C02技術・エビデンス

アルコール消毒がペットに向かない場面

公開日 2024年10月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の木の床に座っている、淡い色の子犬
乾くまでの数十秒に、その子の舌が届くかどうか。場面を分ける線はそこにあります。写真:Helena Lopes/Pexels

アルコールを含んだシートで床をひとふきしたあと、その子がまっすぐ歩いてきて、同じ場所のにおいを確かめはじめた——という場面があります。ペットと暮らす家では、拭いてから乾くまでのあいだに、たいてい誰かが通ります。アルコールは乾けば残らない、という性質を持っています。その性質そのものは弱点ではなく、むしろ扱いやすさの理由です。ただ、乾くまでの数十秒に舌が届く場所と、毛が風をふさいでいて乾き切らない場所では、その性質が前提として成り立ちません。この記事では、アルコールとは何をしてどこへ行くものなのか、乾くまでの時間が何で伸びるのか、そして毛のある場所で前提が崩れるのはどこなのかを、7つの問いに分けて書きます。洗濯物が乾く条件を思い出しながら読んでください。

アルコールとは、何をして、そのあとどこへ行くものですか

掃除やケアの場面で出てくるアルコールは、エタノールやイソプロパノールと呼ばれるもののことです。いちばん大きな性質は、水よりも早く空気に出ていくことです。だから拭いたあとに、布のあとが残らず、べたつきもしません。仕事をしているのは、濡れている数十秒のあいだだけで、その時間が終わると、その面には何も乗っていない状態に戻ります。

この「あとに残らない」という性質は、ペット用品の売り場では強みとして書かれます。拭き取りの工程を足さずに済み、器具の上に膜ができません。残らないという性質と、働ける時間が短いという性質は、同じ1つの事実の裏表です。片方だけを取り出して読むと、場面の切り分けができなくなります。

ペットと暮らす家で問題になるのは、その数十秒に何が起きるかです。人だけの家なら、拭いて次の作業に移るまでに乾いています。犬や猫がいる家では、拭いた面にいちばん早く近づくのがその子だという場面が、ふつうに起きます。においを確かめるために鼻を寄せ、そのまま舌が出る。時間の勝負になっているのは、ここです。

乾くまでの時間は何で変わりますか|洗濯物が乾く条件と同じでした

洗濯物が乾くまでの時間は、干し方で大きく変わります。風が抜ける場所に間隔をあけて干せば、薄いシャツは先に乾きます。厚いタオルを重ねて部屋の隅に干せば、外側は乾いているのに内側が湿ったままになります。水の量が同じでも、風と厚みで結果が変わる。アルコールが飛ぶまでの時間も、この2つで動きます。

同じ量を使っても、乾くまでの時間が変わる条件
条件乾くまでの時間家のどこで起きるか
風が抜ける・面が平ら短い(想定されている状態)テーブル、フローリング、器具の外側
風が止まっている伸びるケージの隅、家具のすきま、寝床の内側
布や毛が重なっている内側だけ残る被毛の根元、クッションの縫い目
量を多く乗せた面の上に液が残る時間が伸びるひと吹きを重ねたとき

この表で見てほしいのは、上の行だけが製品の想定に近いということです。売り場の説明が前提にしているのは、風が抜ける平らな面です。その前提のところでは、短く働いてすぐ消えるという設計が成り立ちます。下の3行に移った時点で、乾くまでの時間は書かれている想定から外れていきます。

アルコールをペットのいる家で使うときの疑問は、ほとんどがこの時間の長さから出てきます。「どれくらい待てば大丈夫ですか」という問いが多いのは、待つ時間が場所ごとに違うからです。洗濯物と同じで、乾いたかどうかは表を触って決めるより、風が通っていたかどうかで見当をつけるほうが近くなります。

乾く前になめてしまったら、という疑問はどこに置けばいいですか

ここは、量や体への影響を家で見積もる話にはしません。書けるのは、表示のほうの事実です。ペット用として売られている拭き取り用品の多くは、口に入ることを前提に濃度を決めているわけではありません。用途欄に書かれているのは、どの面に使うかであって、なめられた場合にどうなるかではありません。前提の外に出ている、というのがこの場面の正確な言い方です。

4つ目が、いちばん現実的です。乾くまでの時間を短くできないなら、その時間にその子が近づかない段取りにする。アルコールが向かない場面というのは、製品の性能の話ではなく、段取りが組めない場面の話です。ケージの中、寝床のそば、食器のまわり、それに口のまわり。この4か所は、待つ時間をこちらで確保しにくい場所です。

念のため書き添えると、なめてしまったあとに家で判断する材料はありません。飼い主が持っているのは、いつ・どこを・どれくらい拭いたかという記録だけです。いつもと違う様子が続くときに役に立つのはその記録なので、使った製品のボトルを残しておくほうが早い、という程度の備えになります。

毛のあるところで、アルコールの前提が崩れるのはなぜですか

被毛は、風をさえぎる層です。だから体温が保たれるわけですが、同じ理由で、毛の中は風が通りません。毛の上に吹いたものは、外側の毛から先に乾き、根元に下りた分は湿ったまま残ります。厚いタオルを重ねて干したときの内側と、起きていることは同じです。ここで、短く働いてすぐ消えるという前提が成り立たなくなります。

もう1つ、毛の下には地肌があります。犬や猫の皮膚は、人の3分の1ほどの薄さとされています。短い時間で消えるはずのものが、風の通らない層の中にとどまる場所として、毛の根元はいちばん条件が悪いところです。ペット用の表示で「地肌に直接使わない」と書かれているものがあるのは、この条件を織り込んでいるからです。

そして、毛は移動します。足先とおなかの毛は床に触れ、その子は毛づくろいで同じ場所を舌で通ります。面に使ったものが、毛を経由して口に届くという道があるのは、この運び手がいるからです。床を拭くときに乾くまでの時間を考えるのは、床のためではなく、この道をふさぐためです。

試験の数字は、水の側について何を言っているのですか

アルコールを使わない側、つまり電解水についても、数値は公開されています。当社の電解水は、16の菌種を対象にした試験で、試験時間30〜60秒後に生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所/日本食品分析センターほか)。試験条件は、容器の中で菌の数と時間をそろえて測る形です。検査機関の名前が併記されているのは、条件を決めた側と測った側を分けて示すためです。

この数値から言えないことも、はっきりしています。測ったのは容器の中で、家の床や被毛の上、まして時間がたったあとは試験条件に入っていません。生菌という言い方も、増える力が残っていたものだけを数えた結果です。数値の外側を先に置いておかないと、乾くまでの時間の話と、試験の秒数の話が混ざります。

ひと吹きしたあと、面の上で進んでいく時間 アルコールの側は、乾いた時点で面から消えます。水の側は残りますが、そこで何が起きるかは試験条件の中でしか測られていません。 秒数は場所の条件で伸びます。平らで風が抜ける面が想定されています 0秒 面が濡れている どちらの側も、ここから始まります 30〜60秒 試験で検体を採る時刻 容器の中で条件をそろえた記録です 数十秒〜数分 アルコールが飛ぶ 風と厚みで、この幅が伸びます その先 測っていない時間 毛の根元も、翌日も記録がありません
どちらの側も、見ているのは短い時間です。待てる段取りがあるかどうかが分かれ目になります。

水の作り方については、番号が公開されています。三室ダブルイン型の電気分解は特許5253483として登録されていて、電解槽が3つの部屋に分かれているため、電解質に由来する不純物が水に入りません。ここで1行引いておきます。登録されているのは水の作り方で、できた水が何をするかは、特許の審査が見ている対象に入っていません。番号から、なめられた場面がどうなるかは読めません。

口のまわりに使うものは、表示のどこで見分けますか

見るのは、濃度やアルコールの有無より先に、成分の並びと用途欄です。成分表示は多い順に並ぶので、2行目や3行目にエタノールが来ていれば、その製品はアルコールで仕事をさせる設計です。1行目が水で、そのあとが短ければ、水の側に仕事をさせる設計になります。どちらが良いという話ではなく、待てる段取りがあるかどうかで選び分ける対象になります。

舌が通る場所に置く1本として使えるのが mofuwa スキンケアミストです。中身は高機能性電解酸化水100%で、あとから成分を重ねていません。水の中身は、口に入る水を測るための規格に照らして調べられています(江東微生物研究所)。乾くまで待つ段取りを組めない場所のために、そもそも待つ必要のない中身を選ぶ、という考え方です。アルコールが面の上から飛んでいく側なら、こちらは毛の根元へ浸透して残る側です。残るほうが不安に見えるかもしれませんが、残るものが水であれば、乾く時間を勘定に入れずに使えます。

  1. アルコールを使う面と、使わない面を先に分ける

    風が抜ける平らな面はアルコールの想定どおりの場所です。ケージの中や寝床のそばは、待つ時間を確保しにくい側に入れます

  2. その子が最初に通る場所から順に、水の側へ移す

    食器のまわり、寝床、口のまわり。段取りが組めない順に入れ替えていきます

  3. 毛の根元は、分けてから当てて押さえる

    スキンケアミストを筋の底へ当て、乾いた布で押さえます。こする力は足しません

この3つで、家の中の面が2つに分かれます。待てる面はアルコールのままで構いませんし、待てない面だけを入れ替えれば済みます。全部をやめる必要はありません。書ける範囲もここまでで、スキンケアミストがにおいや皮膚の状態をどうするかを約束するものではありません。皮膚に赤みやかさつきが出ている場所は、拭く手を増やすより先に見てもらうほうが早いことがあります。

ペットの様子を見て、家の判断から外す目安はどこですか

この記事が数えているのは、乾くまでの時間、待てない面の数、そしてその子が同じ場所をなめる回数の3つです。この3つのうち2つが同じ週に動いたときは、拭き方の組み替えより先に、体のほうを見る週になります。とくに、同じ1か所をなめる回数が増えているときは、面の話から離れています。

受診のときに役に立つのは、いつ・どこを・何で拭いたかという記録と、その回数です。強さや量を言葉で伝えるより、面の数と回数を書き出したメモのほうが早く伝わります。動物病院で聞かれるのも、たいていそちらです。家では、待てる面と待てない面を分ける作業を続けながら、数えたものを持っていってください。

7つの答えを、風と厚みの2つに畳む

通しで整理します。アルコールは乾いた時点で面から消えるので、働けるのは濡れている数十秒だけです。その数十秒は、風が止まっている場所と、毛や布が重なっている場所で伸びます。毛の根元は風がもっとも通らない場所で、そこには舌が届く道もありました。ペット用品の表示は、なめられた場合を前提に濃度を決めているわけではありません。

持ち帰る形は、洗濯物と同じ2つです。風が抜けるか、重なっていないか。この2つがそろっている面は、アルコールの想定どおりに使えます。そろわない面だけを水の側へ入れ替える。全部を替えるより、線を1本引くほうが続きます。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。