C09シーン別・暮らし
ドッグカフェを楽にする、シニア猫と暮らす人の毎日の習慣
日曜の午後にドッグカフェで90分過ごして、家に帰って玄関で犬の足を拭き終えた直後、その犬は居間を横切って窓辺のクッションへ一直線に向かいました。そこには、うちの老猫が座っています。朝からその場所にいて、たぶん夕方までそこにいます。犬は鼻先をクッションの縁に押しつけて、10秒ほど動きませんでした。それを見て、順番を取り違えていたことに気づきました。外から持ち帰ったにおいの行き先は、家じゅうではありません。家の中でいちばん動かない一角です。老猫は一日の大半を同じ場所で過ごすので、その一角だけが、持ち込まれたものを受け取り続けます。この記事は、ドッグカフェの日に手を入れる先を、犬の体から場所のほうへ移した話です。
帰ってきた犬が、まっすぐ向かう先は決まっていました|ドッグカフェの日に老猫の一角で起きていることの背景
犬と猫の両方と暮らしていて、出かけるのは犬とだけ、という家は珍しくありません。うちもそうです。ドッグカフェへ行くのは犬で、老猫は留守番でもなく、ただいつもの場所にいます。行く前と帰ったあとで、老猫のいる位置は変わっていません。そこが、この話の出発点です。
帰宅後に犬がどこへ行くかを、しばらく数えてみました。玄関を上がってから最初に足を止めた場所を、ドッグカフェへ行った日だけ書き出す。10回のうち9回は、窓辺のクッションでした。水を飲みに行くより先、自分の寝床へ行くより先です。クッションの上には老猫が座っています。犬は鼻先を近づけて、数秒から十数秒そこにいます。追い払う理由がなかったので、そのままにしていました。
老猫のほうは、逃げません。若いころなら立ち上がって別の部屋へ移っていた場面ですが、いまは体の向きを少し変えるだけです。動かないというより、動く必要のある場所が減っています。一日のうちで移動するのは、水の器と、トイレと、ごはんの3か所。あとの時間はほとんどそのクッションの上です。合計すると、一日の大半をひとつの一角で過ごしていることになります。
- 犬が最初に足を止める場所:ドッグカフェから帰った日は、10回中9回が老猫のいる一角でした
- その場に鼻先を寄せている時間:数秒から十数秒。行かなかった日より明らかに長くなります
- 老猫が動く先:水の器・トイレ・ごはんの3か所。それ以外の時間はクッションの上です
- クッションに接している体の面:横になる向きがだいたい決まっているので、当たる面も決まっています
- 人が掃除をする場所:床と犬の寝床は毎週。老猫のクッションだけ、猫がいるので後回しになっていました
鼻先を寄せる行動そのものを問題にしているわけではありません。止めようとすると、こちらが玄関から居間まで犬を見張り続けることになります。ドッグカフェから帰った日にそれをやると、疲れて続きません。それに、老猫の側も強く嫌がってはいませんでした。行動を止めるのではなく、その行動の先にある場所のほうへ手を入れる、というのがこの記事の組み立てです。
家でいちばん動かない場所に、外のにおいが降ろされる理由|老猫の行動範囲とドッグカフェ
犬がまっすぐそこへ行くのには、理由があります。その一角は、家の中でにおいがいちばん濃い場所だからです。老猫が一日中そこにいるので、家の基準点のようになっています。外から帰ってきた犬は、まず基準点を確認しにいきます。ドッグカフェのように知らない犬と人が大勢いた場所から戻った日ほど、確認は長くなります。
ここで起きているのは、量の問題ではありません。ドッグカフェで90分過ごした犬が持ち帰る量は、公園を1時間歩いた日と大きくは変わらないと思います。違うのは、それがどこへ降ろされるかのほうです。犬が家じゅうを歩き回れば、持ち帰ったものは薄く広がります。ところが、帰宅後にまず一角へ行って十数秒そこにいれば、その一角に集まります。しかも老猫は動かないので、翌日も同じ場所にあります。
| 若い猫のいる家 | 老猫のいる家 | |
|---|---|---|
| 猫の居場所 | 一日のうちで何度も変わる | ほぼ動かない。同じ一角にいる |
| 犬が確認しに行く先 | その日ごとに変わる | 毎回同じ場所になる |
| 降ろされたものの行方 | 猫が移動するので薄く散る | 同じ一角に重なっていく |
| 布に当たる体の面 | 寝る向きが日ごとに変わる | 向きが決まっていて、当たる面も決まる |
| 猫の毛づくろい | 届く範囲が広い | 届く範囲が狭くなり、人が代わる面が増える |
| 人が気づくきっかけ | 猫が場所を変えるので目に入る | 動かないので、掃除の順番から抜けやすい |
表の下から2行目が、老猫の家でいちばん効いてきます。毛づくろいで口が届く範囲は、年齢とともに狭くなります。背中の真ん中、腰、尾のつけ根、後ろ足のつけ根。このあたりは、老猫が自分で手入れしきれなくなる面です。そして、その面はたいてい、クッションに接している面と重なります。自分で届かない場所が、いちばん長く布に当たっている。この2つが同じ場所で起きています。
被毛の見え方にも出ます。同じ面が同じ布に当たり続けると、毛の流れがその向きのまま寝たままになります。ブラシを入れると起きますが、数時間で戻ります。これは手入れの回数が足りないというより、接している時間が長いという条件の話です。皮膚の側で何かが起きているかどうかは、見た目だけでは分かりません。地肌の色や、なめる回数が変わっているときは、布に接していた時間の話とは切り分けて考えてください。
整理すると、ドッグカフェの日に困っているのは犬ではありません。困っているとしたら、動かないほうの子がいる一角です。持ち込む側は毎回変わりませんが、受け取る側が固定されている。ここが、犬と老猫が同じ家にいるときの条件です。
手を入れるのは犬ではなく、老猫が動かない一角のほう|ドッグカフェの日の考え方
そこで、手当ての先を入れ替えました。ドッグカフェから帰った日に犬へ足していた手をやめて、一角の側を手当てする。犬の体は毎回きれいにできますが、翌週にはまた同じ状態でドッグカフェから帰ってきます。一角のほうは、手を入れたぶんがそこに残ります。老猫が一日の大半を過ごす場所なので、残るという性質がこちらに有利に働きます。
一角を、3つの層に分けて考えます。いちばん上の布、その下のクッション、そして床。層ごとに、手を入れる間隔を変えます。全部を同じ日にやろうとすると、老猫をどかすことになります。老猫を動かさないというのが、この方法の唯一の条件です。
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いちばん上に、1枚だけ布を敷いておく
クッションの上に、洗える布を1枚かぶせます。これが交換する層です。まったく同じものを2枚用意しておくのが要点で、片方を洗っているあいだ、もう1枚が出ています。老猫は、敷いてあるものが変わると乗らないことがあります。同じ布を2枚にしておくと、その問題が起きません。ドッグカフェへ行く日は、出かける前に1枚を洗っておきます。
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老猫が水を飲みに立った30秒で、布だけ抜き替える
抱き上げて場所を空けさせない、というのがいちばん大事なところです。老猫が自分で立つ時間は、一日に何度かあります。水を飲みに行く、トイレへ行く、ごはんの音がする。その30秒で、上の1枚を抜いて、乾いた1枚を敷きます。戻ってきた老猫は、たいていそのまま乗ります。ドッグカフェの日は、帰宅後の最初の30秒がその機会になることが多いです。
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その下のクッションは、週に1回だけ手を入れる
毎回洗える形ではないので、間隔を空けます。老猫がごはんを食べているあいだに、表面を一方向になでて毛を集め、においの元に働きかける無香料タイプのスプレーを軽く当てておきます。mofuwaの瞬間消臭スプレーは電解水だけでつくられていて、香りを上書きしません。猫は自分のにおいを好むので、上書きされること自体を嫌がります。成分は、清涼飲料水に求められる規格基準を満たすところまで見られています。老猫が顔をつけて眠る面に当てるので、そこまで見られているかどうかで選びました。
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床は月に1回、一角の半径1メートルだけ
部屋全体ではなく、一角のまわりだけです。犬が鼻先を寄せに来るとき、足は床にあります。降ろされているのはクッションの上だけではありません。範囲を半径1メートルに区切ると、月1回でも実際に終わります。部屋じゅうを対象にすると、たいてい先延ばしになります。
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老猫の体に触れるのは、布に当たっていた面だけ
腰から尾のつけ根にかけての、下になっていた側です。猫用のmofuwaグルーミングウォーターを布に含ませ、毛の流れに沿って一往復させます。これは犬猫用のグルーミングスプレーをもとに、猫向けに水のイオンを少し調整して、容器をチューチューボトルに替えたものです。スプレーの音を嫌がる猫がいるという声から形が変わった商品なので、押し出すときに音が出ません。クッションの上で目を閉じている老猫の横で、起こさずに布を湿らせられます。布に含ませて当てるところまでで終わり、すすぎも拭き取りもありません。一往復させた面は、そのあと老猫が自分で毛づくろいをする面です。口に入ることを前提に成分が決まっているので、含ませる量を控えなくて済みます。老猫は触られている時間そのものが体力を使うので、面を絞ります。ドッグカフェの日に増やすのではなく、曜日で決めて毎日の中に置くほうが、結果として続きます。
| 層 | 間隔 | 老猫を動かすか |
|---|---|---|
| いちばん上の布 | ドッグカフェへ行った日と、決めた曜日 | 動かさない。立った30秒に抜き替える |
| クッション本体 | 週に1回 | 動かさない。ごはんのあいだに表面だけ |
| 床(半径1メートル) | 月に1回 | 動かさない。歩いている時間に済ませる |
| 老猫の体(下側の面) | 曜日を決めて週に1〜2回 | 動かさない。座っているまま一往復 |
| 犬の体 | ドッグカフェの日も、いつも通りでよい | — |
最後の行が、この考え方のいちばん言いたいところです。ドッグカフェの日だからといって、犬に手を足していません。足すのをやめたぶん、帰宅後にこちらの手が空きます。空いた手を、動かないほうの子がいる一角へ回す。ドッグカフェへ行く日に、家の中でやることが増えないという形になります。
一角の布を1枚替えた週から出た変化|老猫とドッグカフェを重ねた毎日のケア
4週間続けて、記録に残ったことを書きます。まず、変わらなかったほうから。ドッグカフェから帰った犬が、まっすぐ老猫の一角へ行くことは変わりませんでした。10回中9回という割合も、ほとんど動いていません。これは家の基準点を確認する行動なので、こちらが場所を掃除したくらいでは変わらないのだと思います。
変化が出たのは、老猫の側でした。クッションの上で過ごす時間が、ドッグカフェへ行った日の夕方だけ短くなっていたのが、短くならなくなりました。始める前は、犬が鼻先を寄せたあと、しばらくして老猫が立ち上がり、廊下の隅へ移ることが週に1、2回ありました。布を替えるようになってから、その回数が減りました。因果を言い切れるほどの記録ではありませんが、こちらが手を入れた場所と、変化が出た場所は一致しています。
| 見ていたこと | 始める前 | 4週間後 |
|---|---|---|
| 犬が最初に向かう先 | 10回中9回が一角 | 10回中9回が一角(変わらず) |
| 犬が鼻先を寄せている時間 | 数秒〜十数秒 | 短くなる日が出てきた |
| 老猫が夕方に一角を離れる回数 | 週に1〜2回 | 4週間で1回 |
| 下側の面の毛の流れ | 寝たまま戻りにくい | 一往復した日は流れが起きている |
| 人が布を替えるのにかかる時間 | — | 30秒。老猫を動かさずに済んでいる |
毎日のケアという形にするために、曜日を決めました。ドッグカフェへ行った日と、行かない週の水曜日。行かない週にも同じことをするのは、一角が受け取っているのがドッグカフェのにおいだけではないからです。散歩から帰った日も、来客があった日も、降ろされる先は同じ場所です。ドッグカフェの日だけの手当てにすると、行かない週にたまります。クッション本体に瞬間消臭スプレーを当てるのも、同じ水曜日にまとめました。曜日で決めておくと、当てたかどうかを思い出す必要がなくなります。
- 家でできること:布を2枚用意して、立った30秒で入れ替える。老猫を抱き上げずに済むのが、この方法の中心です
- 家でできること:一角の半径1メートルだけを掃除の対象にする。範囲を区切ると、月1回でも実際に終わります
- 家でできること:下側の面だけを、曜日を決めて一往復する。老猫は触られる時間そのものが体力を使います
- 家でできること:犬に手を足すのをやめる。ドッグカフェの日に増やさないと決めると、続きます
- 家ではできないこと:皮膚に出ている変化の理由を決めること。地肌の色や、なめ続ける行動は、手入れの回数の問題として扱わないでください
- 家ではできないこと:動かなくなった理由を年齢だけで説明すること。移動が減ったこと自体が、見てもらう材料になります
下側の面の地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている、被毛が一部だけ薄くなっている、触ると声を出す、水を飲む量が変わった、一角から動く回数がさらに減った、食べる量が落ちている。こうした変化があるときは、布を替える頻度を上げる前に動物病院にご相談ください。老猫では、動かないことと、動けないことの区別が家では付けられません。ドッグカフェへ行った日付と、一角を離れた回数を書いた記録をそのまま持っていくと、いつから続いているのかをその場で見てもらえます。
犬とドッグカフェへ行く日は、これからも続きます。持ち帰る側は変えられませんが、受け取る側の一角は、こちらで整えられます。老猫が一日の大半を過ごす場所が、家の中でいちばんあとまわしになっていたというのが、4週間かけて分かったことでした。手を入れる先を犬の体から場所へ移すだけで、ドッグカフェの日に増える仕事はなくなります。
最後に一つだけ。この方法は、老猫が動かないことを前提にしています。前提そのものが変わったとき、つまりその子が一角から動かなくなる度合いがさらに強まったときは、掃除の話ではなくなります。布を替える手が30秒で済むようになったぶん、その子を見る時間が増えました。毎日のケアで残るのは、たぶんそちらのほうです。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
