C05犬種・猫種別ケア
シャーペイのケア|脇や内股の蒸れを減らす3つの習慣
シャーペイの脇に手を差し込んで、そのまま指を1本立ててみてください。指先が地肌に届くまでに、同じくらいの体格の短毛の犬より一段ぶん深く沈みます。毛が厚いからではありません。皮膚そのものに厚みがあって、体から少し浮くようにたるんでいるからです。シャーペイの蒸れが厚みの中に残るのは、この作りから始まります。表面の毛を拭けば、手ざわりは数十秒で乾きます。ところが折り重なった厚みの内側には、拭いた布がそもそも届いていません。この記事では、まずなぜそうなるのかを書いて、そのあとに表面の乾きと厚みの中の乾きを分けて確かめる手順を置きます。
皮膚そのものに厚みがある|シャーペイの蒸れが表面の乾きで終わらない理由
シャーペイの体を横から手のひらで押さえると、皮膚が体の輪郭からわずかに離れて動きます。首から肩、脇の上、後ろ脚の付け根。押さえた手をゆっくり滑らせると、皮膚のほうが先に寄って、あとから体がついてくるような感じがあります。これは毛の厚みではなく、皮膚そのものの厚みとゆるみです。シャーペイの蒸れを考えるとき、出発点はここになります。
この作りは、この犬種が中国の南部で担っていた仕事から来ています。農場のまわりを見回り、家畜と土地を守る。厚くてゆるい皮膚は、体の表面が一枚の板ではなく、動きしろを持った層になっているということです。短い毛は硬く、皮膚に対してほぼ直角に立っています。毛が長く伸びて寝ないぶん、外から見ると体の線がはっきり出ます。手入れの手数が少なく見えるのは、そのためです。
ところが、乾くという点ではこの厚みが効いてきます。湿りが外へ出ていくには、地肌から毛の表面まで抜けていく道のりが要ります。シャーペイでは、その道のりが一段ぶん長くなっています。表面の被毛が乾いた時点で手を止めると、厚みの内側はまだ湿ったままのことがあります。手ざわりと中身が一致しない、というのがこの犬種の蒸れの扱いにくいところです。
脇と内股は、その厚みが折り重なる場所です。前脚の付け根では、胸の側の皮膚と腕の内側の皮膚が向かい合います。後ろ脚の付け根では、下腹の皮膚と腿の内側の皮膚が向かい合います。立っているあいだも、伏せているあいだも、この2か所は閉じています。閉じた面と面のあいだには風が入りません。厚みがあるうえに、風の通り道もない。シャーペイの蒸れが脇と内股に集まるのは、この2つが同じ場所で重なるからです。
- 皮膚に厚みがある:湿りが外へ抜けるまでの道のりが一段ぶん長くなります
- 皮膚がゆるく、たるむ:脇と内股で面と面が向かい合い、ヒダになります
- 毛が短く硬い:表面はすぐ乾くので、乾いたという合図が早く来ます
- 体格に対して面が閉じている:閉じた内側には、外の空気が入ってきません
- 地肌が外から見えない:ヒダを開かないかぎり、目では確かめられません
もうひとつ、湿度の話をしておきます。部屋の湿度が高い日は、外の空気そのものが水分を多く持っているので、厚みの中から出ようとする湿りの行き先がありません。同じ拭き方をしても、乾ききるまでの時間は日によって変わります。梅雨どきに「昨日と同じことをしたのに、今日は指が湿る」と感じるのは、手の入れ方が変わったからではなく、外の条件が変わったからであることが多いです。
蒸れというと、まず毛の量を疑いたくなります。ただ、シャーペイの被毛は短く、量そのものは多くありません。ここで効いているのは、毛ではなく皮膚の厚みのほうです。毛の量の話にしてしまうと、答えは「もっと短くする」「もっと梳く」になってしまいます。厚みの話にすると、答えは「面を開いて、厚みの中の乾きを別に確かめる」に変わります。うるおいを保ちながら手を入れられるのは、こちらの考え方のほうです。
表面と厚みの中を分けて確かめる|家でできるシャーペイの蒸れの手順
ここからが家でできる手順です。目的は、湿りを取ることではなく、どこがまだ湿っているかを分けて知ることです。場所が分かってから風を通せば、手を入れる範囲は小さくて済みます。用意するのは、乾いた薄手の布を2枚だけ。1枚は表面用、もう1枚は厚みの中用にして、途中で取り違えないようにしてください。シャーペイの体格なら、脇と内股の4か所を回して3分ほどです。
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立たせたまま、脇の表面に手のひらを当てて滑らせる
まず表面の乾きを見ます。前脚の付け根の外側から胸のほうへ、手のひらを寝かせて滑らせてください。ここで湿りを感じるなら、厚みの中を確かめるまでもありません。表面がまだ乾いていない段階です。1枚目の布で押さえるように拭いて、その日はそこで終えて構いません。押しつけてこすらず、当てて離すだけで足ります。
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前脚を体から少しだけ離して、ヒダを一つ開く
脚を高く上げる必要はありません。体から手のひら一枚ぶん離すと、それだけで向かい合っていた面が離れます。開いた面を見ると、外からは見えていなかった地肌が出てきます。嫌がる子には、立たせたまま片手で胸を支えて、反対の手で開いてください。仰向けにする必要はありません。
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2枚目の乾いた布を開いた面に当て、10数える
こするのではなく、当てて置くだけです。10数えて布を離し、布の側が湿っているかどうかを見ます。これが厚みの中の乾きの答えです。表面が乾いていても、この布に湿りが移るなら、そこがシャーペイの蒸れが残っている場所ということになります。布は当てるたびに、乾いた面へずらしてください。
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内股でも同じことを、脇とは別に記録する
内股は脇と条件が違います。地面に近く、散歩のあとに外から湿りが持ち込まれる場所です。脇が乾いていたから内股も乾いている、とは考えないでください。後ろ脚の付け根の内側で、同じように面を一つ開いて、乾いた面の布を10数えるだけ当てます。4か所ぶんの結果が、その日に手を入れる範囲になります。
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布が湿った場所にだけ、風を10秒通す
面を開いた状態で、うちわか送風機の弱い風を当てます。熱ではなく風です。温風を近づけると、表面だけが先に乾いて、厚みの中はそのまま残ります。10秒当てて、もう一度乾いた面の布を当ててみてください。布が乾いたままなら、その場所はその日は終わりです。ブラッシングをするなら、この確認が終わってからにしてください。
| 表面(手のひら) | 厚みの中(布を10数える) | その日にやること |
|---|---|---|
| 湿っている | 確かめない | 表面を押さえて拭く。厚みの中は翌日に回す |
| 乾いている | 布が湿る | 面を開いて風を10秒。もう一度布で確かめる |
| 乾いている | 布は乾いたまま | 何もしない。開いて閉じるだけで終わり |
| 乾いている | 布が湿り、地肌が赤い | 風を当てず、その日のうちに動物病院へ相談 |
この手順の要は、3番目と5番目のあいだにある「もう一度確かめる」です。風を当てたあと、確かめずに閉じてしまうと、乾いたかどうかが分からないまま次の日を迎えます。シャーペイの蒸れが同じ場所に戻ってくるように見えるとき、実際には一度も乾ききっていない、ということがあります。10秒の風で足りなければ、もう10秒。それでも布が湿るなら、その日はそこで止めて、翌日に持ち越してください。
指で触ると、湿りと体温が混ざって分かりにくくなります。地肌はもともと表面より温かいので、「生あたたかい」という感じだけでは、湿っているのか温かいだけなのかを切り分けられません。乾いた布は、湿りだけを移して見せてくれます。慣れてくると指でも分かるようになりますが、最初の2週間は布を使ってください。判断の基準が自分の中にできてから、指に切り替えるほうが早く身につきます。
毎日・週に一度・湿度が動く時期|シャーペイの蒸れを減らす3つの習慣とやり方
手順が分かったら、次はそれをどの間隔で回すかです。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1日の中で決めるものが1つ、1週間の中で決めるものが1つ、1年の中で決めるものが1つ。単位をずらしてあるので、忙しい週でも全部が同時に止まりません。シャーペイの蒸れは、手をかけた総量ではなく、閉じている時間の長さで決まります。
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習慣1:毎日、脇と内股を開くだけ。拭かない日があってよい
帰宅後や寝る前に、4か所の面を一度ずつ開いて、そのまま5秒置きます。拭くかどうかは、開いてから決めます。毎日拭くことを習慣にすると、乾いている日まで拭くことになり、地肌のうるおいまで持っていってしまいます。開くだけなら30秒で終わりますし、その子も身構えません。この30秒が、閉じている時間を毎日少しずつ削っていきます。開いたついでに手のひらを当てれば、表面の乾きはその場で分かります。
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習慣2:週に一度、乾いた布を当てて厚みの中を点検する
毎日やるのは開くところまでで、布を当てて10数える点検は週に一度で足ります。曜日を決めてしまうと忘れません。4か所ぶんの結果をカレンダーの隅にでも書いておくと、いつも同じ場所だけが湿るのか、日によって変わるのかが見えてきます。ここで記録しておいた4か所ぶんの並びは、あとで動物病院に相談するときにそのまま伝えられます。ブラッシングをするなら、この点検の日にまとめてしまうのがやりやすいです。
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習慣3:湿度が動く時期だけ、風を通す回数を増やす
梅雨に入る前と、夏の終わりから秋にかけて。外の湿度が上がる時期は、同じ拭き方でも乾ききるまでの時間が伸びます。この時期だけ、風を10秒通す工程を1日1回から2回に増やしてください。寝床の向きを変えて、風の通り道の側に置くのも同じ効きかたをします。湿度が下がる時期に入ったら、回数はもとに戻します。1年じゅう同じ回数を続ける必要はありません。
| 何をするか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 脇と内股の面を開く。拭くかは開いてから決める | 1日の中 |
| 習慣2 | 乾いた布を当てて10数える点検と、記録 | 1週間の中 |
| 習慣3 | 風を通す回数と、寝床の向き | 1年の中。湿度が動く時期だけ |
洗いすぎについても書いておきます。厚みの中が湿るからといって、シャンプーの回数を増やす方向へ寄せないでください。洗う回数を増やすと、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで減ります。そのうえシャーペイは、洗ったあとに乾ききるまでの時間が長い犬種です。洗う回数を増やすほど、厚みの中が湿っている時間も一緒に増えます。蒸れているのだから、こまめに洗えば清潔になるという順番では、かえって閉じている時間が伸びてしまいます。
面を開いている数秒のあいだだけ、その地肌は外の空気に触れます。閉じてしまえば、そこはまた誰の目にも入りません。手を入れられるのは開いているこの数秒のうちだけで、そこに何を置くかは、開いた人が決めることになります。mofuwa スキンケアミストは、入っていないものを数えると8つあります。アルコール、香料、界面活性剤、鉱物油、オイル、着色料、防腐剤、そして添加物。日ざしにも外の風にも当たっていない面に置くものを選ぶときは、何が入っているかより、何が入っていないかのほうを先に見ます。使い方は、乾いた布に吹きつけてから、開いた面に当てるところまでです。ヒダに向けて直接吹きかけて、そのまま閉じないでください。閉じれば、いま乾かそうとしている場所に水分を足すことになります。当てたあとは、乾いた面の布をもう一度当てて、布が湿らないことを確かめてから閉じます。
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皮膚の乾燥は、そのままにしておくと様々な皮膚トラブルの原因になります。従来のクリームやローションなどの保湿剤だとべたつきや気にして舐めてしまう子もいるため、電解水100%で舐めても安全なmofuwaスキンケアミストは日々のケアとしておすすめです。
厚みの中の地肌は、外の空気にも日ざしにも当たっていない面です。表面と同じ力でこすると、それだけで赤みが出ることがあります。当てて、離す。動かすとしても、面に沿って一方向へ一度だけ。湿りは、こすって取るものではなく、風で抜けていくのを待つものだと考えてください。嫌がる、声を出す、脚を引くというときは、その場で手を止めて、翌日にもう一度からで構いません。
乾かした翌朝に、また同じ場所が湿っているとき
ここまでは、皮膚の厚みで説明のつく蒸れの話でした。面を開いて風を通し、布が乾いたことを確かめた翌朝に、同じ場所だけがまた湿っているときは、別の見方をしてください。厚みの中の湿りは、乾かしたあと半日から一日は戻りません。それより早く戻るなら、外から入った湿りではなく、その場所の側で何かが起きていると考えたほうが安全です。
- 乾かした数時間後に、同じ場所だけがまた湿る:湿度の話では説明がつきにくい戻り方です
- 開いた面の地肌が赤い、または色が濃くなっている:風を当てる前に、まず見てください
- 4か所のうち1か所だけが、いつも湿っている:ハーネスの当たる位置や、寝床の縁を思い出してください
- においがある:湿った状態が続いたあとに出てくることがあります
- その場所を気にしている:なめる、後ろ脚でかく、床にこすりつける
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その日のケアをそこで止めてください
開いた面の地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。シャーペイは厚みの中が外から見えないぶん、気づいたときにはその状態がしばらく続いていた、ということが起こります。迷ったら早いほうを選んでください。
相談に行くときは、湿っていた場所、いつからか、その日の部屋の湿度の3つをメモしてください。週に一度の点検で4か所ぶんを記録していれば、そのまま持っていけます。前の晩に念入りに拭いて、開いた面をきれいにしてから行かないでください。もとの状態が分からなくなります。気になる面は、開かずにそのまま連れて行くほうが伝わります。
シャーペイと暮らすうえで、皮膚に厚みがあることは変えられません。それはこの犬種が持っている作りで、脇と内股が閉じることも同じです。動かせるのは、閉じている時間の長さと、厚みの中が湿ったままでいる時間のほうです。毎日は開くだけ、週に一度は布で確かめる、湿度が動く時期だけ風を増やす。表面の乾きと厚みの中の乾きを別のものとして数えていけば、シャーペイの蒸れで手を入れる範囲は、思っているよりずっと小さく収まります。
シャーペイの蒸れは、手をかけた回数ではなく、閉じている時間の長さで決まります。毎日は開くだけの30秒、週に一度は布で確かめる。ここに、開いた面へ当てるものを1つ足すだけです。3か月続けると、脇と内股の4か所のうち、その子でいつも最後まで湿るのがどこなのかが、記録を見返さなくても分かるようになります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- シャーペイのヒダは、毎日拭いたほうがいいですか?
- 毎日開くところまでは続けて構いませんが、拭くかどうかは開いてから決めてください。乾いている日まで拭くと、地肌のうるおいまで持っていくことになります。手のひらで表面を確かめて、湿っていれば当てて拭く。乾いていれば、開いて閉じるだけで終わりです。厚みの中を布で確かめるのは、週に一度で足ります。
- 表面はすぐ乾くのに、内側が湿っているか分かりません。どう見ればいいですか?
- 乾いた薄手の布を1枚、面を開いた状態で地肌に当てて10数えてください。離したときに布の側が湿っていれば、厚みの中はまだ乾いていません。指では体温と混ざって分かりにくいので、慣れるまでは布を使うほうが確実です。判断の基準ができてから、指に切り替えてください。
- 蒸れが気になるとき、シャンプーの回数を増やすのはどうですか?
- 回数を増やす方向はおすすめしません。洗うと皮脂と一緒に地肌のうるおいも減りますし、乾ききるまでの時間が長い犬種なので、洗うほど厚みの中が湿っている時間も伸びます。まず動かすのは、洗う回数ではなく、面を開いて風を通す回数のほうです。地肌に赤みやにおいがあるときは、洗う前に動物病院にご相談ください。
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