C05犬種・猫種別ケア

ブルドッグと暮らすなら知っておきたい、体のにおいの話

公開日 2024年10月1日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、顔にシワのある短毛の犬が薄い色の毛布の上に落ち着いて伏せている
同じ一頭でも、鼻を近づける場所を変えると、においの出どころが二つに分かれます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

ブルドッグが足元で眠っているとき、口のあたりから空気が出入りする音が、ずっと続いて聞こえます。鼻が短くて奥行きのない作りなので、呼吸の何割かは口を通ります。出ていく空気は体の中で温められて湿っていて、その出口にあたる口の下の毛を、一日じゅうかすめていきます。ブルドッグの体臭を考えるとき、この場所は体とは別に数えたほうがうまくいきます。体から出るにおいと、口まわりの毛が湿っていることによるにおい。この2つは、鼻を近づける場所も、手を入れる順番も違います。この記事では、その2か所を並べて比べます。

鼻が短いぶん、空気が口から出ていく|ブルドッグの体臭が2か所に分かれる条件

ブルドッグの顔を正面から見ると、鼻先から目までの距離がほとんどありません。マズルと呼ばれる部分が短く詰まっている作りです。鼻の中を通る道のりが短いぶん、呼吸の何割かは口のほうを通ります。眠っているあいだも、歩いているあいだも、口の隙間から空気が出入りしています。ブルドッグと暮らしていると、この音が生活の背景音になっていきます。

この作りは、この犬種がイギリスで担っていた仕事の名残です。前へ出た下あごと、詰まったマズル。体は低く、幅があり、胸が広い。顔の前面が平らに近いので、口の下の毛は、出ていく空気の真下に位置しています。体の中を通ってきた空気は温められていて、湿り気を持っています。その湿り気は、いちばん近い毛に置いていかれます。

毛が湿るというだけなら、雨に濡れた背中と同じです。違うのは、時間です。背中の毛は、濡れても風が当たれば乾きます。口の下の毛には、乾く時間そのものがありません。乾きかけたところへ次の呼吸が来るからです。ブルドッグの体臭の話でこの場所を別に数えるのは、湿っている量が多いからではなく、湿っている時間が途切れないからです。

湿った毛には、空気中のほこりや食べもののかけらが留まりやすくなります。留まったところに雑菌が回れば、においが出ます。体のほうでも同じことは起きますが、原因になっているものが違います。体は皮脂と被毛と寝床、口の下は呼気の湿り気と食器のまわりで拾ったもの。同じ「におい」でも、出どころが違えば、手を入れる場所も変わります。だからこの記事では、2か所に分けて比べます。

Noteここでは、毛が湿っているという条件だけを扱います

口のまわりのにおいというと、体の中の話に寄せて考えたくなります。この記事では、そこには踏み込みません。扱うのは、口の下の毛が湿ったままになりやすいという条件と、その毛をどう拭くかまでです。においが急に強くなった、食べ方が変わった、よだれの量が変わったというときは、毛の手入れの話ではありませんので、動物病院にご相談ください。ブルドッグの体臭で家庭ができるのは、湿っている時間を短くするところまでです。

背中と胸に鼻を近づける|ブルドッグの体から出るにおいの見分け方

比べる1本目は、体から出るにおいです。ブルドッグの被毛は短く硬く、皮膚に対してほぼ直角に立っています。毛が短いということは、皮脂の乗る面が皮膚のすぐ上にあるということです。長い毛のように、皮脂が毛先まで運ばれて散っていく距離がありません。出た場所の近くに留まります。

体のにおいを見るときは、鼻を近づける場所を先に決めます。背中の中ほど、肩の後ろ、胸の下、そして下腹。この4か所は、寝床と接する時間の長さが違います。ブルドッグは体が低く幅があるので、伏せると胸から下腹にかけての面が広く床につきます。接している時間が長い場所ほど、風が当たらず、皮脂と寝床の側のにおいが混ざります。

寝床のにおいは、その子のにおいとは別に数えてください。カバーを洗った日と、洗って一週間たった日とで、同じ場所に鼻を近づけると差が出ます。体のにおいが強くなったと感じた週に、実際に変わっていたのは寝床だった、ということがあります。換気も同じです。窓を開けない日が続くと、部屋の空気ににおいが留まり、そこで寝ている体にも戻ってきます。

体のほうで、鼻を近づける4か所と条件の違い
場所床と接する時間見ているもの
背中の中ほど短い皮脂そのもの。風が当たる面の基準になります
肩の後ろ短い首輪やハーネスが当たる位置。こすれと湿り
胸の下長い皮脂と寝床の側のにおいが混ざります
下腹長い床からの湿りも入ります。散歩のあとは特に

体のにおいへの手の入れ方は、落とすより動かすほうです。短い被毛なら、獣毛のブラシを毛の流れに沿って通すだけで、留まっていた皮脂が毛の面に散り、空気に触れる量が増えます。拭き取りをするなら、背中から胸、下腹の順に、上から下へ向かってください。下から上へ戻すと、下腹で拾ったものを背中へ運ぶことになります。ブルドッグの体臭を体の側で扱うときは、この向きだけ守れば足ります。

洗う回数を増やす方向へは寄せないでください。皮脂は落とせばそのぶん出ようとします。においが出たらそのつど洗えば、においは消えるという順番では、落として出しての繰り返しになります。洗った日以外は、ブラッシングで動かして、拭き取りで表面を整えるところまでにしてください。うるおいを残したまま扱えるのは、こちらのやり方のほうです。

口の下の毛には乾く時間がない|ブルドッグの体臭を2か所で比較する

比べる2本目が、口まわりの毛が湿っていることによるにおいです。場所は、下あごの先から胸の上までのあいだ。出ていく空気の真下にあたる帯です。ここに指を入れると、体のほかの場所とは手ざわりが違います。毛の根元が寝ていて、指で分けると重く感じます。乾いている毛は、分けたときに軽く散ります。

この2つは、強くなるきっかけも違います。体のにおいは、寝床を洗わない週や、換気をしない日が続いたときに上がります。口の下のにおいは、水を飲んだあとや、食べたあとに上がります。食器に顔を入れるとき、この帯がいちばん先に器に触れるからです。器のふちに残った水が毛に移り、そこへ呼気の湿り気が重なります。ブルドッグの体臭を2つに分けると、生活のどの場面で動くかまで分かれます。

ブルドッグの体臭を、2か所に分けて比較する
体から出るにおい口まわりの毛の湿りによるにおい
鼻を近づける場所背中・肩の後ろ・胸の下・下腹下あごの先から胸の上までの帯
何が元になっているか皮脂と、寝床から戻ってくるもの呼気の湿り気と、食器のまわりで拾うもの
乾く時間風が当たれば乾きます次の呼吸が来るので、途切れません
強くなるきっかけ寝床を洗わない週、換気をしない日水を飲んだあと、食べたあと
手の入れ方ブラッシングで動かし、上から下へ拭く帯を分けて、根元に布を当てる
間隔毎日でなくてよい。週の中で決める1日に2回。食後と寝る前
変化の出方週の単位でゆっくり動きますその日のうちに動きます
体から出るにおいと、口まわりの毛の湿りによるにおい ブルドッグの体臭は、鼻を近づける場所を変えると2つに分かれます。元になっているものも、強くなるきっかけも、手を入れる間隔も違います。 嗅ぐ場所が違えば、拭く場所も変わります 体から出るにおい 背中・胸の下・下腹 元は皮脂と寝床 風が当たれば乾く 週の単位で動く 口まわりの毛の湿り 下あごから胸の上の帯 元は呼気と食器の水 乾く時間が途切れない その日のうちに動く どちらが強いかは、日によって入れ替わります
同じ一頭の中で、条件の違う2か所を別々に数えます。

表にすると、2か所のいちばん大きな違いは「乾く時間」の行に出ます。体のほうには乾く時間があり、口の下にはありません。だから体のほうは、間隔を空けても戻りにくい。口の下は、朝拭いても夕方には同じ状態に戻っています。ここを同じ頻度で扱おうとすると、体は拭きすぎになり、口の下は追いつきません。ブルドッグの体臭で手が空回りするのは、たいていこの一点です。

Point帯を分けてから、根元に当てる

口の下の毛は、表面だけ拭いても手ざわりが変わりません。湿っているのは根元だからです。指で毛を左右に分けて、地肌が見える線を作ってから、乾いた布をその線に沿って当ててください。こすらず、当てて離すだけで足ります。分ける線を少しずつずらしながら、下あごの先から胸の上まで進みます。時間にして30秒ほど。この30秒があるかないかで、その日の後半のにおいが変わります。

今日はどっちを先に拭くか|ブルドッグの体臭で手を入れる順番

2つに分かれると分かったら、次は今日どっちから手を入れるかです。毎日2か所とも同じだけやる必要はありません。見分け方は簡単で、乾いた布を2枚使います。1枚目を背中の中ほどに10秒当て、2枚目を口の下の帯に10秒当てる。そのあと、2枚の布を順に嗅ぎます。布は毛と違って体温を持たないので、においだけを移して見せてくれます。

2枚の布を嗅いだ結果と、今日の順番
1枚目(背中)2枚目(口の下)今日やること
においがあるにおいがある口の下を先に。体は上から下へ通すだけ
ほとんどないにおいがある口の下だけ。体は触らなくて構いません
においがあるほとんどない寝床のカバーと、部屋の換気を先に見ます
どちらもないどちらもない何もしない日にしてください

口の下を先に、と書いたのには理由があります。口の下は、その日のうちに戻る場所だからです。体のほうは週の単位でゆっくり動くので、今日やらなくても明日で間に合います。順番を逆にすると、時間が足りなくなった日に、いちばん戻りの早い場所が後回しになります。ブルドッグの体臭で「毎日やっているのに変わらない」と感じるときは、この順番が入れ替わっていることがあります。

食器のまわりも、この順番の中に入れておいてください。器のふちに残った水は、次に顔を入れたときそのまま毛に戻ります。水皿は1日に一度、中身を替えるだけでなく、ふちの内側まで拭いてください。浅くて広い器に替えると、顔を入れる深さが浅くなるので、帯が触れる面積そのものが減ります。食器を変えるのは、拭く回数を増やすより先にできることです。

洗う日には、この2か所の扱いがもう一度分かれます。体のほうは被毛が短いので泡がすぐ地肌まで届きますが、下あごの先から胸の上までの帯は、毛の根元が寝ていて泡も湯も入りにくい場所です。入りにくい場所ほど、力を入れてこすりたくなります。そして、こすった場所ほど泡が残ります。ブルドッグの体臭で洗う日にいちばん気をつけるのは、洗う強さのほうです。mofuwa モイストシャンプーの使い方には、こする工程がそもそも入っていません。爪を立てず、指の腹で地肌を動かして泡をなじませるところまでが、この1本の設計に含まれています。帯のような細い場所では、指1本の腹を線に沿って前後させるだけで足ります。流すときは、体を先に、帯を最後に。帯は、あごを少し持ち上げて、湯が根元を通って下へ抜ける向きにしてください。乾かすのも同じ順番で、最後に帯へ風を当てます。拭くときと同じ順番なので、覚え直す手順は増えません。

Caution拭く回数を増やしても、口の下は乾ききりません

口の下の毛が湿るのは、呼吸が続いているからです。ですから、拭く回数を1日5回に増やしても、次の呼吸で同じところに戻ります。目指すのは乾ききらせることではなく、留まったものを1日2回外へ運ぶことです。回数を増やすほど、その子は顔を触られるのを嫌がるようになります。食後と寝る前の2回、30秒ずつ。これを続けるほうが、結果として保ちます。

布を替えても同じ場所だけがにおうとき

ここまでは、2か所に分けて説明のつくにおいの話でした。寝床のカバーを替え、換気をして、口の下も1日2回拭いている。それでも同じ場所だけがにおうときは、別の見方をしてください。ブルドッグの体臭を扱う家庭のケアは、湿っている時間を短くするところまでです。その先は、動物病院の領域になります。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、においの質が変わった、触ると痛がる、同じ場所をなめたりこすったりし続けている、毛が抜けて地肌が見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ブルドッグは顔の作りが平らなぶん、口の下の帯が外から見えにくい場所です。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行く前には、においが出ている場所、いつからか、その日に使った布の枚数の3つをメモしてください。2枚の布で分けた結果を数日ぶん書き留めておけば、体の側なのか口の下なのかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いて、きれいにしてから行かないでください。もとの状態が分からなくなります。気になる場所は、触らずそのまま連れて行ってください。

ブルドッグと暮らすうえで、鼻が短いという作りは変えられません。口から空気が抜けることも、その空気が湿っていることも同じです。動かせるのは、湿った毛がそのままでいる時間と、食器のまわりで拾うものの量です。背中に鼻を近づける日と、口の下に鼻を近づける日を分ける。布を2枚使って、今日どっちが強いかを決める。ブルドッグの体臭で家庭が手を入れられるのは、この2か所の使い分けまでです。そこまでで、変えられる範囲はきちんとあります。

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よくある質問

ブルドッグの口まわりは、1日に何回拭けばいいですか?
食後と寝る前の2回で足ります。呼吸が続いているかぎり湿りは戻るので、回数を増やしても乾ききりません。それよりも、指で毛を分けて根元に布を当てる、という手順を守るほうが効きます。表面だけを撫でると、湿っている根元に届きません。1回30秒ほどで終わります。
体のにおいと口まわりのにおいは、どうやって見分ければいいですか?
乾いた布を2枚用意して、1枚目を背中の中ほどに、2枚目を口の下の帯にそれぞれ10秒当ててください。そのあと2枚を順に嗅ぎ比べます。布は体温を持たないので、においだけが移ります。どちらの布が強いかで、その日に先に手を入れる場所を決めてください。
においが気になるとき、シャンプーの回数を増やしてもいいですか?
回数を増やす方向はおすすめしません。皮脂は落とすとそのぶん出ようとしますし、口の下の湿りは洗っても呼吸で戻ります。まず動かすのは、寝床のカバーを洗う間隔と、水皿のふちを拭くかどうかのほうです。地肌に赤みがある、においの質が変わったというときは、洗う前に動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。