C09シーン別・暮らし

サロン通いをしている人のための散歩から帰ったあと|5分で終わらせるケア

公開日 2024年10月26日|文=mofuwa編集部

明るい玄関のそばで、落ち着いて立っている淡い色のふわりとした毛の犬
次の予約日に見えているのは、その日の汚れではなく、帰宅後の数分を30回ぶん重ねた結果のほうです。写真:SLZ/Pexels

次のトリミングの日、担当の方に「うしろのほうが、少しくたびれてきていますね」と言われました。心当たりを探しても、預けた日から今日までのあいだに特別なことは何も起きていません。旅行もしていないし、雨の中を長く歩いた日もありません。あったのは、いつもどおりの散歩が30回だけです。散歩後のケアは、1回ぶんでは何も変わりません。だから毎日、今日はやらなくてもいいだろうと判断できてしまいます。その判断を30回ぶん積み上げたものが、次の予約日にまとめて出てきます。サロン通いをしている人にとって、整えた状態を崩しているのは月に1回のほうではなく、毎日ある30回のほうです。この記事は、帰宅後の5分の中身をどう決めるかという話です。

トリミングは月に1回、散歩は30回|次の予約日に言われた一言が、散歩後のケアの背景にあった

言われたのは「うしろのほうがくたびれている」でした。尾のつけ根から後ろ足にかけて、前回の仕上がりと比べると流れが残っていない、という意味だそうです。こちらとしては、前回のトリミングから何も変えていないつもりでいました。同じフードで、同じ散歩コースで、同じ時間に帰ってきていました。

帰ってから、その1か月にあったことを数えてみました。トリミングに行った日は1日。散歩から帰った日は30日。手を入れられる機会の数でいうと、1対30です。それなのに、こちらが「ケアの日」として意識していたのは、月に1回のサロンの日だけでした。残りの30回は、散歩から帰って、足を拭いて、それで終わりにしていた日がほとんどです。

拭いていなかったわけではありません。やった日と、やらなかった日が混ざっていました。帰りが遅い日はやらない。ほとんど汚れていないように見える日もやらない。土のない道だけを歩いた日もやらない。1日ずつ見れば、どれも妥当な判断です。ただ、その妥当な判断が30回ぶん並ぶと、実際にやったのは13回でした。半分以下です。

1か月のあいだに、その子の体へ手が入る機会の数
回数1回にかかる時間こちらが意識していたか
サロンでのトリミング1回2〜3時間予定として意識していた
散歩から帰ったあと30回1〜5分気づいたときだけ
実際に手を入れた回数13回平均2分ほど記録していなかった
何もしなかった回数17回0分判断した記憶も残っていない
ブラシを入れた日4回10分週末だけ

この表を作ってから、言われたことの意味が変わりました。くたびれていたのは、トリミングの仕上がりそのものではありません。仕上がりは1回きりで、そのあとの30回のほうが、その状態をどこまで持たせるかを決めていました。散歩後のケアという言葉を、毎日の雑用として見ていたのが間違いで、実際にはこれが仕上がりの続きの部分でした。

1回あたりの差が見えないのに、30回ぶんだけが見える|散歩後のケアが判断に負ける理由

やらなかった17回のことを、もう少し細かく書きます。散歩から帰った直後に、その子の体を見て「今日はやらなくていい」と判断した日は、実際にほとんど汚れていません。判断は当たっています。1回ぶんで見れば、やってもやらなくても、その日のうちに違いは出ません。翌朝も同じです。だから、判断が間違っていたと気づく機会がありません。

1か月のあいだに、その子の体へ手が入る回数 トリミングの日と、散歩から帰ったあとの日数を比べた棒グラフ サロンでのトリミング 1回 実際に手を入れた帰宅後 13回 散歩から帰ってきた日 30回
同じ1か月でも、手を入れられる機会の数はここまで違います。回数は本文の記録に基づく1か月ぶんの実測です。

問題は、差が出るまでの長さです。1回ぶんの差は、その日にも翌日にも見えません。2週間たったころにようやく、手ざわりが少し違う気がする、という程度になります。そして次の予約日、つまり4週から6週たった時点で、はっきり見える形になります。判断してから結果が返ってくるまでに1か月かかるので、そのあいだに判断は30回おこなわれます。返ってきたときには、どの判断が効いたのか分かりません。

散歩後のケアを1回抜いたときに、いつ何が見えるか
経過見えるものこちらの受け取り方
その日の夜何も変わらないやらなくてよかった、と感じる
翌朝何も変わらない判断が当たったと確認される
3日後何も変わらない抜いたこと自体を忘れる
2週間後手ざわりが少し違う気がする気のせいだと思う
4〜6週後(次の予約日)流れが残っていない場所ができている心当たりが思い出せない

つまり、散歩後のケアはその場の判断に、構造として勝てません。判断は毎回、目の前の1回だけを見て決まります。目の前の1回には差がないので、正しく判断すれば「やらない」になります。ここを気合いや意識で埋めようとすると、月の前半だけがんばって後半に落ちる、という形になります。帰宅後の数分を30回そろえるには、判断そのものを外すしかありません。

Note「今日は汚れていない」は、たいてい合っています

判断が間違っているという話ではありません。1回ぶんで見れば、その日のその子は本当に汚れていないことが多いです。散歩後のケアが積み上がるかどうかは、汚れの量ではなく、毛の流れが押し戻される回数のほうで決まります。汚れを基準にしているかぎり、判断は毎回「やらない」に寄ります。基準を汚れから外すところが、この記事の入口です。

30回を全部変えなくていい|散歩後のケアの考え方を、長さから中身の固定へ移す

やったことは1つだけです。帰宅後にやる中身を固定して、その日の状態を見て決めるのをやめました。時間を長くしていません。回数の目標も立てていません。決めたのは、玄関を上がったら必ず同じ2か所を同じ順番でやる、ということだけです。時間にして1分半、長くても5分で終わります。

固定する理由は、前の章のとおりです。見えない差は、判断では選べません。選べないものは、選ばずに済む形にしておくしかありません。帰宅後に「今日はどうしようか」と考える瞬間を作らないこと自体が、この方法の中身です。考える瞬間があると、そこで30回のうちの何回かが必ず抜けます。

散歩後のケアを、判断で決める場合と固定する場合
その日の状態で決める中身を固定する
帰宅後に考えることやるかどうか/どこをやるかなし
1回にかかる時間0分〜10分でばらつく毎回1分半〜5分
1か月にできる回数13回前後26〜30回
汚れがひどい日長くなる同じ。追加は別枠で考える
ほとんど汚れていない日0分同じ1分半
続かなくなる理由判断が毎回発生する手順を覚えるまでの最初の1週間

「汚れがひどい日も同じでいいのか」は、よく引っかかるところだと思います。同じで構いません。ひどい日だけ長くすると、その日の分は片づきますが、翌日から元の判断に戻ります。ひどい日にやることは別枠にして、固定した1分半とは分けてください。混ぜると、固定していた側まで一緒に崩れます。

回数の目標も立てないほうがうまくいきました。30回を全部やろうとすると、抜けた日に「もう崩れた」と感じて、そこから戻れなくなります。実際に必要なのは全部ではありません。次の章で書くとおり、この1か月に固定できたのは22回でしたが、それでも次の予約日には返ってきました。習慣として置いておきたいのは回数ではなく、帰宅後に迷わないという状態のほうです。

トリミングの仕上がりが先にくたびれる場所から、帰宅後の5分の中身を逆算する

固定する2か所は、自分では決められませんでした。決めたのは、トリミングのときに言われた「うしろのほう」という一言です。前回のトリミングと比べてどこが違ったかを教えてもらえるのは、サロン通いをしている人の特権のようなところがあります。その1か所を、次の1か月で固定する場所にしました。

実際に触ってみると、うしろのほうというのは2か所に分かれていました。尾のつけ根と、後ろ足の内側です。どちらも散歩のあいだに、地面に近い高さで外のものが当たり続けて、しかも自分では届きにくい場所です。室内に戻ってから寝る姿勢でつぶれるのも、この2か所でした。前脚や背中は、こちらが何もしなくても30日で大きくは変わっていませんでした。

  1. 玄関を上がる前に、立たせたまま四つ足の先を1周する

    ここは以前からやっていたところです。変えたのは、汚れているかどうかを見ないことだけ。見て判断すると、そこで手が止まります。見ずに1周して、20秒で終わらせます。

  2. 尾のつけ根に、毛の流れに沿って一往復

    上から下へ、押し込まずに一往復です。戻す方向にこすらないでください。流れを残すためにやっているので、逆に当てると、その日の帰宅後の数分がそのまま逆効果になります。15秒です。

  3. 後ろ足の内側を、片側ずつ一往復

    その子を持ち上げません。立ったまま、こちらがしゃがんで横から手を入れます。持ち上げると嫌がられて、翌日からの30回が続かなくなります。左右で30秒。

  4. 終わりの合図を、毎回同じにする

    背中を2回、軽くたたいて終わりにしました。合図を固定すると、その子の側でも終わりが分かります。ここまでで1分半です。時間があれば全身にブラシを入れますが、それは別枠として数えません。

帰宅後の手順に乾かす工程を入れなかったのは、30回を1回も落とさないためです。乾かす時間が乗った日は続けられても、翌日には「昨日やったから今日はいい」に戻ります。使っているのは、mofuwaのグルーミングスプレーを含ませた布です。サロンで整えてもらえるのは月に1回で、残りの29日に体から出る脂は、その日ごとに片づく形にしておくしかありません。グルーミングスプレーは、その29日の側に置いてある道具です。尾のつけ根と後ろ足の内側を一往復して、45秒で終わります。原料は電解水で、余分な皮脂が乳化して布のほうへ移るため、すすぐ工程が手順に入りません。布は玄関に置いた同じものを使い、帰宅後に取りに行かなくて済むようにしました。室内に上がってから道具を探す時間があると、そこで1回抜けます。

においについても書いておきます。この2か所は、その子が長く座る場所と接するので、室内でにおいが気になりはじめる場所とほぼ重なります。散歩後のケアを固定してから、帰宅後30分たったころの室内のにおいが、前の月より気にならなくなりました。においを目的にして始めたわけではありませんが、手を入れる場所が同じだったので、結果として一緒に動いた形です。

22回で、次のトリミングの日に返ってきた|散歩後のケアを1か月続けた経験

記録は、カレンダーに丸を1つ書くだけにしました。やったかどうかだけで、時間も内容も書きません。書くことが増えると、書かない日ができて、書かない日はやらない日になります。1か月で丸がついたのは22日でした。30回には届いていません。

固定する前の1か月と、固定したあとの1か月
前の月固定した月変えたこと
帰宅後に手を入れた日13日22日やるかどうかを決めるのをやめた
1回の平均2分ほど1分半むしろ短くなった
ブラシを入れた日4日5日ほぼ変えていない
抜けた日の理由汚れていないと判断した帰りが22時を過ぎた日判断ではなく時間だけになった
次の予約日に言われたことうしろがくたびれているうしろも前回のまま残っている—

抜けた8日は、全部が帰宅の遅い日でした。判断で抜けた日はゼロです。ここが前の月といちばん違ったところだと思っています。やる・やらないを毎回考えていたころは、抜けた理由を思い出せませんでした。固定してからは、抜けた日の理由が1種類になったので、次に手を打つとしたらどこかもはっきりします。

次のトリミングの日、担当の方には「うしろも前回のまま残っていますね」と言われました。こちらが1か月でやったのは、1分半を22回だけです。合わせて33分ほどで、サロンでの2〜3時間には遠く及びません。それでも、次の予約日に見えていたのはこの33分のほうでした。1回あたりの差が見えないものは、見えないまま積み上がって、まとめて出てきます。

同じやり方をそのまま持ち込む必要はありません。固定する場所は、前回のトリミングで言われた1か所から決めてください。うしろとは限りませんし、家によって違います。散歩後のケアの中身を自分で考えようとすると決まりませんが、月に1回、外から言われる一言があるので、それをそのまま使えます。サロン通いをしている人は、この一言を毎月受け取れる場所にいます。

Caution毎日の積み上げでは動かない変化は、動物病院にご相談ください

同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、触ると避ける場所が増えた、においが日を追って強くなる、抜ける量が急に増えた、耳を振る回数が増えた。こうした変化は、帰宅後の数分を30回そろえても、そのままでは動きません。手を入れる回数を足す前に動物病院にご相談ください。前回のトリミングからの週数と、どこを毎日触っていたかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

最後に、この記事でいちばん言いたかったことをもう一度書きます。整えた状態を崩しているのは、月に1回のほうではありません。そのあいだにある30回の帰宅後です。1回ぶんでは見えないので、毎回やらない理由が正しく立ちます。だから、判断を外して中身を固定する。散歩後のケアは、次の予約日に返ってくるまで手ごたえのない習慣ですが、返ってきたときには、1か月ぶんがまとめて見える形になっています。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。