しかも高齢の飼い主にいちばんこたえるのは、しゃがんだままペットの体をこすり続ける時間のほうです。泡を立てて、全周を回って、すすぐ。どれも、床に手をついたまま続ける動作です。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして浸からせるつくりで、泡を被毛にかき分けて届かせる工程がありません。こする時間がなくなるというのは、しゃがんでいる時間がなくなるということです。すすぎも軽く済むので、洗う日にかがむ回数を、翌日の5分と同じ数え方で見られるようになりました。子どもが来る日曜と重ならないように、洗う日は前の週に置いています。安全という言葉を使うときも、6つの見方をひと続きで読んでいただくのが、いちばん正しい伝え方だと考えています。

線を1つ引いておきます。この記事は、お子さんの体調について何かを言うものではありません。肌のこと、体質のことは、家庭のケアで判断する範囲を超えています。気になることがあれば、そちらはそちらの専門のところへご相談ください。ここで扱っているのは、床と、その子の被毛と、手当てをする日付の話だけです。

3回目の日曜に起きた変化|子どもが来る家で、高齢の飼い主とペットに残ったこと

日を1日ずらしただけで、3回で形が決まりました。記録しておいたのは、当日にやったことと、翌日にやったことと、翌々日の床の様子です。

手当ての日をずらしてからの3回
当日にやったこと翌日にやったこと翌々日の床
1回目掃除機をひととおり(20分)同じ場所をもう一度(15分)まだ落ちている
2回目何もしない1畳ぶんと、背中と、器(7分)ほとんど落ちていない
3回目何もしない同じ4つを5分落ちていない
3回目の夕方座って見ていた――

1回目と3回目で、かかった時間は35分から5分になりました。作業の腕が上がったからではありません。やる日を1日ずらしただけです。高齢の飼い主とペットの暮らしで効いてくるのは、道具でも姿勢でもなく、日付のことがあります。落ちきってから拾う。出てきてから拭く。順番を待つほうが、結果として手が減ります。

もう1つ変わったことがあります。3回目の日曜は、子どもたちが帰るときに立ち上がって掃除機を出さずに済んだので、玄関で見送ったあと、そのまま座っていられました。その子も、同じ時刻から横になっていました。日曜の夕方に、家の中で誰も作業をしていない時間ができた、ということです。ペットの側にとっても、飼い主の側にとっても、そのほうが自然でした。

念のため、もう一度書いておきます。毛が落ちるのも、においが出るのも、子どもが来たせいではありません。その子が動いたからです。子どもに「静かにして」と言う必要はありませんし、来る回数を減らす話でもありません。手当ての日を1日ずらすというのは、そのどちらもしないで済ませるための決め方です。子どもが来る家の高齢の飼い主にとって、いちばん割のいい変え方でした。

Caution翌日を過ぎても戻らないときは、動物病院にご相談ください

子どもが来た翌日に長く寝ているのは、ふつうのことです。ただし、3日たっても起きている時間が戻らない、立ち上がるときに前より時間がかかるようになった、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、被毛が一か所だけ薄くなってきた、水を飲む量が急に変わった、においの質が変わった、触ると急に嫌がるようになった。こうした変化が重なっているときは、家でのケアを増やす前に動物病院にご相談ください。年齢のせいだと片づけないほうがいい変化があります。相談に行くときは、子どもが来た日付、その日に立ち上がったおおよその回数、翌日から3日分の寝ていた時間の3つをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらいやすくなります。

最後に、この記事で伝えたかったことをもう一度書きます。高齢の飼い主の家にとって、子どもが来る日は、その子が一年でいちばん動く日です。そして、動いた分が家の中に出てくるのは、その日ではなく翌日です。手当てをする日を1日うしろにずらすだけで、同じことが5分で終わります。安全のことも、道具のことも、その5分の中に収まる形で選べば足ります。子どもが来る回数を減らす必要は、どこにもありません。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。